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2020年12月24日のエンタメ研究所の過去記事

12月24日(木) ※12月26日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
芦田愛菜(ルビッチ)の「だったら、まだ分かんないじゃないか!」の台詞の感じで、梶原君(クソ脇役)が「ロクな大人になんねぇぞ!」というガヤ台詞を、映画のキャッチコピーのように使っているのがツボに入っているキングコング西野です。
(※こちら→https://youtu.be/Dfx6Ws4Z6DA
 
)
さて。
今日は『なぜ、イベントを記録に残すのか?』というテーマでお話ししたいと思います。
「結構、いろんな人が甘く見積もっているけど、ここは絶対にキチンと押さえておいた方がイイよ」という話です。
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▼ 株式会社NISHINOで働く若手の弱点
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世界をクオリティーで圧倒するのは簡単だと思います。
誰よりも知識と技術を仕入れて、それらを存分に使いきれる予算を確保して(予算を生み続けるルートをデザインして)、世界中のクリエイターを力で圧倒するまでやればいいだけの話。
そこに「運」などはなく、基本、「根性」でカタがつきます。
なので「クオリティーが高い」というのは当たり前の話で、それは、飲み会に参加する際のドレスコードのようなものだと思っています。
ただ、問題が二つあります。
・どれだけクオリティーが高くても、マーケティングをサボったら届かない。
・どれだけの才能を抱えていても、予算のデザインをサボったら、才能を出せない。
…の二つです。
『クリエイティブ』と『お金と広告』は表裏一体で、特に多くの日本人は後者を汚いものとして扱うので、才能が発揮できないまま、ゴッホに憧れて寿命を迎えます。
こう言うと「作品(販売)」や「イベント(集客)」だけの問題だと考えがちですが、広告ビジネスも御多分に漏れず。
たとえば『テレビ』。
広告収入が落ちる中、タレントは芸歴や人気に応じてギャランティーのアップを求めますが、限られた予算の中でタレントのギャラが上げる為には、スタッフの首を切らねばなりません。
当然、テレビの生産力は落ちます。
お金の問題に蓋をした現場には『クリエイティブ』など落ちてないんです。
僕はあまり口うるさい方ではないのですが、ウチの若手陣には、こと『お金と広告』についてはチョコチョコ言います。
「お金の正しい使い方を覚えろ」的なことです。
んでもって、この問題に関しては以前もお話ししたことがありますが、株式会社NISHINOで働く若手の不幸は明確にあります。
それは、「集客をナメてしまう」ということです。
本人にナメている自覚はないのですが、『西野亮廣』や『えんとつ町のプペル』の看板で人が集まりやすい環境にあるので、どうしても「集客」を安く見積もってしまいます。
誰にも知られていない、まだ何の信用も獲得していないイベントのチケットを街中で手売りして、日がな一日バイ菌のように扱われる経験を、彼らは知りません。
昨日、そんなウチのスタッフに向けて送ったメッセージの内容を、今日はここで共有したいと思います。
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▼ なぜ、イベントを記録に残すのか?
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明日から六本木ヒルズ(六本木ヒルズアリーナ)で『えんとつ町のプペル 光る絵本展in六本木ヒルズ【入場無料】』が始まるのですが、ここ1ヶ月ほど、僕が発信した情報がRTでまわってくる以外、六本木ヒルズで開催する個展の話題が僕のところにまわってくることがありませんでした。
個展を担当しているミキ君に話を訊くと、広告に関しての仕掛けを何もしていなかったそうで、基本的には六本木ヒルズのホームページのみでの発表。
ちなみに六本木ヒルズが開業して今年で17年になりますが、僕は、これまで一度も六本木ヒルズのホームページを見たことがありません。
おそらく、皆さんも同じぐらい。
「事前の巻き込み」がいかに需要かは西野亮廣を見ていれば分かると思うのですが、西野亮廣の元で働くと、そこがスッポリと抜け落ちてしまうみたいです。
ただ、冒頭申し上げたとおり、「クオリティーで圧倒する」なんて誰でもできる話で、大切なのは、そのクオリティーを届けること。
届かなかったら、努力と才能と時間とお金が全て無駄になってしまいます。
そんなわけで、「そんなことはやっちゃダメだよ」と注意させていただきました。
そして昨日。
映画プロモーションの合間を縫って、設営現場を観に行かせていただきました。
現場入りして、まず最初に気づいたのは「撮影カメラがない」ということでした。
会場の裏(メトロハット)で巨大広告を出しているので、そちらの撮影に向かっているのかなぁ?と思ったのですが、いつまでたっても撮影クルーが戻ってきません。
メチャクチャ嫌な予感がして、「撮影、入れてる?」とLINEしたところ、「入れてません」と返ってきました。
個展会場(および設営風景)を「撮影する」と「撮影しない」だと、撮影した方がいいことは1000人が1000人分かることで、それでも撮影しないことを選んだのには何か理由(会場の事情など)があるのかなぁ?と思って質問してみたところ、「忘れてました」と。
やっちゃったコトを今更とやかく言っても仕方がないので、ここからは挽回するだけです。
ただ一つ、この問題は「忘れてました」で片付けてはいけないと思いました。
今回は、「忘れていた」のではなくて、「『撮影する意味』を知らなかった」のではないでしょうか?
「こんなイベントがありました」と後日、YouTubeに動画がアップされたりしていますが…そういえば、撮影&あのタイミングで動画をアップする『意味』について、あまり議論されていません。
あの動画(記録)には、明確な役割が二つあります。
一つ目は、『イベントに来てくれた人の可処分精神を奪う』です。
「ああ、楽しかったな」と回顧してもらうことで可処分精神を奪い、「また次も行こう!」に繋げることが目的です。
ここでクサビを打ち込んでおかないと、お客さんの興味(精神)が次に向いちゃうんですね。
そうすると、次回の集客力が落ちる。
非常に重要な一手なんです。
そして、「イベントを記録しておく(後日、動画で配信する)理由」の二つ目。
大きな声では言えませんが、エンタメビジネスをやる上では、これがメチャクチャ大事なのですが……
『イベントに来なかったお客さんを後悔させる為』
です。
「来れなかったお客さん」ではなくて、「『行かない』という判断をしたお客さん」を後悔させることが目的です。
ちょっと恐い話ですが、これがエンタメビジネスの現実で、「ああ、行っとけば良かったぁ」が、次の集客に繋がるんです。
(えんとつ町のプペル完成披露試写会の様子) 
僕が仕掛けるイベントが、毎回、動画になっているのは、集客力を上げる為です。
記録しないイベントは、「イベントに参加した人だけのもの」&「作り手のエゴ」で、まもなく集客に困って死にます。
全てのイベントは、次のイベントの広告にならなくちゃいけなくて、イベントの撮影&記録&配信には、そういった意味があるんですね。
ここまで理解できていれば「忘れていた」という言葉は出てきません。
これは僕らに限らず、集客に携わる全ての仕事人に関係のある話なので、覚えておいてくださーい。
映画公開前日の投稿が、まさかのゴリゴリのマーケティング論。
まったく、どうかしてるぜ。
そんなこんなで、『映画 えんとつ町のプペル』は、いよいよ明日公開です。
そして、六本木ヒルズでは『えんとつ町のプペル光る絵本展in六本木ヒルズ【入場無料】』が今夜から始まります。
後輩が頑張って作りました。
観に来てやってください。
現場からは以上でーす。
【追伸①】
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