西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2020年09月23日のエンタメ研究所の過去記事

9月23日(水) ※9月25日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
ただの酔っ払いアル中なのですが、少しでも意識を高く持つ為に「お酒にコミットする」と言っているキングコング西野です。
昨日は「ブランディング(商品の宗教化)」というゴリゴリに踏み込んだ話をしてしまったので、今日は少し緩めて、「こういう方法もあるよね」という話と、「こうしていきませんか?」という業務連絡を共有したいと思います。
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えんとつ町のプペル『こどもギフト』という「地味だけど、西野が知る限り、出版史上最強のマーケティング」について。
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昨日、山形の子供達(496名)に絵本『えんとつ町のプペル』をプレゼントさせていただきました。
(※活動報告は後ほど、専用グループの方で共有させていただきます)
こちらは、2週間ほど前に立ち上げた『こどもギフト』の活動の一環です。
『こどもギフト』というのは、「月額2000円で毎月国内外の子供達に絵本をプレゼントできる」という、いわゆる「支援のサブスク」で、月額2000円のリターンは絵本を受け取った子供達の笑顔の写真が添付された「活動報告」ぐらい。
「はたして、ここに需要があるのだろうかぁ」と半信半疑で立ち上げたプロジェクトですが、なんとまぁ、まもなく支援者は700名にのぼります。
このことについて、まずは出版社目線で御説明させていただきます。
『こどもギフト』は随分とサクッとやっちゃってますが、つまるところ「毎月700冊売れ続ける」ということですから、『5000部でヒット』といわれている絵本業界的には、とんでもないことなんです。
これまで何十年間も、出版社は絵本を『本』として売り続けてきましたが、今回の実験結果は「絵本は『本』として売るのではなく、『贈り物』として売った方が売れた」というもので、地動説を説いたコペルニクスもビックリ仰天です。
ただ、この「本→ギフト」の意味変は、誰でもカレでも転用できるわけではなくて、ギフト化できる絵本は「売れている絵本」に限ります。
「あの絵本が貰えた」にならないといけないわけですね。
逆に言うと、「売れている絵本」をギフト化しないのは機会損失以外の何物でもなくて、「売れている○○のギフト化」という部分は、上手くやれば他のサービスにも転用できると思います。
『こどもギフト』の場合は活動が続けば続くほど、絵本が売れ、それによって「ギフト力(りょく)」が増していきます。
まだまだどうなるかは分かりませんが、このままの調子で走らせたら、1年後にはとんでもないことになってるんじゃないかなぁ?というのが僕の見立てです。
この実験結果は随時サロンで共有させていただきます。
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▼ 共同作業というマーケティング
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「機能(品質)で差別化を図ることが難しくなってきたので、人を売るしかない。時代は『人検索』だ!」と西野はよく言いますが、人(自分)を売り出すのって、メチャクチャ難しくないですか?
YouTubeをやっても誰も観てくれないし、スナックに行くのはなんか怖いし、そもそもお酒呑まないし……となると、自分を売り出すのは、いろいろ難しいと思うんですよね。
そんな中、「あぁ、これだな」と思うことがありまして……去年5月に僕の地元にある満願寺というお寺さんで、『チックタック光る絵本と光る満願寺展』という西野亮廣史上最大の個展を開催したんです。
山奥のお寺さんなのにも関わらず、人が来るわ来るわで、連日大パニック。
もう戦場です。
それを裏で支えたのが、田村P率いるボランティアスタッフの皆様。
彼らの活躍によって最後まで無事に走りきることができましたが、あのお仕事を、仕事としてやるイベント会社に発注していたら、持ちこたえられなかったと思います。
あの時、同じ苦労を味わったボランティアスタッフは、今もボランティアスタッフ同士で繋がっていて、「どうせ呑みに行くのなら、ボランティアスタッフの○○さんの店で」という流れ(人検索)が起きています。
実は、エッフェル塔の個展を支えてくれたボランティアスタッフも、今尚、ボランティアスタッフ同士で繋がっていて、同様の流れは起きています。
もちろん皆さんはそのつもりで参加したわけではありませんが、結果的に、「共に課題を解決する」が人検索時代のマーケティングの一つになっていることは間違いなさそうです。
ポイントは「共に解くべき課題がある」というところで、課題が存在しないコミュニケーション(YouTubeSNSやスナック)は、どちらか一方が発信し続けなきゃいけないので、難易度は高くなります。
『こどもギフト』の絵本配りは、絵本をもらった子供だけでなく、配っている僕たちボランティアスタッフにも(人として繋がれるマーケティング)メリットがあって、これからの時代、「ボランティア活動(共同作業)」というのは注視すべき領域だなぁと思っております。
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▼ そして、地元の本屋さんを応援する
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昨日、500人近い子供達に絵本を配りながら、ボケーっと考えていたのは、地元の本屋さんの存在です。
ここで絵本を配らなければ、もしかしたら、近くの本屋さんで絵本が売れていたかもしれません。
僕は出版のお仕事にも関わらせていただいているので、本屋さんを痛めるような真似だけはしたくありません。
現在、『こどもギフト』は、(株)NISHINOが著者割り引きでまとめて本を買い取って、現地に配送しているのですが、地元の本屋さんを応援するというのであれば、事前に地元の本屋さんに注文して、本屋さんから買い取った方が良さそうです。
その場合、著者割り引きで買えないのですが(著者割り引き分を配送費や諸経費に充てていたよ)、その分は(株)NISHINOで負担して、みんなを勝たせて、みんなに応援される『こどもギフト』にした方が良さそうです。
これをやるには、もろもろ調整が必要っぽいので、田村さん、あとは頑張ってください。
プロジェクトの内容をよくよく因数分解して、眠っている価値を掘り起こして押し出して、潜んでいるデメリット(※本屋さんに迷惑がかかる等)をソッコーで潰して、丁寧に改善を繰り返し、一年後には(株)NISHINOの活動の柱になるように持っていきます。
生暖かい目で見守っていてください。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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