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2020年08月26日のエンタメ研究所の過去記事

8月26日(水) ※8月28日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
涙の自腹企画『映画プペル応募者全員プレゼントキャンペーン』によって、二日で4000万円を失ったキングコング西野です。
さて。
今日は『ハイブリッドマーケティング』についてお話ししたいと思います。
今回お話しする「ハイブリッド」の内訳は「オンライン」と「オフライン」です。
要するに、「オンラインとオフラインをイイ感じに混ぜ合わせたマーケティング」について、お話しします。
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▼ オンラインとオフラインの性質を、あらためて理解しよう
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オンラインとオフラインの上手な混ぜ方の話をする前に、オンラインサービスとオフラインサービスの性質を、あらためて整理してみます。
整理する方法はいくつかあると思うのですが、
ここでは一旦、「お客さんが、オンラインで販売される商品と、オフラインで販売される商品を、それぞれ手に取るまでに辿るルート」という観点で整理してみます。
すると、(なんとなく)こうなります↓
【オンライン商品】=ダイレクトで辿り着く
【オフライン商品】=たまたま辿り着く
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』という商品を買われた方の多くは、「西野 オンラインサロン」で検索していて、ハナから西野のオンラインサロンを買うことを決めています。
「誰かのオンラインサロンに入りたいなぁ」と思って、オンラインサロンのプラットフォーム内を徘徊して、「お!キンコン西野もオンラインサロンをやっているんだ。ちょっと入ってみよう」という方は、かなり少数派だと思います。
もちろんこれは「ゼロor100」の話ではなくて、プラットフォーム側は、この少数派の数を増やす努力を日々続けています。
ただ、基本、オンライン商品は「買うことを決めている人」に買われることがほとんどです。
一方、オフライン商品は違います。
コンビニに入った時には、まさかレジ前に売っているチロルチョコを買おうなんて1ミリも思っていなかったハズです。
駅に向かう途中の自販機で、まさかコーラを買うことになろうとは、家を出たときは考えていなかったハズです。
オフライン商品って、ボンヤリとした目的を達成するまでの途中途中で、望んでもいないのに目に入ってくるんです。
オンライン商品とオフライン商品には、それぞれ、こういった性質があるので、当然、届く相手も変わってきます。
(おおまかに分けると)こんな感じです↓
【オンライン商品】=ダイレクトで辿り着く→《ファン(ファン予備軍)にしか見つからない》
【オフライン商品】=たまたま辿り着く→《ファン以外にも見つかる》
映画『えんとつ町のプペル』をメガヒットさせる為に、あれやこれやと仕掛けていますが、「最低でも100万人は動員しなきゃいけない」という勝負になってくると、当然、ファン以外にも届けなきゃいけないんですね。
先日、映画『えんとつ町のプペル』の広告戦略として「新聞広告×県人会」という記事を投稿した時に(※まだ読まれていない方は記事を遡ってみてください)、「今時、新聞なんて、誰も読んでいないですよ。なんで新聞なんですか?」というご質問をいただきました。
が、映画『えんとつ町のプペル』は、新聞を読む人「にも」見つからないといけないし、自分の生活空間のどこか(※家の中や電車の隣の席)に新聞がある人にも見つからないといけません。
ネットで、どれだけバズらせたところで、その人達には見つからないんですね。
んでもって、サービス提供者は次のことを尻に刻んでおいた方がいいと思います。
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▼ インターネットは狭い
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「インターネット=世界に繋がっている」というイメージを持たれている方が多いかとは思いますが、ほとんどのインターネットは閉じています。
