西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年11月22日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の主演の吉原光夫さんがフリフリの可愛いフリル付きのシャツを私服で着られている理由を訊いたところ、「顔が怖いから、フリルで帳消しにしようと思ってます」と返って腹筋が崩壊したキングコング西野です。
 
さて。
今日は『歌舞伎版プペルの課題』というテーマで、ゴッリゴリのクリエイティブの話をしたいと思います。
『課題』というだけに、まだ解決していないコトではあるのですが、この(未完の)状態を共有できるのはサロンだけなので、ブチ込みます。
 
※内容が内容だけに(答えが出ていないことなので)、今日の記事はいつもより短くなりますが、手を抜いているわけじゃないからね。
 
 

市川海老蔵さんからの問題提議
 
今朝のVoicy(https://voicy.jp/channel/941/239201)でも、お話ししましたが、先日、海老蔵ファミリーがミュージカル『えんとつ町のプペル』を観に来てくださいました。
#海老蔵さんはまた観に来られるそう

本番前に「ミュージカル版のプペル、超怖いよ」と勸玄君を脅かしたところ、声を震わせながら「僕のいる2階席まで上がってきますか?」と返ってきて、キュン死しました。
#反則的に可愛い
#吉原光夫さんも少しは見習って欲しい
 
勸玄君の成長を見届けたくなる歌舞伎ファンの気持ちが痛いほど分かったと同時に、「半端なものは作れないなぁ」と背筋が伸びた西野。
 
終演後には、「ミュージカルの良さと、歌舞伎版プペルの課題が見えました!」と言う海老蔵さんと再集合して、さっそく打ち合わせに入りました。
 
「プペルとミュージカルの相性がメチャクチャ良い!!」という海老蔵さん。
理由を聞けば、
 
「『口数の少なさがプペルの純真さを作っている』が前提にあるので、彼が心情を吐露するシーンを増やしてしまうと、それが消えてしまう。ただ、ミュージカルは、歌で心情を“合法的に”吐露できて、かつ、プペルがどれだけ歌おうが(心情を吐露しようが)、口数が多く見えない」
 
とのこと。
#天才かよ
 
そして、「その打ち手(歌)は、歌舞伎では不可能」と。
 
これって、メチャクチャ大切なラインだと思っていて、プペルの純真さの確保もさることながら、市川海老蔵を観に来たお客さんを相手に、「口数の少ない市川海老蔵」を届けるわけにはいきません。
 
さて、ここをどう乗りきるか?
 
冒頭、申し上げたとおり、答えはまだ見つかっていません。
これから見つけにいくところです。
 
ただ、答えは必ず見つかります。
 
理由は、「西野は答えが見つかるまで探すから」です。
#僕
#しつこいんです
 
こんな機会でもない限り、「プペルとミュージカルの相性」や「ミュージカルでやれて、歌舞伎でやれないこと」を考えることもなくて、個人的にはメチャクチャ面白いテーマなので、サロンメンバー皆様と共有しておきたいと思いました。
 
まだ未解決のこの課題のことを覚えておいてください。
なんなら一緒に考えてください。
 
チケットの先行予約がスタートしたので、全員、なんとしてでもゲットしてください↓

https://l-tike.com/play/mevent/?mid=610331

新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』で必ず答えを出します。
 
最後に、海老蔵プペルの画像(ポスター撮影の様子)を貼っておきます。
死ぬほどカッコイイです。
 
お楽しみに!!!
 
現場からは以上でーす。
 
【追伸】
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2021年11月21日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
日曜日の今日は仕事の話は一旦お休みして、『梶原君に出会えて良かったな』という完全にホッコリした話をしたいと思います。

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の現場では、連日、キャストさんの才能に胸を踊らせているオイラです。
#ひろゆき

もともと僕の第一希望は『お客さん』で、できれば未来永劫四六時中『お客さん』をやっていたいのですが、自分が好きで好きでたまらない作品を作ってくれる人があまりいないので(でも、時々いるよ!)、自分で観るために自分で作っています。

なので、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』を客席で観れる毎日は、僕の第一希望であり、あの…とても幸せです。

