西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年07月02日のエンタメ研究所の過去記事

7月2日(金) ※7月4日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
毎週キングコングで「『背筋がピーンと伸びている熊』の画像を見つけて笑っちゃった」という話をした直後から、
「西野さん!この熊も背筋がピーンと伸びてます!」
「西野さーん!この熊なんて、親子で背筋がピーンと伸びています!」
といった調子で『背筋がピーンと伸びている熊』の画像が次から次へと送られてくるけど、べつに『背筋がピーンと伸びている熊』が好きで好きでたまらないヤツじゃないんだけど……でお馴染みのキングコング西野です。
さて。
今日は『数字を支配し、物語を味方につけ、表現に狂え』というテーマでお話ししたいと思います。
「表現」というのは僕らのチームの場合だと「エンターテイメント」になりますが、ここは、ご自身のサービスに当てはめて(置き換えて)もらえると助かります。
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▼ 正解を追うと、あるタイミングで不正解になるよね
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「何百個売れた」「何百人動員した」といった調子で、僕らのアプローチには、必ず数字がついてまわります。
そして、数字が出た後に僕らがやるのは「さらに50個売るためにはどうすれば?」「さらに50人動員する為にはどうすれば?」という足し算です。
そこから、“より効率的な足し算”を探し始めます。
分かりやすくYouTubeで例えるなら、「サムネイルを◯◯にした方がいい」や「動画の時間は◯◯にした方がいい」といった、あの感じ。
“その時の正解”を追いかける競争です。
そして、その創意工夫がその刹那、一定の成果を出してくれるもんだから、僕らは目の前の数字を神様のように崇めてしまいます。
しかし、
結果的にYouTubeで勝ち残ったのは「サムネイル」も「動画の時間」もガン無視で、「切り抜きされた方がよくないっすか?」の、ひろゆきサンでした。
正解を追い求める競争の先に待っているのは「同質化(みんな同じ形になる)」で、どこかのタイミングで、まったく違う文脈でフラフラと乗り込んできた変な形の黒船に全てひっくり返されます。
これはインターネット元年から続く伝統芸で、僕らは(いいかげん!)歴史から学ばねばなりません。
さて。
キングコング西野こと「五月山の天狗」の口癖といえば、「あれぐらい小指でできるよ」です。
実に腹立たしいとは思いませんか?
五月山=兵庫県川西市にある小さな山
五月山の天狗は「数字を稼ぐことぐらいワケないよ。でも、それに何の意味があるんだ?」と鼻クソをほじって、田村Pに「キモっ!」と言われています。
一応、僕にも後輩がいるので、後輩には数字の重要性について結構丁寧に伝えています。
その時、彼らに言っているのは(いろんな言い方をしていますが)「数字の奴隷になるな。数字を支配しろ」です。
言葉を分解すると……
①数字を取りに行ける能力を手に入れろ
②その上で、取りに行く数字を取捨選択しろ
といったところです。
「取りにいけるから」といって、取りにいった先に「同質化」が待っているのであれば、その数字は取るべきではありません。
「活動を続けていく為に必要な数字」を割り出して、そこを押さえたら、あとは表現に狂う。
これが僕らのチームの基本です。
ところが。
「活動を続けていく為に必要な数字」を取るのも、最近じゃ難しくなってきていて(※べつに難しくないけど by天狗)、「品質以外のバリューを提供しなきゃいけないよね」ということで、昨日の記事では「CHIMNEY TOWNは目先の売り上げよりも『物語』を取りに行きます」という話をさせていただきました。
今日は、それに関する続報です。
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▼ Chimney Town USA Inc.
