西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年06月09日のエンタメ研究所の過去記事

6月9日(火) ※6月11日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨日、Instagramに「トウモロコシの茎は持つところを残してカットした方がよくない?」と投稿したところ、友人から「インスタ見たよ!BBQの時なんか、持つところがあった方がいいよね!これが西野が言う『BBQ型』の話かぁ」と言われたのですが、それは『BBQ型』の話じゃなくて、『BBQ』の話だと思っているキングコング西野です。
さて。
今日は、あまり、この興奮を共感されないけれど、個人的にはとっても興奮した発見についてお話ししたいと思います。
子供の頃、一番身近にあったクラッシック音楽は『カノン』(パッヘルベル)でした。
卒園式や卒業式などで使われていた記憶があります。
『カノン』がここまで広がった背景には、「曲のキャッチーさ」もさることながら、「著作権がフリー」という理由もあると思っています。
もし、『カノン』を利用する度に、逐一、料金を支払わなきゃいけない制度があったら、きっと『カノン』は、ここまで普及していなかったでしょう。
ここで、「著作権」について少し説明させていただきます。
著作権」というものは、何かしらの機関に申請を出すことで発生するものではなく、著作物が誕生した瞬間に自動的に発生します。
著作権」には保護期間(権利が生きている期間)があって、それは、作者の没後70年で切れます。
あまり知られていないのですが、この保護期間は国によって違っていて、たとえばコロンビアだと没後80年、メキシコだと没後100年。
一方で、イランは没後30年と言われています。
(※詳しくは調べてください)
著作権が切れたヒット作品を使ったビジネスを展開したい方は、ただちにイランに飛んでみてください(笑)。
著作権は、その気になれば「譲渡」することができる権利であり、生きている間に「放棄」することもできるそうです。
今、僕の著作物は「著作権は西野にあるけれど、ある程度、ナアナアにしている」という状態にあります。
たしか、「年間100万円以上の売上が出るもの(=本気で商業利用を考えているもの)」に関しては、キチンと契約しようね」という立て付けになっていたと思います。
詳しくは知りません。(#知っとけよ)
著作権をナアナアにしている理由は、(先日もお話ししましたが)2次展開、3次展開を準備している人間からすると、多くの人に使ってもらって、多くの人に知ってもらった方がリターンが大きいからです。
ポケモンGO』は、皆がポケモンを知っているから誕生しました。そんな感じです。
なので僕は著作権をナアナアにするどころか、僕の作品を使って活動をされている方を積極的にシェア(後押し)します。
2次創作者が著作物を利用するには、著作物に対する深い理解が必要です……というか具体的な話をすると、
「西野のような著作権をナアナアにしている作者は、作品を深く理解してくださっている方の二次創作物を積極的にシェアする」
と考えていただけると間違いありません。
「そうじゃねぇんだよなぁ」というような二次創作物は見て見ぬフリをします。
つまり、「作品に対する理解を深めた上で二次創作した方が、二次創作物が拡散しやすいよ」という話です。
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▼ そんなこんなで『夢幻鉄道』の話
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僕は『夢幻鉄道』という作品や設定を、誰もが自由に使えるもの(=パブリックドメイン)にするつもりでいます。
僕以外の誰かが『夢幻鉄道』というタイトルの小説を出して、その内容が面白かったら僕は積極的に宣伝しますし、僕以外の誰かが『夢幻鉄道』というタイトルの舞台を発表したら、お客さんとしてお金を払って観に行きます。
一人でも多くの方が『夢幻鉄道』という設定でオリジナルストーリーを書いたり、一人でも多くの方が『夢幻鉄道』という設定で、オリジナル楽曲を作る展開を期待していたりします。
この時、作品に対する理解が無かったら(=設定にズレがあったら)西野は見て見ぬフリをしてしまうので、今日は『夢幻鉄道』の(最近、西野が発見した興奮する)設定をサロンメンバーの皆様に共有したいと思います。
大まかな設定に関しては、10日ほど前の投稿で「プロット(物語の設計図)」を共有させてもらっているので、そちらをご覧ください。
『夢幻鉄道』は、要するに「現実」と「誰かが見ている夢の中」を行き来する電車です。
ポイントは「死後の世界」ではなく、「夢の中の世界」という点です。
…つまり、死んだ人が出てくることもあれば、生きている人が出てくることもあり、学生時代の自分が出てくることもあります。
「夢の世界」というのは、夢を見ている人が作り出す世界なので、その世界の中に存在するあらゆるモノは「夢を見ている人の記憶」に由来しています。
「夢の世界」にあるアレやコレは、「夢を見ている人が現実世界で取り込んだ記憶」にアレンジが加わって、存在しているわけです。
つまり、「夢の世界の住人」は、(たとえば)その壁の向こう側に何があるかは知りませんが、「夢を見ている人」は、その答えを知っていることがあります。
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たぶん、今、メチャクチャ複雑な話をしていると思うので、具体例を出して、頑張って説明してみます。貴方も頑張って
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たとえば貴方(今日の記事を読んだサロンメンバーさん)が『夢幻鉄道』に乗って、「誰かが見ている夢の世界」に迷い込んだとします。
最初は得体の知れない世界ですが、その世界に存在しているコンテンツが『梶原』だったり、『絵本』だったり、『持つところがあるトウモロコシ』であった瞬間に、「もしかして、この夢はキングコング西野が見ている夢なのでは?」という予想がつく。
たとえば、その世界では今、キングコング西野が行方不明になっていて、町の人達が探し回っているけど、どうにもこうにも見つからない。
聞けば、町の外れに『トウモロコシ畑』があるといいます。
現実世界の西野が『持つところがあるトウモロコシ』に興味をもっていることを知っている貴方は、「もしかしたら、西野は、トウモロコシ畑でトウモロコシをカットしているのかも?」という予想することができる。
この予想は、「夢の世界の住人」には立てることができなくて、「夢の世界と現実を行き来していて、かつ、最近の西野に詳しい人」にしか立てることができません。
「夢の世界で行方不明になっている西野を探し出せるのは、貴方しかいない」という話です。
このロジックを利用して、夢の世界で起きている問題を解決する物語は、いくつか作れると思います(^-^)
ちなみに、『夢幻鉄道』の第3話は、そんな話です。
なんとなく、御理解いただけたでしょうか?
「分からない!」という方は、コメント欄で、分かってそうな人にアタックして、質問してみてください。
今日は「『夢と現実を行き来する』という設定にな、こんな遊びシロもあるよ」という話をさせていただきました。
「夢幻鉄道で、こんなストーリーを考えてみましたー!」という方は、ブログかnoteに書いて、西野まで御一報ください。
もちろん、noteは有料にしていただいても構いません(^-^)
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
https://youtu.be/U93sbHs7nM4
 
