西野亮廣のエンタメsalon

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2019年12月28日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。

天才万博の期間中は「夜中まで呑んで、昼前に起きる」というブタみたいな生活を展開しているキングコングの豚西野です。

 

さて。

せっかく『天才万博』の期間中ですので、今日は、『リピーターが生まれるイベントの作り方』についてお話したいと思います。

昨日の打ち上げで(酔っ払っていて、あまり覚えていないてますが)ウチの若手スタッフ連中に、「イベントを仕掛ける時は、足の悪いお客様を探せ」というアドバイスをしました。

理由を説明します。

僕たち人間は、過去の経験(イベント)を、『そのピーク時にどうだったか?』ならびに『それがどう終わったか?』だけで判定します。

これを『ピークエンドの法則』と言ったりします。

イベントのピーク時と、イベントのエンディングがメチャクチャ面白かったら、途中、面白くない時間があっても「面白かったイベント」として記憶に残るわけですね。

逆に、イベントのピーク時と、イベントのエンディングが面白くなかったら、途中、面白い時間があっても「面白くなかったイベント」として記憶されてしまうわけです。

これって「限りあるコスト(スタッフや費用や準備時間)を、どこにブチ込むか?」という話で、お客さんにはピーク時とエンディングが記憶されてしまうので、均等にコストを割くのではなく、ピーク時とエンディングに極端にコストを割くのが正解です。

ハウステンボス』と『ディズニーランド』の決定的な違いがこれですね。

ディズニーランドはピーク時(ビッグサンダーマウンテン等のコンテンツ)と、エンディング(おみやげコーナー)のクオリティーがバカ高いので、それだけが記憶されて、途中、バカみたいに並ばされたことが忘れられます。

僕は仕事柄、いろんな講演会にお呼ばれする機会があるのですが、エンディングの訓練をしていない講演会をよく見かけます。

登壇者が話し終えたのに無音の時間(客出しの音楽が流れない時間)があったり、客席をバックにした集合写真(スタッフのオナニータイム)を撮る時に、舞台袖からスタッフがダラダラ出てきたり……

お客さんの記憶に残るのは、まさにそこ(エンディング)なので、ここに無自覚な主催者はリピーターを生むことはできません。

西野印のイベント(オープニングで革命のファンファーレが鳴るイベント)のリハーサルは、エンディングの訓練に結構な時間を割いています。

出演者がパフォーマンスを終えた直後の、客出しの音楽が流れ始めるタイミングを0.数秒レベルで調整したりします。

西野亮廣独演会の時は、お客さんが一番グッとくるお辞儀の長さを探り、お辞儀の長さに合わせて、照明と音楽を設計したりします。

若手スタッフに「イベントを仕掛ける時は、足の悪いお客様を探せ」と言った理由は、まさにそれで、他のお客様と違って、足の悪いお客様のエンディングは、「公演のラストシーン」ではなく「会場を出る時」です。

昨日は『天才万博』に85歳のお母様が来られていました。

会場の『東京キネマ倶楽部』では、お客様のお帰りは「階段」となっています。

85歳のお母様を、人がゴッタがえした階段で帰らせるわけにはいかないので、お母様の位置を常に把握し、終演後はスタッフがすかさず駆け寄って、スタッフ用のエレベーターに案内するように指示しました。

きっと、今、お母様の記憶に残っているのは「足の心配してくれた優しい『天才万博』」で、また来年も『天才万博』に遊びに来てくださるでしょう。

「足の悪いお客様を探せ」という言葉の響きは残酷ですが、コストをかける場所を決めて、お客様の記憶まで設計するのがプロです。

ピークエンドの法則はイベント運営だけでなく、基本的には、お店や文章を展開する時も同じルールなので、サービス業を生業とされている方は覚えておいてね(*^^*)

現場からは以上でーす。

【追伸】

天才万博3日目の今日は、西野は最初から客席で呑んだくれています。

缶ビールと缶ハイボールの差し入れをくださる方を愛しています。結婚しよう。

 


 
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