今日も終演後にアフタートーク(生配信)が入っていますが、主演の吉原光夫さんとは、初日の幕があがった後も、本当に頻繁にディスカッションを繰り返しています。

吉原さんのステージパフォーマンスや、役者としての在り方を見るたびに、「自分は作る側で良かったな」と思います。
「こんな人にプレイヤーとして敵いっこないよ」という気持ちです。

昨夜は海老蔵さんファミリーも観に来てくれていて、終演後には海老蔵さんと来年の歌舞伎の打ち合わせがありました。

海老蔵さんと話をしながら、ここでもまた「自分は作る側で良かったな」と思いました。
「こんな人にプレイヤーとして敵いっこない」と。

「敵いっこない」という言葉を使うと、どうしてもネガティブな響きになってしまいますが、僕としては、ものすごく前向きな言葉として捉えていて、自分のポジションを見つけられることほど幸せなことはありません。

裏を返すと、年齢を重ねてから「自分の居場所はココじゃなかったんだ」と知ることほど不幸なことはありません。

僕は、ときどき(ものすごーく優秀な!)広告塔として稼働することはありますが、基本的には裏方の仕事をしています。
絵本を作ったり、映画を作ったり、ミュージカルを作ったり、歌舞伎を作ったり。

自分が出演することは、ほとんどありません。

自分の居場所を「裏方」に振ったことで、毎日、とても貴重な体験をさせてもらっているのですが、そもそもそのキッカケを作ってくれたのが梶原君でした。

学校の人気者(すっごい人気者だったんだよ!)が、「外の世界にはどんな面白いヤツがいるのかな?」と興味半分で吉本興業の養成所(生徒数700名)に入ったわけですが、(こんなことを言うと同期からメチャクチャ怒られるので、ここはナイショね)当時は面白い人が全然いなくて、入学から卒業するまで、ずっとトップ(首席)でした。

田舎から出てきた人間としては拍子抜けもいいとこで、退屈だし辞めようかなぁと思っていた時に、梶原君に出会いました。

梶原君が作るネタはすこぶる面白くなかったのですが、プレイヤーとしての華は抜群で、一目観た時に「ああ、僕はこの人には逆立ちしても勝てないんだろうなぁ」と確信しました。

縁に恵まれてコンビを組むことになり、梶原君の方から「どっちがボケでいこうか?」と相談にされ、迷わず、「カジ(梶原君)だよ」と答えました。

僕がプレイヤーから降りた(裏方にまわった)のはその時で、梶原君に出会っていなければ、たいして才能もないくせに、実力を過信して、中途半端にプレイヤーを続けていたでしょう。

そして、数年後に「ここじゃなかった」と思っていたことでしょう。

咲かせる場所を誤ったせいで咲かない花があります。
この世界にいると、そんな花をたくさん目にします。

それでいうと、19才の時に、その華でもって「西野が咲く場所はそこじゃないよ」と教えてくれた梶原君の存在は僕にとっては本当に大きくて、あらためて感謝だなぁと思うと同時に、本人に伝えることでもないので、サロンに書きました。

いろんな人から「『毎週キングコング』の時、梶原の話を本当に楽しそうに聞いてるね」とよく言われるのですが、楽しそうに聞いているポーズでも何でもなくて、(つまらない話題も含めて)本当に楽しくて、特等席に座らせてもらっていると思っています。
#武道館観に来てね

皆さんにも、自分の居場所を教えてくれた
人はいますか?
また聞かせてください😁

それでは素敵な日曜日を。

西野亮廣(キングコング)

 

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2021年11月20日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。

さて。
今日は「ちょっと今、迷っていること」というテーマでお話ししたいと思います。
「迷っている」といっても、ネガティブな話じゃなくて、「やるからには、いろいろ見直さなきゃいけないなぁ」と思っている話です。

こんな、まだ定まりきっていない内容をお届けできるのもサロンだけなので、そのへんも楽しんでください。

 

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』がすごい

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が開幕しております。
会場の「東京キネマ倶楽部」は連日ものすごい熱気で、オンライン配信チケットも現時点で「5300席」が売れているそうです。
★オンライン配信チケットはコチラ↓
https://meets.ltd/poupelle/ticket_1121/

