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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年05月27日のエンタメ研究所の過去記事

5月27日(水) ※5月27日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
2カ月間の「ひきこもり生活」を謳歌し、社会復帰に失敗しているキングコング西野です。#僕だけじゃないハズ
さて。
昨日の投稿では『意味変』についてお話しさせていただきました。
(※昨日の記事をまだ読まれていない方は、先にそっちを読んでね❤️)
『意味変』というワードは、今後、このサロンでもたくさん出てくると思いますし、おそらく皆さんのお仕事でも『意味変』が求められてくると思うので、今日は『意味変』という言葉を明確に定義し、もう少し踏み込んで考えていきたいと思います。
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▼ 『意味変』ってナンダ?━━━━━━━━━━━━━
たとえば『CD』の意味は「音を聴かせてくれるモノ」ですが、AKBグループは【握手券】を付けることによって、『CD』の意味を「アイドルと会わせてくれるチケット」に変更しました。
購入枚数によって「会える時間」が変わるので、一人が10枚、20枚買ったわけですね。
おかげで、オリコンチャートはAKBグループ一色です。
…あ。くれぐれも、ここでは「善し悪し」の話をしているわけではありません。
事実をそのまま述べているだけっす。
話を続けます。
ビックリマンチョコ』は「キャラクターシール」を付けることによって、チョコレートを『食べるもの』から『集めるもの』に意味を変更し、社会現象となるヒットを生み出しました。
「ヒットの影に『意味変』アリ」です。
その後、人気を博した『ビックリマン』はアニメ化が決定し、『食べるもの』から『観るもの』に意味が変更しましたが、これは『意味変』と呼べるでしょうか?
いいえ。
一般的にはこれは『2次利用』と呼びます。
どうやら、この辺りで『意味変』と『2次利用』を、それぞれ定義しておかないと、今後、話がゴチャゴチャになりそうなので、二つの違いを明確に定義したいと思います。
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▼ 『意味変』と『2次利用』
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まったく難しい話じゃないので、サクッと整理してみます。
・AKBの握手券→意味変
ビックリマンアニメ→2次利用
「意味変」と「2次利用」によって、それぞれ売っているモノはこんな感じ↓
・AKBの握手券→意味変→【CD】
ビックリマンシール→意味変→【チョコ】
ビックリマンアニメ→2次利用→【アニメ】
…つまり、『2次利用』というのは(たしかに意味は変わっているけど)別の商品を売っていて、『意味変』というのは、同じ商品を売っているわけですね。
『意味変』で変わっているのは、あくまで「意味」だけで、販売している商品は変わっていないんです。
僕は国内外で絵本展を開催して、絵本を「観に行くもの」にしていますが、そこで販売しているのは、あくまで『絵本』です。
この時、絵本は『読むモノ』ではなく『おみやげ』という意味で買われます。
AKBが握手券を付けて『CD』を販売したり、
ビックリマンチョコがシールを付けて『チョコ』を販売しているような感じです。
これを『意味変』と呼んでいます。
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▼ 付加価値をつけて『意味変』するものもあれば…
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NORA美容室の『ヘアカット前売券』は「ギフト可」という文言を入れただけで、ヘアカットが「贈り物」になりました。
絵本『えんとつ町のプペル』は、自分達が率先して様々な施設に贈ることで、「贈り物」として認識されるようになりました。
AKBやビックリマンチョコのように、付加価値(追加機能)を付け足して『意味変』するものもあれば、NORAさんのように付加価値は付けずに【打ち出し方】で『意味変』するものもあります。
このことから、僕らが自分の商品を『意味変』する時は…
・「付加価値を付けて意味変する」
・「打ち出し方で意味変する」  
の二つと角度から答えを探ればいいことが見えてきます。
(※ホワイトボードにアイデアを出す際、ここは分けて考えた方が、思いつきやすいと思います)
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▼ そして思考実験  
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『意味変』には訓練が必要だと思います。
訓練を重ねないと、思い付くスピードは上がりません。
訓練対象は、目につくもの全てです。
「筆箱」「ハサミ」「ソファー」「カラーコーン」「オンライン授業」…とにかく何でも。
ちなみに、昨日、『YouTube』で考えてみました。
YouTube』の意味は「観るもの」です。
これを、「打ち出し方で意味変する」という角度から考えてみます…
YouTube×食べるもの=❌
YouTube×香るもの=❌
YouTube×飾るもの(インテリア)=△
YouTube×寄り添うもの=⭕
…というわけで、昨日、僕が(隣で)仕事をしているだけの動画を撮ってみました(※生配信をしてアーカイブに残してみました)。
これは僕の個人的な趣味なのかもしれませんが…他人の静かな作業音(パソコンのパチパチという音とか)って、メチャクチャ仕事がはかどるんです。
「あの人も頑張っているし、僕も頑張ろう」で背筋が伸びるんですね。
そんなこんなで「作業に寄り添う動画」は可能性としてあるなぁと思って、こんなものをアップしてみました。
面白いのが、『寄り添う動画』のポイントは、「発信しない」です。
発信してしまうと『観るもの』になってしまうので、意味が変動しません。
(※基本「BGM」で、「隣をチラッと見たら、仕事中の西野がいる」ぐらいにしておくことが大切)
昨日、アップしたところ、すでに4万回ほど再生されていたので、年間30万回ほど再生されると思います。
ここに「広告」が付いているので、商品として機能している。
『意味変』は、こういった訓練の繰り返しだと思います。
是非、身近なもので試してみてください。
現場からは以上でーす。
 
 

 

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