西野亮廣のエンタメsalon

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2020年06月23日のエンタメ研究所の過去記事

6月23日(火) ※6月25日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
先日、『ゴッドタン』の収録にコンビで臨んだのですが、そこで頑張っている梶原君を見て「いつもの力が出せてないなぁ」と思いながらニヤニヤしていたキングコング西野です。お楽しみに!
さて。
今日は『プペル人形劇団』について、お話ししたいと思います。
2日くらい前に投稿した記事の続報なので、まだ読まれていない方は、2日前の記事を先にご覧ください。
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▼ 「立ち上げ時」に生まれたエネルギーを無駄にしない
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これは、すべてのサービス業に通ずることだと思いますが、あらゆる業務の中で最もコストがかかるのは「最初」。
エネルギーを発生させる時です。
自転車でも自動車でも、【1速】の「ドッコラショ感」は半端なくて、ここで生まれたエネルギーを殺さない為に、技術者がアレやコレやと試行錯誤を繰り返し、「エネルギー伝達効率(伝達力)」の向上に努めています。
これは、自転車、自動車、スポーツ、サービス業…すべての運動の絶対ルールです。
ところが。
「副業」「複業」が叫ばれる中、いろんな会社や表現者が、様々なプロジェクトを掛け持っていますが、よくよく見てみると、別々でプロジェクトを立ち上げてしまっていて、それらのプロジェクトが連動していないことが多かったりします。
すべてのプロジェクトを【1速】で走ってしまっていて、要するに「立ち上げ作業」ばかりやっている状態です。
これだと、プロジェクトを複数掛け持っている意味がないんですね。
逆にコスパが悪いんです。
生んだエネルギーは伝達することで初めて大きな意味を持ちます。
時間は有限なので、チーム全体の結果として見たときに(俯瞰で見たときに)、「伝達できない企画」は捨てなきゃいけないんです。
ここで判断が若干難しいのは、逆算して、最初から「伝達できそうなプロジェクト」ばかりを選んでいると、どうにもこうにも「こじんまり」してしまいます(※そもそも、そんな予定どおりにコトは進まない!)。
まずは「夢中になれるプロジェクト」と向き合って、しばらく経ってからそのプロジェクト見て、「他のプロジェクトと連動させられるか、否か?」で(後から)取捨選択するのがイイのかなぁと個人的には思っております。
そんなこんなで僕は、「世界観」と「宣伝」と「お金」のエネルギーの流れを可視化した『シナジーマップ』というものを常に描いていて、「それぞれのプロジェクトが、他のプロジェクトにどのような影響をもたらしているのか? はたまた、もたらしていないのか?」を確認しています。
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▼ セカンドプレイヤーの創造
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『人形劇』を作る時に、最初に考えたのは「プレイヤーを増やす」ということでした。
※ちょっと、ややこしい話になるので、ここから40秒だけ頑張って聞いてください。
『プペル人形劇団』は、国内外を転々とする予定なのですが、その時、作品と共に国内外を回る専属スタッフを付けてしまうと、「プレイヤーの人数=専属スタッフの人数」なので、つまりプレイヤーの人数が増えないんですね。
プレイヤーの人数を増やす方法は一つです。
「『組立式の美術セット』&『人形』と『音源&プロジェクションマッピング』を各地域に配送して、各地域のスタッフにプレイしてもらう」です。
アナログ推しの西野が「プロジェクションマッピング」を選んだ理由は、「照明」を丸投げにしてしまうと、地域によって、クオリティーの差が出すぎてしまうからです。
音源をパッケージ(台詞やBGMがすでに入っている)にした理由も同じです。
こうすることで、『プペル人形劇団』のキットが送られてきたスタッフがやる仕事は、以下の二つになります。
①美術セットを組み立てる
②死ぬ気で練習して、人形を操る
どう考えたって、難しいのは②で、②に必要な人数を増やせば増やすほど、難易度は高くなり、「やりたい!」という人が減り、プペル人形劇団の回転率が落ちるので、台本を書く段階でプレイヤーの人数を減らしておくことが大切です。
そうすることで、『プペル人形劇団』の(セカンド)プレイヤーが増えるわけですね。
幼稚園の先生が死ぬ気で練習してたら最高。
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▼ 『プペル人形劇団』の相乗効果を設計する
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ここで、冒頭の『シナジーマップ』の話に戻ります。
やはり、『プペル人形劇団』も単体で動いてしまっては、意味がありません。
『プペル人形劇団』が別のプロジェクトにプラスの影響をもたらしていれば、西野は余計に『プペル人形劇団』に力を注ぎますし、ついでにいうと、「プラスの影響をもたらしている別のプロジェクト」から応援もしてもらえます。
というわけで、さっそくニューヨークのブロードウェイチームに連絡し、ミュージカル『Poupelle of ChimneyTown』の楽曲をお借りすることにしました。
『プペル人形劇団』の音楽は、ブロードウェイの楽曲を使用します(贅沢!)。
そうすることで、ブロードウェイの宣伝になるし、『プペル人形劇団』で、その音楽に触れた子供達&親御さんが、いつか、ブロードウェイ版のプペルを見た時に「本物だー!」と感動することができます。
「本物を『本物』にする為には、事前にコピーを売っておかなくちゃいけない」という話です。
美術監督は只石さんに丸投げして、マリオネットの制作はオレンジパフェさんに丸投げしました。
『プペル人形劇団』の初回公演の会場もサロンメンバーさんが運営されているスペース(経堂)をお借りすることが決まっています。
んでもって、どうせ集客をするわけですから、『プペル人形劇団』の会場の2階スペースで『えんとつ町のプペルVR』をやります。
もちろん、グッズコーナーで絵本を売ります。
そんな感じで、せっかく生み出すエネルギーを殺さないように、キチンと『シナジーマップ』を描いていて、エネルギーを伝達していきます。
今日のポイントは二つ。
『セカンドクリエイターの創造』
『エネルギーをキチンと伝達する』
とっても大切なポイントだと思うので、参考にしてもらえると嬉しいです。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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