他の仕事を一旦ストップさせて、朝から晩まで稽古場に向かった日々が少しずつ報われています。
応援してくださっているファンの皆さま、毎度、土壇場で踏ん張ってくださっているスタッフの皆さまに感謝感謝であります。

VIP席には、連日、「まさにVIP!」という方が来てくださっていて、彼らからの声をダイレクトにいただいています。

『映画 えんとつ町のプペル』の廣田監督からは「ミュージカルで泣いたのは初めてです!!」という興奮のメール(長文!)が届き、彼が嘘や「おべっか」を言う人ではないことを僕はよくよく知っているので、たしかな手応えを感じています。

ちなみに海老蔵さんは二回観に来てくださるそうです(笑)

ここで、ちょっと運営(ビジネス)の話をしたいと思います。

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』がお客さんに刺さりまくっている理由は、作品の内容もさることながら、『東京キネマ倶楽部』という場所も大きく後押ししていると思っています。

これは「オンライン配信」も含みます。
#カメラには東京キネマ倶楽部の客席やサブステージが映り込んでいるのです

もともと、東京キネマ倶楽部という場所が、プレーンな状態(美術セットを建て込む前の状態)で「えんとつ町の劇場」感をまとっていて、会場にお越しいただくと分かるのですが、ステージ上と客席の境目が無いんです。

厳密に言うと、ステージ上と客席の境目が無くなるように美術をデザインしました。
「ステージ上と客席の境目が無くなるように美術をデザインした」と言っても、もともとの劇場の内装が、えんとつ町に近くないとそれはできません。

世界展開を見越して、最初から、「どんな場所でもやれる作品」に仕立てていますが、とはいえ、「東京キネマ倶楽部で観る『えんとつ町のプペル』」が格別であることは確かで、今、僕の頭の中で、ボンヤリと向き合っているテーマは「海外展開は引き続き推し進めるとして、来年以降の日本公演は、東京キネマ倶楽部を飛び出していいのか?」です。

たとえば、(日本公演で)他所のカンパニーに『えんとつ町のプペル』の上演権利を販売した場合、普通に考えると、採算を取るために大きな劇場(えんとつ町感のない劇場)で開催されることになるでしょう。

ですが、あの空間で、あの距離で、あの物量をお客さんに叩きつけるから圧倒できている部分は確実にあって、ここは無視しない方がいいですし、この記事を書き進めながら、「こういう時は面倒くさい方を選んだ方が正解だろ」とミニ西野が耳元で囁いてます。

ただ、今回、東京キネマ倶楽部でやったのは、「名刺作り」の意味合いも大きかったので、大胆な採算度外視に踏み切れたのですが、「次回以降もキネマ倶楽部で」と判断するのであれば、そうはいきません。

続けていく以上は、黒字にのせなきゃいけないので、料金設定やビジネスモデルを見直す必要があるでしょう。
それも、ただ「料金を上げる」という単純なことではなく、「ミュージカルの敷居の高さ(料金も含む)を下げなから、黒字化に持っていく」というやり方で。

個人的には10月の3週間(ハロウィンシーズン)を押さえ、「ハロウィンだから、プペルを観に行こう」を習慣化して、広告費ゼロに持っていけると面白そうだなぁと思っています。

皆さんお察しのとおり、記事が進むにつれて、西野の気持ちは東京キネマ倶楽部でやる方向に完全に進んでいますが、先程も申し上げたとおり、やるからにはビジネスモデルの見直し(というか開発)が必須になってくるので、そのあたりをどうしていくか?も今後、サロンで共有させてください。

現場からは以上でーす。

【追伸】
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https://www.youtube.com/watch?v=D9EU5OtQM3o

 

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2021年11月19日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
朝倉未来さんを倒して1000万円をゲットしようかと思っているキングコング西野です。
#O脚もやし猫背

さて。
今日は『役者さんの労働環境を根底から見直す』というテーマでお話ししたいと思います。
 
★ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の冒頭180秒はコチラ↓
https://youtu.be/D9EU5OtQM3o
 
 