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現在、11月の“日本公演”に向けてミュージカル『えんとつ町のプペル』をせっせと作っています。
「日本公演」と表現したのは理由があって、もともとはニューヨークのオフオフブロードウェイで産声を上げる予定の舞台だったんです。
ところが、そのタイミングでコロナがやってきて、ブロードウェイが街ごと閉じてしまい、ブロードウェイ公演は泣く泣く延期。
「劇場の再開がいつになるのか分からない」という状況の中、誰かが言い出した「先に日本公演をやっちゃいません?」という提案に全員が乗っかり、スッタモンダがありまして、今年の11月に日本公演です。
そうこうしている間に、(ニューヨークの)コロナの状況も落ち着いてきて、ブロードウェイが再開されることが発表されました。
当然、僕らもブロードウェイ公演を再び目指すことになるわけで、それに合わせて、ニューヨークで『Chimney Town USA Inc.』という会社を作っていました。
ブロードウェイを中心に、ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』を運営する会社です。
そんな中、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のプロデューサーを務める新入社員のセトちゃん(「瀬戸口」という名字らしい)から、先日、「独立して、『Chimney Town USA Inc.』の社長になりたいです」と言われたので、1秒でOKしました。
というわけで、CHIMNEY TOWNの新入社員の瀬戸口が2021年7月1日(昨日)付けで『Chimney Town USA Inc.』の代表取締役社長に就任したことを皆様に御報告いたします。
きっと、最初は全然上手くいかないと思います。
CHIMNEY TOWNとしても、足場を固めなきゃいけない時期に、生え抜きの社員を送り出すことには、それなりのリスクがあります。
ただ、そこで降りかかってくる苦労なんて、若手にチャンスを与えられることを考えると安いもんで、しかも、苦労すればするほど物語が生まれるわけですから、お釣りが出ます。
ホント言うと、ミュージカルは“僕が”ずっとやりたかったんです(笑)
昔から舞台が好きで好きでたまらなくて、「映画をヒットさせたら、ミュージカルができるチャンスが巡ってくる」と信じて、ずっと走ってきました。
だけど、50年スパン、100年スパンで見た時に「西野が全ての実権を握っている」というのは絶対にマイナスで、CHIMNEY TOWNとしては次代の才能ホイホイになっておいた方がいい。
なので、お任せすることにしました😁
というわけで、『Chimney Town USA Inc.』代表の瀬戸口を宜しくお願いします。
8月に少しの間だけニューヨークに行くらしいので、もしこの中にニューヨークにお住まいのメンバーさんがいらっしゃったら、気軽に声をかけてやってください。
後輩にいろんな仕事をあげて暇になっちゃったので、僕はまた変なことをします。
誰もやったことのない変な挑戦です。
近々、御報告させていただきます。
現場からは以上でーす。
 
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2021年07月01日のエンタメ研究所の過去記事

月1日(木) ※7月3日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「梅雨入り」したことなんて、今年ばっかりは絶対に絶対に聞いていないキングコング西野です。
さて。
今日は「『物語』という付加価値を重く受け止めて、次の挑戦へ」というテーマでお話ししたいと思います。
最近、このサロンでは人妻……(あ、違う!)「全国のママさん」の応援をさせてもらっていますが、サロンメンバーさんの中には、経営者さんや、チームリーダーさんもたくさんいらっしゃいます。
今日はどちらかというと、そういった方に向けたお話です。
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▼ キミのチームには「物語」はあるか?
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先日、YouTube講演家の鴨頭さんが自宅に遊びに来てくださって、そこで『スナック西野』の収録がありました。
【スナック西野はコチラ↓】
僕の中で「鴨頭サン」や「ゆうこすサン」は(仕事内容は全然違うけど)、『今まさにインフルエンサーのセカンドキャリアを創造している枠』で、「肉体に紐づいている影響力」の寿命を早期に受け止めているように見えて、とても色っぽいです。
収録中もそんな話になったのですが、なんと鴨頭さんときたら、2021年に一気に20~30のプロジェクトを立ち上げるそうです。
池袋でもお店を数店舗出されるそうなのですが、オープン前の時点で2億円ちかくブチ込んでいるみたいで、「死にました(笑)」と笑っておられました。
20~30のプロジェクトが最初から全て順風満帆に行くハズもなく、きっと、この先、たくさんの困難や理不尽がチーム鴨頭に降りかかることでしょう。
でも、そこがイイ!
鴨頭さんが、その影響力をもって「1店舗だけ(1プロジェクトだけ)」をやったら、きっと、なんとかなると思うし、「なんとかなる」と思われている。
そうすると「応援シロ」が無くなるから、「機能(品質)勝負」になってくる。
ですが、このサロンでも何度もお伝えしているとおり、今どき、サービスの機能が素晴らしいことなんて大前提なので、機能だけでは差別化を図れなくなりつつあります。
戦いは今、「いかに、機能以外のバリューを提供するか?」という局面に入っています。
その切り口からいくと、「応援シロ」が生まれる『20~30のプロジェクトを一気に立ち上げる』は打ち手として綺麗だなぁと思っています。
一見、危ない橋を渡っているように見えますが(まぁ、危ない橋には違いないんだけどww)、本当に危ないのは……
アナログタイプのマーケティングで、
「お客さんのニーズめいたもの」を割り出して、
サイエンスに頼って商品・サービスを作り、
他社と価格競争を繰り返し、
商品・サービスの品質向上だけに終始し、
商品・サービスの同質化に蓋をして、
「応援シロ」や「物語」を後回しにしている企業(チーム)です。
ならば、CHIMNEYTOWNはどうだ?
