西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年04月29日のエンタメ研究所の過去記事

4月29日(水) 5月1日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨日、「美容」に目覚めたキングコング西野です。今後は「美意識高い系男子」になりますので、お見知りおきを。
さて。
今日は『超人が食っていける世界を作る』というテーマでお話ししたいと思います。
「大枠」の話なので、少し具体性に欠けますが、我慢して聞いてください。
20年ほど芸能の仕事に就いているのですが、デビュー当時と今とで大きく変わったことがあります。
それは、当時、皆の憧れであった「手が届かない存在」が食えなくなってきているということです。
生々しい表現で言い変えると、「『手が届かない存在』が稼げなくなってきている」という。
今、稼いでいるのは『手が届かない存在』ではなく、『近所のお兄さん的な存在』です。
お客さんが参加できる余白を用意して、時には、お客さんの意見を反映してくれる。
SNSで誰でも発信できるようになり、「レストラン型」ではなく「BBQ型」のエンターテイメントが求められています。
「求められています」も何も、「これが次の時代の正解だ!」と言って、エンタメ業界を半ば強引にBBQ型に持っていた戦犯は僕のなのですが、他方、僕の中には「どうすれば西野を潰せるかなぁ?」というアンチ西野がおりまして、アンチ西野からすると、今の状況は手放しで喜べないんですね。
僕の中にいるアンチ西野は、『何年も何年も訓練してきたプロが収益化に困り、ノウハウを身につけてサクッと収益化する人が笑っている世界』に、それなりに疑問を抱いています。
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▼ さて、どうする?
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圧倒的な表現というものはマスに理解されないものですが、「マスに理解されないと食えない」というのが今です。
ところが、『アート』の世界は、これとは少し違う文脈で回っています。
一人のパトロンが作品を買って、「これは素晴らしい」と言い、アーティストはそれで生きています。
そのうちに、「○億円で買われたということは、どうやら素晴らしいらしい」「これの何が素晴らしいの?」「これは、きっと○○を表現しているに違いない」といった会話が重ねられ、そこには「理解できないものを理解していく」という要素があります。
そうやって『変人』が生きていける世界がアートにはあるのですが、そのキッカケを作っているのが「一人のパトロン」なんですね。
一時、ダウンタウン松本さんが「コイツ、面白い!」と言ったら、皆で「松本さんが言うからには違いない。何が面白いんだろう?」と、皆で面白さを探しに行った時代があったのですが、あの時代の松本さんは、「資金援助」ではないですが、「信用援助」的な形でパトロンになっていたように思います。
「松本さんに合格印を押してもらうことで、面白さを探してもらう存在になり、そして、芸人として食えるようになる」という流れが生まれてました。
松本さんは、お笑い界のメディチ家です。
歴史を遡ると、一人の金持ち(信用持ち)が文化を作ったことだらけ。
ところが今は、YouTubeSNSを使って、誰でもマスにリーチできるようになり、マスにリーチできる人に対して「広告費」が発生し、そこにお客さんが集まり…という流れだけになっていて、職人は蚊帳の外です。
3~4日前の記事で提案した『お笑い×ブロックチェーン』は、そんな現代に対するアンチテーゼであり、昨今のキンコン西野に対する宣戦布告です。
時代の揺り戻しは必ずあって、向こう何年間かは「共感されるコンテンツ」「応援されるコンテンツ」が面白がられることは間違いないですが、皆が、それをコピーできるようになったら、「共感できないコンテンツ」「応援する余地がないコンテンツ」が面白がられる時代がくるでしょう。
『芸術』と呼ばれるジャンルです。
ピカソとか、岡本太郎とか、まったく共感も応援もできないじゃないですか(笑)
あれです。あれ。
僕個人的には、時代がどっちに転んでもあんまり問題ないです。
なんか「マーケティングの人」のように扱われて、その部分を面白がってくださる方がいるのは有難いですが、それは僕のたくさんあるうちの1チャンネルです。
エッフェル塔で個展をしたり、それこそスラム街に行ったら、『参加型で作られた作品』という見られかたなどせず、シンプルに作品の腕力勝負になるので。
お客さんに一歩も踏み飲ませず、お客さんを圧倒させることで、感動させるエンタメは、着々と用意しております。
現場からは以上でーす。
【追伸】
添付した動画は現在制作中のオフブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』のデモ音源です。
悪役『ベラール』のテーマソング。

 

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