西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2022年04月28日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
金太郎の服装を見て「隠す場所を絶対に間違ってるよなぁ」と思ったキングコング西野です。

さて。
今日は「今一度、クラウドファンディングを考える」というテーマでお話ししたいと思います。
結論は無いのですが「サービスは、いつも、こんな感じで設計してます」の共有です。
 

ほとんどの人がクラウドファンディングの使い方を間違える問題

僕が確実に支援しないクラウドファンディングの企画の特徴として「企画説明文が長い」というのがあります。

「私は鹿児島県で生まれて、…」みたいな、プロジェクトオーナーの誕生(自分語り)から始まる巻物のような説明文です。

皆さんも過去1000回は見たことがあるでしょう?
「はやく本題に入れよ(結論から話せよ)」という。

僕は、この巻物問題を時々取り上げては、「自分の信用度と、自分に許されているプレゼン時間をキチンと見極めろ」と言うのですが、これには皆さんから共感いただきます。

ところが、そこで「そうだそうだ!どこ馬の骨とも分からないオッサンの長文を誰が読むんだよ」と言っていた人が、自分でクラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げることになった時に、「私の生まれは大分県で…」と巻物芸を炸裂されることが少なくありません。

「いやいや、だから素人の長文なんて誰も読まないってば!」と指摘すると、「あぁ、やってしまった…。分かってたハズなのに…」と膝から崩れ落ちる始末。

「見られる仕事」に就いていない人からすると、自分を客観視することは、どうやら難しいみたいです。

「頭が悪すぎる」と斬り捨ててしまうこともできるのですが、もう少しだけ寄り添って考えると、クラウドファンディングをやるほとんどの人が「生まれて初めてクラウドファンディングをやる」ということも要因になっているのかもしれません。

つまり、蓄積された知識や技が無い。
文章の構成も、リターンの設計も、「こんな感じでいいのかなぁ」と“当てずっぽ”です。

とくに多く見受けられるのが、目標金額を達成することが目的になってしまい、「目標金額に届かせる為に原価の高い(時間がかかる)リターンを次々と追加してしまって、利益(活動に充てる予算)が残らない」という失敗です。

『リターン貧乏』とでも謂いましょう、「それだったら、マクドナルドでアルバイトした方がよっぽどコスパが良いよ」というリターンを用意してしまうプロジェクトオーナーがいます。
#知床遊覧船もこの失敗をしていた

経営者であれば、このあたりの原価計算は当たり前のようにしますが、皆が皆、経営者ではありません。

こんな話は10年前に40万回ぐらいしたのですが、どっこい、大学を出たらトコトン勉強しない(アンテナを立てない)のが日本人です。

今僕が受け入れないきゃいけないのは、少し悔しいですが「どれだけ説明しても伝えきれない」ということかもしれません。

 

前提を変えなきゃいけない

今、「クラウドファンディングのプラットフォームを作りませんか?」というお話しをいただいているのですが、上記の理由で踏みとどまっています。

巻物病や、リターン貧乏を量産している今のクラウドファンディングの形を、もう少し改善できないものか?と。

クラウドファンディングの設計に関しては「ちょっとは頭を使えよ」と言うことが、そもそもの間違いで、「プロジェクトオーナー1年生は、とにかく頭を使わない」という前提で再設計することが重要なのかなぁと思っています。

たとえば、「プロジェクトの説明文を140文字以内にする」とか、
たとえば「目標金額の設定上限を1万円にする」とか、
たとえば「リターンは御礼メッセージのみにする(=リターンは設計できない)」とか。

そういった“縛り”を付けてみる。

そうすることで、大口のクラウドファンディングは、ここではやらないだろうし、もっと、カジュアルな「カンパ」みたいなノリになる。

いっそのこと、サービス名を「カンパ」にしてもいいかも。

この時の問題として、“縛り”をつけたことによって、内容チェックの運営コストに関してはグッと下げられるけれど、有象無象のプロジェクト申請がきて、その中には、権利を侵害するような企画が混じっていたりするので、そっちのチェックが大変になる。