 
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2020年06月08日のエンタメ研究所の過去記事

6月8日(月) ※6月10日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「イイ歳の重ね方」に完全に成功したキングコング西野です。
さて。
今日は大きく2つ、『映画えんとつ町のプペルの広告戦略について』と『絵本の海外展開について』をお話ししたいと思います。
業務連絡(進捗状況の報告)になりますが、こういった細かい部分もサロンメンバーの皆さんと共有しておきたいと思っています。
まずは、映画えんとつ町のプペルの広告戦略について。
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新型コロナウイルスを受けて…
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今年、世界中を襲った新型コロナウイルスは、あらゆる影響をもたらしました。
100年に一度の嵐の中、「どうハンドリングしていくか?」がリーダーの腕の見せ所で、経営者や個人事業主の資質がこれまで以上に問われています。
テーマ「逆手にとる」と「損切り」の2つ。
『革命家』と呼ばれているぐらいですがら、西野から聞きたいのは「逆手にとる話」ですが、ディフェンスを固めないとオフェンスに体重が乗りませんし、ブレーキの精度を高めておかないと、アクセルをベタ踏みできません。
とくにこういった有事の際は、全ての計画が上手くハマることなどないので、「ハマらなかった計画に対して、どれだけの速度で対応していくか?」かが重要です。
コロナちゃんの圧力に対して、ある程度のことは逆手にとりましたが、取り下げた企画がいくつかあります。
そのうちの一つが『劇場で販売される前売券』です。
劇場特典のオリジナルクリアファイルを用意して、かなり早い段階から劇場で販売し、前売券の販売枚数を稼ぐ予定だったのですが、こちらは取り下げました。
今はまだ劇場に足を運ぶ人が少ないからです。
「…とはいえ、早くから売っておく分にはプラスしかないじゃん」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「この映画をプッシュしていこう」と決めるのは映画館で働くスタッフさんです。(※本屋さんと同じですね)
前売券の初動(初日の売り上げ)が伸び悩むと、「この作品をプッシュしても、結果は望めないのかも…」という考えが、スタッフさんの中に芽生えるでしょう。「人」なので。
そこで、『早い段階から劇場前売券を販売』と『映画館のスタッフさんのヤル気』を天秤にかけたときに、後者を選んだ方がいいと判断しました。
当面、前売券の販売は、クラウドファンディング等の「オンライン」に集中し、劇場で前売券の販売を開始するのは、もう少し後。
これによって「劇場でも前売券の売り上げをコツコツ重ねていく」ができなくなりましたが、傷を最小限におさえる為には、いい判断だと思います。
ここでは、「大胆な戦略の裏には、こういった『ハマらなかった企画の損失を最小限におさえる活動』がある」ということが皆さんに伝わると嬉しいです。
そのかわり「オンライン」での販売は加速させます。
前売券は現在「3万枚」売れました。
絶対に個人で10万枚売ります。
(※こちら↓)
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▼ 海外組のメンバーと仕掛ける絵本の海外出版の進捗状況について
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2~3日前の記事で書かせてもらったとおり、現在、海外在住のサロンメンバーと、各国で絵本を出版する話を進めております。
サロンメンバーさんにエージェント(海外の出版社と交渉をする人)になっていただき、そのまま出版が決まれば、絵本の『印税』を、そのサロンメンバーさんと分配する…というもの。
このプロジェクトの進捗状況について、お話しします。
結論から申し上げますと、「すべてが簡単にモノが運ぶとは思いませんが、ものすごいスピードで進んでいる」です。
サロンメンバーさん(海外組)が有志で立ち上げてくださった『海外エージェント』のグループの中で、各国の情報が共有&整理され、すでに数社と具体的な交渉に入っています。
もうメチャクチャ早いです(笑)
この有志のグループがすんごく整理されていて、熱量と冷静さのバランスが最高なんです。
「各々が株式会社NISHINOに問い合わせ連絡を入れてしまうと、株式会社NISHINOがパンクするから、皆で要件をまとめて、具体的に話が進む段階になってから、連絡をしましょう」という声掛けがおこなわれています。
こういう配慮はメチャクチャ好きです。
(※実際にスタッフも助かっております)
本当にありがとうございます。
今回の海外出版プロジェクトの『棚ボタ』は、「海外在住のサロンメンバーさん同士が繋がった」ということ。
「え? メルボルンに住んでるんですか? 私もです。はじめまして!」というハッピーな事件が各地で起きています。
異国の地で、同じようなことを面白がっている日本人と出会えるキッカケになれたのは、棚ボタ史に残る『棚ボタ』です。
今、ホント、海外組には、すんごい動いてもらっていて、それを見ていると申し訳なくなってきたので(※印税なんて、たかが知れているし)、出版が決まったら、飛行機に飛び乗ってサロンメンバーさんに夜ご飯を奢りに行きます。
空港まで迎えにきてね(^-^)
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▼ 最後に
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こんな感じで、どれだけ思い入れが強かろうが上手くいかないところは速度感をもって撤退し、上手くいきそうなところはゴリッとアクセルを踏んで、今日も頑張っています。
コロナショックに見舞われた経営者さんの胸中をお察しします。
お互い頑張りましょう。
最後になりますが、海外の出版社さんと交渉する際に予想される質問と、その答えについてまとめてみましたので、海外組の皆様は、イイ感じに使ってみてください。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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▼ 予想される質問と、その答え
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■キーワードは何ですか?
→「皆が諦めたものを最後まで信じ抜く」です。
■小説ではなくどうして絵本なのでしょうか?
→理由はいくつかあります。
・ビジュアルで(1秒で)惹きつけることができるから。
・言語の壁を越えやすいから。
