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2019年12月18日のエンタメ研究所の過去記事

12月18日(水) ※12月20日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
朝7時にVoicyが更新されていない日は、「深酒したんだな」と思っていただいて間違いないキングコング西野です。
さて。
昨日の『ガンバ大阪』の新ユニフォームの話の続きです。
あれから、いろいろ考えて、自分の中で明確な答えが出たので皆様に共有します。
(※昨日の記事を読まれていない方は、先にそちらを読んでくださーい)
昨日、記事を投稿した後、あらためて、『GAMBA EXPO』の過去の記事を読み漁ったのですが、正直な感想を申し上げると…
「GAMBA EXPOなんて知らなかった」
とんねるずのノリさんがユニフォームをデザインしたんだ。へー」
「せっかく素晴らしいイベントをやられているのに、GAMBAファン以外に普及してねぇな…」
といったところ。
たぶん、皆さんも同じような感想を持たれていると思います。
ユニフォームデザインに対するファンの方の声を漁ってみると、「素敵!」という声もあれば、「超ダセエ!」という声もありました。
「ダセエ」に関しては、個性を前に出した時の副作用として(ある程度は)仕方がない部分もあると思っています。
当たり障りないデザインにしてしまうと、「ダセエ」の声は無くせますが、それこそ何の話題にもなりませんし、そもそも、作家に依頼した意味がありません。
以上のことを踏まえ、そして、昨日のサロンメンバーの皆様からのアイデアを踏まえ(※たくさんのアイデア、ありがとうございました)、僕が出した『GAMBA EXPO 2020』のユニフォームのコンセプトは
「LOVE Local , LOVE,culture , LOVE future」
です。
これは僕が本当によく言っていることですが世界を相手どった時に、「ゼロ→1」の斬新なアイデア&作品というのは本当に脆弱で、世界では、日本の歴史や文化に“上品にあやかったもの”しか、価値を見いだされません。
村上隆さんは「オタク」の文脈を汲んでいますし、ヨージヤマモトは「着物」の文脈を汲んでいます。
未来を切り開くには、まずは地元を愛し、地元を知り、地元が育んだ時間の延長上にアイデアを落とさないといけません。
GAMBA大阪のユニフォームもそうで、「大阪である意味」を前面に押し出して、皆が、子供達が
、あらためて地元について考え、愛する、そのキッカケを作ることが重要だと思っています。
そこで、「大阪ならではの文化は何かなぁ?」と考えた時に最初に出てきたのが『ヒョウ柄のオバチャン』でした。
彼女達を「ダサイ」と笑っているのはダサイ日本人ぐらいで、海外では「クール」となります。
そもそも、何故、『大阪のオバチャン』はヒョウ柄を着るのでしょうか?
(諸説ありますが)そのルーツは江戸時代にあります。
当時は、皆「派手」を好んでいたのですが、幕府の出した経済政策「天保の改革」の中に『倹約令』というものがあり、ぜいたく品は取り締まりの対象となり結果、日本中の女性は派手な身なりから質素になってしまいました。
ところが、大阪は商人の町で、町人に勢いがあり、権力に屈することを良しとしませんでした。
結果、質素なデザインの着物の裏地を「派手な柄」にして、「うるせーよ!タコ!」というメッセージを残したそうです。
『大阪のオバチャンのヒョウ柄服』は、その名残りで、誇り高き商人達の反骨心の名残りなんですね。
日本人はおろか、大阪人ですら、このストーリーを知らないと思うのですが、ストーリーを聞くと素敵だし、途端、大阪のヒョウ柄のオバチャン達が愛しく、クールに見えてきませんか?
ガンバ大阪のユニフォームで打ち出さなきゃいけないのは、こういう部分だと思います。
そんなこんなで、ユニフォーム発表時に毎回噴出する『ダサイ』という意見を逆手にとって、大阪のオバチャンのようなヒョウ柄のユニフォームがいいと思います。
年間の試合で着るユニフォームではなく、「一夜限りのイベントで着るユニフォーム」というのがポイントで、その夜は、選手も、38000人のお客さんも、全員で「大阪のオバチャン」になると面白いと思います。
イベントのポスターも、選手達がオバチャンパーマのヅラをかぶって、忌野清志郎さんばりのメイクをして、写真も蜷川実花さんに撮ってもらうといいと思います。
昨夜ちょうど実花さんと呑んでて、「ガンバの選手の皆さんにオバチャンになってもらったクールな写真が欲しいんだけど、撮ってよ」とお願いしたら、「いいよー」と返事をいただきました。
「ガンバの選手が本気で大阪のオバチャンをやりきるの最高じゃん!めちゃくちゃカッコイイ!」と実花さん。
写真は蜷川実花さんにお任せして、オープニングセレモニーは登美丘高校さんにお任せするといいと思います。
38000人で大阪のオバチャンをして、大阪文化を愛でる夜。
そんな夜を地元のサッカーチーム『ガンバ大阪』が「面白くいこう!」と提供するストーリーは、ちょっと泣けちゃう。
昨日、マネージャーの須藤くんに「この企画は、ユニフォームデザインだけではダメで、キービジュアル作りやイベント演出も含めたトータルプロデュースが重要だから、『必ず最高の結果を出すから、一旦、西野に丸投げしてみてください』とガンバ大阪のスタッフさんに伝えておいて」と伝えておきました。 
その言葉に嘘はなくて、丸投げしてもらったら、最高の結果を出します。
さて、ガンバ大阪さんは、僕の意見を受けて、どう出るでしょうか?
また動きがあれば共有しますね。
現場からは以上でーす。
 
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