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▼ 物語を追え。
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僕は「西野がやったら100%上手くいくよね」というような仕事をなるべく手放すようにしています。
渋谷のコーヒー屋さんに僕がフルコミットしたら、きっと、なんとなると思うし、思われている。
それだと意味がないから、新入社員の「べえ君」と、そのチームの皆さんに、プロジェクトを丸投げしてみました。
3ヶ月限定オープンの『CHIMNEY COFFEE』は、昨日、無事にその幕を閉じ、大きな成果と、可能性を残してくれました。
新入社員が渋谷の店舗&オンラインショップのリーダーになること自体がハチャメチャな話なのですが……それでも、チーム一丸となって手探りで駆けた3ヶ月で、少しはたくましくなったことでしょう。
CHIMNEY COFFEEの幕が閉じる報せを受けた時にゃ、「次に再開する時は、もっとヤバイ場所からスタートしろよ」と思っていたのですが、これが余計な心配で…なんと、べえ君の方から「『CHIMNEY COFFEE』で独立したいです」という申し出がありました。
もちろん1秒でOKを出しましたよ😁
そんなわけで、CHIMNEY TOWNの新入社員の山邊諒太郎(べえ君)は、この夏、『(株)CHIMNEY COFFEE』の代表取締役社長になることが決まりました。
すこぶる頭の悪い男なので、きっと序盤は、たくさん負けることになると思うのですが、「余裕で勝てるようになってから送り出しちゃったら、物語が生まれない」という会社の判断です。
目先の利益なんかよりも、よっぽど大切なものを取りにいきます。
これは、山邊の挑戦でもありますし、CHIMNEY TOWNの挑戦でもあります。
皆で育てた「えんとつ町」の看板を使って一人で歩き始める山邊および(株)CHIMNEY COFFEEが、この先、中途半端な真似をしたら、遠慮なくタコ殴りにしてもらったあと、呑みに連れてってやってもらえると助かります。
今日は「CHIMNEY TOWNは物語を取りに行くよ」というお話をさせていただきました。
あなたのチームはどうですか?
また聞かせてください。
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2021年06月30日のエンタメ研究所の過去記事

6月30日(水) ※7月2日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
Voicy(ラジオ)でシェアサイクルのことを熱弁&勝手に宣伝したところ、シェアサイクルに関する情報が次から次へと入ってくるようになったキングコング西野こと「シェアサイクルの人」です。
さて。
今日は、「お仕事の話」というよりも、サロンメンバーさんが関係しているプロジェクトの進捗状況(いろいろ進めています)の共有をする回(足並みを揃える回)にさせていただこうと思います。
どうぞ、お付き合いください。
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▼ サロン限定勉強会について……
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昨夜、Facebookのサロンメンバーさん向けに、
オンライン勉強会をさせていただきました。
サロンに投稿した記事を振り返って、「これはね……」と口頭で解説していく(復習する)勉強会だったのですが、僕自身の頭の整理にもなって、なんだか、すっごい良かったので、このサロン限定勉強会は1~2ヶ月に一度、続けていこうと思います。
動画の画質を上げすぎてしまうと、映像がカクカクしたり、音声が途切れたりしちゃうので、次からは画質を落としてやります。
せっかくのハンサムを鮮明にお届けすることができなくて本当にすみません(涙)
アーカイブは1週間ぐらい残そうかなぁと思っておりますので、時間が合わない方も是非。
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▼ サロンメンバーさんのお店を見つけやすく
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次に、CHIMNEY TOWNのホームページのアップデートの御報告です。
(※こちら→https://chimney.town/
)
細かい部分の改善からお伝えすると、まずは、トップページの「えんとつ町の説明」は、(同じ説明を何度も見させられるのもツラいので)削除しました。
世界観を大切にしつつ、機能性も大事だなぁと思っておりまして、このホームページの「体温」みたいな部分は、デザインと、毎日アップされるブログにお任せしようと思います。
次に、トップページの最初のバナー(横スクロール)に、『NORA美容室×えんとつ町』の予約ページを追加しました。
東京に遊びに来て、髪を切るときは、是非、ご利用ください。
※ちなみに、次回の『スナック西野』のゲストは、NORA代表の広江一也さんです。
そして……
たぶん、これが一番大きなアップデートとなるのですが、CHIMNEY TOWNのホームページに、サロンメンバーさんのお店を探すボタンを追加しました。
このサービスはFacebookのサロンメンバーさん(Salon.jpの会員さん)しかご利用できません。
ボタンをポチっと押すと、現在地の地図が出て、そこからサロンメンバーさんのお店を探すことができます。
「旅先で使うと、面白いのかなぁ」と思っています。
サロンを退会された方の店は自動的に地図から消えるようになっているので、地図に掲載されているお店のオーナーさんは「現サロンメンバーさん」という認識でいいと思います。
※検索ボタンは、今は少し分かりにくい場所にあるのですが(まだ改善中なんです)、ゆくゆくは、画面の右下に(メルカリの「出品マーク」みたいな感じで)常に出るようになります。
サロンメンバーさんがお店を探す時のお手伝いや、
サロンメンバーさんのお店の集客のお手伝いが具体的にできればいいなぁと思っております。
ホームページの管理は僕の同級生の源田さんがやってくれているので、源田さんに会うことがあったら「あざす!」と言っておいてください。
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▼ 駆け抜けたCHIMNEY COFFEE
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今日は、この報告が本題です。
「まずは3ヶ月限定で」という期限を設けて、今年4月に渋谷でスタートした『CHIMNEY COFFEE』が本日最終日を迎えました。
まずは、雨の日も風の日もコロナの日も変わらずに応援してくださった皆様に厚く感謝申し上げます。
どこかのタイミングで、あらためて、プロジェクトリーダーの山邊(べえ君)の方から皆様へ、感謝の言葉と御報告があると思いますが、おかげ様でCHIMNEYCOFFEEは大きな結果と可能性を残してくれました。
渋谷のお店は今日が最終日となりますが、ラオス支援も、サロンメンバーさん(ちひろ菓子店さん、LANDMADEさん)の応援もありますので、プロジェクト自体は続きます。
当面はオンラインショップのみの営業となりますが、CHIMNEYCOFFEEのプロジェクト自体はものすごーく前に進んでおります。
近く、「おお!また仕掛けてきやがったなぁー!」という明るいニュースをお届けできると思います😁
お楽しみに!