・(後ほど詳しく説明させていただきますが)自分の全ての活動に世界観を共有するアイテムとして、「ビジュアル」は外せないから。
■西野の最大のアピールポイントは何でしょうか?
→日本で最もお客さんを集める絵本作家
■作品は作者にとってはどのような存在ですか?
→「世界最高峰のチラシ」です。
■作品を通して意識している存在は何ですか? 視点は?
→子供の頃の自分です。
子供の頃の自分が読んで胸が踊るか否かで判断しています。
■作中の「輝く星」は何を意味している?
→「行き先を教えてくれる存在」
■作品のThesis(自分の主張)は何ですか?
→「見上げないと星は見れない」
■ストーリーの中のキャラクターは作者にとって何ですか?
→自分自身です。
多くの日本人は変化を嫌い、挑戦を受け入れません。
僕は新しい挑戦を仕掛ける度に、日本中から非難され続け、2013年には日本国内で「最も嫌いな芸人」に選ばれました。
それでも挑戦を続け、今に至ります。
■絵本以外の展開が図でしめされていますが、具体的にはどういう事ですか?
→僕は自分が行っているあらゆる活動を「世界観」「お金」「広告」」という3種類の矢印で結び、それぞれの活動が互いにどのようなメリットをもたらしているのか(相関関係)を可視化しています。
たとえば僕はビジネス書を出していますが、これは「西野亮廣エンタメ研究所」という月額1000円のオンラインサロン(ファンクラブ?)を宣伝する為のコンテンツとして位置付けています。
ビジネス書単体で収益を生む目的はなく、要するに「西野亮廣エンタメ研究所のチラシ」なので、「たくさんの人に見られること」に価値があります。
よって、ビジネス書の印税は全額、ビジネス書の広告費に使っています。
新聞の一面を購入したり、電車広告をジャックしたり。
そうすることで、競合のビジネス書と差をつけることができて、「西野亮廣エンタメ研究所」の加入者が増え、「西野亮廣エンタメ研究所」の収益が増えます。
現在「西野亮廣エンタメ研究所」には6万4000人の会員がいて、月額6400万円(年間7億6800万円)が、僕のチームの活動資金となります。
僕の絵本は分業制で作っていて、1冊を制作するのに約2000万円がかかります。
とても絵本の印税では賄えない額ですが、この制作費は「西野亮廣エンタメ研究所」から出ています。
分業制の予算を印税以外から確保することで、他の絵本とはまた違った形のモノを生み出すことができます。
そして、僕の絵本は、自分が行っているその他の活動に世界観を与えるモノとして位置付けています。
現在僕が行っている各種イベントや、運営しているアプリ、経営しているBARやレンタル会議室、そして近々建設予定の美術館…それら全て絵本の世界観を反映してものです。
そうすることで、絵本のファンが訪れてくれて、集客に繋がります。
このように、世界観を生むポイント、お金を生むポイント、集客をするポイントを明らかにして、有機的に連携させて、役割分担をすることで、それぞれのパフォーマンスを最大化しています。
■絵本なのか?アート作品なのか?
→絵本です。
が、巷に溢れている絵本のように、イラストページに文章を載せるつもりはありません。個展を開催する時に、文章を省いて、イラスト単体で展示する為です。
個展会場では、絵本が飛ぶように売れます。
その時、お客様は絵本のストーリーを知らないことが多いです。
個展のグッズとして買っていただき、家に帰ってから絵本のストーリーを知ることになります。
この時、絵本としてではなく、「アート作品(のグッズ)」として扱われています。
当然、本屋さんでは「絵本」として扱われます。
それが絵本なのか、アートなのかは、「売り場によって変わる」という感じです。
■世界展開とはどのように具体的に考えているのですか?
→たとえば、僕と貴方の二人で本を作れば、その本は2冊売れます。
自分達が作った思い入れのある作品なので、それぞれが1冊ずつ買うからです。
2人で作った作品が2冊売れるのであれば、10人で作れば10冊売れ、100人で作ることができれば、100冊売れます。
「クリエイターが、一番のお客さんである」という話です。
これまでクリエイターは、一人でも多くのお客さんに作品を届けようとしてきましたが、そうではなくて、「クリエイターはそのままお客さんになるので」、一人でも多くのクリエイターと作品を作ればいいと僕は考えます。
目的は、70億人に届けることではなく、70億人で作ることです。
そう考えた時に、「一般のお客さんを、いかにしてクリエイター側に回すか?」が課題となってきます。
クリエイターとお客さんを分断させているものは「著作権」なので、僕は絵本の(2次利用の)著作権を放棄しています。
そして、絵本制作時も、プロット段階から「西野亮廣エンタメ研究所」のメンバーや一般のお客さん(数万人)と共有し、可能な限り制作に参加してもらっています。
絵本制作&宣伝に関するクラウドファンディングは、これまで○○人にご支援いただきました。(※支援総額○○円)
この方法で、日本ではベストセラーになったので、今度は、この方法を世界に転用します。
■日本でベストセラーになっている要因は何ですか?
→理由はいくつかあります。
まずは、上にあげた理由(作り手を増やす)が一つ。
そして『おみやげ戦略』も大きく影響しています。
これだけ世の中が変化し、様々なサービスが生まれては消えていっているのに、『おみやげ屋さん』だけは無くなっていません。
これは、「僕たち人間が思い出をモノに保管しようとする行為」が普遍的なものであることを意味しています。
ここから逆算して、絵本が『おみやげ』となるように個展を設計しています。
えんとつ町のプペル展』は100万人以上を動員して、そのグッズ売り場で数万部が売れています。
個展の巡回展を止めない限り、絵本の売り上げが止まることはありません。
■えんとつ町のプぺルについてどうしてハロウィンとゴミ人間がストーリーの中心になっているのですか?
→ハロウィンにした理由は、この物語が「死者が蘇る物語」というのが一つあります。
そして、日本のハロウィンは「収穫祭」として捉えられておらず、悪くいうと「コスプレ大会」のようになっています。
毎年、ハロウィンの夜には大量の「ゴミ」が発生します。
これが、ハロウィンの夜にやってきたゴミ人間誕生の由来です。
→夢を追いかける主人公を「嫌われ者のゴミ人間」にした理由についてお答えします。
皆、子供の頃は夢を持っていましたが、大人になるにつれ、様々な理由で折り合いをつけ、その夢を捨ててしまいます。
皆が捨ててゴミにしてしまったもの、まだ持ち続けているのが「ゴミ人間」です。
「ゴミ人間」はいまだに夢を持ち続けている人の姿です。
周りの人からすると、折り合いをつけて捨てた夢をまだ持ち続けられてしまうと、都合が良くありません。
万が一、その夢が叶ってしまうと、あの日、夢を捨ててしまった自分の間違いを認めなければならないからです。
なので、「ゴミ人間」の存在を憎み、時に、攻撃に転じてしまいます。
これは、夢を追いかける全ての者が背負う使命だと僕は考えます。
AKIHIRO NISHINO
 
