西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年09月03日のエンタメ研究所の過去記事

9月3日(木) ※9月5日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
たまたまジョギングの時間がかぶっている為、最近、近所の散歩チーム(スキーのストックを両手に持って公園を歩いているお爺ちゃん&お婆ちゃん集団)に所属している感じになっちゃっているキングコング西野です。
さて。
昨日は『地方創生×オンラインコミュニティーの可能性』についてお話しさせていただきましたが(※まだ読まれていない方は先に昨日の記事を読んでください)、「畑のオーナー制」自体は別段新しい考え方でもありません。
ポイントは、「コミュニティーを持っている(所属している)人は”農作物を消費する機会を多く持っている”」という点で、おかげで、畑のオーナーになるハードルが低いということ。
コミュニティーが熟成すればするほど、「どのみち【お米】を買うのであれば山田さんのところから買おう」という流れに必ずなるので、だったら山田さんに田んぼ・畑のオーナーになってもらって、山田さんに株(田んぼ・畑の売り上げのパーセンテージ)を持たせて、山田さんがお米をもっと売りたくなるような状況を作った方が絶対にええやん。
これは『農業』に限った話ではなく、あらゆるサービスに転用できる話で、今日は、その「転用例&実践編」をお話ししたいと思います。
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▼ 広告の費用対効果をよ~く考えて
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自分で言うのもアレですが、僕は今、ものすごーい影響力を持っています。
僕が「いわゆるインフルエンサー」と違うのは、僕個人だけでなく、僕の作品(えんとつ町)にもファンが付いているという点です。
『えんとつ町』という架空の町にファンが付いているので、サービス業とのコラボがしやすいんですね。
「えんとつ町×美容室」といった感じで。
そうすると「どうせ髪を切るのなら、えんとつ町の美容室で髪を切りたい」という人が出てくるので(ありがとう。好き)、その層を狙って、「えんとつ町×美容室」と考える経営者が現れる。
「現れる」というと何か悪いことのような響きですが、これはすごく自然なことだと思います。僕でもそこを狙うと思います。
大切なのはここからで、この時、経営者は2種類に分かれます。
①西野には株を持たせず、西野(えんとつ町)のファンを刈り取ろうとする経営者。
②西野に積極的に株を持たせようとする経営者。
9割以上の経営者が①なのですが、言葉を選ばすに言うと、もっと頭を使った方がいいと思います。
②になれば、西野が、その店(サービス)を宣伝し続けます。
①は西野が宣伝してくれないので、自分でお金を払って(誰も見ないような)CMを作ったり、高いお金を払ってよく分からない場所に広告を出したりしなければなりません。
しかも、それらの宣伝は一時的なものです。
広告費の費用対効果でみれば、①はボロ負けで、「売り上げを1円も渡したくない!」という目先の利益主義のせいで、とにかくお金がジャブジャブ出ていっちゃうんです。
西野や西野の世界観のファンを狙うのなら、よく分からないところに広告を打つより、西野に広告させた方がイイに決まっているのですが、多くの経営者はこれができません。
ちなみに僕は今後、蜷川実花さんや、堤大介さんというトップクリエイターさん達と、一緒に絵本を作らせていただくのですが、こちらから提示した条件は次の2つ。
・制作費は全額出します。
・売り上げ(印税)は折半。
「制作費を出したのはウチなのだから、売り上げ(印税)はチョットでいいよね」と、やりがちですが、その後、支払い続ける『広告費』のことを考えたら、「影響力がある人」になるべく多くの株を持ってもらった方がお買い得です。
どうして9割以上の経営者がこの考えに至らないのかを考えてみたところ、たぶん、「個人が発信できなかった時代の習慣」だと思います。
昔は、「発信力」「宣伝力」は、メディアや広告代理店しか持っていなかったので、メディアや広告代理店にお金(広告費)を渡すことが当たり前だった。
なので、メディアや広告代理店にお金を渡すことは「そういうものだよね」と考えられる。
ところが、今は個人の方が(場合によっては)メディアや広告代理店よりも「発信力」「宣伝力」を持っている。
が、「個人に広告してもらう」という習慣がないので、個人に渡すお金(株)は『損(減った)』と考えしまう経営者がある。
集落の時代は、「どの個人に株を持たせるか?」という大喜利に答えるのが経営者の宿題です。
そんなことを何もを考えずに、「売り上げはワテが全部貰いますよってに!広告費?そりゃしゃーない。お客様には来て貰わんといかんから、自社サービスのCMを作って、駅前の広告看板を買うとけ!」としてしまうと、せっかくの集落の強味を活かせない。
経営者ならば、ここの損得勘定は冷静にした方がいいと思います。
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▼ そんなこんなで実践(転用)編
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昨日、山梨の旅館『柳屋』を経営されているサロンメンバーさんとの会社会議がありました。
相談内容は、皆様お察しのとおり……
「お客さんを呼びたいのですが、どうすれば?」
です(笑)
コンサルの99%は『集客』の悩みです。
『柳屋』さんの問題は、昨日の農家さんとまったく同じで、「柳屋さんを売りたい人(宣伝したい人)が柳屋さんしかいない」という点です。
なので、昨日のやり方をそのまま転用することができると思い、
「部屋ごとに予約できるようにして、部屋ごとのオーナー制にして、影響力のある人に(部屋の売り上げの1割でも)渡せば、その人が宣伝し続けてくれると思いますよ」
と提案してみました。
「土地(部屋)の持ち主」と「宣伝(集客)する人」をフレキシブルに切り分けた方が集客力が上がるよね、という話です。
そう提案したところ、「西野さんが一部屋オーナーになってください」とお願いされたのですが、僕は自分が心から良いと思ったものしか宣伝しない男なので、今度、どこかで時間を作って、一度(キチンとお金を払って)お客さんとして『柳屋』に行ってみます。
どうせ下見に行くなら、サロンメンバーで『柳屋』を貸し切りたいので(※クラファンのリターンで出す)、その日が来たら、またご案内します。
とにかく、「上手に株を持たせる」が、集落時代の大きな大きなテーマになると思うので、何も考えずに支払い続けている「広告費」と天秤にかけながら考えてみてください。
現場からは以上でーーす。
【追伸①】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
【追伸②】
えんとつ町のプペル』のダンスバージョンのMVのセットを1時間貸しきれる権(30名までの団体利用可)をクラファンのリターンで出しました。
プライベートでMVを撮っていただいてもOKです。
ここだけの話、会場は『東京キネマ倶楽部』です。
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