西野亮廣のエンタメsalon

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2020年01月27日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。
「死んだ魚のような目をしている」とか言うけど、魚って、生きている時から死んだ目をしてるよなぁ…と思っているキングコング西野です。
さて。
今日は、クリエイターさんや、店長といった『顔が見える仕事』に就かれている方々が、御自身の活動に転用できそうなお話をしたいと思います。
サラッと通りすぎていますが、実は昨日の記事(※読んでいない方は先に読んでネ)は、今後のオンラインサロンや、今後のクリエイティブに大きく大きく影響する『分岐点』だったと思います。
ここで、あらためて、『顔が見える仕事』と、『SNS』について整理をしたいと思います。
たとえば舞台の場合だと…
①公演をする。
②お客さんが『感想』をツイートする。
③出演者&スタッフが『感想』をエゴサーチして、宣伝の為にシェアする。
という流れが出来上がっています。
ここでの最大の問題は、「感想をツイートするお客さんが、出演&スタッフが間もなくエゴサーチを開始することを知っている」という点です。
こうなってくると、お客さんは、「出演者&スタッフと関係を悪くしたくないし…」「頑張っていたから、辛辣なことは言いたくないし…」と考えながら感想をツイートするので、自然と『言論統制』が敷かれてしまいます。
この気持ち、スゲー分かるんです!!
僕自身、招待されて、観に行った舞台が全然面白くなかった時に、頑張っている友人の顔がよぎるし、その後の集客の影響のことも考えると、「最悪の舞台だった!」という感想は呟けないんですね。
せいぜい、呟けて、『舞台を観てきましたー。◯◯君が頑張ってたー。僕も頑張ろう』ぐらい。
つまり、『顔が見える仕事』に就いている人のエゴサーチには、基本的には『絶賛コメント』だけが並んでしまう。
なので、「お客さんが満足してくれた」と勘違いしちゃうんですね。
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▼ お客さんは『酷評』できない立場にある
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10年後も、20年後も、100年後も、第一線でエンターテイメントを提供し続ける為に、やらなちゃいけないのは、作品の質を上げることで、改善のスピードを上げることです。
その為には、まず、「顔が見える仕事のお客さんは、『酷評』できない立場にある」ということを踏まえなければなりません。
そんなこんなで、昨日の投稿です。
先陣をきって「『振り付け』と『楽曲』に1ミリも納得がいっていない」ということを白状したところ、「言っちゃっていいのね」という雰囲気になり、「実は、私も、音楽に違和感を覚えていて…」「僕も、あのダンスの子供だまし感は苦手で…」という感想がポロポロと出てきて、Twitterエゴサーチとは、まったく違う景色になりました。
そこで、本当に本当に本当に最高だったのは、誰一人として『人格否定』していないし、作品の否定をしていなかったこと。
飛び交っていたのは「ここを改善すれば、もっと良い作品になるよね」という前向きな言葉で、「そこが改善されるのなら、次も絶対に観に行きます!」という言葉でした。
「満足しているところと、納得がいっていないところを、正直に話してくれたので、余計に信用ができました。予定していなかったのですが、当日券で舞台を観に行きます」というお言葉もいただきました。
「振り付けと楽曲は酷かった。正直、楽曲が始まる度にシラけた。だけど、それらを差っ引いても、最高の舞台だった」ということを正直に(本当に正直に)話したことが、結果的に『集客』に繋がったのです。
これ、表では言えないんですよね。
文章が切り取られて、『キンコン西野、舞台えんとつ町のプペルを批判!』という見出しになってしまうので。
つまり、表では、お客さんとフェアな意見ができないんです。
表では、作品の改善点をあぶり出して、改善することができないんです。
その世界は、誰も救ってないじゃないですか。
「改善点を挙げる」というのは本来ポジティブな作業なので、「『顔が見える仕事』に就いている人は『お客さんが改善点をカジュアルに言い合える環境』を作っておくことが非常に重要だよ」というのが今日のまとめです。
ポイントは『「不満」ではなくて、くれぐれも「改善点」を言い合える環境』ですね。
昨日は、たくさんの御意見ありがとうございました。
再演に関しては『ダンス』と『音楽』を改めない限り、GOは出しません。
一方で、
えんとつ町のプペル THE STAGE』が最高であることは変わらないので、是非、遊びにいらしてください。
えんとつ町のプペル THE STAGE(東京公演)』の当日引換券は本日発売です。
現場からは以上でーす。

 

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