 
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2020年06月07日のエンタメ研究所の過去記事

6月7日(日) ※6月9日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨日、二ヶ月ぶりに構成作家の山口トンボ君と会ったのですが、二ヶ月前と変わらずブスだったので、「ブスは二ヶ月では治らない」ということを確信したキングコング西野です。
さて。
先日、サロンメンバーさんから「どうして西野さんは印税をサロンメンバーに分配するのですか? もう少し詳しく説明してください」と訊かれました。
たしかに、『印税をお客さんに分配する』は、言葉だけ切り取ると完全にイカれていて、表で喋っても「は? 何を言ってんの?」とあしらわれてしまいます。
そこで今日は『印税』の捉え方について、あらためてサロンメンバーの皆様と考えを共有しておきたいと思います。
僕は一人も置いてきぼりにしないと決めているので、「いやいや、西野の印税分配の狙いは分かってるよ」という方は、お婆ちゃんのような優しさでニコニコと見守っていてください。
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▼ 夢の印税生活?
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子供の頃、「CDをたくさん売ったアーティストさんには『印税』というものが入り、場合によっては老後まで生活を支えてくれる額になるらしい」ということをテレビから教わりました。
およげ!たいやきくん』の子門真人さんは印税契約をしっかりしていなかったので、数億円の印税を取り逃がしてしまった、とかナントカ…。
こういった議論がおこる根底には、「お金がいっぱい手に入る=羨ましい」「お金がある=安心」という考えがあると思います。
なので、多くの方が『夢の印税生活』を目指します。
人の欲はそれぞれなので、それについては否定も肯定もしません。
ただ、気になるのは、そこで手に入る「印税の使い道」なのですが、たぶん、この3パターンですよね↓
①使わない
②使う
③上手く使う
そして、それぞれの行動がもたらす結果はコチラ↓
①使わない→税金の支払いでガツンと減る。
②使う→何かと交換される。
③上手く使う→ガツンと増える。
…で、「お金がいっぱい手に入る=羨ましい」「お金がある=安心」と考えているのであれば、まず①を選んじゃダメですよね?
だって、①は確実に減るんだもの。
「目的」と「アプローチ」の矢印が真逆を向いちゃっています。
これで、『貯金』が無駄遣いであることが説明できたと思います。
となると、選択肢は②か③しかありません。
つまり、印税は「使った方がイイお金」です。
ただ、使わないアーティスト(貯めこもうとするアーティスト)が、ほとんどです。
きっと「使ったら、減る」と思っているからでしょう。
(※だから、確実に減りはするけれも、まだ減りの少ない①を選ぶ)
それは、間違いではありませんが、正解でもありません。
『お金』のルールは、「下手に使えば減るし、上手く使えば増える」です。
「使えば減るもの」ではありません。
(※こういうことを小学校で教えてくれよ)
こうなってくると、印税の使い道は③『上手く使う』の一択です。
さて、印税は、何に使うのが正解なのでしょうか?
ここで、西野は考えます。
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▼ 印税を後で使うか、今すぐ使うか?
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いろいろ考えてみたのですが、印税を一旦、アーティストの懐に入れてから「さて、何を買おうかしら?」と考えるのではなくて、
懐に入るハズだった印税をハナから分配して、『作品を届けたくなる人』を増やして、作品をたくさんの人に届けて、その作品の2次展開、3次展開で収益化した方が取り分が大きくなると思いました。
ドモホルンリンクルの無料お試しセット(フリーミアム)どころか、作品の売り上げすら、お客さんにあげちゃう。
2次展開、3次展開で収益化できる基盤を作っているアーティストからすると、おそらくそれが『無駄遣い』から一番遠いお金の使い方だと思います。
特に(僕の)オンラインサロンの場合、サロンメンバーさんは僕の成功ではなくて、僕の【物語】を買ってくださっているので、【物語】の厚みが増すことに投資をしたら「ハズレ」がありません。
そのプロジェクトが失敗しても【物語】が生まれるので。
オンラインサロンオーナーである僕がやるダメなお金の使い方は【物語】が生まれないことに使うことです。
もっとも最悪なのは『貯金』です。
漫画『ONE PIECE』で例えると、「ルフィーが戦わない」です。
誰が読むんですか、そのONE PIECEを。
「成功/失敗」の軸で考えるのではなくて、「物語が生まれる/物語が生まれない」で考えるわけですね。
(※このあたりをオンラインサロン未体験者に伝えるのがメチャクチャむずい!誰かYouTubeで上手く解説して!シェアするから)
2次展開、3次展開で収益化できる基盤を持っているアーティストは、作品を拡散させてくれることに印税を使った方がいいし、アーティスト×サロンオーナーは、物語の厚みを増すことに印税を使った方がいいです。
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▼ そんなこんなで、ラオスに小学校を寄付した
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そんなこんなで、前作『チックタック ~約束の時計台~』の印税は、ラオスの小学校建設に使いました(寄付させていただきました)。
「2000万円かけて絵本を作った絵本の売り上げを寄付する」と聞いたら、驚かれるかもしれませんが、昨日(一昨日だっけ?)の記事でもお伝えしたとおり、その一連の活動が読み物としての面白味があれば、制作費の回収は可能です。
昨日、社員のセトちゃんのnoteを読んでいたら、寄付させてもらったラオスの小学校プロジェクトから派生して、ラオスに森を購入して『雇用』を作ることで話が進んでいるそうです。
僕の目的は、エンタメを届けながら、「戦争」と「貧困」を終わらせることで、「貧困」を終わらせるには「教育」と「雇用」は外せないので、この試みには大賛成です。
是非、オンラインサロンの売り上げで、ラオスの貧困問題を解決していただきたいです。
そうすれば、また物語が生まれます。
それも、とびっきりハッピーな。
『印税』やオンラインサロンのお金は、こんな感じ回っております。
現場からは以上でーす。
【追伸①】
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【追伸②】
サロンメンバーさんと開発している『わさビーフ』の進捗状況です。
興味がある方は、下記のグループまで!
 
