西野亮廣のエンタメsalon

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2020年01月02日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
顔立ちも行動も全て、古き良きコメディー映画を地で行っているカルロス・ゴーン氏に何かしらの『映画賞』をあげたいキングコング西野です。
(※あのビジュアルで、楽器ケースに隠れて国外に逃亡するとか反則だろww)
さて。
今日は「『お金の流れ』と『人の流れ』から設計しよう」というテーマでお話ししたいと思います。
これは、どの職業においても同じことが言えますが、「『お金の流れ』が同じだと、同じようなモノしか生まれない」というのは一つあると思っています。
たとえば、豆腐の売り上げで生活をしている豆腐屋さんは、「黒字になる豆腐をコンスタントに提供し続けること」が目的となるので、どこの豆腐屋さんも、だいたい同じような豆腐を提供しています。
「ウチの豆腐は他所とは一味違う!」とアイデア豆腐を出したところで、所詮、「店の黒字がキープできる範囲内でのアイデア商品」なので、たいしたアイデアではありませんし、そのアイデア商品がヒットすれば、パクられて終わりです。
ちなみに西野の絵本は印税で作っているのではなく、オンラインサロンの売り上げで作っているから『分業制』という形がとれています。
多くの人は、他人と違うことをしようとした時に、『アイデア』で差別化を図ろうとしますが、まずは『お金の流れ』を変えて、アイデアの幅を拡げてから、アイデアを出した方がいいと思います。
『人の流れ』もコレと同じで、「『人の流れ』が同じだと、同じようなモノしか生まれない」というのがあると思います。
「出演者の集客力」に集客を頼ったイベントは、出演者とイベントタイトルと美術セットが若干違うだけで、大体どれも同じです(なかなか手厳しい西野氏)。
三代目J SOUL BROTHERS』をブッキングした時点で(彼らの世界観のファンを喜ばせなきゃいけなくなった時点)で、提灯だらけの空間を作ることはできなくなるわけですね。
「やっぱり、青色のレーザービームが飛び交う空間にしとかなきゃなぁ」と、空間のアイデアの幅が狭まってしまう。
5~6年前に『天才万博』を立ち上げた時に、最初に主催のホームレス小谷に伝えたルールは、「アーティストではなく、空間で集客すること」で、何度か続けていくうちに『えんとつ町で開催されている音楽フェス』といった感じで世界観が固まってきました。
『天才万博』の美術セットのアイコンが、三角フラッグから提灯に変わったのは、そういった理由です。
スタッフの皆様のご尽力により、「忘年会といえば『天才万博』」といった調子で、【忘年会枠】がとれた感がありますが、人にも『老い』があるように、イベントにも『老い』があります。
出演アーティストに依存した集客はしていないものの、ホームレス小谷やキングコング西野が集客装置の一部を担ってしまっているのは事実で、『天才万博』の次の作業としては、小谷や西野の要素を薄め、コイツらの影響力があるうちに「老いない集客装置」を開発しておくことだと思っています。
というわけで、僕の次回作の絵本『みにくいトーマス ~えんとつ町に咲いた花~』の舞台を『天才万博』にしてみました。
主人公の「トーマス」は、『天才万博』のパフォーマーです。
絵本は『辞書』などと似ていて、一旦、軌道にのせてしまえば、地球上に子供が生まれる度に重版されます。
絵本『みにくいトーマス ~えんとつ町に咲いた花~』を読んでくれた子供や親が、「この世界に行ってみたい」となるように設計すれば、『天才万博』は既存の音楽フェスとまったく違う『人の流れ』で作られるので(※だからこそ『天才万博』は子供に優しい空間設計にしなくちゃいけない)、これまで以上に唯一無二のイベントとなり、集客装置が「旬のアーティスト」ではなく、「ロングセラーの絵」本なので、長く愛されるフェスとなるでしょう。
競合をブッちぎるには、「アイデア出し」なんて二の次で、まずは『お金の流れ』と『人の流れ』から設計していくことが大切だと思います。
現場からは以上でーす。

 

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