肉体の稼働を止めると、収入が止まる
 
あの大忙し男・ホリエモンが極端に時間を割いて向き合うほど、舞台(演劇・ミュージカル)の達成感というのは覚醒剤で、ハマってしまうと抜け出せません。
#ホリエモンが手がけるミュージカルも最高なんです

他方、その快感の為に、いろんなものを犠牲にしてしまう役者が少なくありません。

「バイトをして、お金を貯めて、お金を払って(チケットノルマを背負って)舞台に出る」みたいなケースも。

日本だと、いとも簡単に「夢か、お金か」みたいな議論になりがちですが、夢を続けていく為には「お金(生活費)」が必要です。

役者はまず「食っていく為には出演作品を選べない」というゾーンからスタートするわけですが、あまり面白くない作品にお客さんを呼んでしまうと「アイツの舞台、観に行ったけど、全然面白くなかった。もうアイツの舞台を観に行くのはやめよう」という展開になり、集客すればするほど、信用とファンを失ってしまいます。

役者本人もそのことは分かっていて、「あまり面白くない作品だな」と思ったら、積極的に告知はしません。
「自分の出演作品(自分の商品)を宣伝しない」という状態になっているわけですが、それだと、いよいよ何の為に仕事をしているのか分からない。
「ただ、現場に入って、面白くない時間を過ごして、お金だけ貰って帰ってくる」がやりたくて入った世界じゃないことは確かで、ここは、どげかせんといかんです。

役者の信用(ファン)を守る為に、やはり一番ヘルシー(ヘルシー?)なのは「役者が、出演作品を選べる(仕事を断れる)環境」を作ることかなぁと思っています。
「出演しなくても(しばらくは)食える状況」を作ること、ですね。

「肉体の稼働を止めてしまうと、収入がストップする」という“役者の当たり前”は、病気や怪我の面は勿論のこと、今回のようなパンデミック(身体は元気なのに働けない)でも、大きなリスクです。

さて、どうしたもんでしょうか?

自分のことでもなけりゃ、頼まれてもいないのに役者の生活のことを考える西野先生。
惚れてもらっても構いませんよ。

 

権利をキチンと握る
 
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のキャストの皆さんと過ごす時間が長く、一方的に「家族」のように思っています。

毎日、素晴らしい作品を届ける為に、本番前に入念に(本当に入念に!)身体を仕上げていくお姿を見るたび、そしてキャストさんのご家族(吉原さんと、知念さんと、乾さんのお子さん、超可愛かった!!)を見るたび、なんとしてでも、彼らの才能と信用と生活を守りたいと思います。

プロデューサーの瀬戸口とは、そんな話もチョコチョコしていて、製作費の回収は勿論のこと(※こんなのは楽勝)、「ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』に関わってくれたキャストさんを未来永劫支援し続ける仕組みも作ろう」と伝えました。

キャストさんを支援し続ける仕組みは至ってシンプルで、以下の通り。

① オンライン配信チケットを一生売り続ける。
② キャストさんの事務所とキチンと契約を結んで、オンライン配信チケットの売り上げの○%をキャストさんに一生支払い続ける。
#カラオケ印税のノリ

 

以降、公開不可です

 

現場からは以上でーす。

 

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2021年11月18日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
朝から戸田恵子さんとのLINEに熱中しすぎて(※声出して笑うこと小一時間)サロンの記事の投稿が遅れたキングコング西野です。

さて。
今日は「サービスを提供するなら、この意識を持っておいた方がいいよね」的な話をしたいと思います。

今日はクリエイティブの話ではなくて、ゴリゴリのビジネスのお話です。

 

「遅れてきたお客さん」をキミはどう扱う?

昨日、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の開演前にTwitterを眺めていたら、「うわぁ。ミュージカルえんとつ町のプペル観に行くのに電車が止まってる。マジか……」というツイートを見つけ、すぐにスタッフのLINEグループに、そのツイートを共有し「フォローを宜しく」と投げたのですが、いまいち反応が悪かったので、「いや、マジで、こういう時は全力でフォローした方がいいよ!」とダメ押ししました。

今日の内容は全サービス提供者さんが耳の穴をかっぽじって聞いていただきたいのですが、結論から言っちゃうと、サービスというものは、「商品を売る作業」ではなく、「ファンを作る作業」です。