 
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2020年06月06日のエンタメ研究所の過去記事

6月6日(土) ※6月8日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
スマホの裏に田村Pのビックリマンシールを貼られていたことは理解していたんだけれど、そのシールがカメラのレンズを隠しているとは知らず、カメラが壊れたと思い、朝から『スマホ カメラ 真っ暗』で検索していたキングコング西野です。
昨日まで、4日連続で「経営戦略」の話をしてしまったので、今日は、少し「ゾッ」とする話をしたいと思います。
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▼ 趣味で世界を獲る
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僕のサロン活動の根幹には「みんなで世界を獲る」があります。
クリエイターや、経営者だけでなく、専業主婦の方とも「エンタメの世界戦の景色」を共有することを大前提として今日もエンヤコラ頑張っております。
今はコロナちゃんの影響で移動が制限されていますが、コロナが明けたら、また国内外を飛び回って、各地のサロンメンバーさんと呑んで、「あーだ、こーだ」と言うつもりです。
その時、酒の肴として「共同で進めているプロジェクト」があった方が楽しそうなので、今回は絵本の版権をサロンメンバーさんに開放してみました。
(※昨日と一昨日の記事のことです)
基本、僕のオンラインサロンは1日33円のメルマガとして成立させるようにしておりますが、「プロジェクトに参加したい!」と手を挙げてくださった方には『報酬』があった方が面白いなぁと思っておりまして、僅かではありますが海外エージェント組には絵本の印税をお渡しさせていただきます。
(※絵本の印税って本当に僅かなんだよ)
そこはキチンとさせていただきますが、一方で…
(説明を分かりやすくする為に「労働」という言葉を使わせてください)
「『お金で買う労働』は労働力として弱い場合が多い」
というのは前々から思っておりまして、やっぱり「楽しいから、やる!」「やりたくてたまらない!」には勝てません。
去年、兵庫県川西市にある満願寺で個展をやらせていただいたのですが(大成功したよ!)、あのイベントは間違いなく『ボランティアスタッフ』さんの勝利で、プロのイベント会社に発注していたら、あそこまでのクオリティーは出せません。
エッフェル塔の個展しかり。
「『仕事』は『趣味』に勝てない」という結論です。
ここが、会社の弱みであり、サロンの強みですね。
こうなってくると、サロンオーナーに求められる課題は「サロンで手掛けるプロジェクトを、いかにサロンメンバーさんの趣味にするか?」です。
なので、「○○に△△を掛け合わせたら上手くいくよ」というノウハウだけ語っても仕方がないんです。
それでは「仕事」の粋を超えられないので。
レゴで遊ぶように、
盆栽を作るように、
ファッションを楽しむように、
好きなインテリアで部屋を飾るように、
絵本や映画やミュージカルや美術館を作っていかなくちゃいけません。
東京五輪がボランティアスタッフを募ったり、シェアを呼び掛けたりしていますが、あれは「無償労働」の粋から出ていないので圧倒的に弱いんです。
あれをやりたいのであれば、東京五輪を盛り上げることが「趣味」になるように設計しなくちゃいけません。
さきほど「サロンオーナーに求められているコト」と言っちゃいましたが、もとい、「今のリーダーに求められているコト」ですね。
訂正します。ごめんなさい。好きだよ。
素材の調理をお願いするのなら、調理したくなる素材や環境を用意しなければなりません。
それが国民総発信時代のリーダーの仕事です。
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そんなこんなで『夢幻鉄道』の話
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現在、映画『えんとつ町のプペル』の制作を進めながら、映画公開後に出版する『夢幻鉄道』という絵本の制作を裏で進めています。
この『夢幻鉄道』という絵本は“シリーズもの”で、第1話は蜷川実花さんと合作。
(サロン記事を遡っていただくとプロットが出てきます)第2話は、僕個人が担当。
そして、第3話、第4話…と続きます。
『夢幻鉄道』の舞台は「東京」や「兵庫県川西市」といった現実世界。
これまでの絵本とは様相が違います。
現実世界から「誰かが見ている夢の中」にトリップする物語なのですが、第3話あたりから、僕の絵本プロジェクトの全貌がチラッと見えてきます。
僕の処女作は『Dr.インクの星空キネマ』という不気味な絵本なのですが、この物語の主人公『Dr.インク』は、世界中の人が(眠った時に見る)夢の脚本を書く脚本家さんです。
(※西野のサイン本はコチラから↓)
実は、『えんとつ町のプペル』や『チックタック ~約束の時計台~』といった物語は、この『Dr.インク』という脚本家が書いたことになっています。
えんとつ町のプペル』も『チックタック ~約束の時計台~』も、その他の絵本も全て、「誰かが見ている夢」なんです(笑)
そして、絵本『夢幻鉄道』で、その夢を全て回収します。
えんとつ町のプペル』も『チックタック ~約束の時計台~』も『ほんやのポンチョ』も『オルゴールワールド』も『Zip&Candy』も、全部『夢幻鉄道』の伏線なんです。
『夢幻鉄道』の第3話で『チックタック』が出てくるので、ここらあたりから「おい、西野。お前、もしかして…これ、一つのストーリーなの?」という雰囲気になると思います。
30年ぐらいかけて完成させる一つの物語です。
どうか、ゾッとしてください(笑)
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▼ ま、そんなそんなで…
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このように、皆さんに取り扱ってもらう代物(僕が描く絵本)は、キチンと世界を獲れる強度がありますし、長く楽しめるものにしておりますので、「面白そうだなー」と思ったら、触ってみてください。
たぶん、趣味にするには申し分ないと思います。
現場からは以上でーす。
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サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
 