サービスとして「カンパ(仮)」を走らせるには、このあたりがネックになってくるなぁとボンヤリ思っています。

とにもかくにも、リターンが無い(リターンは御礼メッセージだけ)のクラウドファンディングが作れると、もっと生きやすい世の中にできるなぁと思っています。

このへんは引き続き探っていきたいと思います。
また進展があれば、共有します。

現場からは以上でーす。

【追伸】

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2022年04月27日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
金太の大冒険』という歌で子供の頃に腹筋が千切れるほど笑った記憶があったので、あらためて聴いてみたところ、壊滅的に面白くなくてビックリしたキングコング西野です。
 
https://www.youtube.com/watch?v=4hsvinS01vg
 
さて。
今日は『生活圏を再設計する』というテーマでお話ししたいと思います。
これまでの考えを整理するような回です。
 
 

分からないものは分からない
 
暇だったので、世界の国々(約200ヵ国)の出生率を調べてみたところ、日本の出生率は「1.36」で186位でした。 
#2019年のデータです

出生率というのは、女性1人が一生で出産する子供の平均数のこと。

1位はニジェール共和国(西アフリカの国)で、なんと「6.82」らしいので、今から荷物をまとめて、明日からはニジェールに住むことにします。

冗談はさておき、ニジェールニジェールで、砂漠化や食料問題、貧困問題といった様々な問題を抱えているので、「子供がたくさん生まれているから未来は明るいよねー」という話でもなさそうです。
現時点で僕が確実に分かっていることは、「ニジェールのコトはよく分からない」ということです。

ニジェールに限らず、僕は世界のほとんどの国に行ったことがないので(※来週はドイツに行くよ)、世界のことはよく分かりません。

たぶん、ほとんどの人がそうだと思います。

憶測がベースにある戦略ほど空虚なものはなくて、僕が世界を議論したところで、的外れもいいところです。

他方、国関係なく“局地的に”分かっていることはあります。
ブロードウェイやハリウッドのルールは以前に比べてかなりクリアに見えてきましたし、フィリピンのトンド地区(スラム街)の子供達の人気者になるためには何をすればいいかも分かっています。
#バスケの1on1でタコ殴りにする

日本の地方(町起こし)に関しては、「挨拶に行く順番を間違えると『そんな話、俺は聞いてない!』というクレーマーに豹変する確率が89%」というデータもとれています。
#群馬流氷科学センター調べ
#挨拶は大事だし
#挨拶に行く順番も大事

僕みたいはアホ(処理能力が低い酔っ払い)は、そういった「明らかになっていること」だけに目を向けて、手を打っていけばいいのかなぁと思います。
身分相応の戦略とでもいいましょうか。
 
 

お金を使う場所を決める
 
日本において、もう1つ確実に分かっていることは、「人口が爆増したから生活圏をビロンビロンに拡げたというのに、人口が激減している」です。
#思てた展開と違うパターン

「10人の子を持つ女性と再婚することが決まったので、数十年ローンで超巨大な家を購入したのに、婚約破棄になっちゃった」みたいな感じです。
「一人暮らしの家にトイレが2つ」という非常事態です。

ここは確実に分かっていることで、そして、なんとかしなくちゃいけない問題です。

日本は今、拡げてしまった町を上手に畳む(コンパクトにしていく)ことが求められているわけですが、町を畳むことを求められた時代なんて、これまで誰も経験していないので、誰一人として「畳む技術」を持っていません。

様々な行政が今、あの手この手でコンパクトシティーを進めていますが、成功例は多くありません。
原因は以下の3つかなぁと思っています。

・引っ越しが面倒臭い
・行政の説明不足
・コンパクトにした時の旨味が想像できない(旨味が少ない)