【CHIMNEYCOFFEEオンライン】
※個人的にはカフェオレベースが鬼オススメです
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▼ 挑戦と応援
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現在、僕個人的には『映画 えんとつ町のプペル』のフランス公開に向けてコソコソ動いていたり、新作の制作をコソコソ進めていたりします。
一筋縄ではいかない世界戦ではありますが、ハッタリなどではなく、世界の背中が射程圏内にあることは確認できています。
こちらは引き続き追い込んでいくとして、同時に、サロンメンバーさんの応援と、若手の教育(挑戦できる環境作り)にも更に力を入れて行こうと思います。
地図サービスを使ってみて、「もっと、こういう感じにしてもらえると嬉しい」みたいなご意見があらば、遠慮なく言っちゃってください。
誰一人おいてけぼりにせず、皆で前に進めたらいいなぁと本気で思っています。
引き続き宜しくお願いいたします。
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2021年06月29日のエンタメ研究所の過去記事

6月29日(火) ※6月31日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
絵本や映画やミュージカルを作っている裏で、実はコッソリと「トゥクトゥク」を作っているキングコング西野です。
さて。
今日は『経済合理性の向こう側へ』というテーマでお話ししたいと思います。
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▼ あんまり困ってない?
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「ビジネス」とは「問題を解決すること」ですが、ここ数年、尾原和啓さんや山口周さんといった賢い人達が口を揃えて「解決すべき問題が“ほぼ”無くなった」と言っています。
【尾原さんのサロン→】https://salon.jp/obara
それは、「ビジネスは役目を終えた」という、なんとも受け止めがたい“ビジネス終了宣言”です。
たしかに、投資家がお金を出し、技術者の方は今日もたゆまぬ努力をされていますが、「今以上に便利な冷蔵庫を僕たちが本当に必要としているか?」と訊かれると、少し言葉に詰まります。
僕らは、問題を解決する為に働いているわけではなくて、仕事を続ける為に働いているのかもしれません。
それは、つまり「お客さんの為の仕事」ではなくて、「労働者の為の仕事」なので、そこで生まれた商品やサービスが、お客さんが抱える問題を解決する為に働いていた頃に比べて売れなくて当然です。
では、「世の中の問題が全て解決したか?」というと、そんなことはありません。
地球温暖化は進んでいますし、100万人に一人の難病で涙する子供達がいます。
「ならば、その問題を解決すればいいじゃないか!」という話なのですが……これらの問題は「解決に費やしたコスト」を回収できない為、誰も手をつけません。
「100万人に一人の難病を治す飲み薬」を開発するのに、300億円を投じたとして、その飲み薬を買ってくれるのは、日本だと100名程度。
とても“モトがとれない”のです。
どうやら僕らは、ずいぶん難解で面白い時代に立ち会っているようですが、これは何も「ビジネスの世界」だけの問題ではありません。
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▼ テレビの問題も解決している
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「テレビ業界は新陳代謝が起きない」とよく言われます。
たしかに、テレビをつけてみると、50代、60代の司会者が少なくありません。
テレビを制したビートたけしサンがフライデーを襲撃したのが39歳だったことを考えると、随分とタレントの高齢化が進んだように思います。
タレントの高齢化の原因はいくつかあって、当然、「視聴者が高齢化したから」もあると思います。
60代の視聴者が共感するのは、60代の言葉です。
「優秀な若手が育たなかったのではないか?」という声もありますが、僕はそうは思いません。
どの先輩に話を聞いても、皆、口を揃えて「俺達の時代に比べて、今の若手は本当に優秀だ」と言います。
先輩の能力を上回っているのにも関わらず、テレビの仕事の大半は先輩が押さえています。
これをどう捉えるか?