 
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2020年06月05日のエンタメ研究所の過去記事

6月5日(金) ※6月7日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
過去に「東京は都会だから坂が少ないと思っていたら大間違いだぞ!」と怒鳴ったことがあるキングコング西野です。
さて。
今日は『【サロンメンバーに印税を分配する】を構造から理解しよう』という話をしたいと思います。
お察しの通り、昨日の記事の続きです。
(※まだ昨日の記事を読まれていない方は、先にそっちを読んでくださーい♥️)
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▼ 「革命」は構造から理解する必要がある ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
たとえば、「どうやらオンラインサロンが稼げるらしいぞ!」とTVタレントさんがオンラインサロンを始めても、だいたい失敗すると思います。
「認知」と「人気」は別物ですし、「影響力」と「統率力」は別競技です。
くわえて、サロンにコンテンツ(新ネタ)を投下し続けようと思ったら、当然、そのスピードでインプットし続けなければならないので、レギュラー番組(ルーティン仕事)でスケジュールを埋めてしまっては、インプットが追いつきません。
先日(3~4日前の記事)のNORA美容室さんの『前売券&ギフト券』同様、『オンラインサロン』もまた【道具】の一つで、その【道具】を扱うには、それに応じた知識と筋力と環境が必要です。
「バットを持ったからといってホームランが打てるわけではないよ」という話です。
上部(点)だけを真似ても仕方がなくて、構造(線)から理解する必要があります。
「本の印税をサロンメンバーに分配する」も、真似をするだけなら誰でもできますが、結果に結びつけるには、構造から理解する必要が有ります。
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▼ そもそも、なんで『印税』を分配できるの?
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作家は本を書いて、売って、その印税で飯を食う生き物なので、『印税』を手放してしまうと食いっぱぐれてしまいます。
そんな中、西野は何故『印税』をサロンメンバーに分配できるのか?
ここから(あらためて)説明させていただきます。
西野の活動は多岐に渡り、その活動の全ては『シナジーマップ』と呼ばれる地図上で結ばれております。
これは、「それぞれのプロジェクトが、他のプロジェクトにどのような影響をもたらしているのか?」を可視化した地図で、プロジェクト間の「世界観」や「宣伝」や「お金」の流れを描いたものです。
シナジーマップを描くと各プロジェクトの【役割】が明確になるので、結構オススメです。
(※こちら↓)
ちなみに、このシナジーマップ上で、僕の『絵本』は、「お金を回収する役割」ではなく、「その他のプロジェクトの宣伝をする役割」を担っています。
『映画』や『VR』や『ミュージカル』や『美術館』や『スナック』や『レンタル会議室』に、世界観を提供し、宣伝するのが、僕の絵本の役割です。
言うなれば「チラシ」ですね。
チラシは「売った」ところで仕方がありません。
チラシは「配られる」ことに意味があります。
配られれば配られるほどイイので、チラシを配ってくれる方にギャランティーをお支払いする「チラシ配り」という仕事が存在します。
これが今回の『印税を分配する』です。
「チラシ配り」に置き換えて考えると、御理解いただけると思います。
ここで押さえておくポイントは、「西野の絵本は絵本単体でマネタイズするものではない」という点ですね。
そして、今日の話は、ここからです。
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▼ 面白いのはどっちだ?
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ぶっちゃけた話をすると、「僕」もしくは、「ウチのスタッフ」が各国の出版社に片っ端からあたっていくことは可能なんですね。
それをしたら『印税』は全て「株式会社NISHINO」に入る。
その方が利益も出そうですし、なにより、トラブルも少なそうです。
ただ、ここで考えるのは、「【社員にお願いして印税を独り占めする】と【サロンメンバーにお願いして印税を分配する】では、どっちの方が面白いか?」です。
当然、後者の方が「面白い」ですよね。
だって、「お客さんと印税を分配する」なんて聞いたことないもん(笑)
ここで気になるのは、「何故、『利益』ではなくて、『面白い』で判断するか?」というところだと思うのですが、結論を申し上げますと「『利益』よりも『面白い』を優先した方が利益が出るから」です。
サロンメンバーさんに印税を分配して、各国の交渉をお願いすると、その先々で『物語(※時にトラブル)』が生まれます。
その物語は、まだ人類が経験したことのない(誰も知らない)物語で、僕はその物語をサロンに紡ぎます。
そして、その物語は一回では終わらず、連載されることでしょう。
オンラインサロンがこの人数になってくると、絵本の印税を受けとることよりも、サロンの記事の厚み(面白さ)を上げて、サロンの退会率を下げた方が利益が大きいです。
天秤にかかっているのは、『印税』と『退会率が下げることによって発生する収益』というわけですね。
当然、経営者ならば、この天秤を想像できなくちゃいけないし、迷わず後者を選ばなくちゃいけません。
『「点」ではなく「線」で見ないといけない』というのは、こういうことですね。
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▼ 今、オンラインサロンが起こしているパラダイムシフト
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今回のような手が打てたのは、「サロンがこの規模になったから」というのは一つあると思います。
今、けんすうサンが会社ぐるみで『アル開発室』というサロンをやられていますが、月額980円で会員数はまもなく2000人です。
『アル開発室』
この規模になってくると、「ここは『利益』を捨てて『物語(面白さ)』をとった方が利益が出るじゃね?」という判断を迫られる場面が結構やってくると思います。
ほとんどのプレイヤーは『利益』を取らないと生きていけないので、正面から「ウチ、利益は要らないんです」という変態が走ってきたら、ギャー!となります(#急に説明が雑っ #頑張れ読者)
どうやら、「物語でマネタイズする仕組みができているチーム」は強くて、僕が今あらたに会社を立ち上げるのなら、ズボラな株主に出資してもらって、メチャクチャ優秀な作家を雇います。
文章の上手さだけではなくて、「ここは主人公(会社)を落とした方が物語の厚みが出る」という判断ができる人です。
先日のNORAさんしかり、「会社」を読み物にする感覚が求められているのだなぁと思っとります。
昨日、サロンメンバーさんが自主的に『海外エージェント』のグループを組んでくださいました。
大きくなったグループって、(影響力に目が眩んで)大体もめるのですが、ここはチョットお任せしてみようと思います。
その方が面白いからです。
現場からは以上でーす。
【追伸①】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
【追伸②】
現時点で出版が決まっている国はコチラ↓
・韓国
・中国
・台湾
・コロンビア
・フランス
・トルコ
【追伸③】
人数が人数だけに、昨日、お伝えした『お問い合わせフォーム』に届いた全ての質問にはお答えできなかったりします。
(※全ての質問に目は通させてもらっています)
御理解いただけると助かりまーす。好きよ。
 