「住めば都」とはよく言ったもんで、一度住み着いてしまうと、「あっちの方がいいよ」と言われても、「コッチはコッチで、それなりにやってますんで」と返してしまうのが人間で、
いつでも合理的な判断ができるわけではありません。
限界集落を捨てきれず、なんとかしようと思っちゃうんです。

とはいえ、この問題を先延ばしにすると、死ぬのは僕らです。
人口が減ることが決定している以上、どこかで「まとまる(近所に住み合う)」必要があります。

どうすれば上手くまとまる(コンパクトにできる)かなぁと考えたところ、いっそのこと、「お金を落とす場所を決める」というのは1つあるなぁと思っています。

「お金は“稼ぎ方”よりも“使い方”が大事」とよく聞きますが(ホントにそう思う!)、「何に使うか?」をもう少し掘り下げて、「“どの地域の”何に使うか?」まで決めちゃった方がいいのかなぁと思っています。

そして、その地域というのは「近所(自分の商圏)」の方がいい。

たとえば、「Amazonで2000円で売られていた『えんとつ町のプペル』が、近所の本屋では2200円で売られている」
この場合、どっちで買った方が、自分の取り分が大きいか?

値段だけ見るとAmazonで買った方がお得だけれど、近所の本屋さんはウチの店にもチョコチョコ来てくれる(お金を落としてくれる)。

原価とかはこの際一旦無視して、この時、本屋さんがウチの店で2000円を落としてくれたら、実質、200円で『えんとつ町のプペル』が買えたことになって、価格でいうとAmazonの10分の1。

どう考えたって、値段が高い近所の本屋さんで買った方がお得です。

この辺の議論って、僕たち、あんまりやってなくないですか?

たとえば、お店のオーナーさんは、従業員さんに支払った給料の使い先(使う場所)を指定してないじゃないですか?
従業員の給料は、見込み客のサービスに使ってもらった方が(見込み客の懐をフカフカにした方が)、お店の売り上げが上がるのに。

でも、現実問題、給料の使い道を指定することなんてできない。
「給料は○○に使え!」なんて、とても言えない。

だったら、従業員さんがお金を落としたくなるサービス(お店)を、自分のお店の近くに作ればいい。
あるいは、誰かに作ってもらえばいい。

そうすれば、グルグルまわります。

…みたいなことって、頭では分かっていても、おそらく目の当たりにしないと(体験してみないと)入ってこないと思うんです。

理屈はおそらく間違っていなくて、あと足りないのは、「体験」です。
お金が戻ってくる体験ができる場所の創造なんて、民間では誰もやらないから、僕がやろうと思って、全財産をブチ込んで、川西ではそんな実験をしています。

実験を続ける中で明らかになってきたのは、「近所であろうと、理念が合わない店には行かない」ということです。

なので、生活圏の再設計は「理念」を待ち合わせ場所にした方がいい(理念を待ち合わせ場所にした方が近所にお金を落とし合う)のかも…というのが今のところの結論です。

日本に住む全日本人に関係のあるテーマだと思うので、まだまだ実験を続けて、都度都度共有していきたいと思います。

現場からは以上でーす。

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2022年04月26日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
吉原光夫さんの才能の無駄遣いシリーズに完全にハマっているキングコング西野です。
#UHA味覚糖最高

※詳しくはコチラ→https://youtu.be/7JN4XhSAupE

さて。
今日は『知識とコミュニティー』というテーマで、少しヘビーな話をしたいと思います。
ここから先の内容は1年後もナイショでお願いします。
#具体的な内容を伏せて感想を呟いていただくのは大歓迎っす

※今日の内容は表で話すと無駄な炎上(感情論)が起きてしまうので、表では話しませんが、子供達も絶対に知っておいた方が良いことなので、今度の「【親子で学ぶ!】とっても大切なお金の話2022」でも話します。ご理解ください。

 

