西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年01月04日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
年末の『天才万博』の舞台裏で、関係者相手に挨拶をする【けんすうサン】が、「あの…僕、インターネットだと、もう少し上手に喋れて、もう少しだけ面白いハズなんです」とモジモジ喋っていて、「こんな大人には絶対になりたくない」と思ったキングコング西野です。
※でも確かに、インターネット内のけんすうサン(特に最近のサロンの投稿!)は本当に面白いので、こちらオススメです→https://salon.jp/alu
さて。
サロンメンバーの皆様に『できる部分』だけを見せるのは卑怯な気もするので、今日は、僕や僕の周りの人間の圧倒的な弱点(というからには未だに改善されていない部分)を晒して、「僕、そこそこ困っているんですけど、どうしたらいいっすかね?」という悩み相談をしたいと思います。
(※少しシビアな話になるので、今日の記事は1年後も表に出さないでください)
テーマは「『属人』と『マニュアル』の調合」です。
(これまで何度も言っているので)知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、僕はオセロがベラボーに強いです。
公式戦(お客さんを入れた試合)では負けたことがありません。
僕のオセロの勝ち方は非常にシンプルで、「相手は今、どこに石を置きたいか?」だけを考え、そこを先に潰します。
つまり、「自分は今、どこに石を置きたいか?」という自分の気持ちは完全に後回しにして、徹底的に対戦相手の脳に憑依して、対戦相手の目から盤を見ます。そうすることで、次第に相手は打ち手が無くなり、勝負あり。
「勝つ」というよりも、「自滅させる」という表現が近いと思います。
元旦の投稿でも感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に僕は「オセロ脳」でして、仕事を設計する時も、オフェンスは後回しにして、「どうすれば西野亮廣を殺せるか?」という、競合相手の目線から、西野亮廣まわりの活動を見ています。
その視点から見た時に、たとえば株式会社NISHINOは、「属人性の高さと、そこからくる『集客』の無自覚さ」が圧倒的弱点です。
この場合の『属人性』というのは、業務が【特定の人物】のスキルに依存している状態のことです。
属人性が高いプロジェクトは圧倒的な個性を生み、チームが依存している【特定の人物】が世間から支持された瞬間は圧倒的な結果を生むので、とっても魅力的です。
一方で、業務がマニュアル化されていない為、【特定の人物】が倒れたら、チームごと終わります。
株式会社NISHINOの「集客」や「資金繰り」はマニュアル化されたものではなく、西野亮廣に依存してしまっているので、西野亮廣が体調を崩して倒れたら終わりです。
「オフィス北野」と「ディズニー」の違いがココですね。
両社ともに、『ビートたけし』『ウォルト・ディズニー』というアイコンを真ん中に置いていますが、「オフィス北野」は属人性がベラボーに高く、集客や資金繰りを『ビートたけし』に依存していたので、当然、『ビートたけし』がいなくなるとチームの活動が止まります。
一方、「ディズニー」は、“属人”と“マニュアル”の調合が上手で、『ウォルト・ディズニー』がいなくても、チームの歩みは止まりません。
これらのことは、こうして噛み砕いて説明すると誰でも理解できると思うのですが、最大の問題は、「属人性の高いチームに所属している人間は、『属人性の高さ』を自覚し続けることが極めて困難である」という点です。
たとえば。
毎年『天才万博』には本当にたくさんのお客様にお越しいただいておりますが、そこには涙ぐましいカラクリがありまして…あのイベントは一年間かけてチケットを手売りし続けているんですね。
ホームレス小谷君が中心となって頑張っているのですが、それだけでは足りないので、全国各地で毎週末開催されている『西野亮廣講演会』の中で、毎回(本当に毎回)、「ホームレス小谷君」の話と、「そのホームレス小谷君が年末に開催している『天才万博』というフェス」の話を、講演の中に織り込んで、終演後にロビーでチケットを売っているんです。
加えて、こうしてSNSで宣伝し続けています。
で、『天才万博』の全ての出演者&スタッフが、そのことを知らないじゃないですか?
西野亮廣講演会」の終演後ロビーで流れている汗を知らない。
小谷君も僕も、まさか「僕らがメチャクチャ頑張ったんだよ」とは彼らに言いません。
なので、いつからか、出演者&スタッフは、「このぐらいのパフォーマンスをすれば、これぐらいの人が集まってくれるんだ」と思い始める。
ただ、「集客」はそんなに甘いもんじゃないです。ハイクオリティーのものを提供すれば、お客さんが集まる世界なんて20年以上前に終わっています。
かなりシビアな話になりますが、実際問題は、『天才万博』と同じパフォーマンスをしていても、『天才万博』を離れたら、集客に苦戦する人がほとんどだと思います。
こういった問題は、いろんなところで起きていて…
去年の夏に(オンラインサロンメンバーの皆様に協力してもらって)オープンしたスーパー銭湯『湯櫻』もそうで、広告(集客)を、広告素人の僕の幼馴染みがやっているのですが、メチャクチャ頑張っているのは理解できるのですが、思いつきとガッツだけで広告してしまっているので、正直、ヒドイ有り様です。
「お前が、そのポジションにいる以上、湯櫻は上手くいかないし、たくさんの人が職を失って、本当に皆が悲しい思いをするから、そのポジションは離れなさい」
と彼に直接伝えたのですが、その時は、僕やサロンメンバーの皆様が『湯櫻』にコミットしている時で、イベントを企画すれば「西野まわりのコミュニティー」が集まってくれたので、言葉は届きませんでした。
『天才万博』同様、「これぐらいやったら、これぐらいの人が来てくれるんだ」という大いなる勘違いです。
リアルな話をすると、『湯櫻』は今のままの広報体制だと、早くて1年待たずに潰れると思います。
クオリティー(機能)で差別化を図ることが難しくなり、「機能検索」から「人検索」の時代に入ったことは間違いありませんが、それは決して「マニュアルを軽視してもいい」というわけではありまけん。
自分で言っちゃあ世話ないですが、今の(あくまで今の!)西野亮廣は『ステロイド』で、こんなものを多用するチームは、まもなく副作用で壊れることは目に見えています。
スタッフを労う時に、「お前のおかげだよ」と言えば美しいですが、本当のところは「お前だけの力じゃないんだよ」です。
ただ、眠い目をこすって一生懸命頑張ったスタッフが、そんな言葉を求めているわけがないので、「そこは察してもらおう」としていたのが、これまでの僕です。
たぶん、自分が良く見られたかった(傲慢に見られたくなかった)んだと思います。
ただ、本当の本当にスタッフの幸せを願うのなら、『天才万博』を離れても集客できる身体にしてあげなきゃいけないし、西野やサロンメンバーの援護射撃が無くても、集客できる『湯櫻』にしてあげなければなりません。
これまで敵視していた「マニュアル」という言葉とキチンと向き合わなきゃいけないタイミングがいよいよきたのだと思います。
答えはまだ見えていないのですが、ただボンヤリと『体温のあるマニュアル』という言葉が浮かんでいます。
精進します。
高速で試行錯誤を繰り返します。
間違っていたら遠慮なく教えてください。
2020年も宜しくね。
現場からは以上でーす。

 

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