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2020年06月04日のエンタメ研究所の過去記事

6月4日(木) ※6月6日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
ディーン・フジオカさんを見た後にマネージャーの須藤君を見て「本当にブスだなぁ」と思ったキングコング西野です。
さて。
昨日、一昨日と、ずいぶん踏み込んだ「経営」の話をしたので、今日は少し趣向を変えて、『もっとサロンメンバーと仕事をしていこうと思います』というお話をしたいと思います。
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▼ 映画『えんとつ町のプペル』の制作状況
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映画『えんとつ町のプペル』の制作の進捗状況を共有しておきたいと思います。
昨日は声優さんのキャスティング会議がありました。レコーディングのスケジュールは8月とのことで、「いよいよだなぁ」といったところ。
昨日の会議を受けて、これから各声優さんにオファーを出させていただくのですが、現時点で決定しているのは(※これはナイショですよ)、煙突掃除屋の少年「ルビッチ」のお父さんである「ブルーノ」役の声です。
担当してくださるのは『立川志の輔』師匠。
映画『えんとつ町のプペル』は、この「ブルーノ」の一人語りで大エンディングを迎えるのですが、ここは「音楽」が大仕事をする場面だと見ています。
噺家さんの声は「楽器」に近くて、とくに志の輔師匠の声には「笑わせる要素」も「泣かせる要素」も全部含まれているので、ここはお力をお借りしたく、直談判に行きました(^-^)v
映画が公開されたら、ラストシーンで「あ~、西野が言ってたことは、こういうことかぁ」とニマニマしていただけると嬉しいです。
そんな映画『えんとつ町のプペル』ですが、現在、脚本の【英訳】も同時に進めております。
もちろん、今年12月の日本公開後、海外に展開していく予定です。
今日は、その海外展開に関係のある話です。
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▼ 絵本の海外展開って、どうなってるの?
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現在、僕は、いくつかの国で絵本を出版しています。
絵本の版権を海外に売る方法はいくつかあって…これまで僕たちがやってきたのはイタリア・ボローニャなどで開催されている絵本の見本市(スッゲーでかいイベント)に出展して、そこで、いろんな国の出版社と交渉し、出版を決めています。
えんとつ町のプペル』のコロンビア版の出版は、イタリア(ボローニャ)で決まっていたりするんです。
イベントとしては結構面白いのですが(※世界中の作品とバチバチやり合えるので)、ただ、こういった世界的な見本市は年間に数回しかありません。
くわえて、今年は(下手すりゃ来年も)コロナの影響でイベント中止が相次ぐでしょう。
もちろん、ここで、「あー、残念だねぇ」と指をくわえる西野ではありません。
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▼ フランス版『えんとつ町のプペル』の話
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エッフェル塔で個展を決めた理由は二つ。
一つ目は、「エッフェル塔で個展をした人がいないから」。
そして、二つ目は「フランス版の『えんとつ町のプペル』が出ているから」です。
個展会場では絵本が飛ぶように売れます。
「おみやげ」として買われるわけですね。
つまり(会社としては)絵本が出ている国には行きやすいんです。
行く理由があるんです。
自分達の活動も広めやすいし、その国の出版社さんの売上にも貢献できるので。
「どうせ個展をするのなら、絵本が出ている国でやろう」
となりますし、今後は、
「どうせミュージカルを仕掛けるのなら、絵本が出ている国でやろう」
となるでしょう。
『その国で絵本が出版されている』というのは、その国に行く「とっかかり」として、結構強かったりします。
フランスは、まさに。
ところがフランス版の『えんとつ町のプペル』は、イタリアやニューヨークの見本市の会場で交渉し、出版を取り付けたわけではありません。
えんとつ町のプペル』に惚れ込んだフランス人女性が、娘さんと協力をして(自主的に)出版社を回り、フランスでの出版を取り付けたのです。
僕らがエージェントさんを雇って、「フランスで版権を売ってきてー」と言ったわけではないんです。
一組の親子の仕業なんです。
それが、エッフェル塔の個展まで繋がったんです。
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▼ これじゃん!
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見本市の再開を待つのは僕達らしくありません。
そんな中、幸い、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』には6万3000人のサロンメンバーさんがいて、海外組も少なくともありません。
もう、お察しだとは思いますが、ここからは海外メンバーさんへの「お願い」です。
あなたがお住まいの国の出版社に、『えんとつ町のプペル』の出版を掛け合っていただけませんか?
交渉してみて、手応えがありそうなら、コチラまで御一報ください↓
出版が決まれば、「エージェント」として、絵本の印税の数%を受け取っていただく契約をしたいです。
ちなみに、交渉時の切り札としては、「出版を決めてくれるのなら、子供達に寄付する用に西野が1000冊買います」です。
「絵本の印税をサロンメンバーが受け取っている」という状態を作ったら、何が起こるのかを試してみたいです。
僕の海外の活動の『株』をサロンメンバーさんが持つイメージです。
企画が転がりだしたら面白くなりそうなので、ひとつ宜しくお願いします。
出版が決まれば、とりあえず飛行機に飛び乗って飲みに行きます。
世界を獲りましょう(^-^)v
現場からは以上でーす。
【追伸①】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
【追伸②】
添付したリンクは、ときどきサロンのコメント欄で僕とドロドロの昼ドラを展開しているバンビーノ藤田夫妻のクラウドファンディング
オンライン結婚式を開催するんだってさ。
おめでとう
 
