西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年02月12日のエンタメ研究所の過去記事

2月12日(水) 2月14日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
自分探しの旅でインドに来て、初日に「僕は意外とカレーが好きだ!」ということに気がついて、自分を探すことに成功したキングコング西野です。
冗談はさておき、絵本『夢幻鉄道』の下準備でインドに来ております。
今回の作品は「絵:蜷川実花 文:西野亮廣」という布陣で、他にもたくさんのスタッフさんがこのプロジェクトに参加します。
一人で作るのならば、完成図は自分の頭の中にありますので、そんなものは必要ない場合もあるのですが、大勢で作る場合は、「登場人物はどんな服を来ているの?」「建物に使われている素材は何なの?」といった感じで“世界観”を共有しなくちゃいけないので、その参考となる『資料』をたくさん用意します。
ここは表には出ない(出せない)作業になってくるのですが、僕の場合だと、『背景』のラフ画を描いた後に、「コラージュ」と呼ばれる作業がありまして、ラフ画をもとに、自分が持っている写真や、ネットから拾ってきた写真を切り貼りして、ラフ画よりも、もう少し精度の高い『背景』を作ります。
そして、それを参考に、今度は本格的に描き始めます。
蜷川実花さんも似たような作り方をされていて、絵を描く前に、まずは、ページごとに、背景デザインの参考となる写真を集め、「このページは、大体こんな感じだよね」と制作スタッフ一同で方向性を共有し、そこから一気に絵を作りにかかります。
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▼ 宗教とエンターテイメント
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そんなこんなで、蜷川実花さんと、田村Pと三人でインドにやってまいりました。
「あそこの路地の感じ、ヤバくない?」「この子達の雰囲気、最高じゃん!」と言い合いながら、シャッターを切り、参考資料を集めながら、イメージを膨らませていきます。
こういった下準備のことを「ロケハン」と呼んだりします。
インドの生活を切り取る度に思い知らされるのは、「宗教の近さ」です。
日本人が持っている日本の『宗教』のイメージは、きっと「オウム真理教」あたりがベースになっていて、「よく分からない」「いかがわしい」が先に来てしまいます。
なので、よく分からないこと(世間の皆様が知らないこと)をすると、「宗教だー!」と騒ぐ人達が一定数存在します。
8年前にクラウドファンディングをやった時には、「宗教だー!」とよく言われたもんです。
今だと、「オンラインサロン」が、その対象になっています。
パトロン』も『サロン』も大昔から存在する美術用語ですが、日本の学校教育では、そういったことを詳しく教えてもらえないので、その辺の横文字が出てきた瞬間に一気に怪しさが増します。
インドには、たくさんの神様がいて、その神様のブロマイドがそこかしこで売られています。
国民は、それぞれ『推しメン(推し神)』を持っていて、嵐やAKBのような模様を呈しています。
(※こんなことを表で言うと、死ぬほど炎上するので、この記事は1年後も公開しないでください)
日常に存在して、
応援グッズもあって、
支えられて、
つまるところ、それは『エンターテイメント』です。
ガンジス川のほとりで毎日おこなわれている「お祈り」は、ボートに乗って、川から観ます。
世界中の観光客が観に来ていて、ボート代を落とし、ボート上で販売されるグッズにお金を落としていきます。
「お祈り」のまわりには、たくさんのビジネスが生まれ、たくさんの人の生活が支えられています。
見事なのは、ちゃんと川から見れるように、川向に「お祈りステージ」を組んでいること。
ガンジス川に向けたお祈り」という立て付けになっていますが、その瞬間、ガンジス川は観客席になっています。
僧侶は歌い、振り付けを合わせて、観客を魅了します。
途中、『炎』を使った演出が入ったのですが、その『炎』の光がやけに印象的だったので、翌朝、ステージを観に行ったら、案の定、「調整可能な照明」が設置されていました。
僧侶が『炎』を使うシーンでは、バレないように、照明の光の量を落とすわけですね。
特筆すべきは、この「お祈り」が無料公開されているということ。
二子玉川の河川敷で、米津玄師が毎日、無料LIVEをおこなっているイメージです。
そりゃ、皆、観に行くし、そりゃ、そこには、たくさんのビジネスが生まれます。
お手本のようなフリーミアムモデルです。
無料LIVEでいうと、テレビやYouTubeがそれにあたるのですが、考えてみると、テレビやYouTubeは“リアルな土地に根づいていない”ので、一般人が便乗ビジネスを始めることができません。
結果、拡散力に限界がありますし、感謝される量が減ってしまいます。
感謝される量が減れば、支援される量が減ります。
「チケット代をとらない方が売上は伸びますよ」という境地ですね。
あいかわらず僕は「宇宙エネルギー」や「引き寄せの法則」といったことを口にするスピリチュアル系は1ミリも信じちゃいませんが(※それで救われる人がいるのなら、それもいいと思うけど、僕は興味ない)、一方で、スピリチュアル系とゴチャ混ぜにして捉えてしまって、「あやしい!」「いかがわしい!」「悪いことをしているに違いない!」で、宗教のビジネスモデルを学ぶことに蓋をしてしまうのは、あまりにも浅はかです。
経営者やリーダーを務めるのなら尚更。
僕の今回の旅の一つ目の収穫は、、
「エンタメは、土地を絡めたアクションをすることによって(はじめて一般人の便乗商法が生まれ)拡がっていく」
ということが理屈で納得できたことでした。
たとえば、「人は何故、炎に惹かれるのか?」といった世界中にある不思議を、すべて理屈で納得できるようになって、ビックリするぐらい面白い人間になりたいです。
引き続き宜しくお願い致します。
現場からは以上でーす。
 
 
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