もう少し具体的に言うと、「商品を売ったところで、ファンを作っていなかったら、それは、ただの等価交換であり、サービスは呼ばない」です。

今、「ギクッ!」とされた方が結構いらっしゃると思うのですが、ほとんどの(自称)サービス提供者がやっているのは、500円の商品を500円で売って、500円を手に入れる「等価交換」です。

これだと、一生売り続けなきゃ(宣伝し続けなきゃ)いけないので大変です。

お客さんが「顧客」から「ファン」になるのは、基本的には、「余分に与えた時(値段以上のものを提供した時)」です。

「こんなにいただいちゃって…何か今度、お返ししなきゃ」という状態(返報性)の名称が『ファン』であり、余分に与えないことには、その状態は生み出せません。

ただ!!!

500円のものを頑張って470円で提供したところで、「30円分」を余分に与えていることを知っているのはサービス提供者だけで、お客さんは、そのことを知りません。
「470円の価値の商品」として認識します。

つまり、値段が付いてしまっているものを余分に与えたところで、気づいてもらえないんですね。
あえて汚い言葉で言うと「無駄死に」なんです。

じゃあ、お客さんは一体どのタイミングで「余分に与えてもらった」と感じるのでしょうか?
どのタイミングが、「余分に与えてもらった」と感じやすいのでしょうか?

答えは、「無料」の時です。

お客さんは、“お金を支払うことで、与えてもらった恩を精算している(チャラにしている)”ので、お金を支払っていないタイミング(精算させないタイミング)が、もっとも狙い目で、「ファン」を作りにいくのならば、ここにサービスを投下した方がいいです。

昨日は「東京スカイツリーラインの遅延の影響で30分ほど遅れて来られるお客様がいる」ということを運営スタッフ全員に共有し、入り口でお迎えするよう徹底しました。
#西野からのプチプレゼント付き

大変喜んでいただき、なんと、その場で『舞台セット見学ツアー』を購入してくださいました。
もちろん、『舞台セット見学ツアー』の宣伝など、こちらからは一切しておりません。

たったのこれだけのことで、このお客様は、このカンパニーをずっと応援してくださると思います。

(先程から黒西野がチラホラ顔を出していますが)、お客様からお金をいただいていない時こそが、お客様を「顧客」から「ファン」にするボーナスタイムで、ここに目をつけない限り(ここをチャンスだと思えない限り)、一生、顧客に商品を売り続ける作業をすることになります。

昨日の昼公演で、「コロナの規制退場」が以外と時間がかかることが分かったので、昨日の夜公演からは、「コロナの規制退場中」の照明を一つ作りました。

「えんとつ町に星空が広がっている景色」です。

公演は終わっているので、ここは「無料ゾーン」です。
ここがチャンスだ。

これは、ビジネスマンに言っています。

現場からは以上でーす。

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https://meets.ltd/poupelle/ticket_1121/

 

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2021年11月17日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
一人でブツブツ言いながら歩いていたところ(※無自覚!)、すれ違った子供から「大丈夫ですか?」と優しく声をかけられたキングコング西野です。
#人としては終わった
 
さて。
今日は「世界戦に出てみて、気づいたことの『まとめ』」というテーマでお話ししたいと思います。
 
 

世界戦のお作法
 
本題に入る前に、まずは御報告と御礼を。
 
11月7日~13日にカタール(ドーハ)で開催された『第9回アジャル映画祭(Azyal Film Festival)』にて、『映画 えんとつ町のプペル』が【最優秀長編映画賞】を受賞しました。

カタールの場所すら把握できていない西野が一人でこのような場所に辿り着けるハズもなく、月並みな挨拶ではございますが、この結果は全て、応援してくださった皆様のおかげです。
 
誰からも求められず、0.03ミリのボールペン一本で始めた物語が、笑われ、叩かれたりしながら、こういった一つの「通過点」を踏んだことが、今どこかで拳を握りしめている挑戦者の希望や支えになれば、これほど嬉しいことはありません。
 
世界戦は、今後もどんどん進めていて、とりあえずミュージカルが終われば、ソッコーでアメリカに飛びます。
ちなみに、『映画 えんとつ町のプペル』のアメリカの配給会社の代表にも、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』を観に来てもらうように伝えました。
#それがどう繋がっていくのかは知りませんが
 
