2020年09月30日のエンタメ研究所の過去記事
9月30日(水) ※10月2日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「物語を作るときは、思いつきで作っちゃダメだよ」という話を、今から延々としてみます。
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▼ ジョブを見極める
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あらゆるサービスは、お客さんの「ジョブ」を正しく見極めることが、とっても大切です。
「ジョブ」とは、お客さんが抱える「悩み」や「課題」や「成し遂げたい目的」のことです。
サービスの本質は「お客さんのジョブを正しく見極め、解決する」に尽きるわけですが、これは何もサービスに限った話ではなく、作品もそうです。
『えんとつ町のプペル』のメッセージは、「信じ抜けば、夢は叶う」です。
ド真ん中ストレートを全力で投げています。
お察しのとおり、今の時代、こんな臭い台詞はなかなか言えません。
笑われて、叩かれるのが目に見えているので。
そして、もう1つ。
「折り合いをつけてしまった人」には、「信じ抜けば、夢は叶う」は言えません。
その言葉に説得力が伴わないからです。
でも、子供達には言ってあげたいじゃないですか?
彼らが挑戦する前から「無理だから、諦めて生きろ」とは言いたくない。
彼らが自身が納得のいく結論を出すまでは、「信じ抜けば、夢は叶う」と背中を押してあげたい。……でも、自分の口からは言えない。
そういった大人(親)の「ジョブ」を解決しているのが『えんとつ町のプペル』です。
要するに、大人が口に出せない気持ちを作品に代弁させているわけですね。
ロングセラー作品は、必ずココ(ジョブを解決する)を押さえています。
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▼ 社会問題とリンクさせる
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そういった感じで、作品単体で成立させるわけではなく、個人が抱えている問題を絡める必要があって、メガヒットさせる為には、「社会が抱えている問題」を絡める必要があると思っています。
その時、注意しなければならないのは、「【世界が抱えている問題】と【日本が抱えている問題】は違う」ということです。
「貧困」や「飢餓」なんて、日本には無いから、「飢餓問題を解決しよう!」と言われても、あまり刺さらない。
品川さんがゲストで来られる次回の『スナック西野』でも、その話になっているのですが、「日本の貧困を描いた作品」なんて、世界じゃ、ほとんど相手にされない。
日本人は貧しくないからです。
日本に住んでいると「ゴミ問題」もピンとこないかもしれません。
日本には、ゴミ山なんてありませんし、海もそこそこ綺麗です。
一方で、日本には「日本ならではの問題」があります。
「閉塞感」です。
TVをつけりゃ、ワイドショーが延々と公開処刑を続けています。
他人の色恋沙汰に40分も50分も時間を割き、「許せない!」と怒り出すコメンテーターまで発生する始末。
大声で夢を語ろうものなら、袋叩き。
海外で言われる「クール」は、日本では「イタイ」に変わり、今日も日本は自殺者を量産しています。
『えんとつ町のプペル』には、日本が抱えている「閉塞感」と、世界が抱えている「ゴミ問題」を内包させました。
日本では「えんとつ町(閉塞感の象徴)」を押し出して、
海外では「ゴミ人間」を押し出す設計にしています。
日本から世界に出ていこうと思ったら、それぞれが抱えている問題が違うので、このように【二つのエンジン】を積んでおく必要があると思います。
社会問題をリンクさせないと、「ただの良い物語」で終わっちゃうよね…という話です。
『えんとつ町のプペル』はこんなことを考えながら作られているわけです。
以後、お見知りおきを。
そして、最後にちょっとだけ……
昨日、サロンメンバーの古澤さん(https://www.facebook.com/profile.php?id=100035728685765)と呑んでて、SDGsの話になりました。
彼は今、世界が抱えている問題を日本の皆に知ってもらう活動をしているのですが、「もっと興味を持って貰う為にはどうすれば?」という悩みを抱えていました。
とりわけ、子供達の興味(視線)を「ゴミ問題(海洋プラスチックごみなど)」に向けることが、日本だと、なかなか難しいそうです。
やっぱり、日本は綺麗なので共感しずらいのかもしれません。
こうなってくると、「正しさで人を動かす」ことは難しいので、「楽しさで人を動かす」にシフトする必要があると思います。
そこで、
「映画がヒットした後に、町にプペルのゴミ箱を置いたら、ゴミ箱に視線が集まるので、そのゴミ箱に広告枠を設けて、その広告の売上を清掃活動の費用に回したら、誰にストレスがかかるわけでもなく、皆、楽しみながら、町が綺麗になるんじゃないですか?」
と古澤さんに提案したところ、「プペルのゴミ箱って、こんな感じっすかね?」とチャチャっとデザインをあげてきてくださって、それが最高だったので、皆様に共有しておきます。
このゴミ箱が町にあるといいよね
なにより、ゴミを入れたくなる。
現場から以上でーす。