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2020年02月22日のエンタメ研究所の過去記事

2月22日(土) ※2月24日以降は『いいね』を押さないでください。
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こんにちは。
半年前から決まっていた海外出張5時間前に、海外出張を取り止めてしまったキングコング西野こと「圧倒的感情優先型天狗」です。 
さて。
現在、僕らは、映画『えんとつ町のプペル』、絵本『みにくいトーマス ~えんとつ町に咲いた花~』、絵本『夢幻鉄道』、オフブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』…の計4タイトルを制作中です。
その裏で、さっき、会社のグループLINEで「サロン限定公開のオリジナル映画を毎年1タイトル作っていきましょうよ」という問題発言を炸裂させました。(#今のところは無視されています)
僕らのチームが「コンテンツメーカー」であることに疑う余地はありません。
かれこれ何年も、朝から晩まで、コンテンツを作り続けています。
傑作が生まれれば飛び上がってウキャウキャしますが、そりゃ、生まれない時間帯の方が長く、基本的には「畜生。今日もダメだった。明日こそは!」の連続です。トホホ。。
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「ヒット作品」と「成長する作品」は違う
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それでも、めげずにコンテンツを作り続けていくと、「ヒット作品」と「成長する作品」の違いがクッキリハッキリ見えてきます。
整理して考えると、とっても分かりやすいです。
まず、世の中には、『ヒットしない作品』と『ヒット作品』の2種類に区分けできます。
そして、『ヒット作品』は、もう少し細かく分けることができます。
それは、『成長しないヒット作品』と『成長するヒット作品』です。
それぞれの特徴は、次のとおり。
・成長しないヒット作品→ 一過性である
・成長するヒット作品→ 継続性がある
こうなってくると、狙うは『成長するヒット作品』になってきます。
ここで、僕らは議論しなくてはいけません。
テーマは「『成長しないヒット』と『成長するヒット作品』は、どこで分かれるのか?」です。
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▼ 『成長するヒット作品』の正体は「コンテンツ」ではなく「サービス」である
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このことを語る上で、コルクの佐渡島庸平さんがオススメされていた『オタク経済圏創世記』という本が最高なのて、コンテンツメーカーの方は是非読んでいただきたいのですが…読まなくてもいいように、これから端的に説明しますが、要するに「成長するヒット作(継続性)」と「成長しないヒット作(一過性)」を分けているのは、『サービスになっているか、否か」です。
家政婦のミタ』は大ヒットしましたが、そのヒットは「コンテンツ」にとどまり、「サービス」になっていないので、現在は『家政婦のミタ』の制作スタッフの「経歴」ぐらいでしか機能しておらず、新規ファンの獲得およびスタッフの雇用には繋がっておりません。
これは、「『家政婦のミタ』の経営陣がサボっている」という話ではなくて、「そもそも、サービス化しにくい作品である」というところだと思います。
引き合いに出して申し訳ないのですが、『えんとつ町のプペル』のサービス化の展開って、想像がつくじゃないですか?
舞台や、映画や、個展や、VRや、美術館や、スナックやら、あれやこれや。
去年、サロン内で、お話ししましたが、『えんとつ町のプペル』という作品は、「VR映えするように、町は【高低差】を作ろう」といった感じで、“2次利用、3次利用されやすいように”設計したわけですが、それもこれも、「そもそもサービス化しやすい構造であった」というのが大きいです。
今、あらためて思うのは、どれだけ汗を流して、どれだけ時間をかけて、ヒット作を生んでも、それが「サービス化できない作品」であれば、消費されて終わってしまう、ということ。
一方で、サービス化して、キチンと受け皿を用意できれば、あとはその受け皿に『足し湯』のように新ネタを投下していけば、作品は成長し続けます。
こうなってくると、「そもそも(消費されて終わってしまうような)サービス化できない作品を生み出す必要はあるのか?」という話になってきます。
ここを「割りきれる人」と「割りきれない人」がいて、僕は、どちらかというと「割りきれない人」なので、ときどき、「ごめん。今回の作品は、僕の精神衛生を健康に保つことに比重がおかれた“消費されて終わる作品”だけど、作らせてね」と言って、作っています。
大切なのは、作品制作時に「サービスになるか、否か?」というチェックを要れているか否かで、ほとんどのクリエイターは、盲目的に『良い作品』を作りにいっているので、それだと、特にこれからの供給過多の時代は「あれだけ時間をかけて、こんなに素晴らしい作品を作ったのに!」と苦虫を噛む場面が増えてしまうと思うので、作品制作に向き合う際は、まず「この作品はサービスになるのか?」と疑う目を持っておいた方がいいと思います。
今、「映画『えんとつ町のプペル』のチケットの半券を持ってきてくれたら、こんなサービスを提供します」と表明してくれたお店を(西野サイドが)宣伝する仕組みを作ろうかとボンヤリ考えています。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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決定事項ではなく、その声を参考にさせていただきたいです。
 
 
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