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2020年08月25日のエンタメ研究所の過去記事

8月25日(火) ※8月27日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
『【炎の自腹キャンペーン】映画えんとつ町のプペルの応募者全員プレゼント』をスタートさせたところ、一晩で1800万円が消えたキングコング西野です。
さて。
昨日、『映画プペル応募者全員プレゼントキャンペーン』と、新連載『ゴミ人間』を同時にスタートさせました。
いずれも映画『えんとつ町のプペル』のプロモーションであることには違いないのですが、今日はそれぞれのプロモーションの役割について、本人が今日と明日の二回(前編/後編)に分けて解説してみたいと思います。
今日の話は、どのサービス業にも通ずるマーケティングの話なので、鼻の穴をかっぽじって聞いてください。
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▼ 顧客を細分化する
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エンタメだろうが、飲食だろうが、Webサービスであろうが、商いをしている全ての人に共通する最大の課題は「商品を売る」です。
どれだけ御託を並べたところで、商品が売れなければ、商いを続けていくことはできません。
ここで「売れることが全てなのか? それよりも大切なものがあるだろう!」という議論を始めてしまうと、話がそれてしまうので(※それは明日のVoicyで話します)、とりあえずココでは「売れることが全て」という前提でお話しさせてください。一旦ね♥️
サロンメンバーさんと『株』(のようなもの)を持ち合うことで、「サロンメンバーさんの活動が上手くいけばいくほど、僕(映画プペル)が恩恵を受けられる」という状況を作ろうと思い、先日、「シナリオ台本&ムビチケを原価でサロンメンバーさんに提供し、利益は全額サロンメンバーさん持ち」というウルトラCをブチ込みました。
ここで僕の下心を包み隠さずお話ししますが(嫌いにならないでね)、僕的には『追加注文』された方がいいんです。
つまり、「シナリオ台本&ムビチケ」がたくさん売れた方がいいと思っています。
たぶん、ここで「うん?」と引っ掛かる人がいると思います。
「今回みたいにムビチケを無料で提供してしまったら、サロンメンバーが販売しているムビチケが売れないじゃないか?」
という疑問です。
これ、『マーケティング』の資格試験に出した方がいいぐらいの問題だと思います。
結論から先に言っちゃうと、「今回みたいにムビチケを無料で提供してしたら、サロンメンバーさんが販売しているムビチケは余計に売れる」です。
たぶん、これは間違いないです。
見なければいけないポイントは2つ。
一つ目は、 「顧客がかぶっていない」という点です。
「プレゼントキャンペーンで映画プペルのムビチケを無料で受けとる人」と「サロンメンバーさんの店でムビチケを買う人」を、『映画えんとつ町のプペルに興味がある人』という“一括りの顧客”として考えてはダメで、ここでは「顧客を細分化(セグメント)」する必要があります。
▼顧客を細分化してみる
【プレゼントキャンペーンに応募する人】
・団体(団体の中にはプペルに興味がない人もいる)
・ネットに精通している人
【サロンメンバーの店でムビチケを買う人】
・個人
・サロンメンバー
・ネットが苦手な人
・プレゼントキャンペーンを知らなかった人(※キャンペーンは8月末で終了)
……ザッとこんなところです。
大きな括りだと『映画えんとつ町のプペルに興味がある人』になるのですが、キチンと分けていくと、顧客が全然かぶっていないんです。
「チケットをプレゼントした団体に所属している人が、たまたまサロンメンバーさんの店に行って、たまたまプペルにおもくそ興味があって、前売りチケットに巡り会う」なんて天文学的な確率なので、団体にチケットをプレゼントしたところで、サロンメンバーさんの店で売られているチケットの売れ行きが落ちることはない。
そして、
【サロンメンバーの店でムビチケを買う人】に含まれている「ネットが苦手な人」は、今回のキャンペーンのことを知らないので、彼らにはキャンペーンでチケットを届けることができません。
ここをキチンと分けて考えないと(顧客を細分化しないと)、大きく大きく取りこぼしてしまうことがあります。
それが、コチラ。
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▼ 『売れる商品』とは何か?
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オブラートの類を全ての取っ払って喋りますが、商いを続けていこうと思ったら『売れる商品』を取り扱わないといけません。
『売れない商品』を売るのって大変なんです。
そこで、まずは自分が取り扱っている商品を『売れる商品』にする必要があります。
これは、人の心理から逆算していくと(自分がお客さんになった場合を考えると)見えてくると思うのですが、多くの人は、モノを買う時や、時間を割く時は、「当てたい」よりも「ハズしたくない」の方が動機として強いんですね。
つまり、
一か八かの買い物なんてしないし、
写真や動画で見たことがない場所を旅行に選ばない。
「ハズしたくない」という気持ちの方が強いので、皆、「『ある程度の当たり』が約束されているモノ」を選びます。
売れているモノを選びます。
つまりつまり、『売れる商品とは何か?』の答えは『売れているモノ』です。
なので、商品を取り扱う人間は、取り扱っている商品を「売れている」という状況に持っていくことが大事です。
そこで今回のキャンペーンなのです。
ネットが苦手な方が今回のキャンペーンの存在を知る頃には、今回のキャンペーンは終わっています。
その頃には、「映画『えんとつ町のプペル』は、前売り(ムビチケ)の段階で、5万枚ハケている=人気映画=売れている」となるので、チケットが前よりも少し売りやすくなっています。
このやり方一つとっても、「プレゼントキャンペーンで映画プペルのムビチケを無料で受けとる人」と「サロンメンバーさんの店でムビチケを買う人」が別人であることを理解しておかないといけないので、「顧客の細分化」というのは超絶大事です。
『ドーナツを買う人』の中にも、
「腹が減ってドーナツを買う人」と
「差し入れでドーナツを買う人」と
「ファッションでドーナツを買う人」は、
まったく別人で、
「ファッションでドーナツを買う人」にしか届かないような無料キャンペーンを打てば、そのドーナツの認知度が上がり、「腹が減ってドーナツを買う人」と「差し入れでドーナツを買う人」の売り上げが伸びます。
『顧客を細分化して、そのうち一つのターゲットに向けてキャンペーンを打って、商品の認知度を上げて、売り上げを伸ばす』は、他でも転用できる打ち手だと思うので、試してみてください。
明日は、新連載『ゴミ人間』をスタートさせた狙いについてお話しします。
明日もマーケティングの話です。
お楽しみに!
現場からは以上でーす。
【追伸】
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