西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年04月23日のエンタメ研究所の過去記事

4月23日(木) ※4月25日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
生配信などでトイレの話をした時に、必ず「まさに、トイレの神様ですね」的なコメントをいただくのですが、「なんでそのコメントを自分しか思いついていないと思えるんだ?」と思っているキングコング西野です。
さて。
今日は、どうにか実現させてみせる少し先の未来の話と、実現するかどうかはさておき、「こういうの面白いよね」という話を、今日と明日の二回に分けて(前編と後編で)お届けしたいと思います。
あんまり役には立たない内容です(後編は特に!)。
「へぇ~、次はそんなことを考えているんだぁ~。あきひろ君って、ホントいろいろ考えるねぇ~」という親戚のオバサンのような感じで楽しんでください。
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▼ スナック吉本の成功と、芸人の生態
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オンライン呑み会『スナック吉本』の初日の売上が100万円を越えました。
サイト手数料やらは引かれますが、それでも、80%~90%が吉本興業&吉本芸人に入りました。
着目すべきは「100万円」という数字ではなくて、チケットが完売した芸人のリピート率なのですが、ほぼ全員が「もう1枠作ろうかな」といった感じで、枠を追加しています。
(※メチャクチャ素敵!)
芸人が『スナック吉本』を好む理由は死ぬほど理解できます。
生配信で収益を得るだけならば、(額はさておき)SHOWROOMでもできますしYouTubeのスパチャでもできます。
どちらも本当に素晴らしいサービスだと思います。
ところが芸人は「生配信×投げ銭」モデルに、あまり飛びつきません。
理由は、『自分達が提供しているサービス(お喋りやネタ)に【フリ】と【オチ】があるから』です。
投げ銭をされたら、どうしても流れを止めなけらばならなくなり(※その好意を無視できる強さは持ち合わせていません)、「今は話のオチの手前だから、このタイミングで入ってこないで!」という事態が起きてしまいます。
一般の方が想像している以上に、芸人は「フリ」と「オチ」に関して繊細で、家族でテレビを観ていても、リモコンを自在に操る嫁に対して「え?なんで、このタイミングでチャンネルを変えられるの? 次がオチじゃん!」ということを思っていたりします(by博多大吉)。
要するに、お客さんが主導権を握ってしまうと、普段のパフォーマンスができないんですね。
一部、インパルス堤下君のように、お客さんのアクションに対して、リアクションしていく芸もありますが(そういう人は投げ銭向き)、彼は『芸人』ではなくて『猪の神様』なので、一般的な芸人としてカウントするのは絶対に違います。
『スナック吉本』は芸人が主導権を握っていて、それは「フリ」「オチ」のリズムを崩されない世界なので、居心地が良いんですね。
その世界を作っているのが「入場料(料金前払い性)」です。
「生配信×投げ銭」の世界に、芸人がイマイチ進出していないのには、そういった背景があるわけですね。
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▼ 次に守らなきゃいけない芸人は誰だ?
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先日、KDDIさんと吉本興業がタッグを組んで、次世代高速通信サービス「5G」を活用した、新たなエンタメ体験を共同で推進していくことが発表されました。
どういうわけか、このプロジェクトの「アンバサダー」に就任することになり(※アンバサダーって何?)、先日、KDDIさんと、ザックリとした打ち合わせがありました。
「西野さん。なんかオモロイ企画、無いっすか? その為にオマエを召集したんだから、早く思いつけよ」的な会議です。
そこで僕がKDDIさんに提案したのが、「芸人の『単独ライブ』が資本になる世界を作りましょう」ということでした。
…これだけだと意味が分からないと思うので、頑張って説明します。
先日、キングコングの公式YouTubeチャンネルの方で公開した『キングコング対談 by キャリオク』(https://youtu.be/PkygrwLV0NM)は、キャリオクさんから、広告を依頼されて制作したものです。
CMというのは基本「フロー型(その場かぎり)」で、ある一定の期間を過ぎると広告効果を失います。
ところが、テレビと違ってYouTubeは「アーカイブ」が残るので、「ならばアーカイブ性を上げて、過去に作ったCMに広告をさせ続けよう」と考えたのが、今回の『『キングコング対談 by キャリオク』(https://youtu.be/PkygrwLV0NM)です。
テロップの出し方には流行り廃りがあるので、3年後に見ても古臭くならないように、テロップを全てカットしました。
今後、キングコングが注目されれば、その都度、今回の動画が見られて、『キャリオク』の宣伝に繋がります。
1週間で刹那的に終わるCMよりも、10年間ジワジワとボディーブローを打ち続けるCMの方が、なんか良さそうじゃないですか?
今年のお正月に話題になった西武・そごうさんの正月広告「さ、ひっくり返そう」(お相撲さんのやつ)を、おそらくもうほとんどの方が忘れていたと思うのですが、つまるところ、あれは、あのCMに費やしたコストが資本になっていない(ストック化されていない)んです。
芸人の『単独ライブ』もそうです。
どれだけ労力を費やして、どれだけ面白い単独ライブを作っても(皆、本当に命を削って作っています)、その『単独ライブ』が10年後、20年後の自分達を食わしてくれることはありません。
『単独ライブ』というのはフロー型で、そこに居合わせたお客さんに見せて終わりです。
DVD化したところで、一部のコアファンが買って終わりです。
これについて、僕らは当たり前のように、やり過ごしていますが、勿体なくないっすか?
先日、ダウンタウンの松本さんのTwitterのフォロワーが728万人を突破して、日本一になったことがニュースになりましたが、そのタイミングで、松本さんが「1年目の頃のダウンタウンの単独ライブ(動画)」を300円でポチれるリンクを貼って、ツイートしたら、軽く5万個ぐらいは売れたと思います。
300円×5万個なので、1500万円ですね。
せっせとマンションを建てたマンションオーナーが家賃収入を貰い続けているのに、
せっせと単独ライブを作ったダウンタウンが単独ライブ収入を貰えないなんて、ちっとも夢がないし、そんなものはテクノロジーで突破できるので、今回、KDDIさんに「芸人の『単独ライブ』が資本になる世界を作りましょう」という提案をさせていただきました。
要するに、ネタを大切にしている芸人が、クイズ番組やグルメ番組や情報番組に無理して参加しなくても、ネタだけで食える世界を作ろうというのが今回の狙いです。
笑い飯さんや和牛が、ネタだけで1億円プレイヤーになった方が、夢があるじゃないですか。
そういう世界を作りに生きます。
明日(後編)は、この話から、もう一歩先に踏み込んで、「西野。お前、いよいよ変なことを考えてるな!」という内容をお届けしたいと思います。
テーマは『単独ライブとブロックチェーン』です。お楽しみに。
現場からは以上でーす。
 

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