知床観光船事故について

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

今日一日は今回の事故で亡くなられた方や、残された御家族のことを想います。

そして、厳しい条件の中、今も、行方不明者の捜索にあたっている関係者の皆様の安全を心よりお祈り申し上げます。

【追伸】
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https://nishino73.thebase.in/items/60992497

 

 

 

2022年04月25日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
後輩のオリエンタルラジオ中田君から、「西野さんは『漫画』という文化をどう分析されているのですか?」と質問されて(アドバイスを求められて)「羨ましい!」と答えたキングコング西野こと「今すぐ先輩を辞めろ」です。

さて。
今日は『仲間を作ってから、仕事を作る…というパターンもあるよね』という話をしたいと思います。
 
 

チームの問題のほとんどは「人間関係」
 
昨日、ニューヨークマンハッタンでフィジカルセラピー(理学療法、日本だと接骨院のようなもの?)をやられているサロンメンバーさんとお話しさせていただいたのですが、そこでの話がとても面白かったので、共有させていただきます。

『ニシノコンサル』なるものをやっているので、コロナの影響や、時代の変化などなど様々な理由で、新事業を立ち上げられる方のお話を聞かせていただく機会が少なくありません。

冷静に考えるとそれは「必要に迫られて」やるわけで、「このジャンルなら誰にも負けないから、やる!」とは少し違います。

「コロナでお店に来るお客さんも減ったし、オンラインビジネスでもやった方が…」といった感じがほとんど。

中には、スンナリといく人もいますが、まぁ、大半は「得意でも何でもないこと」をやっているので、なかなか一筋縄にはいきません。

「オンラインで一人でやる」となると、敵は、HIKAKINさんだったり、ホリエモンさんだったり、ひろゆきサンだったり、カジサックだったり、オリラジ中田君になるわけで、オンライン一騎討ちはどう考えても分が悪い。

兵法の基本は「戦わない」で、最悪戦うことになったら「確実に勝てる相手と戦う(確実に勝てる状況で戦う)」です。

『ニシノコンサル』では、「一か八かの勝負はやめましょう!」と、よく言っています。
「貧すれば鈍する」というやつで、追い込まれた人は博打に走る傾向があります。

そんなこんなで、僕の「○○をしましょう」という提案は、いつも地味で、面白味にかけて、クライアントさんは(声に出さないまでも)「え? そんなこと?」と少し落胆しているようにも見えます。

そんな中、今回のクライアント(サロンメンバー)さんです。

いろいろな事情があって、新しい事業を始める(新しい収益源を確保する)ことを決められたわけですが、話を聞いていると、これまで仕掛けたアクションは、オンライン一騎討ちよりのアクション(インフルエンサービジネスみたいなやつ)が少し多めでした。

「敵が強すぎるし、多すぎる(しかも次から次へと誕生する)戦場なので、そこにうって出るのは(個人プレーは)辞めて、もっと、『チーム』や『癒着』や『コミュニティー』に目を向けましょう」とお話をさせていただきました。

強い結束(癒着)で生きる「印僑」や「華僑」を見習った生存戦略ですね。

「コミュニティー」の話はいつもしているので、今日は、それよりワンサイズ小さい「チーム」の話にスポットを当てたいと思うのですが…

個人戦では勝てないから、チーム戦で」とは言うものの、チームの問題のほとんどは『人間関係』だったりします。

「なんで、この人は、言われるまで動けないんだろう?」
「なんで、この人は、愚痴ばかりこぼすんだろう?」
「なんで、この人は、自分の取り分しか考えないんだろう?」 

…といった。
今現在、この問題に頭を悩ましている人は少なくないと思います。

個人的には、これらの問題が起きてしまう原因は「その仕事が苦手だから」に尽きると思っています。
スイスイと結果を出せていたら愚痴は出ないし、「まわりを勝たせることが自分を勝たせることに繋がる」という考え(お金や信用のリテラシー)を持つことが得意であれば、相手の取り分もキチンと考えるハズです。

