西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年07月24日のエンタメ研究所の過去記事

7月24日(金) ※7月26日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
梶原君みたいな顔のオバサンをよく見かけるキングコング西野です。
さて。
今日は『想われる場所を作る』というテーマでお話ししたいと思います。
昨日の記事の続きなので、昨日の記事を読まれていない方は先に、そっちを読んでくださーい。
ある日突然オフライン営業を止められてしまうコロナ時代のサービスは、「利用されている時間」と「想われている時間」をキチンと分けて(整理して)考えることが、とってもとっても大切だと思います。
すべてのサービスには「利用料金」と「想像料金」というものがあって(※西野の造語です)、近所のスーパーは「利用料金」は取れていますが、「想像料金」が1円も取れていない。
これだとウイルスが蔓延したら一発アウトですし、ウイルスが蔓延しなくても、ジワジワとアウトです。
というのも、想像料金でマネタイズできているサービスは、「利用料金を安くできる」という
強烈な手札を持っているからです。
想われていないサービスは、「いずれ価格勝負で負ける」という運命を背負っています。
なので、「理念」や「世界観」といったものが超大事で、空間を設計する時も、「ただただオシャレな空間」には価値はなく、その空間が利用されていない時間に、想像・想起してもらうような空間を作る必要があります。
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▼ 町を作る
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気がついたら日本のトップクリエイターになっていた僕ですが、基本的には「大きな作品」が好きです。
作品は大きくなればなるほど個人で完結できなくなるので(=「自分が頑張ればなんとかなる」というものでは無くなってくるので)、難易度が上がります。
スタッフさんのモチベーションや、スタッフさんにお金が落ち続ける仕組み、お客さんが来続ける仕組みから作らないといけないので、作業量は格段に増えます。
でも、せっかく挑戦するからには一番難しい挑戦をしたいじゃないですか(^o^)?
というわけで、作品の最大単位を探ったところ「町」に辿り着きました。
衣食住の全てを網羅した総合芸術です。
そんなこんなで、今、兵庫県川西市に『えんとつ町のプペル美術館』を真ん中においた町を作っている真っ最中です。
大切なのは、「利用される町」にすることは勿論のこと、「想われる町」にすることです。
想像・想起してもらうように、場所をデザインする必要があります。
今、ボンヤリと考えているのは、(昨日もお伝えした)川西の森の中につくる『泊まれるアトリエ』のこと。
地質調査をしてからの判断ですが、なるべく「池のほとり」に作ろうと思っていて、このアトリエは『雨を味方につけたデザイン』にした方がいいと思っています。
たとえば、「ししおどし」や「濡れたら反射する石」など、【雨が降れば起動する装置】を各所に散りばめておく。
そして、そのアトリエを絵本の中に登場させて、そのシーンでは雨を降らす。
そうすれば、雨の日が「アタリ」になり、利用者の満足度が上がります。
くわえて、雨が降れば、そのアトリエを想像・想起してくれる人が全国各地に発生するので、雨が広告(集客)をしてくれます。
同じ発想で、「気温」や「湿度」や「匂い」や「迷子」も味方につけた方がいいと思っています。
そこで、今朝、株式会社NISHINOのスタッフの皆様に「川西で、トゥクトゥクのレンタカー屋さんをやろう!」と提案してみました。
町の回遊ルートを指定するわけでもなく、特定の場所までスタッフがお連れするわけでもない。
各自で向かってもらって、、「気温」や「湿度」や「匂い」を体験してもらう。
もちろん、プチ迷子になってもらう為に、カーナビなどは搭載しない。
そうして刻まれた思い出のイチイチが、別の場所で類似体験をした時に甦り、「川西」を想わせる。
「心地の良い苦労」は思い出として残り、リピーターを生んでくれるので、それは決して削らない。
車の窓を閉じると体験(情報)が減るので、窓は付けない。
現在、あらゆるサービスは「利便性のその先」の設計が求められていて、いかに想像・想起してもらうか?の勝負に入っています。
西野亮廣エンタメ研究所』では、その制作過程を今後も追っていきます。
その全てが御自身のサービスに転用できるわけではないと思いますが、いくつかは丸パクリできるものがあると思うので、引き続きお付き合いください。
現場からは以上でーす!
【追伸】
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