西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年05月08日のエンタメ研究所の過去記事

5月8日(金) ※5月10日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
ロケット開発の支援で1000万円を使っちゃったので明日から水商売(スナック西野)を始めるキングコング西野です。
さて。
今日は「BBQ型サービスがもたらした、販売戦略の変化」という、どう考えたってカッコいいタイトルで記事を書きたいと思います。
経営者さんやクリエイターさん必読の内容です。覚悟しやがれ。
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▼ 「レストラン型」から「BBQ型」へ
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8年ほど前に「レストラン型」と「BBQ型」という概念を提唱して、大炎上しました。
「あらゆるサービスは、『プロが作った料理をお客さんにお出しするレストラン型』から『お客さんが食べるものをお客さんと一緒につくるBBQ型』になる」と言っちゃったわけですね。
今、聞くと、「そりゃそうだよね」かもしれませんが、当時は『BBQ型』なんて言葉もない時代で、「お客さんと一緒に作る?は?」といった反応でした。
「完成前の作品を表に出す」なんて、ありえなかったわけですね。
「そんなの、ネタバレしちゃって、売れないじゃん!」というのが世間の声でした。
ただ、固定観念と感情を捨てて、「理屈」だけで考えたら答えは出ていて、ボクとキミの二人で作った作品は、自分達が記念に購入するから最低「2個」売れます。
2人で作った作品が「2個」売れるのであれば、
10人で作った作品は「10個」売れるし、1万人で作った作品は「1万個」売れます。
つまり、「『作る人』はそのまま購入者になるのだから、『お客さん』を増やすのではなくて、『作る人』を増やしちゃった方がいいよねー」と言ったのが2012年の西野です。
クラウドファンディングは資金調達装置ではなくて、共犯者作りの装置だよ」と言ったわけですが、当時は「クラウドファンディング?は?宗教でしょ?」と言われていた時代なので、BBQ型エンタメの市場を独占することができました。
あれから8年の月日が経ち、今じゃ、「完成品を売りつけられるのはツライっす」「お前のオナニー作品なんて知らねぇっす」という時代になりました。
数年後、この「揺り戻し」は確実にありますが、少なくとも2020年現在は『BBQ型』が覇権を握っています。
当時、「ヨゴレ行為」として扱われていたハズの「お客さんと呑む」の理解も随分進みました。
吉本がやっている『スナック吉本』は、共犯者作りの場として必要なので、コロナ明けも根付くでしょう。
さて、時代は『レストラン型』から『BBQ型』にすっかり変わっちゃいましたが、どっこい、広告戦略の全てが刷新されているわけではありません。
今からお話しすることは、前々から僕がやっていたことですが、言語化した方がスッと入ってくると思うので、頑張って言語化してみます。
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▼ 『すっごいプレオーダー戦略(仮)』
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僕はカリスマホストのローランド様のファンなのですが、ローランド様は「1日で最高6000万円を稼いだ男」としてメディアで紹介されたりします。
そこだけ聞くと、なんだか凄そうですが「6000万円」というのは、ローランド様の誕生日の日の売り上げであって、1年間かけてファンを作って、お金を落としてもらう日を「誕生日」に集中させている(決算を集中させている)だけなので、「6000万円」自体はそんなに凄い話じゃありません。
(※ローランド様の魅力はそこじゃないです!)
…これ、伝わってますか?
えっと、たとえば僕、ときどきクラウドファンディングのリターンで『西野を講演会に呼べる権(50万円)』を50個ぐらい出したりするのですが、だいたい5分ぐらいで完売するんですね。
ここだけ切り取ると「5分で2500万円を稼ぐ男」と言えちゃうわけですが、その後、講演会で全国をまわらなくちゃいけないので、実際は5分じゃないですよね。
ローランド様も誕生日に「6000万円」を集める為に、1年間毎日頑張っているんです。
費やしている時間は「1日」じゃねぇんです。
ただ、こうして「数字」をコントロールして、売り上げを集中させるのって、すっごく大事で、事実「1日で最高6000万円を稼いだ男」という言葉につられて、ローランド様に興味を持った人も少なくないハズです。
(※僕がマンマとその一人です)
ここで『BBQ型』に話を戻します。
BBQ型の基本は「お客さんと一緒に作る」なので、発売日よりも、ずっとずっとずっと前の段階から、その商品に興味を持ってもらっています。
制作を共有している過程で、「買いたい!」と思ってもらっているタイミングは何度もあるハズです。
『BBQ型サービス』を提供する人間は、そのタイミングで買えるようにしておく必要があります。
せっかく、発売日の1年前から制作過程を共有しているのに、「予約は発売日の1ヶ月前から」とかワケが分かりません。
「予約は発売日の1ヶ月前から」というのは、『レストラン型』の広告戦略の名残りです。
ここ、皆、メチャクチャ取りこぼしているんです。
『BBQ型サービス』の予約販売のスタートのタイミングは、「制作開始と同時であるべき」です。
んでもって、制作に2年がかかる絵本だったら、毎日5冊ずつでもいいから、予約販売で売り続けるんです。
すると、2年で「3650冊」が売れます。
で、この「3650冊」という数字が、どこにカウントされるかというと『発売日』です。
(※本の場合なら「初版」)
「初日に3650冊売れた絵本」と打ち出せるわけですね。
お客さんは「皆が買っているもの」を買おうとします。
本屋さんは「売れそうな本」を売ろうとします。
すんごい長い時間をかけて、コツコツと予約をとって、初日に売り上げを集中させることによって、期待値を上げ、人を惹き付け、売り上げを加速させるわけですね。
『レストラン型』には、この数字のコントロールができなくて、『BBQ型』にはできるんです。
ローランド様(ていうか全ホスト)が1年間かけて誕生日に売り上げを集中させているような、
西野が自分のネットショップで発売日の7ヶ月前から予約販売を開始しているような、この広告戦略を僕は『すっごいプレオーダー戦略』と呼んでいるのですが、ネーミングセンスが壊滅的なので、誰かイイ名前を付けてください。
『BBQ型サービス』の広告戦略の一つです。
かなり、かなりオススメです。
現場からは以上でーす。
【追伸①】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
【追伸②】
今年12月に発売する西野亮廣絵本最新作『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』の予約は、すでにスタートさせていま

nishino.thebase.in

す。
 

 

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