西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年09月17日のエンタメ研究所の過去記事

9月17日(木) ※9月19日以降は『いいね』を押さないでください。
━━━━━━━━━━━━━━━
おはようございます。
今日の午後に入っている講演会のテーマが『DX(デジタルトランスフォーメーション)で伸びる会社と取り残される会社』というテーマなので、これから「デジタルトランスフォーメーション」の意味を検索しようと思っているキングコング西野です。
さて。
今日は『スタッフの応援シロの設計』という、小さな会社にとってはこれからものすごーく重要になってくるお話しをしたいと思います。
━━━━━━━━━━━━
▼ ヒーローズ・ジャーニー
━━━━━━━━━━━━
人気作品のストーリー展開には、いくつかの「ひな形(様式)」があります。
その中でも有名なのが、神話研究の第一人者であったジョセフ・キャンベルが提唱した『ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)』です。
大体、こんな感じです↓
①日常の世界
②冒険への誘い
③冒険への拒絶
④賢者との出会い
⑤第一関門突破
⑥試練、仲間、敵
⑦最も危険な場所への接近
⑧最大の試練
⑨報酬
⑩帰路
⑪復活
⑫宝を持っての帰還
このストーリー展開を『ヒーローズ・ジャーニー』と呼ぶのですが、『ヒーローズ・ジャーニー』を下敷きに書かれた作品がヒットすることもあれば、「ヒットした作品がたまたま『ヒーローズ・ジャーニー』を辿っていた」ということもあります。
どうやら人間は、このストーリー展開を心地よく感じるみたいです。
音楽で言うところの「Aメロ→Bメロ→サビ」みたいなことです。
人気キャラクターを作るには、ストーリーの中に歓喜と落胆を上手くデザインし、視聴者(および主人公)の感情曲線を心電図のような『N字』にする必要があります。
最初から完全無欠の主人公は誰も応援しないわけですね。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 「機能」「品質」「正解」がコモデティー化した今…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コモデティー化」とは、類似商品・サービスが同時に販売されることで商品間の差がなくなり、市場価値が低下することを指します。
これは僕が口酸っぱく言っていることですが、インターネットによって情報や技術が共有された今、商品の「機能」で他社と差別化を図ることは極めて難しくなってきました。
「機能」の勝者は、その業界に一人だけでよくて(※Googleの次に検索しやすい検索サービスなんて要らない)、多くの中小企業は「機能検索(役に立つもの)」から「人検索(意味があるもの)」にシフトチェンジが求められています。
「ちょっと高くなるけど、応援している【あの人】から買いたい」みたいなノリです。
【あの人】になることがとっても重要で、ここを押さえておかないと、「低価格・高品質戦争」に巻き込まれて、まもなく、おもくそ死にます。
今、僕らが立ち止まって議論しなければいけないのは「【あの人】になる方法」です。
そこには「思い入れ」や「応援シロ」が大事なので、上げたら落とさなきゃいけません。
キングコング西野は、仕事が上手くいった後は、必ず地獄を用意しています。
「もう、今の西野だったら、これはできるだろう」と思われてしまった仕事は積極的に捨てて、後輩にプレゼントします。
「上がったら、落ちる。そして、また這い上がる」という運動によって、応援シロを設計し、【あの人】になることが、とってもとっても大切で、これって『ヒーローズ・ジャーニー』なんです。
つまり、『ヒーローズ・ジャーニー』はファンタジー作家だけの課題ではなく、今は、ビジネスシーンでもメチャクチャ求められているわけですね。
……という話は、たぶん僕は3年ぐらい前に話しているので(※「自分のN字曲線を設計しろ」とか何とか)、聞いたことがある人もいると思います。
そんな中、今日の話というのは「自分のヒーローズ・ジャーニー」ではなくて、「スタッフのヒーローズ・ジャーニー」についてです。
会社が大きくなれば、実際に客前に立つのはスタッフなので、スタッフをお客さんにとっての【あの人】にする必要があります。
上げたら、落とさなきゃいけなくて、お客さんに、「ああ、もうっ!」と思ってもらわなきゃいけない。
「機能」「品質」「正解」がコモデティー化した現代において、スタッフをロボットのように扱うなんて、もっての他。
あらゆるサービス業のメインコンテンツは『人(スタッフ)』なので、物語を描くように、チームを作っていく必要があります。
これこそが、現代リーダーの仕事です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ というわけで…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨日、インターン生(三期生)に「オンライン講演会を開催してみて」という課題を出してみました。
緊張しながらも頑張っている姿を皆様に見ていただいて、彼らを少しでも皆様にとっての【あの人】に近づけることが狙いです。
こういうのはスピード勝負ですから、最後に、「明日の記事でオンライン講演会の販売ページを紹介するので、今日中に販売ページを作って、リンクを僕のLINEまで送ってね♥️」と付け加えたのですが、彼らから昨日のうちに販売ページのリンクが送られてくることはありませんでした。
なので、三期生のオンライン講演会は中止します(笑)
文字だと伝わらないかもしれませんが、本当に(ホントに!)1ミリも怒っていなくて、「こういう世界だよ」ということを伝えるには、これが一番だと思います。
ここは小学校じゃないので、誰も尻を叩いてくれません。
「やらなかったら、終わる」「チャンスは一度」というシンプルな世界戦です。
今回の結果を受けて一番ダメな対応が「誰か一人の責任にすること」で、「ん? 動きが遅いな」と思って、動かなかった人間(チーム)もろともの責任です。
個人は悪くありません。
「販売ページを作って、リンクを送る」は3分でできる仕事で、そこに1日かけちゃうようでは話になりません。
三期生にとっては今回がすっごく勉強になったと思うので、皆様どうか、引き続き三期生の応援を宜しくお願いします。
【三期生へ】
クリエイティブやコミュニティー形成は誰よりも丁寧に、じっくりコトコトと。
ただし判断は3秒で。
それが難しいのならば西野には近寄らない方がいい。
ここは世界戦です。
そして、インターン生になりたくても、なれなかった子達の痛みを知ってください。
あなた達のことを、おもくそ応援しています。
めいっぱいの愛を持って。
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino
 
』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
https://youtu.be/9lSZHaVyvos
 
 
▼オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』入会はこちら ↓↓↓