スマホを通じて、貴方の手元に届いている情報は、すでに貴方の暮らしに最適化されていて、貴方が興味のない情報(※購入する可能性が極めて低い商品)は、貴方のスマホの中に入っていません。
ちなみに僕は日本のドラマをもう何年も観ていないので、「今、人気の日本の女優さんを3人あげろ」という問題を出されても、一人も答えることができませんし、顔を見たところで「あぁ、なんか見たことがあるかも…」ぐらいです。
テレビ畑の人は「テレビを見ないアピールをするなよ」と言うのですが、家にテレビが無く、スマホで情報を取得している人間からすると、「今、人気の日本の女優さんを3人あげろ」という問題と、「今、人気のウズベキスタンの女優さんを3人あげろ」という問題は、難易度がまっまく同じです。
知らないアピールでマウントをとろうとしているわけではなく、本当に知らないんです。
インターネットで届く情報が、ユーザーの生活に最適化されているおかげで、綺麗キッパリ「属性」で分けられているんですね。
試しに、富山県を歩いている人100人に「西野亮廣エンタメ研究所を知っていますか?」とインタビューしてみてください。
たぶん、一人も知りません。
「日本一のオンラインサロン」ですら、その調子です。
一方、『いきなりステーキ』は何人かが知っています。
ずっとネットを触っていると、オンライン商品とオフライン商品のそれぞれの「見込み認知度」が麻痺してきます。
「ネットを見ている人」と「自分達が発信しているネットを見ている人」を混同させてはダメで、基本的には、「自分達が発信しているネット」を見ている人の数は四捨五入するとゼロだと考えておいた方がいいと思います。
「今時、新聞なんて、誰も読んでいないですよ。なんで新聞なんですか?」という質問に対しては、「それは貴方の半径5メートルの世界の話で、今も新聞はメチャクチャ読まれている」というのが僕の答えです。
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▼ オンラインの力を使って、オフラインの面を取る
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ファン以外に見つかろうと思ったら(メガヒットさせようと思ったら)、中タイトルにありますとおり、「オンラインの力を使って、オフラインの面(商品が見つかる面積)を取る」が正攻法になります。
数日前の記事で投稿した『電柱マーケティング』にしても、一旦、オンラインコミュニティーで集まっているからプラスアルファの広告効果(※「サロンメンバーさんの店なら、ちょっと行ってみるか!」)が発生し、それによって、お店の集客が(たとえば)1割増しになるから、オフライン空間でより見つかりやすくなり、オフラインの集客がしやすくなり、ファン以外にも届きます。
オフラインだけで店を回していると、こうはなりませんし、オンラインだけで情報を発信していると、ファン以外には届きません。
『ハイブリッドマーケティング』の基本は、「オンラインで一旦作ったコミュニティーを、オフラインに溶け込ませて、オフライン(ファン以外)の集客を増やす」です。
幻冬舎の箕輪さんから、「次、何をしようか迷っているんです」と相談された時に、「不動産です」と即答したのですが、一定規模のオンラインコミュニティーを持っている人ほど、オフラインに点を打ち、そこにオンラインで蓄積したエネルギーを投下し、点を拡張させた方が、陣取り合戦では優位になると思います。
僕が今、映画『えんとつ町のプペル』公開前のこのタイミンクで『ゴミ人間』という連載をスタートさせた理由は、まさにそれ。
ぶっちゃけ、『ゴミ人間』のネットでの売り上げ(Amazonランキング)なんて、どうでもいいんです。
興味があるのは書店の売り上げで、『ゴミ人間』を大きく展開してくださっているお店を各県人会で共有(宣伝)し、サロンメンバーさんには、なるべくそのお店で購入してもらおうとしています。
書店で売れることが分かっていれば、書店さんは、『ゴミ人間』の売り場面積を拡げるので、より多くの「ファン以外の方」に見つかります。
一生懸命、書店さんの売上に貢献しますが、もちろん最大の目的は『ゴミ人間』を売ることではありません。
映画『えんとつ町のプペル』の宣伝です。
こんな感じで、オンラインとオフラインをイイ感じに混ぜ合わせながら、映画『えんとつ町のプペル』に興味がない人にも見つかる仕掛けを作っています。
この勝負は勝ちにいきます。
現場からは以上でーす。
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