さて。
 
こうして実際に世界戦に参加してみて、参加する前と今とで考えが変わったところがいくつかあります。
 
まずは、最近よく言っている「『共感』と『創造』」について。
国内戦でポイントを稼ぐには『共感』に寄せた方が有利ですが、「共感は海を越えない」というリスクがあります。
 
共感の道に進んだ時点で、どれだけ勝ち抜こうが、その影響が及ぶ範囲は海岸線の内側で、上限があります。
 
他方、『創造』は上手くやれば海を越えるので、上限はありませんが、しかしながら、日本だと『創造』にはポイントが入りにくい。
 
木下優樹菜の再スタートの仕方」について、テレビで延々と議論するのが日本です。
良くも悪くもここはワイドショーの国なんです。
 
表現活動に生きるのならば、まずは、この「一歩目」を決めなきゃいけない。
結果的に両方を得ることはあっても、最初から両方を取りに行くとロクなことにならなさそうです。
 
次に、世界戦に出てみて感じたことは、「強いヤツは確かにいるけど、勝てない相手じゃない」ということでした。
ただ(※ここからが大事!)、「勝てない相手は別にいないけど、勝てないビジネスモデルだらけ」が実際のところで、試合が始まる前に勝負がついていることがほとんど
「創造」と「ビジネスモデル」を分けて考えてはダメで、基本的には、「どう転んでも自分達が勝つビジネスモデルを作った上で、そこに自分達の創造を乗せる」というのが正しい打ち手なのだと思います。
#ここはキチンと向きあえばイケると思います
 
あと、ケースバイケースなので、少しボンヤリとしてしまいますが「世界戦のNGワード」としては、『サプライズ』と『説明』があるかなぁと思っています。
 
『サプライズ』や『説明』は、基本的には一見さんのもので、「衝撃の展開っ!!」は、2回目の人には衝撃の展開でも何でもないので、リピーター前提でエンタメを設計するなら、邪魔者でしかありません。
 
ブロードウェイのショーを観た時に、「笑いのレベルは日本の方が上だな」という感想を持つ日本人がいますが、リピーターを作って、ビジネスをまわしていくことを考えると、アンジャッシュさんのコント的な笑いは、作品内に盛り込まない方がいいでしょう。
#アンジャッシュさんのコントが悪いと言っているわけではなくて
 
『説明』も同じです。
2回目以降のお客さんからすると『説明タイム』は退屈で仕方がないので、説明が必要なコンテンツはやっぱり厳しい。
 
シルク・ドゥ・ソレイユなんて、説明はパンフレットで済ませていて、舞台上では何の説明もないまま「なんか、すげー!」で最後まで駆け抜けます。
 
すべてをリセットする地震と台風(ときどき空襲)の国に生きる僕らは、DNAレベルで「ゼロ→1」が植え付けられていて(ゼロイチの美学が強すぎて)、「あるものを運用していく」という意識が低いのかもしれません。
 
ただ、世界のエンタメのシーンを落ち着いて見てみると、「顕在顧客の通り道(主に観光地)に、普遍的なコンテンツ(サプライズと説明をカットして、2回目以降も面白い作品)を置いて、新規客とリピーターの両方を取る」をやっていて、まぁ、このあたりに攻め込まないと、どうにもならないんだろうなぁと思っています。
 
「そっちに進んだ時点で、どれだけ努力をしても無駄」みたいなことは、きっと、皆さんの業界でもあると思うので、こうして時々整理しておくといいと思います。
 
現場からは以上でーす。
 
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2021年11月16日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
地元の友達に「聞いて!! 小林幸子さんが結婚10周年を迎えられたらしい!!!」というLINEを送って、リアクションに困らせてやったキングコング西野です。
#なんて言えばいい

さて。
今日は『「長く続くミュージカル」の作り方の提案』というテーマでお話ししたいと思います。
エンタメビジネスのお話です。

 

老いる作品と、老いない作品


昨日は、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のオンライン配信用の撮影がありました。
表向きには「休演日」として、客席を全て取っ払い、そこにクレーンカメラや、カメラのレールなど「カメラ7台」をズカズカと置いちゃう、なんとも大胆な撮影です。

