西野亮廣のエンタメsalon

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2020年11月12日のエンタメ研究所の過去記事

11月12日(木) ※14日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
クリスマスにハロウィンソングを流すことになる地球人初の男・キングコング西野です。
さて。
今日は『強い組織を作るために、上司はどう在るべきか?』というテーマでお話ししたいと思います。
※途中、「戦える若手」と言ったり、「リーダー」と言ったり、コロコロ呼び方が変わりますが、雰囲気で読み取ってください。
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▼ 組織とは何か?
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他所でも散々語られていることではありますが、ここで「組織」の定義をハッキリしておきたいと思います。
組織とは「特定の目的を達成するために、専門的な役割を“果たす”者同士で構成されている集合体」の名称です。
特定の目的がない集合体は【組織】ではなく、【集団】です。
専門的な役割を“果たさない”者同士の集合体もまた【組織】ではなく、【集団】です。
「勤務時間がただ過ぎることだけを願う社員」
「何度も失敗する社員」
「時代の変化に対応しない社長」
「それを見て見ぬフリをする風土」
などを抱えた会社は【組織】ではなく、ただの【集団】です。
チームメンバー全員が役割を果たして初めて【組織】であり、役割を果たす為には、チームメンバー全員が時代の変化をミリ単位で捉えておかねばなりません。
ここまで書いちゃうと「ギクッ!」と心当たりがある方が多いと思いますが、現在、ほとんどの会社は【組織】の体を成していません。
時代の波に持ち応えられずに、少し先の未来で解散するであろう【集団】です。
組織の話をする時に毎回頭によぎるのは『攻殻機動隊』 の公安9課、荒巻大輔さんの次の台詞です。
「我々の間にはチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。
あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ」
メンバー一人一人が自分の足で立って歩いて、はじめて強いチームが生まれます。
つまり、チームメンバー一人一人が『リーダー』にならねばなりません。
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▼ お前がリーダーだ
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変化の時代のリーダーの仕事は「正解を選ぶこと」ではなく、「選んだ道を正解にすること」です。
つまり、「選べない人間」はリーダーとは呼びません。
株式会社NISHINOは、インターン生であろうと、問答無用で『リーダー』を任されます。
当然、誰かからの指示を待ったところで、指示など来ません。
自分で考え、秒速で行動するしか、存在することができない場所です。
そのかわり、「使える素材」は潤沢にあります。
ウチに来るインターン生が初期段階で共通して起こす行動が「責任逃れをする」です。
プロの現場にヒヨってしまって、ヒアリング&伝達役に終始し、「Aさんが言っていたので…」「Bさんが言っていたので…」と、プロジェクトの決定&責任を自分以外の誰かに押し付けて、逃げます。
が、まもなく西野に捕まり、「お前がリーダーだ。お前が全て背負え」と釘を刺されて、泡を吹いて、一回死にます(笑)
株式会社NISHINOは、そういう場所です。
若手に仕事を丸投げするのは実に面倒です。
仕事はトコトン遅いし、クオリティーは泣きたくなるほど低い。
これは、きっと世の中の全上司の本音だと思います。
とりわけ、キングコング西野に関しましては、この国のエンターテイメントのトップランナーをやっとりますので、若手に仕事を任せた時のスピード&クオリティーの落ち込みようは凄まじいものがあります。
西野が20~30分でやる仕事を、彼らは平気で1ヵ月近くかけて、その結果、堂々と使い物にならないものをあげてきます。
人間界で平和に生きてきた彼らが戦い方を知らないのは当然の話です。
しかし、誰かに首を掴まれたわけではなく、彼ら自身の意思で、この環境に飛び込んだので、言い訳の余地などありません。
ここは、「辛かったら、いつでも辞めていい場所」でもあります。
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▼ 戦える若手を育てないと組織にならない
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再び申し上げますが、これだけ変化の激しい時代は、【集団】では乗り切ることができません。
トップダウンが必要な時もあれば、個々がリーダーとなり動かないといけない時もあります。
いずれにせよ、今、すべての会社・チームが、チームメンバー全員で【組織】の定義を共有し、組織化しなければなりません。
一つ確かなことは「戦い方は戦場でしか学べない」ということ。
MBAを取得した経営コンサルYouTuberが軒並み爆死しているのが、それを証明しています。
よって、戦える若手を育てる為には、若手を戦地に送り込まないといけません。
その時、上司が見なければいけないのは『デッドライン』です。
若手のドン臭い動きを、そこまではグッと我慢するのもリーダーの仕事です。
あ。グッと我慢できるだけの体力(キャッシュ)も必要だと思います。
コケないように口を出すと育ちませんし、働きやすい環境を作りすぎても育ちません。
グッと我慢です。
12月に表参道のNORA美容室で開催する「映画『えんとつ町のプペル』フィルムパネル展」の責任者である「だー君」には、個展の責任者から降りてもらいました。
理由は昨日の記事で述べたとおり。
タイミングに関して「何故、昨日だったか?」というと、パネルの準備もろめろを逆算すると今日が『デッドライン』だったからです。
プロは結果が全てです。 
学校ではないので、それまでの頑張りなど1ミリもカウントされません。
「1ヶ月半かけて何も生み出さなかった」というのが、だー君の結果です。
見事に切り傷が残ったわけですが、それもこれも戦場に出たから受けた傷で、今回その痛み覚えた分、強くなると思います。
昨日(個展開始20日前)の段階で、だー君から「映画の映像を巨大パネルに切り出すと、解像度が粗いので、売り物になりません」と報告を受けました。
巨大パネルではなく、B3サイズ(36.4㎝×51.5㎝)だと綺麗にイラストが載るみたいなのですが、個展会場の見栄えを考えた時に、小さな絵がたくさん並んでいるのは、少し地味です。
どうしたもんか?と考えて、パネルの上下にネガフィルムのライン(黒ラインに白のポツポツが並んでいるやつ)をデザインし、イラストを連続写真(ネガフィルム)のように展示すれば、「映画公開を記念した個展」の意味合いが出て良さそうです。
というわけで、さっそく昨晩(仕事終わりに)、個展会場のレイアウトを全て組み直し、
B3サイズ用にイラストを選び直し、
販売管理がNORAさんの負担にならないようにクラウドファンディング上の事前販売になるように手配し、
たった今、クラウドファンディングを立ち上げました。
最初から僕がやっていれば、9月27日にはスタートしていたクラウドファンディングです。
ですが、これは最後の切り札で、上司は『デッドライン』まで、若手の結果を待たねばなりません。
戦える若手を育てないと組織になれないからです。
「待てない上司」が指揮するチームは【組織】に非ず、遅かれ早かれ、必ず沈みます。
「やらせて、待つ」「やらせてダメなら、秒速で尻を拭う」…この2つは上司の宿題だと思います。
今日の記事は心当たりだらけだと思うので、現状を見直して、お互い頑張りましょう!
現場からは以上でーす。
【追伸】
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