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2020年07月27日のエンタメ研究所の過去記事

7月27日(月) 7月29日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
横文字が苦手な母ちゃんに「コラボ」の説明をしたところ、「『からし蓮根』みたいなこと?」と返ってきたキングコング西野です。
さて。
昨日と一昨日、25歳以下のサロンメンバーだけで運営している「プペルバス」(移動型・光る絵本展)が兵庫県川西市にやってきました。
僕が彼らにできる一番の支援は「会場に足を運ぶこと」だと判断し、新幹線に乗り、無事に直接御礼を伝えることができました。
仕事柄、この世代の子達と付き合うことが多く、彼らからいつも学ばせてもらっています。
そこで今日は、
実際に付き合ってみて気づいた現代の若手に起きている「二つの大きな変化」について、(これまでも話してきましたが)あらためて整理し、皆様に共有したいと思います。
「若手」といってもピンキリなので、少しエグいですが「“優秀な若手”に起きている二つの変化」というテーマでお話します。
若手の生態系を把握しておかなければならないベテラン勢はもとより、「これから一旗あげてやろう」と考えている若手も必読です。
要チェクやで!
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▼ 「起業」から「寄業」へ
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いつの世も、どの地域でも、文化の始まりには「迫害」があります。
「迫害」から「文化が生まれるまで」の行程をザックリ説明すると…
①希少性が高いから迫害される。
②その一方で、希少性が高いから支持者が一点に集中する。
③一点に集中するので大きな結果が出る。
④「大きく出た結果」を見て、周囲が「僕も」「私も」と後に続く。
⑤文化になる。
…です。
どの時代、どのジャンルであろうと、基本的には、この流れで文化が生まれます。
それでいうと、「起業」は、30代~50代(オジサン達)の代物だなぁと思います。
大企業に入ることが「成功」だった時代、「起業家」は批判の目に晒されました。
当時、マスメディアは、IT社長を「成金のイケすかない奴」として紹介していたのです。
そこには確かな「迫害」があったのですが、
その一方で、
支持者も一点集中し、大きな成果をあげ、文化となりました。
今、起業したところで、大きな批判を浴びることはないでしょう。
「成功者」と呼ばれ、大きな影響力を持っている人達が、軒並み「起業家」だからです。
「すでに認められている人達をコピペしたところで、新しい文化が生まれない」ということは、歴史が証明しています。
今、「ひな段に出ない芸人」が出てきても、大きな成果をあげることはないでしょう。
「ひな段に出ない生き方もアリだよね」となったからです。
今、「YouTubeに進出する芸人」が出てきても、大きな成果をあげることはないでしょう。
「芸人がYouTubeをやるのもアリだよね」となったからです。
僕も、梶原君も、オリラジ中田君も、世間はもとより、同業者からも大きな迫害を受けました。
その一方で、「そういう生き方があってもいいじゃん」という支持が一点集中し、大きな成果をあげました。
時代を取りに行くなら、「迫害」から設計した方がよくて、僕が大学生ならば「今、何をすれば迫害されるかな?」というところから逆算します。
オジサン連中や、成功しているオジサンに憧れている同世代は今、「起業してナンボ」「起業こそが自由」を押し付けてくるので、彼らが最も批判しやすいテーマを探します。
それが「寄業」です。
「すでに起きている業に寄生する」という生き方ですね。
きっと彼らは「便乗だ!」「おんぶに抱っこでダサい!」と迫害してくるでしょうが、それこそが文化の始まりです。
若手を見ていると……
オジサンっぽい活動をしている子は『起業マインド』で、
イケてる活動をしている子は『寄業マインド』であることが多いです。
#一概には言えませんが
寄業マインドを持った子達は、いわゆる「車輪の再発明」を徹底的に避け、「使えるものは使って、その上で自分の好きなことやる」という考えです。
「所有」から「共有」に変化しているとも言えるのかも。
幻冬舎の箕輪さんが「戦国時代は終わった」と言っていましたが、まさに。
イケてる若手は「江戸時代で、どんな娯楽を作るか?」という方向にスイッチしています。
現代の大きな変化の一つとして、「起業→寄業」があるなぁと思いました。
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▼ 「労働者」から「投資家」へ
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もう一つ、「イケてる若手」を見ていて気づかされることがあります。
彼らは「どうやって稼ぐか?」という大喜利ではなく、
「稼いだお金を、どうやって使うか?」という大喜利を始めています。
たしかに、YouTubeで「こうやったら稼げまっせー」と叫んでいるのは、揃いも揃ってオジサンばかり。
オジサン達の中では「お金」の価値はまだまだ高いので、「お金をたくさん持っている=安心」という図式になっていますが、
「信用」や「キャラ」さえ持っていれば、クラウドファンディングでいくらでもお金を集められるようになった今、イケてる若手は、自分の信用の向上や、自分のキャラクター性を強めることに、お金を使うことを考えています。
「何にお金を使えば、自分の信用度が上がるか?」
「何にお金を使えば、自分のキャラクター性が増すか?」
という風に。
これは「労働者」の視点ではなく、明らかに「投資家」の視点です。
若手を見ていると……
オジサンっぽい活動をしている子は『稼ぐ話』をしていて、
イケてる活動をしている子は『使う話』をしていることが多いです。
現代の大きな変化の二つ目として、「労働者視点→投資家視点」があるなぁと思いました。
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▼ まとめ
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(一概には言えませんが)最近の若手の傾向として、この二つ変化が見てとれます。
今、あきらかにゲームチェンジが起きていて、若手はこのことを言語化し、成り上がり戦略を練る必要があるし、
ベテラン勢は、この変化を把握しておかないと、寝首をかかれます。
部分部分は、これまでにも話したことがある内容ですが、これは整理し、皆で共有しておいた方がいいと思ったので、今日は、こんな話をしてみました。
昨日、一昨日と、雨の中「プペルバス」を運営してくれた若手スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
最高でした。
また、呑みましょう。
また、いろいろ教えてください。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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