僕は、ビジネス同様、「テレビの問題が“ほぼ”解決したから」と考えています。
昔は、「うまく“場”を回して、番組を成立させてもらわないと困る」という番組制作サイドの“問題”があって、そこに、その問題を解決してくれるタレントAがスッポリとハマった。
その後、タレントAの立ち回りを研究して、タレントAよりも「番組を成立させる力」があるタレントBが誕生しても、すでに番組制作サイドの問題は解決しているから、タレントBの能力の方が少々高かろうが、「それぐらいなら馴染みのあるタレントAを使い続ける」といった感じで、感情や慣習が勝ってしまう。
不幸なのはタレントBです。
タレントAよりも能力が高いのにも関わらず、タレントAほどの需要がない。
「問題を解決したか否か?」が需要(ギャランティー)に直結する部分で、
タレントAの能力が85で、
タレントBの能力が86でも、
問題が残っていた時代に立ち会ったタレントA
方が取り分が大きくなる。
エンタメの世界の議論はいつも「能力」ばかりが取り沙汰されますが、この「そのタレントが、どのぐらいの問題を解決しているか?」は極めて重要なファクトだと思います。
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▼ 技術向上に酔うな。問題を解決しろ
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今、表現者に出されているのは……
・すでに問題が解決してしまった(リターンの小さい)道で、能力を磨き続ける
・解決していない問題に手を出す
の二択です。
我ながら今日の記事は綺麗な流れだと思いながら書いているのですが(一筆書き)、エンタメ業界もやはり、ほとんどの問題が解決しています。
ならば、「解決していない問題」はどこにあるのか?
答えは、「モトがとれない地(経済合理性限界線の外側)」です。
「10人が心から求めているテーマパーク」なんて、誰も作りません。
制作費が回収できないからです。
ただ、間違いなく、その10人は求めている。
その10人の問題は解決していないんです。
ミュージカルにしてもそう。
「圧倒的はスケールのミュージカルが、せめて、ウン千円代で観れたらいいのに」と求めている人(問題を抱えている人)はいるのに、ミュージカルスターがズラリと並んで、美術セットをバッキバキに作り込んだミュージカルが千円台で提供されることはありません。
モトがとれないからです。
先日、CHIMNEY TOWNの学生インターンの最終面接に来た子達には「キミ達の世代は、キャッシュポイントを新たに創造して、これまでの市場のルールではモトがとれない(誰も観たことがない)エンタメを作るしかないよ」と伝えました。
世界戦にうって出るのだから、技術が世界レベルであることなんて当たり前の話で(議論するまでもない)、それよりも「問題解決」に目を向けるべきだと思っています。
聞いてるか?
キミに言ってるんだぞ。
応援しているし、いくらでも手伝う。
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2021年06月28日のエンタメ研究所の過去記事

6月28日(月) ※6月30日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
新サービス(elu)を立ち上げて好調な滑り出しを見せているのに、手数料を安く設定しすぎた為に死にかけている「けんすうサン」を助けたいキングコング西野です。
さて。
今日は『サロンメンバーの実店舗を応援する新提案』というテーマでお届けしたいと思います。
「こんな形でも応援させてもらおうと思うのですが、どうっすかね?」という感じの話です。
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▼ ちょっとずつ見えてきたアフターコロナ
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これといった趣味は無いのですが、強いて言うなら「劇場に通うこと」が趣味です。
寄席、映画館、サーカス、演劇、ミュージカル、落語……ジャンル問わず、毎週どこかの劇場に足を運んで、何かを観ています。
説明するまでもありませんが、劇場史において、この1年半ほど苦しい季節はありません。
第二次世界大戦が開戦した昭和19年の3月に全国の大劇場閉鎖の命令が出ましたが、その二週間後には興行時間(2時間半以内)の条件付きでで、興行が再開されています。
戦時中であろうと、劇場はまわっていたんです。
劇場にとって、今がどれぐらい異常事態かが少しは伝わったかと思います。
コロナ禍であろうと、政府が定めたルール内で運営している劇場に罪はありません。
これは飲食店も同じですが、文句があるのならば、劇場や店に言うのではなく、「ルール」に言うべきだと僕は考えています。
そんなこんなで、僕は、コロナ禍でも毎週のように劇場に通っていました。
一年前と明らかに違うのは、客席に流れている「空気」です。
そこに集まった人達がライブを渇望しているこのが、手にとるように分かります。
20年近く劇場に通っていますが、こんな空気は初めてです。
コロナが終息しつつある国などは特に顕著ですが、ライブの「揺り戻し」は明らかに起きています。
国内でも、終息後しばらくは、各地で熱狂が起きるでしょう。
しかし、その一方で、自宅時間を充実させる為のインフラが整ったのも事実。
これは劇場だけじゃありません。
昨日、成毛眞さん(元・日本マイクロソフト社長)が自身のFacebookで、「考えてみると2年間も自宅での調理が増えたのだ。料理が上手くなった人も多いはずだ。外食が完全に元に戻ることはないかもしれない……」とコメントされていました。
オフライン(実店舗系)のサービスをする者にとって、コロナが『自宅』という競合を増やしたことは間違いなくて、アフターコロナは「戻るところは戻るし、戻らないところは戻らない」と見立てるのが妥当だと思います。
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▼ そんな中、今日は実店舗さんを応援する話
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昔からこのサロンに入られている方からくると、四万回ぐらい聞かされている話だと思うのですが、現代サービスにおいて「商品の品質」はその価値を失いつつあります。
商品の品質などブッちぎりに高くて当たり前で、その上で、「商品以外のバリューをどれだけ創造するか?」と僕らは問われています。
昨日、学生インターンの最終面接があったのですが、面接に来た学生の女の子から、世界を席巻する『スターバックス』がオーストリアの都市インスブルック(だっけ?)への進出に失敗した話を教えてもらいました。
人・文化でガッツリと繋がっていた街の人達(コミュニティー)を前に、あの天下無双のスターバックスの「機能」が惨敗したというのです。
「コミュニティー」こそが最大の盾であることは、このサロンでも8万回ほど話していますが、それは日本国内に限った話ではなく、世界のあらゆる地域の、あらゆるコミュニティーが証明しています。
実際、サロンメンバーさんが来店してくれるサロンメンバーさんのお店にとってのサロンメンバーさんは(※ややこしい!)、店の常連さんになっている確率が極めて高いと思います。
なので、僕ができるお手伝いとしては、サロンメンバーさんと、サロンメンバーさんのお店ののマッチングを加速させること。
そんなことを考えて、サロンメンバーさんのお店の場所が一目で分かる地図サービスを作りました。
※コチラ→https://salon.jp/members
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▼ サロンメンバーさんの店の場所が一目で分かる地図を、もっと身近に!