オンライン配信の内訳は「本編」が昨日撮影&編集した素材を流し、終演後に「オンライン配信特典」として、(本日は)オリラジ藤森君×西野の終演後トークが生配信で付いてきます。

※オンライン配信はコチラ↓
https://meets.ltd/poupelle/ticket_1116/


これといって仕事もないのに(※キャストやスタッフのゴキケンとりはやったよ!)、昨日は我が物顔で撮影に立ち会ったわけですが、昨日の撮影の様子を見て、今回のファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のバカみたいな予算(制作費)が回収できることを確信しました。

予算回収は時間の問題でしょう。
#イージーゲームだ

クオリティーで圧倒し、予算も回収した(#西野の中では回収したことになってる!)となると、狙うは次のステージ…「権利を売る」です。

これに関しては、撮影合間に暇そうにしていたプロデューサーを掴まえて、『映画 えんとつ町のプペル』の海外の版権まわりを例に出して、少し話しておきました。

プロデューサーに伝えたことを一行でまとめると「権利の握り方と、組む相手を誤っちゃダメだよ」です。
#すっごい大人の話し合い

そこは、まぁ、上手くやってくれると思うので、これで版権まわりは無事に片付きました。
#西野の中では片付いたことになっている

そんなこんなで、僕が今考えているのは次の問題…「ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が10年も、20年も、30年も愛され続けるには、どうすればいいか?」です。

「人の身体は滅びるけれど、作品は残り続ける」とは言うものの、「検索されなくなった作品」は、事実上、世の中から消えます。

仕事柄、20代の方々と御一緒させていただく機会が少なくありませんが、彼らは、僕が学生時代に人気だった作品をほとんど知りません。

作品もまた、生き物と同じように老い、そして死んでいきます。
ただ、生き物と違うのは、「検索され続ける仕組みさえ作れば老いない」ということ。

大切なのは、新規顧客に見つかり続けることで、そしてそれは、「作品の力」だけでは成し得ません。

向き合わなきゃいけないのは『ビジネスモデル』です。

 

ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が見つかり続ける為には…


ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』は大切な後輩の挑戦なので、離陸するまでは面倒を見ようかなぁと思っています。
#そのあとは知らないぞ

というわけで、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が見つかり続ける為の打ち手はいくつか渡しておこうと思っていて、そのうちの一つが、いつぞやのサロン記事で書いた「『えんとつ町のプペル』の学芸会の台本の無料公開」です。

全国の幼稚園・保育園でやってもらえたら、今度はプロがゴッリゴリに作ったファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』に興味を持ってもらえるかもしれません。

ただ、これだけだも、まだ「見つかり続ける仕組み」としては弱いと思っていて、もうワンパンチ欲しいところ。

そこで、今から5秒後に天才みたいなことを言いますが……ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のオンライン配信のリンク(QRコード)を、絵本『えんとつ町のプペル』の巻末(帯を折り返した部分)に、ミュージカルの画像付きで載せるといいと思います。

絵本『えんとつ町のプペル』は、いよいよ定番絵本のオーラをまとい初め、毎日売れ続け(売り続けて)います。

つまり、毎日、“見込み顧客”に対して、「今、読んでいただいた絵本の“ミュージカル版”がコチラで観れますが、どうします?」というアプローチをかけられ続けるわけで、絵本『えんとつ町のプペル』が定番絵本になればなるほど、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』が老いない身体になる。

「300年続くエンターテイメントを作る」と決めてから、西野が死ぬ前提(西野の発信力がゼロになる前提)で考えるようになり、これまで以上に『仕組み化』に目がいくようになったので、ラッキーです。

世界中のエンタメを観てきましたが、地球に子供が生まれ続ける以上、現時点では『絵本』を軸にエンタメを横展開していくビジネスモデルが一番強いのかなぁと思っています。

そんなこんなで、今日も「えんとつ町」に行ってきます。
夜はオリラジ藤森君と生配信です。

お楽しみに!

現場からは以上でーす。

【追伸】
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https://nishinoinc.thebase.in/items/55453734

 

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