そう考えると、最大のエラーは「スタッフのスキルや適性・キャリアなどを踏まえて適材適所に配置する人事マネジメント」のミスだと言えるわけですが、しかしながら、現実には“リーダーが意図しない人材配置”があります。

これが、コロナや、時代の変化によって、仕事内容を変えざるをえなくなったチームに起きている問題です。

昨日まで「店頭での販売員」をやっていたスタッフが、会社(チーム)の存続の為に、YouTubeのサムネイルを作る仕事を任される…といった。

この時、販売員のスキルがまったく使えず、その結果、人間関係のもつれに繋がります。

この問題は、変化が激しい時代を生きる僕らにとって、まったく他人事じゃありません。

どうして、こういったことが起きるかというと、「仕事(やること)を決めてから、その仕事に向いている人を選んでいるから」で、それは、その部分だけを切り取ると実に合理的ではあるのですが、その一方で、仕事内容が変わった時に、高い確率で摩擦が起きる。

これは、まぁ、一つの選択肢として頭の片隅にでも置いておいていただきたいのですが、変化の激しい時代(仕事内容がある日当然変えられてしまう時代)においては、「何をやるか?」は後回しにして、「誰と働くか?」を前に持ってきた方が、いろいろと柔軟に動けそうです。

「この人となら、ミュージカルをやっても楽しめるし、農業をやっても楽しめる」という人を選んでから、時代に合わせて、やることを決める。

それをやる為にはまず出会わないと始まらないので、ニューヨーク在住のサロンメンバーさんには、「とりあえず、ニューヨークのサロンメンバーさんのコミュニティーを作っておいてください。僕も参加します」とお伝えしました。
#Facebookメッセンジャーのグループを組みました

コンビを組む時や、夫婦になる時や、あるいは子供の頃、遊ぶ(ドッジボールに誘う)友達を選ぶ時は、「能力」もさることながら、「コイツとなら、苦労も笑えそうだな」という理由があったと思うのですが、もはや会社もそんな感じで組み立てた方が時代に合っているのかもしれません。

現場からは以上でーす。

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https://www.funcphysio.com/

 

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2022年04月24日のエンタメ研究所の過去記事

こんにちは。
日曜日の今日は仕事のゴリゴリ話を一旦お休みして、今、僕がボンヤリと思っていることを後先考えずに綴っています。
たぶん、これといった結論は無いのですが、どうか生暖かい目で見守ってやってください。
 


出直し
 
やっぱり、昨日の記事でお伝えした『えんとつ町のプペル』の続編の脚本を一旦白紙にした話は避けられませんね😁

まぁ、昨日の記事でお伝えしたことが全てで、これまで書いた脚本を一旦全部白紙にしたんです。
背骨が曲がっているのに、誤魔化し誤魔化し続けたところで仕方ない(いつか必ずガタがくる)ので、「切るなら今だ」と切りました。

費やした時間は自分の血となり骨となっているので(この経験は、また、どこかで使えるし)、べつに後ろ髪を引かれるようなことは無いのですが、泣いても笑っても、現在、手元には何も残っちゃいません。

僕は、僕にしかできない仕事にしか興味がなくて、答えが見えた問いにも興味がないので、いろんな仕事を辞めるか、後輩に譲ります。

なもんで、新たに始めた仕事が不発に終わると、身の回りはビックリするぐらい真っ白です。ペンペン草一本生えていません。

目の前の作業はとっくの昔に手放したから、「とりあえず目の前の作業をこなすことで、気持ちを誤魔化す」みたいなことができないんです。
いやはや困ったもんです。

昨日は、帯を締め直して、アトリエに籠って、ひたすらパソコン&スケッチブックの前に座りましたが、夜中の3時になっても一文字も書けませんでした。
絶望をこじらせて、気がつけば『魔女の宅急便』の実写版を見ていました。
#なんか嵐の中でカバを配達してたよ

何一つ生み出せないまま、あっという間に朝が来て、Voicyの公開収録を2本。
今現在、これといったコンテンツを持ち合わせていないクセに生意気だなぁと(自分に対して)思いながらの収録でございました。

