2020年10月14日のエンタメ研究所の過去記事
10月14日(水) ※10月16日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
さて。
今日は全てのサービス提供者さんに届けたい『そこは本当にレッドオーシャンなのか?』という話をした後に、僕なりの打ち手を紹介したいと思います。
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▼ 競合を見誤るな
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人は、競合が多い場所を「レッドオーシャン」と呼び、避けがちですが、「そもそも、それって競合じゃないよね」という場合が多々あります。
たとえば、19時からの「お笑いライブ」は、同時刻に「カラオケ」を選んでしまった人には届きません。
一方で、自分の共演者見当てでライブに足を運んでくれた人には、自分のパフォーマンスを届けることができます。
競合は「カテゴリー」ではなくて、「時間帯」で区切るべきで、舞台に立つ芸人の競合は「舞台に立つ芸人」ではなく、「同じ時間帯にパフォーマンスをしている全てのサービス」です。
「今夜はお笑いライブに行こうかな」
といった感じで、まずは「カテゴリー」で選んでもらわなくちゃ始まりません。
そして、もう1つ。
「レッドオーシャン」と思われがちですが、「同業他社が集まったことによって生まれるメリット」は確実にあって、東京の『月島』なんて、まさに。
こうなると、「とりあえず月島に行ってから、歩いて店を選ぶ」という流れが生まれますし、「A店に向かう途中に見つけたB店に入る」という流れも生まれます。
こうして説明すると「そりゃそうだ」となるのですが、多くの人は、隣の店(同業)に人が押し寄せる景色を嫌います。
ここは気持ちの問題で、どうしても、トータルの勝利(盛り上がっているカテゴリーの中で4位)よりも、目先の勝利(盛り上がっていないカテゴリーの中で1位)を取りに行ってしまうようです。
ただ、そこは一旦「感情」を捨てて、冷静に「損得」で判断した方がいい。
「盛り上がっているカテゴリーの中で4位」の方が「盛り上がっていないカテゴリーの中で1位」よりも、お客さんが来るのであれば、前者を選ぶべきです。
これは、映画の公開時期でも同じことが言えます。
映画『えんとつ町のプペル』の公開時期は、コロナの影響もあり、「来年に延期する?」という話もあがりましたが、一ミリも迷うことなく
、当初の予定どおり「2020年12月25日」の公開を選びました。
白西野が語る理由は「大変なことは百も承知で、みんながコロナに負けそうになっている時期に、あえて公開して、みんなにエールをおくる」です。
もちろん、この想いに嘘はありません。
一方、僕の中にはソロバンをはじきくる黒西野もいまして、黒西野が語る「公開日を2020年12月25日にした理由」は、白西野のそれとは大きく違ってきます。
もろもろリサーチをしたところ、映画に来るお客さんのほとんどは「半年以内に映画館に来たことがある人」でした。
当たり前っちゃあ当たり前ですが、普段から映画館に足繁く通っているお客さんが、新作映画を観に来てくれるわけですね。
となると、広告効果が一番高いのは「映画上映前に流れる予告」です。
予告を観て、「おお!なんか面白そう。来月は、この作品を観に行こう」となるわけですね。
まだまだ誰も知らない映画『えんとつ町のプペル』をヒットさせようと思ったら、狙うは「上映前に流れる予告」で、ここで一人でも多くの方に「プペルの予告」を観てもらった方がいい。
んでもって、映画『えんとつ町のプペル』の公開を「12月25日」にすると、映画館で本予告(1分30秒の本気CM)が流れ始めるのが「10月16日」。
これは、レッドオーシャンなどではなく『月島モード』で、こんなチャンスは他にありません。
感情を捨てて、損得勘定で公開日を決めると、「10月16日に予告編が流れ始める映画」を狙う以外ありえない。
……というのが黒西野の見解です。
もしかすると、サロンメンバーの皆さんが提供しているサービスも、「レッドオーシャンだと思って避けていたけど、実は月島モード」というケースがあるかもしれないので、一旦、感情を捨てて、振り返ってみてください。
現場からは以上でーす。
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