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2020年10月08日のエンタメ研究所の過去記事

10月8日(木) ※10月10日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
ホリエモンから届くLINEの内容が「和牛」と「ミュージカル」と「パン」と「ロケット」なので、「落ち着け」と返したくてウズウズしているキングコング西野です。
さて。
今日は『スポット広告とライン広告を上手に織り混ぜる』というテーマで、ゴッリゴリの広告の話をしたいと思います。
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▼ なぜ、『絵本』なのか?
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昔、少しお話ししたことがありますが(※最近サロンに入られた方に向けてあらためて)、僕が自分の活動の真ん中に『絵本』を置いているのには明確な理由があります。
これは、かなり込み入った話になりますが、僕は「プロダクト(作品・製品)と広告を切り離すべきではない」と考えています。
プロダクトと広告が切り離されていると、プロダクトを売るためには、当たり前ですが、広告し続けなければなりません。
広告費をかけ続けなければ、プロダクトは消えてなくなります。
広告と切り離されたプロダクトは、言ってしまうと、メチャクチャ「金食い虫」なんですね。
そこには製作費だけでは語れない多額の予算が発生している。
なので、「プロダクトがプロダクトの広告をする」が理想です。
無敵艦隊である『ディズニー』に穴があるとするのであれば、「映画を軸に事業を横展開している」という点で(※それができているのが最強すぎるんだけども…)、これだと、次の世代に『パイレーツ・オブ・カリビアン』を伝えようと思った時に、追加で広告費をかけなくちゃいけない。
ディズニーのサブスクがイケてるなぁと思うのは、あそこにまとめて作品を保管したことによって、「新作が過去作の広告をしている」という流れを生めたことで、ディズニーは、めちゃくちゃ最高の形で次のステージに入ったと思います。
ただ、新作が当たらなかったら、過去作の宣伝にはならないわけで、なかなか綱渡りです。
この辺の話は、エグい方の例を挙げて話すと、より伝わると思うのですが……それこそ、漫画の神様・手塚治虫さんの『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』を2020年現在に広告する人はいません。
鉄腕アトム』や『ブラックジャック』というプロダクトの中には自分を広告する力が内包されていないので、今の人に『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』を知ってもらうには、あらたに広告費をかけねばなりません。
ところが、「その費用をどこから捻出するの?」という問題がありますし、「かけた広告費を回収できるだけのキャッシュポイントはあるの?」という問題があります。
こうなると作品が死んでしまいます。
昭和の歌姫・美空ひばりさんの名曲『愛燦々』を今の人に届けるには広告費をかけなけらばならないのですが、かけた広告費が回収できる目処がありません。
一方で(プロダクトがプロダクトの宣伝をしているわけではありませんが)、クリスマスソングの定番(クリスマスのアイコン)となった山下達郎さんの『クリスマス・イブ』は、わざわざ山下達郎さんが広告費をかけて宣伝しなくても、毎年、クリスマスが山下達郎さんの『クリスマス・イブ』を宣伝してくれます。
▼絵本
そんな中、『絵本』は「親が子に買い与えるもの」で、親は「自分が子供の頃に読んでもらって面白かった絵本」を、自分の子供に買い与えます。
めちゃくちゃ難易度は高いですが『定番絵本』になりさえすれば、その作品は子供の誕生&成長の通り町に居座り続けます。
おかげで、『はらぺこあおむし』のテレビCMもネット広告も見たことがありませんが、『はらぱこあおむし』は今日も売れています。
定番絵本は世代を越えて、「プロダクトがプロダクトの広告をしている」わけですね。
世界に子供が生まれる度に僕らの活動が自動的に宣伝され続けるようにする為に、その後、横展開していく全ての事業の大元を『定番絵本』にしてみました。
ちなみに(※これは革命のファンファーレに書きましたが)、『えんとつ町のプペル』は、毎年ハロウィンがやって来る度に自動的に宣伝されるように、ジャパニーズハロウィンのアイコン(コスプレ・ゴミ・掃除)を確信犯的に獲りにいきました。
おそらく映画公開以降(2021年以降)は『プペル』がジャパニーズハロウィンのアイコンになると思います。
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▼ スポット広告とライン広告
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プロダクトと広告が切り離されている場合、クリスマスやハロウィンやバレンタインといった定番行事を絡めない限り、広告は全て『スポット広告』(点)になります。
一方で、プロダクトがプロダクトを宣伝したり、定番行事のアイコンになった場合、広告は全ての『ライン広告』(線)となり、広告費をかけなくても半永久的にプロダクトが宣伝され続けます。
えんとつ町のプペル』のダンスバージョン(MV)を作るときにakaneさんにお伝えしたことは一つで、「バズらなくてもいいので、長く長く愛される振り付けをお願いします」です。
あの振り付けをよくよく見ていただけると分かるのですが、「ラッパを吹~く」「太鼓を叩く」「ケンケン、パッ」「一本足バランス~」「望遠鏡~」といった感じで、『ダンス経験の無い大人が教えられるダンス』になっているのです。
ほど良い難易度を残しつつ、先生が生徒に、親が子に教えられるようになっています。
そうすると、宣伝され続けるので。
あの振り付け、実は作り直したんです。
最初に作られたのが、「これだとバズるけど、スポットになっちゃうよね」というものだったので。
僕らは問い続けなければなりません。
まずは、自分が取り扱ってあるプロダクトに、そもそも「プロダクトを宣伝する力が内包されているのか、否か」を。
そして、「今、自分達が打たないといけない広告は『スポット広告』なのか、それとも『ライン広告』か」を。
……そう考えると、もしかすると僕は少し間違っていたかもしれません。
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▼ 「全国の地方紙をジャックする」と言ったけど…
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以前、「全国の地方紙をジャックして、映画『えんとつ町のプペル』および、その地域の映画館を宣伝する」と言って、現在、若手スタッフや各県人会の皆様に動いてもらっていますが……方向性はそのままでいいと思うのですが、もしかすると「全国の地方紙」ではなくて、「全国の地方紙の折り込みチラシ」をジャックした方がいいかもしれません。
というのも、新聞は読んだら捨てられるので(※先週の新聞がリビングに残っていることは基本無い)、新聞広告はどこまでいっても『スポット広告』です。
一方で折り込みチラシは、クオリティーの高いチラシ(もはやフライヤー)を、その日のその地域限定で作ってしまえば、捨てられずに残しておく人が出てくる可能性があります。
こうなると、『ライン広告』で、映画『えんとつ町のプペル』を思い出してくれる機会が格段に増える。
仕掛人がドヤれるのは「全国の地方紙をジャックした」ですが、広告効果があるのは、「作り込んだ折り込みチラシ」のような気がしています。
ついでに、その折り込みチラシを「転売OKの非売品」にしてしまえば、メルカリでも自動的に映画『えんとつ町のプペル』が宣伝をしてもらえる。
スポット広告はクリスマスシーズンに六本木ヒルズをすることでおこなうとして、地方戦略は、なんか、こっちのような気がいるのですが、どう思います?
ご意見お待ちしております。
今日は『スポット広告とライン広告を上手に織り混ぜる』というテーマでお話しさせていただきました。
【追伸】
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