収録で少しエンジンがかかっていたので、「今なら行けるかも!」と思って、パソコンを開きましたが……やはり一文字も出てこず、気がついたら少し寝ていました。

「エンタメってそういうもんだし、ふり出しに戻ることは慣れっこです」と言ってはいますが、まぁ半分以上は自分に言い聞かせていると思います。

(本当に毎日)誰かから「どこかで時間ありませゆか? 会いましょう!」という連絡をいただくのですが、喩えるならば、実家が火事で燃えている真っ只中でして、今はとても人に会う余裕などありません。
「それより先に火を…」といったところです。

毎日毎日、「ごめんなさい」のLINEを何件も送って、その都度、脚本が片付いていないことを思い知らされるわけですが、その毎日が、また振り出しに戻ったのが今回です。
#どひゃー

今はただ、今回の判断を正解にする為に頑張るだけです。

個人的に「今回は、すごく良かったなぁ」と思っていることがありまして…それは、「書きかけの脚本」と苦悩を、サロンの皆さんに共有していたことです。

あそこで共有していなかったら、今回の「損切り」は、そこまで深く刺さらなかっただろうし、損切りできずにいるメンバーさんへのエールにもならなかった。

それは、不幸中の幸いでした。

やっぱり、上手くいっている時も、上手くいっていない時も(脚本執筆の時は、ほとんど上手くいっていませんが)、積極的に共有しておくべきだなぁと今回あらためて思いました。

その様が、どこかの誰かのエールになっているのであれば、まぁ、良しとしましょう😊

今日は雨が降っているおかげで、外が静かです。
おかげで執筆に集中できそうです。
頑張ります。
あなたも頑張って。

西野亮廣(キングコング)

【追伸】

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https://youtu.be/dVPZAO2k3Es

 

 

2022年04月23日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
「Voicyを配信する」「サロン記事を投稿する」「キンコン西野のサイン本屋さんのサイン入れ&梱包&ポスト投函」という毎朝の仕事に、「小3の時の日記をインスタに投稿する」という謎の作業が追加されて忙しくなっているキングコング西野です。
#日記の投稿は要らないだろ

さて。
今日は、「またゼロからやり直す」というテーマでお話ししたいと思います。
前向きな話です。

 

何度でも何度でも

昨日は、『映画 えんとつ町のプペル 2』の会議がありました。
本当に久しぶりのオフライン会議で、「最近、どうっすか?」的な雑談もできて嬉しかったです。
#ZOOM会議だと雑談があまり無いよね

今朝のVoicyでもお話ししましたが、海外エージェントのジェフが「第9回 アジャル国際映画祭」の最優秀長編映画賞のトロフィーを持ってきてくれて、廣田監督と記念撮影をする一幕もあり、オフラインの魅力を感じました。

さて。
今回の会議で争点となったのは『映画 えんとつ町のプペル 2』の位置付け(どこに着地させるか?)について。

会議開始1分で、スタジオ4℃の田中社長がホワイトボードに「P1、P2、P3」と書かれて、てっきり僕は『映画 えんとつ町のプペル2』のストーリーの「プラン1、プラン2、プラン3」のことだと思っていたら、それが全然違っていて、「プペル1、プペル2、プペル3」のことでした。

つまり、「2以降も続けるっしょ」ということで満場一致していて、「続けるか、続けないか?」に関しては、チームの皆が議論するまでなかったのです。
実に痛快でした。

しかし、まぁ「言うは易し」で、続けていくことが前提となると、当然ですが「続けられる設定」にする必要があります。

具体的に言うと、「海賊王になる」という旅の目的がある『ワンピース型』にするか、都度都度、ストーリーがリセットされる『ドラえもん&クレヨンしんちゃん型』にするかで迷うところ。

