西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年07月31日のエンタメ研究所の過去記事

7月31日(金) ※8月2日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「○○さんと口論してください」というテレビのオファーが来て、シンプルに「なんでなん?」と思ってしまったキングコング西野こと「完全にオワコンタレント」です。
さて。
今日は『VIPモデルを深掘りしてみる』というテーマでお話ししたいと思います。
まず間違いなく全てのサービス提供者さんに関係のある話なので、御自身のサービスと照らし合わせながら読んでいただけると嬉しいです。
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▼ あらためて語る「モノ作りの定義」
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僕は「モノづくり」をしている人間で、作品の力を借りて、どうにかこうか生きながらえています。
自分が届けたいメッセージを作品に言わせる照れ屋さんであります。
一つ確かなことは「作品が売れなかったら全てが止まる」ということです。
収入も止まりますし、メッセージも止まります。
それどころか、やっとの思いで生んだ作品が、世の中的には生まれていないことになります。
こうなってくると、「作品を生む」という言葉について考えさせられます。
お客さんに届いていない作品が生んだこととしてカウントしてもらえないのであれば、「作品を生む」というのは、お客さんに届けきるまでを指す言葉なのでは?と。
アトリエの作業机の上にある作品は「未完成」で、
店の商品棚に並んでいる作品も「未完成」で、
お客さんの手元にある作品が「完成」である、と。
そう考えるようになりました。
届ける作業(売る作業)に責任を持った瞬間に、「商売人」と揶揄されますが、どっこい、届ける作業を放棄しているクリエイターはクリエイターではなく、「モノづくりが好きな素人」です。
だって、作品を生んでいないんだもの。
仕事内容は、趣味で編み物をしているお母さんと同じです。
その昔、下北沢のガード下の飲み屋で、持論を展開する売れないクリエイターの胸ぐらを掴んで、「目を覚ませタコ!お前は、この10年間、一個も作品を生んでねぇぞ!今この瞬間プロにならないと、お前とは縁を切る!」と叫んだ夜がありました。
「家に帰るまでが遠足」ですし、「お客さんに届けるまでがモノづくり」です。
この定義はプロとして生きる以上、避けられません。
これは、提供しているものが、お寿司であろうが、ラーメンであろうが、Webサービスであろうが、同じです。
「作ったもモノをどう届けるか?」
僕らはここを考え続けなければなりません。
そして、そんなことを研究し、その結果をメンバーに共有し続けるのが『西野亮廣エンタメ研究所』です。
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▼ 成功パターンに安住せず、横展開する
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僕がもう一つ心掛けているのは「上手くいったパターンを別ジャンルで試してみる」です。
今年の春先、コロナちゃんがワーっと襲ってきて、ZOOMがコミュニケーションツールになった時期に、けんすうサン(https://salon.jp/alu
 
)が「カメラの画質に人格が出るから、画質にはコストをかけた方がいいよ」とほざいていました。
「画質が綺麗な人って、丁寧な人(気が配れている人)みたいに見られるよね」みたいな話です。
言われてみれば、たしかにその通りで、ZOOMの画面を一眼レフでバチコーンと決めてくる人は「上品な人」に見えて、画質がガチャガチャの人は「スーツがシワだらけの人」のように見えてきます。
すぐにカメラとマイクを購入し、コロナ時代の「上品な人」になりました。
そして、やってみて気づいたことがありました。それは、
「画質を綺麗にすると、それに応じた喋り方になる」
ということです。
「着物を着ると喋り方がついついハンナリする」みたいなことだと思います。
この時、コロナ時代のアイデンティティ(人とナリ)は、画質や音質といった外的な要素に引っ張られるように表れることを覚えました。
このことをすぐに横展開します。
動画がコミュニケーションツールになると、電話やLINEがコミュニケーションツールだった時代と明らかに違う要素が生まれます。
「背景」です。
その人の背景も、その人のキャラクターを説明する要素となるので、画質や音質に手を加えたように(スーツのシワを伸ばすように)、さっそく背景の工事を始めてみました。
おかげで、僕のリビングの壁は「時計台」になり、僕は「ファンタジーを作っている人」になったわけですが、そこには、こういった「成功パターンの横展開」があったことをお知らせします。
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▼ まだまだ可能性が眠っているVIPモデル
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絵本『えんとつ町のプペル』を「ギフト」として販売した途端、売り上げがグンと伸びました。
「読み物」として販売しているうちは、一人につき1冊購入するものでしたが、「ギフト」にした瞬間に、一人が10冊、場合によっては100冊購入するケースが出てきました。
これにより、絵本のお客さんの中には、「定額で買って読む人」と「タダで読む人」と「高いお金を払って読む人(タダで読む人に贈る人、VIP)」がいることが分かったのです。
このパターンが絵本で通用することはもう分かったので、今度は、これを横展開。
そうして、辿り着いたのが、現在仕掛けている映画『えんとつ町のプペル』のクラウドファンディングです。
映画はこれまで(基本)全員一律料金だったのですが、今回の仕掛けにより、映画『えんとつ町のプペル』は、「定額で映画を観る人」「タダで観る人」「高いお金を払って観る人(タダで観る人に贈る人、VIP)」が存在することになりました。
映画でこの「VIPモデル」が使えることが確認できたので、今度は別のジャンルで試します。
そうして生まれたのが、明日から始まる僕のInstagramの広告枠です。
Instagramに絵本を全ページ無料公開し、画像一覧の最上段を「広告枠」として販売。
その売り上げは全額(今なら映画のチケットにかえて)寄付。
これにより、「無料でInstagramを観る人」と「高いお金を払ってInstagramを観る人」が生まれました。
ポイントは、「Instagramに広告枠を作って、販売するアイデア」は、ある日突然降ってきたものではなく、天才的なひらめきなどでもなく、「VIPモデル×○○」という成功パターンの横展開を探していた(○○にいろんなモノを当てはめていった)結果、生まれたものであるということ。
この作業には本当に多くの可能性が埋まっていて、たとえば「雑誌」なんかは、読者からのマネタイズしか設計されていませんが、「VIPモデル×雑誌」で考えて、「特集ごとに個人の広告枠を販売する」にしたら、収益をかなり伸ばせそうです。
成功パターンの横展開、是非、試してみてください。
現場からは以上でーす!
【追伸】
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