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次に僕がやらなければいけないのは、この「サロンメンバーさんの店の場所が一目で分かる地図」を、もっと身近にすることです。
利用される頻度を増やすことです。
だからと言って、Voicyで毎回毎回「サロンマップ」の告知を挟むのは現実的ではありません。
僕には、その時々で、告知しなければならないことがあります。
どうすれば、この「サロンマップ」を、今よりももっとサロンメンバーさんの手元に潜りこませることができるのでしょうか?
リアルな話をすると、地図が利用される頻度を増やせば増やすほど、サロンメンバーさんのお店の平均売上が増えます。
とっても大事です。
そんなこんなで、あれやこれやと考えてみたのですが、こんなのはどうでしょう?
先日、立ち上げたCHIMNEY TOWNの公式ホームページには、毎日、僕の記事(Voicyを文字起こししたもの)がアップされます。
つまり、毎日、数万人の方が、このホームページに訪れています。
このホームページの画面右下に、「サロンメンバーさんの店の地図が出せる丸いボタン」を常に出しておく。
そうすると、西野のブログを読む目的で訪れてくださった方に、サロンメンバーさんのお店をご案内できます。
「ちなみに、家の近所にサロンメンバーさんの店はあるかしら?」とポチっとな。
この建て付けにすれば、あらたにコストを割かなくても、サロンメンバーさんのお店を応援し続けることができるので、結構いいんじゃないかなぁと思っています。
あとは「エンジニアさん、頑張って!」と祈るのみ。
CHIMNEY TOWNのスタッフさんへの提案は、この記事で終わらせたので、また話が進んだらお知らせしますね。
あの手この手でサロンメンバーさんを応援します。
ゲーム感覚でやってる、ただの趣味なので御礼はいりません。
現場からは以上でーす。
 
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2021年06月27日のエンタメ研究所の過去記事

6月27日(日) ※6月29日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
今日は日曜日なので、お仕事の話はお休みして、今、ボンヤリと考えていることをタラタラと書いてみます。
あまりにもフワフワしたテーマなので、上手くまとまらないような気もするのですが、まぁ、日曜日ということで、ご容赦ください。
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▼ 今日も非力さを嘆いて、どこへやら
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最近は「バイクシェア(レンタル自転車)」にハマっていて、基本、時間があって、晴れていれば、移動はもっぱら自転車です。
仕事場にも自転車で行くのですが、居合わせたスタッフにパシャパシャと写真を撮られます。
「西野×自転車」が上手くハマっていないのかもしれません。
カメラを構えるスタッフはいつも薄ら笑いです。
昨日も豊洲まで自転車で行きました。
品川さんが演出されている舞台『池袋ウエストゲートパーク』を観ることが目的です。
豊洲の川沿い(海沿い?)のテラスでは、ファミリーや、学生達がBBQか何かをしていました。
子供らが走り回っていて、お父さんやお母さんは、その様子を見守りながら、アウトドアチェアにもたれています。
それは、とても素敵な光景で、ついついニヤニヤしちゃったのですが、次の瞬間、自分がああいった眩しい時間をもう何年も前に手放した(諦めた)ことを思い出して、ハッとしました。
ついさっきまで一人でアトリエに籠っていて、舞台を観終わったら、また一人でアトリエに戻り、朝の5~6時に気絶したように眠ります。
自分で選んだ道だし、手放したモノと引き換えに手に入れたモノもたくさんあるので、そこに対して嘆くことなど1ミリもありません。
大気圏を抜けることを決めた日から、もう戻れなくなることは知っていました。
人としての幸せと引き換えに手に入れたモノの中には「助ける力」があります。
ラオスに小学校を作ることや、
仕事復帰を望むママさんの「雇用」を作ること……それらを可能にしているのは、たくさんのスタッフに協力してもらって打ち立てた「仕事の結果」です。
ちなみに、先日、このサロン内で「ママさんに働いてもらいたい企業」と「働きたいママさん」のマッチングをしてくれる『エニママ』(https://anymama.jp/
)を紹介させていただいたところ、なんと、通常時の50倍の応募があったそうです。
そういえばキングコング西野は「ビジネス書」と「絵本」を書いているので、応援してくださる方の中に「経営者さん」と「ママさん」がたくさんいました。
必要とされることや、
存在を肯定されるほど大きな報酬はなく、
それでいうと、「困った人に手を差しのべられる」や「泣いている人の元に駆けつけられる」は、金欲や物欲がない(性欲はある!)僕にとってみれば、とても大きな報酬です。
「誰かを助けられた」ということで、また仕事を頑張れます。
きっと、昔に比べると、助けられる人の数は増えたと思います。
しかし、
助けられる人が増えれば増えるほど、外側に目を向ければ向けるほど、助けられない人の数も増えます。