ここで、「プペルとルビッチが向かう先々でトラブルに巻き込まれる」というのは良いとして、そもそも「プペルとルビッチが次の国に行く理由(モチベーション)は何なんだ?」という話になります。

ルフィーだったら「海賊王になる」という目的があるので、「次の島」に向かうのには納得感が、目的がないプペルやルビッチ(とくにルビッチ)が「次の国」に向かうのは、変な話です。

目的が無いとなると、「のび太」や「しんちゃん」のように、「外からトラブルがやってくる」という形をとるのが自然ですが、『えんとつ町のプペル 1』で「外の世界がある!」と声を上げて、それを証明したルビッチが、地元に引きこもるのも変な話です。

やはりルビッチは外の世界に飛び出していくのでしょう。

そうなると、外の世界(次の国)に行く目的が必要になるわけですが、この「目的」について、昨日の会議では意見が割れました。

僕的には「ルビッチは父の後を追う」が良いと考えていたのですが、「ルビッチはシンプルに好奇心で外に(次の国に)行く」という意見も出て、「好奇心だけで次に進むのって、不自然じゃないですかね? そんなヤツ、います?」と言う西野に対して、「いやいや、西野さんが、そんなヤツじゃないですか」とスタッフ。
#たしかに

面白いことに会議は「西野」と「西野以外」で意見が分かれます。
当然、忖度するつもりは1ミリもありませんが、同時に「論破すること」が会議の目的でもありませんので、「なるほどなぁ」と思いながら会議を進めました。

開国を選んだ(外に目を向けた)国は、まずは海外視察隊を結成するのがお決まりで(※日本だと「岩倉使節団」)、外の世界の存在を知ってしまった『えんとつ町』も、やはり視察隊は結成します。

「2」の脚本執筆開始当初は、ルビッチを、この視察隊の船に乗せて外に出るか、それとも、「民間(自分達)」で外に出るか?の二択がありました。
どちらも魅力的だったのですが、僕は後者を選びました。

「国の仕事」としてではなくて、「個人的な理由」で、海の外に行かせたかったんですね。

ただ、昨日の会議で皆の意見を聞いていると、「国の仕事」として(国務に便乗して)外に出るのもアリだなぁと思えてきて……そっちで話を進めるとなった場合、「これまで書いてきた脚本を修正する」というやり方だと、必ずどこかで無理が出てきます。(誤魔化しが効かなくなる瞬間がくる)。

というわけで、、

今日のタイトルにありますとおり、これまで書いた(サロンメンバーさんに共有した)脚本は一旦全部白紙して、もう一度、ゼロからやり直すことにしました。
意見をくれたスタッフさんに感謝です。

この判断で、ここ数ヶ月の作業がフッ飛んだわけですが、それはまぁ紙面上の話であって、僕の頭の中では、「あそこの土地は、もう掘ったぞ(あそこの土地には○○があって、△△が無かった)」という確認がとれてたので、無駄な時間ではなかったと思います。

そんなこんなで、今日から、あらためて『映画 えんとつ町のプペル 2』の脚本を書き始めます。

この「損切り」を皆さんに共有することで、サロンメンバーさんの応援や、そして、「違うよなぁ…」と思いながらも誤魔化し誤魔化しやっちゃっている(サンクコスト効果の罠にハマっている)サロンメンバーさんのキッカケに繋がればいいなぁと思います。

「違う」と思った時はズバン!と辞めて、またゼロからやり直し。
何度でも何度でもだ。by ドリカム

今日から、また頑張ります。
あなたも頑張って。

現場からは以上です。

【追伸】

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https://youtu.be/zgLAWm68XVg

 

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2022年04月22日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
『スナック西野』の収録翌日なのに二日酔いになっていない自分を高く評価したいキングコング西野です。
#明日のゲストはミュージカルスターの吉原光夫さん

さて。
今日は『ブロードウェイを攻略する』というテーマでお話ししたいと思います。

僕はブロードウェイ攻略の話をしますが、きっと他のコトにも転用できる話だと思うので、適当に置き換えながら聞いていただければ。
 
 