(^-^)v
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1604
 
 
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2020年06月03日のエンタメ研究所の過去記事

6月3日(水) ※6月5日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
今朝(ジョギング中)、奇声を発しているオジサンとスレ違う時に「お前は友達が少ない!」と言われたキングコング西野です。
さて。
今日は昨日に引き続き『NORA美容室から学ぶ2020年代生存戦略(後編)』について、お話ししたいと思います。
サービス提供者(もちろん僕を含む)全員が共有しておいた方がいい話だと思います。
一緒に勉強していきましょう。
(※今日は長いですよ)
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コロナ中の、表参道の美容室の『数字』
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「100年に一度のウイルスに襲われた経験」が僕らを強くしてくれることは間違いありません。
ただし、『そこから学んだ者に限り』です。
ダイヤモンドプリンセス号の政府の対応を見た時に(2020年2月)、新型コロナウイルスが感染拡大し、日本中から『移動』が奪われることを確信しました。
経済活動は『移動』の上に成り立つものですから、その基盤が奪われると、かなりやっかいです。
すぐに「自分が八百屋さんならどうする?」「自分が学習塾の経営者ならどうする?」「自分が美容室のオーナーならどうする?」というシミュレーションを開始しました。
オンラインサービスはむしろ『バブル』なので、この場合、学びが多いのはオフラインのサービス。
実店舗の経営です。
僕は友達が少ないながらも(笑)、実店舗を経営している友人が何人かいて、コロナショックで、すぐに顔が浮かんだのは、
アパレルブランド『#FR2』を率いる石川涼さんと、
メガネブランド『OWNDAYS』を率いる田中修治さんと、
美容室『NORA』を率いる広江一也さんでした。
とにかく打ち手が早い人達なので、ジッとしていることがあったとしても、それはそれで「狙い」があっての判断だと思ったので、彼らがどう動くか勉強させていただいていました。
そのうち、『NORA』さんに関しては、コロナ期間中も実際に髪を切りに行っていたので、お店の状況や、次の打ち手の話を、比較的近い距離で共有させていただいておりました。
ちなみに、これは、オーナーの広江さんから、サロンメンバーの皆様に共有することを許可いただいた『コロナ期間中のNORA美容室の数字』です↓↓
━━━
Facebookセッション】
→1693%アップ
Instagramセッション】
→1249%アップ
…全体で174%アップ。物凄い宣伝効果です。
広告換算したらこれだけでもかなりのプラスだと思います。
【BASE(ネットショップ) 売り上げ】
→約1ヵ月で1500万円
…コロナ前の2月の売り上げや、昨年の売り上げと比べても、4月、5月とも『前売り券』や、『ギフト券』の影響もあり、120%UP。
【4、5月のSNSの広告価値まとめ】
(2月と比べて)
→7倍の数の新規ユーザーを獲得
facebook, Instagram においては、11倍のフォロワーを獲得し、セッションも12倍以上に増えた。
…本来、これらのユーザー、セッションを獲得する為に支払う広告費は約1,300万円。
以上。
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ややこしい数字が並びましたが、要するに、コロナ期間中の方が売り上げが伸びているんです。
もちろんそこには『前売券』が含まれていますから(=4月5月期の借金を返すように後々の稼働が増えるので)、正確な数字ではありませんが、『前売券』の購入者の約4割が「新規客」だったので、トータルで見たら、かなりプラスだと思います。
NORA美容室の成功を受けて、その後、多くの店舗が『前売券』システムをスタートさせましたが、僕が知る限りでは、皆が皆、上手くいっているわけではなさそうです。
ーその違いは何だろう?ー
NORA美容室は、何故、コロナ期間を乗りきれたのでしょうか?
僕らは、ここから多くを学ばなければなりません。
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▼ 『顧客』と『ファン』
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普段通っている近所のスーバーがクラウドファンディングをしても、僕らは支援をしないでしょう。
それは『顧客』であり、『ファン』ではないからです。
僕らは潜在的に「まぁ、このスーパーが潰れても、その跡地にAEONができてくれたらいいや」ぐらいに思っています。
要するに『品揃えの良い近所のスーパー』という「システム」にお金を払っているんですね。
そこで働いている「人」にお金を払っているわけでない。
当然、僕らは、そこで働いている「人」の生活を想像していない。
その先に、その「人」が守らなきゃいけない家族がいることも想像していない。
これが『顧客』です。
一方、『ファン』というのは、「システム」ではなくて、「人(ときどき理念)にお金を払っている人」のことを指します。
今回のコロナちゃんが残酷なまでに顕在化したのは、「顧客に支えられている店はアウト。ファンに支えられている店はセーフ」というルールです。
刻一刻と状況が変わったコロナ期間は、同じく『変化の激しい2020年代』の縮図なので、この
「顧客に支えられている店はアウト。ファンに支えられている店はセーフ」というルールは2020年代のルールとして適用されるでしょう。
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▼ NORA美容室が仕掛けた『ファン作り』
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『前売券』や『ギフト券』は手段でしかなくて、それらを機能させる為には『ファン』の存在が必要です。
近くでNORA美容室(広江さん)を見ていて、「上手いなぁ」と思った『ファン作り』が、いくつかあります。
サロンメンバーさんの中でも利用された方がいるかもしれませんが、NORA美容室は、ときどき、営業終了時間を前倒しにして「イベントスペース」として店を提供しているんですね。
僕も『オフ会(飲み会)の会場』として何度か利用させてもらったことがあるのですが、その時、NORAの美容室さん達がイベントスタッフとしてイベントを手伝ってくださるんです。
お酒とか出してくれるんです。
イベント目的で集まったお客さんが、そのタイミングで「人(NORAの美容師さん)」とコミュニケーションをとるわけじゃないですか?
そのうち何割かが「今度、僕の髪を切ってください」となる。
その瞬間、『料金表』なんて見てないんです。
そこで決めたのは一つ。
「この人にお金を落とそう」
『ファン』が生まれる瞬間です。
それもこれも「イベントスペース」として場所を提供していなければ、その流れは生まれていません。
オーナーの広江さんはここが上手くて、「そりゃ、ファンになっちゃうよな」を、やりまくるんです。
マンマと僕も沼にハマっています。
ちなみに、毎回、広江さんに髪を切っていただいていますが、広江さんのカットの技術を僕は1ミリも知りません。
もしかしたら、メチャクチャ下手かもしれません(笑)
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▼ 「お金」の使いどころ
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これは僕も意識していることですが、NORAさんの「お金」の使いどころは、とても勉強になりました。
コロナちゃんに襲われ、緊急事態宣言が出され、店の売上が極端に落ち込むことが見込まれた時(※まだ『前売券』の結果も分から無かった時)、多くの店が従業員の給料を泣く泣く60%~40%に減らす中、NORA美容室は90%にすることを決めたそうです。
従業員をたくさん抱える大きなお店なので(表参道だから家賃も高い)、売上が見込めない中での、「給料90%」は“ほぼ”自殺行為です(笑)
ただ、この判断は完璧で、二つの大きな大きなメリットを生み出しています。
1つ目は『結果的に、いつもより高い報酬を渡せた』です。
「信用度」が力となる信用経済では、これまで以上に「お金」を「時価」で見る力が求められます。
当然、全員のキャッシュが不足している時の「1000円」が、通常時の「1000円」と同じ価値であるわけがなくて、コロナ期間中のお金はメチャクチャ価値が高かったんです。
僕はホリエモンのロケットに1000万円の支援をさせていただきましたが、ホリエモンから5000万円分ぐらい感謝されています(笑)
コロナ期間中は「給料を払うには絶好のタイミング」で、言ってしまうと、従業員さんの労働力と現場の士気を、かなり安く買える。
当然、その瞬間、自分の首は絞まりますが、100年に一度の「出し時」であったと思います。
二つ目は『広告になった』です。
これが今回、天才すぎた点ですが、他の美容室の従業員さんの給料がカットされている中、NORA美容室の従業員さんだけが給料の90%を受け取っていて、多くの「Why?」が従業員さんに寄せられたそうです。
その時に、「実はウチ、『前売券』を出してまして…」でフィニッシュです(天才かよ!)。
タイムラインに強引に流れてくる宣伝と違って、お客さんからの興味に答える形での宣伝なので、宣伝効果がケタ違いです。
「Why?」が生まれるようにお金を使った(「Why?」を買った)、という話ですね。
スゲーっす、ホントに。
今回のNORA美容室さんから学ぶことはあまりに多くて、その中でも特に『ファンの作り方』と『お金の使い方』に関しては、腕にタトゥーを入れておきたいレベルです。
2020年代を生きる僕らは、ここを絶対に忘れちゃいけなくて、今、この文章を読み終えた瞬間にできる作業としては「私の『ファン』は何人だ?」という自問自答です。
胸に手を当てて、聞いてみてください。
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
 
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