100万人に一人の難病を抱えた子供や、その子を懸命に守ろうとする親御さん達と会わせていただく機会もあります。
重い病気を抱えて、外に出られない(人がたくさんいる場所に行けない)子供達に向けての1日こっきり個展『えんとつ町のプペル 光る絵本展』を、これまで何度か開かせていただきました。
個展に遊びに来てくれた子供達の中には、余命宣告され、そのことを真正面から受け止めている子もいます。
この子や、親御さんの痛みを少しでも和らげられないかと思索するのですが、「その時間をめいっぱい楽しませる」ぐらいしかできません。
先日。
あの日、個展に来てくれた小さな女の子が天国に行ったという報せを受けて、すぐに親御さんに連絡させていただきました。
女の子が「また観に個展を行くこと」「また西野さんに会えること」を励みに最後まで立派に生きていたことをお母様から教えていただき、「ありがとうございました」「ありがとうございました」と何度も御礼される度に、僕は、また助けることができなかった自分の非力さを思い知ります。
海外に目を向けると、貧困や教育の問題はまるで片付いていません。
できるところから手をつけていますが、手をつければつけるほど、手をつけられていない部分の大きさを知り、たくさんの涙に立ち会います。
昔に比べて、助けられる人も増えた一方で、助けられない人も増えて、どれだけやってもまるで追いつきません。
「ああ、またダメだった……」と頭を抱える回数は年々増えていて、結果を出せば出すほど増えることを知っているのに、「どこかで、助けられる人の数が増えて、助けられない人の数が減る日が来るかも……」と根拠のない期待を抱き、呪われたように生きています。
活動の上限を定めない限り(※「海外には出ない!」など)、満たされることはありません。
そして僕は上限を定める気がありません。
ああ、まったく……。
「そこそこ女の子にモテるし、いいか」と言い聞かせながら、サロンの投稿も程々に、そろそろ仕事に戻ります。
今は『えんとつ町のプペル』の続編(絵本)を作っているのですが、これがメチャクチャ良い感じなので、ちょっと2~3年ぐらい待っといてください。
はやく届けたいな。
それでは素敵か日曜日をお過ごしください。
 
 
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2021年06月26日のエンタメ研究所の過去記事

6月26日(土) ※6月28日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
最近は「酔っ払っている状態で、いかにクオリティーを出すか?」を追求しているキングコング西野こと「Mr.人生詰んだ」です。
さて。
今日は「現代の映画とは何なのか?」というテーマで、お話ししたいと思います。
「映画の話は、僕には関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、クリエイターさんや起業家さんと話をすると、いつも各業界で起きている問題は、時間差はあれど、ほぼ同じようなことが起きているので、今回の話も、何かしらの参考になるかもしれません。
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▼ ここ最近の映画の動きから見えてくるもの
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映画のお仕事に関わるようになってからというもの、デイリーの「観客動員」を毎日チェックしています。
普段、生活していると、あまりこういう数字は見ないですよね。
ただ、ず~っと見ていると、様々な課題が浮き彫りになってくるので、結構面白いです。
ちなみに昨日(6月25日)の「観客動員数」と「上映館数」も調べてみました。
⭐マーク」が付いているのは、映画公開日から2週間以内の新作です。
昨日の数字はこんな感じ↓↓
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【1】 19039人 302館 
⭐ザ・ファブル 殺さない殺し屋』
【2】 16199人 203館
【3】 14254人 306館 
るろうに剣心 The Beginning』
【4】 13347人 264館
⭐『キャラクター』
【5】 9171人 298館
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
【6】 9101人 282館 
⭐夏への扉-キミのいる未来へ-』
【7】 7746人 294館
⭐ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』
【8】 6030人 303館 
るろうに剣心 最終章 The Final』
【9】 5863人 289館
⭐クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
【10】 5392人 99館 
⭐『BanG Dream! Episode of Roselia II:Song I am.』
【11】 4103人 288館  
名探偵コナン 緋色の弾丸』
【12】 4072人 291館
⭐『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』