戦上手は兵站(へいたん)上手
 
これまで何度も話したことがあるので知っている方もいるかもしれませんが、僕の「亮廣」という名前は、戦国オタクである父親が『三国志』に出てくる天才軍師「諸葛亮孔明)」から豪快にパクったものであります。

我が子に軍師の名前を付けるほどの戦国オタクですから、やはり、家には「戦国モノ」がたくさん。
書物は勿論のこと、ゲームも、戦国シミュレーション系がズラリとありました。

小学2年の頃には「ナムコの『三国志』もいいけど、やっぱ『三國志』は光栄だよな〜」という台詞を吐くほどの仕上がりを見せ、当然その頃には、横山光輝先生の漫画『三国志』(全60巻)は読破しています。

その頃の僕のスターは「諸葛亮」と「織田信長」。
#ときどき志村けん  

彼らが率いる小さなチームが、大きなチームに“たしかな戦略を持って”挑んでいく姿に、西野少年はいつも胸を躍らせていました。

そんな思い出の中でも今でも強烈に覚えているのが、「伝記」で読んだ織田信長の幼少時代の石合戦(河原で石を投げ合うゲーム)のエピソードです。

人数にモノを言わせて石を投げてくる相手チームに対して、信長少年は、「石が当たった仲間を後ろに下げて、傷の手当てをして、また前線に送り出す」というシステムを組んで合戦に臨み、最終的には自分達よりも人数が多い相手チームを負かしていました。

「石を投げるプレイヤーの人数」や「石を投げる腕力」で相手を負かしたわけじゃなくて、「前線にプレイヤーを送り続けるシステム」で相手を負かしたわけです。

「身体が大きな子が強い」という世界線(多田東小学校)で生きていた僕にとって、このエピソードは衝撃的で、戦国オタクである父親を掴まえて、詳しく話を聞いたところ、「喧嘩と戦を一緒にするな」という前置きの後に、「戦においての強さは『兵站(へいたん)』だ」という説明をしてくれました。

兵站」というのは、最前線に物資を供給し続ける後方支援部隊のことで、父親は「兵站(持続可能な供給)の設計が甘い武将はウンコだ」的なことを言っていました。
#もっと上品な言葉を使っていた気がします

諸葛亮織田信長も「兵站術」に長けていて、「最前線に送る物資の確保」「供給ルートの確保」を、何よりも重く受け止めていたのです。

ナンジャカンジャ言っても最前線がバテたら終わりで、人はお腹が空くし、火薬は使えば減るんだから、そりゃ、どう考えても「兵站」が必要なんですね。

もっと掘り下げて言うと、戦というのは常に「不確実」で、机の上で描いた通りには進まない。
よって最前線にいる人間には「臨機応変に対応する」という仕事が任され、その人間を応援する方法は「物資を供給し続ける」しかないんですね。

これは全てのビジネスに置き換えられる話で、そして、現在ブロードウェイに挑戦しているミュージカル『えんとつ町のプペル』もそう。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』に今求められているのは、日本コミュニティーを後方支援部隊とした「兵站」の設計で、ここを後回しにすると、どこかで必ずバテるでしょう。

具体的に言うと、日本からもっとカジュアルに支援(ワンコイン課金等)ができるシステムの構築だとか、後々の「集客」に繋がるような地元の子供達への絵本プレゼントの体制作りだとか……そういったものが必要です。

「最前線」だけで完結させてしまう(頭になってしまう)と、あの日、信長少年に負かされた石合戦の相手みたいになっちゃうので、「物資の確保」「供給ルートの確保」とバッキバキに向き合った方が良いんだろうなぁと思います。

まずはチームメンバー(ファンを含む)が「兵站」を意識するところからですね。

「戦上手は兵站上手」
今日は、この言葉だけでも覚えて帰ってください。

現場からは以上です。

【追伸】

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宜しくお願いいたします。

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