西野亮廣のエンタメsalon

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2020年07月23日のエンタメ研究所の過去記事

7月23日(木) ※7月25日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
時々、「3分の1の純情な感情」というワードを口に出して言いたくなるキングコング西野です。
さて。
今日のテーマは『ウイルスと共に生きるオフラインサービス』です。
以前、幻冬舎の箕輪さんから「西野さんが今、興味があるのは何ですか?」と訊かれた時に、「土地です」と即答したのですが、そのことについて、頑張って言語化してみますね!
2019年4月、パリのノートルダム大聖堂で大規模な火災が発生し、尖塔や屋根の大半がこの火災によって焼け落ちてしまいました。
その直後、世界中から1000億円以上の寄付金が集まり、大きな話題となりました。
サービス提供者であれば、この出来事を因数分解し、自身のサービスに落とし込む必要があると思います。
考えなければいけないのは、「寄付した人の中に、日常的にノートルダム大聖堂に通っている人は、どれだけいたか?」という点です。
おそらく、日常的にノートルダム大聖堂に通っているのはパリ市民ぐらいで、寄付した人の多くは「以前、行ったことがある人」「いつか行こうと思っていた人」だと思います。
つまり、「現在進行形でノートルダム大聖堂を利用していない人」です。
彼らにしてみれば、「あそこにノートルダム大聖堂がある」と想えることが重要なので、ノートルダム大聖堂が焼失してしまったら、具合が悪い。
サービスを提供する際、サービス提供者はお客さんから「時間」を奪うことになるわけですが、そこには「利用されている時間」と「想われている時間」があることを僕らは認識しておかなくちゃいけません。
ノートルダム大聖堂は「想われている時間」が長かったので、あれだけの支援が集まったわけですね。
このことを、自分のサービスに落とし込みます。
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▼ コロナ時代のオフラインサービス
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新型コロナウイルスが猛威をふるい始めた今年4月、緊急事態宣言が発令されました。
「とりあえず1ヶ月」という感じでしたが、延長される可能性は十分にあったので、実店舗を持つ経営者は皆、大きな不安に襲われました。
僕自身、数万人規模の個展をしていますし、実店舗も経営しています。
最初に頭によぎったのは、スナック『CANDY』のことでした。
「売り上げが出せないのに家賃を払い続けることになる店を手放すか、否か」という判断です。
しかし、キンコン西野は迷わず、何ヵ月でも(何年でも)スナック『CANDY』の空家賃を払い続けることを決めます。
何故か?
スナック『CANDY』には月額1000円のファンクラブがあります。
そこには、「以前、CANDYに行ったことがある人」や「いつかCANDYに行こうと思っている人」が集っています。
彼らにしてみれば、「あの場所にCANDYがあると想えること」が重要で、CANDYが失くなってしまったら、想うことができません。
たとえ今は利用できなくても、物理的に存在していることが重要なんです。
それが失くなってしまったら、ファンクラブにいる理由がありません。
緊急事態宣言が出ている間、スナック『CANDY』のファンクラブ内(Facebookグループ)では、オンライン呑み会が開催されましたが、ただのオンライン呑み会には価値はなく、「コロナが明けたら、今度はCANDYで呑みたいね」と想いながらおこなうオンライン呑み会に価値があったわけです。
つまり、CANDYの家賃というのは、「想いを繋ぐ為の必要経費」なので、「利用できないから」という理由で撤退していいものではないんです。
コロナ時代のオフラインサービスは、
「利用されることで生まれる売り上げ」と「想われることで生まれる売り上げ」を分けて考えた方がよくて、とくに、「想われることで生まれる売り上げ」の必要経費を安く見積もらない方がいいと思います。
今度、兵庫県川西市の山奥に「泊まれるアトリエ」を作ろうかと思っているのですが、1日一組しか利用できません。
つまり、年間で最大365組しか利用できないので、ほとんどの人が利用できません。
しかし、昨日、株式会社NISHINOの予算会議で、その「ほとんどの人が利用できない施設」に予算を投じることが決まりました。
「いつか行ってみたいな」と想われることで生まれる売り上げの必要経費です。
現場からは以上でーす。
【追伸①】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
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【追伸②】
僕のイベントやら施設やらの空間を設計してくださっている只石さんのオンラインサロンが始まったよー!
 
 
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