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2020年07月25日のエンタメ研究所の過去記事

7月25日(土) ※7月27日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「稼いだお金はエンタメに全額投資するか、困っている人に全額寄付する」と言ったところ、母ちゃんから「なんかあったらアレやから、100万円は残しとき!」と超現実的な言葉を浴びせられたキングコング西野です。
さて。
今日は『無料公開2.0』というテーマでお話ししたいと思います。
今朝のVoicyでお話ししたことよりも、3歩ぐらい踏み込んだ内容です。
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▼ 『えんとつ町のプペル』の無料公開から3年…
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絵本『えんとつ町のプペル』の無料公開から3年半が経ちました。
当時は ずいぶん炎上しましたが、今では「無料公開」も当たり前の景色となっています。
絵本『えんとつ町のプペル』の無料戦略のヒットの直後、多くの出版社が新刊の無料公開を試みましたが、(厳しいことを言うと)「設計が甘いなぁ…」と思いながら見ていました。
当時、彼らの脳内にあったのは「無料公開=なんか売れるらしい」という御粗末な数式。
当然、それでは結果は出ません。
まず、大大大前提として、そもそも作品の力が無ければ、無料公開は「皆さーん!私の作品、面白くないですよー!」というマイナスプロモーションでしかありません。
つまり、「正攻法では売れないから無料公開」は自殺行為です。
真っ向勝負(有料勝負)で勝てる作品が無料で見れるから、ブーストがかかるわけですね。
…そのことを踏まえた上でお話しします。
基本的に、成功例から学ばなければならないのは(転用すべきは)「結果」ではなく「考え方」です。
絵本『えんとつ町のプペル』の無料戦略の本質は「無料公開」じゃないんです。
【例①】
「お母さんは、時間とお金に余裕が無いから、『自分が子供の頃に読んでもらった絵本』を自分の子供に買い与える」というカラクリを掘り当てて、
「お母さんは、そもそもネタバレしている(=アタリが約束されている)絵本しか買わない」と定義し、
「アタリを約束する(=家で無料で最後まで読めるようにする)」に着地。
【例②】
「絵本には『読み物』という【情報】としての価値の他に、『読み聞かせ』という【コミュニケーションツール】としての価値がある」というカラクリを掘り当てて、
無料の公開方法を「縦スクロール」にして、スマホでは読み聞かせしにくいようにして、
【情報】は無料だが、【コミュニケーションツール】として絵本を販売する。
……自分のサービスに転用しなければならないのは、こういった“購入する理由を残した因数分解の過程”で、「無料にしたら売れるらしい!」という理由で闇雲に小説を無料公開したところで、お金を出して物質を買う理由がないと売れません。
そんなこんなで今日の本題です。
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Instagramで絵本を全ページ無料公開
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昨夜、僕の絵本が全ページ無料で読めるInstagramを開設しました。
こちらです↓
(※現在は一作品ですが、いずれ全作無料で読めるようにします)
もともと、僕の絵本を全作無料で読めるホームページを作ろうと思っていたのですが、先日お話した…
①店を見つけてもらう為の「無料商品」
②店に足を運んでもらう為の「売れる商品」
③収益を生んでくれる「売りたい商品」
…のうち、ホームページだと①の設計が甘いなぁと思って、足踏みしていました。
売り物以外に提供するものがないと、店(ホームページ)に来てもらえません。
少しややこしいですが、「無料公開されている絵本」は②なんです。
そして、有料の絵本が③です。
②を体験した方の一部が③に流れ、そこで収益が発生します。
つまり、まずは、「無料公開されている絵本」(②)に辿り着いてもらうための商品(①)が無いといけないんですね。
でも、ホームページのリンクってSNSに貼られていても、あんまり飛ばないですよね?
そこで、ホームページで無料公開するのではなく、Instagramで無料公開することに決めました。
以下のような建て付けです↓
①ストーリー(生配信)
②通常の投稿(絵本の無料公開)
③プロフィール欄(サイン本販売)
こうすれば、絵本に興味がない人も、僕の生配信をキッカケに無料公開されている絵本の存在を知ります。
そして、これだけでは弱いので、僕が毎日配信しているYouTube(ラジオ)の静止画面に、インスタのQRコードを毎日10分間出し続けることにしました。
こうすることで、ラジオのお客さんが、無料公開されている絵本の存在を知ります。
こういった感じで、すべての活動を絡めて、メディアを越境した「流れ」を設計することが大切だと思います。
んでもって、僕の本気はここからです。
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▼ 富の再分配
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これはもう僕の趣味の領域なのですが……
いわゆる「人生の勝ち組」が、お金に困っている人を「バカだ、バカだ」と罵る世界が僕はあまり好きではありません。
勉強やスポーツに得意不得意があるように、「お金を稼ぐ」にも得意不得意はあって、得意な人が不得意な人をカバーする世界が僕は好きです。
僕の父ちゃんと母ちゃんが、あまり得意じゃなかったので、余計に思ってしまうのかもしれません。
エンタメにお金を払える余裕がある人だけが、エンタメを享受できる世界を僕は作りたくなくて、今、生活に少しだけ余裕がある人がエンタメを贈れる世界が作れるといいなぁと思い、絵本や映画を「ギフト化」し、富の再分配に努めています。
絵本のお客さんには、
・「買って読む人」
・「貰って読む人」
・「贈る人」
…が、いていいと思ったので、今回、絵本を無料公開しているInstagramの投稿画像の最上段(3枠)を「広告枠」にして、『presented by ○○』の三分割の画像を販売し、その売り上げを全額、絵本(今なら映画かな?)の寄付に回すことにしました。
広告枠を買った人は「あの人のおかげで無料で読めている」と感謝されるし、
1日1万円で販売すれば、一ヶ月で150冊、年間で1800冊ぐらいは寄付することができて、出版社にとっても悪い話じゃないと思うので、とりあえず実験してみます。
たぶん、今やっているクラウドファンディングのリターンで出すと思うので、要チェックやで!
絵本が売れたら僕のもとにお金が入ってくるのですが、どうせお金を受けとるのなら、こういう形で一人でも多くの人に巡る形で受けとりたいです。
受け取ったお金は、また全額寄付します。
嘘です。ときどきハイボールを呑みます。
現場から以上でーす。
【インスタ無料絵本】 
【追伸】
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