【13】 3515人 267館 
⭐それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国』
【14】 3201人 172館  
⭐『Arc アーク』
【15】 2600人 296館
【16】 2103人 283館
⭐『いのちの停車場』
【17】 1970人 175館
『クルエラ (吹替版)』
【18】 1810人 145館
【19】 1614人 217館
⭐『漁港の肉子ちゃん』
【20】 1556人 58館  
※出典:興行収入を見守りたい(https://mimorin2014.blog.fc2.com/
)
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るろうに剣心』や『エヴァンゲリオン』や『名探偵コナン』は、公開から結構経っているのに、この位置。
やはりメジャータイトルは強いです。
この表の見方は色々ありますが、一つとして、「観客動員数を上映館数で割ると、なんとなく盛況ぶりが伺える」があると思います。
それでいうと、決して上映館数は多くありませんが、『BanG Dream! Episode of Roselia II:Song I am.』は、コアファンをキッチリと取りにいっている印象です。
一方、少し苦戦しているのが、前作で11.2億を記録している『ピーターラビット2』。
「ここからどう持ち直していくのか?」「広告の二の矢、三の矢を用意しているのか?」に注目しています。
さて。
先に総括すると、最近の(とくにコロナ禍における)映画の数字を見るかぎり、「ファンコミュニティーを熟成させていない作品は結構厳しい」というのが僕の結論です。
一体どうしてそんなことが起きているのでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
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▼ 現代映画とは「儀式」である。
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僕たちクリエイターは現実を受け止めなければいけません。
そのうちの一つに、「映像作品を観るだけなら、家で観れる」という現実があります。
ピーターラビット2』も、きっと1年後にはテレビかNetflixで観れちゃうんです。
となってくると、映画館に足を運んでもらうには、「映像作品が観れる」以外の価値と、「今、観なきゃいけはい」を提供しなければなりません。
ここで効いてくるのが「コミュニティー」です。
コミュニティーをキチンと熟成させておくと、『映画の感想』がそのコミュニティーの「コミュニケーションツール」になるので、要するに、作品が“生活必需品”にグッと近づきます。
作品の感想を持っていないと、コミュニケーション障害を起こしちゃうんですね。
そして、もう一つ。
日本には昔から「ハレ(非日常)」と「ケ(日常)」という世界観があります。
「ハレ」というのは【儀礼】や【祭】や【年中行事】を指します。
「ハレ」があるから、その日を楽しみに「ケ」を頑張れる。
「来週は、いよいよ『だんじり祭り』だから、それまでは仕事を頑張ろう!」といった感じで、僕らは昔から「ハレ」と「ケ」で肉体的にも精神的にもバランスをとっていました。
ここでのポイントは、「ハレ(儀礼や祭)」は共同作業なので、「コミュニティーが無いと、ハレたりえない」という点です。
「『ピーターラビット2』、いよいよ来週公開だねぇ~」という会話が起こらないかぎり、『ピーターラビット2』は、どこまでいっても「素晴らしい映像作品」どまり。
「ハレ」になりません。
「ハレ」というのは「ケ」が枯れてきた時(ケガレ)の回復薬のような役割を持っているので、すっごく難しいところでありますが、「来週『ピーターラビット2』が公開されるから、それまで仕事を頑張ろう」というところまで、ピーターラビットコミュニティーを熟成させないと、なかなか足を運んでもらえない。
人は「ハレ」の為に「ケ」を生きているので、「ケ」には足を運ばないんですね。
「ケ(日常)」になってしまった(家で観れるようになってしまった)映画を、再び「ハレ」にするには、オフサービス(お客さんがサービスを利用してない時間)のデザインが、メチャクチャ重要です。
今回の『エヴァンゲリオン』なんかは作品の素晴らしさもさることながら、「庵野秀明監督の一つの時代の弔い(とむらい)」的な意味合いが多分に含まれていた。
「観に行く」というよりも、「観とどけにいく」といった雰囲気がありました。
鬼滅の刃』もやたら燃えてる人の葬式だったし、『スターウォーズ』の新作も、毎回、「映画」というか「儀式」に近い。
「素晴らしい映像作品ができました」
「広告費をジャンジャンかけて宣伝しました」
は、もう厳しくなってきたのだと思います。
いかにハレ(儀式)化するか?
その為の、助走をいかに作るか?
きっとコレ(オフサービスのデザイン)は映画に限った話ではないハズです。
僕らは気を抜くとすぐに「クオリティーの追求」に溺れてしまうので、自戒をこめて、ここに記しておきます。
現場からは以上でーす。
 
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