2020年12月29日のエンタメ研究所の過去記事
12月29日(火) ※12月31日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
すでにお聞きになっているかもしれませんが、『映画 えんとつ町のプペル』はそこそこ良いスタート(※公開から3日)を切りました。
いわゆる「爆死が回避できた」という状況です。
昨日の宣伝会議で「いやいや、まだまだ!」と言うスタッフに頼もしさを感じながらも、一方で、個人的には「でも、スタートとしては成功だろうな…」と思っていました。
もちろん満足しているわけではありません。
僕らのような認知度の低い作品は、初週にドーン!といくことは(基本的には)ないので、2~3週目で伸びないと終わりなんです。
その上で、「2週目に向けて口コミが拡がるライン(動員数)は、公開3日でクリアしたかなぁ」という判断です。
口コミは「一人のお客さんが何人のお客さんを呼び込んでくれるか?」という実効再生算数の勝負なので、スタートライン(公開3日)でお客さんが「4人」しか来なかったら、2週目は期待できないんです。
そんなこんなで最初の合格ラインを超えた後に僕が目を光らせているのは、やっぱり「伸び率」です。
映画って「公開初日に人がドドドっと押し寄せて、あとは右肩下がり…」がよくあるパターンなのですが、『映画 えんとつ町のプペル』の面白いところが、2日目よりも、3日目の方がお客さんが入っているんです。
そして、いろんなランキングサイトで、公開3日目あたりから、順位をグンと上げているんです。
これが一時的なものなのか、それとも、拡がり始めているのか?は、まだ、もう少しだけ様子を見ないと分かりませんが、データから読み解く限りでは、まだまだ「情報感度の高い人(※都心に住んでいる人)」がメインで、地方には届いておりません。
先日、お話しさせていただいた『イノベーター理論』です。
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▼ 『アーリーマジョリティ』を攻略せよ
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その「5つのグループ」というのが、以下のとおり↓↓
①イノベーター=革新的採用者
(2.5%)
②2アーリー・アダプター=初期少数採用者(13.5%)
③アーリー・マジョリティ=初期多数採用者(34%)
④レイト・マジョリティ=後期多数採用者(34%)
⑤ラガード=伝統主義者
(16%)
「地方に届ける」というのは、つまるところ「③『アーリーマジョリティ』に届ける」ということで、議論すべきは「アーリーマジョリティーにどう届けるか?」です。
『イノベーター理論』では、「各グループに応じたアピール方法があるよ」的なことを言っていて、たとえば「①イノベーター層(2.5%)」を取りたいのであれば、打ち出さなきゃいけないのは「革新性」なんですね。
①イノベーター(2.5%)に対して「皆、このサービスを使ってますよ。今、使わないと、話題に乗り遅れちゃいますよ」とアピールしたところで、1ミリも刺さらないんです。
そんな感じで、「③アーリー・マジョリティ(34%)」を取り込む際のアピール方法も、すでに答えは出ていて、アーリーマジョリティに打ち出さなきゃいけないのは「流行が始まりかけていること」や「流行に乗り遅れる恐怖」です。
昨日の宣伝会議では、「地方の宣伝も強化しよう」という話が上がっていましたが、少し、打ち手が漠然としている印象を受けました。
要するに、③アーリーマジョリティではなく、②アーリーアダプターへのアプローチを強化して、「東京でメチャクチャ流行ってる」を作り、打ち出していくことが大切なんじゃないかなぁと思っております。
西野の限られた時間は今は②に使った方が、結果的に③に繋がるんじゃないかなぁと思っていてます。
年内のトークショー(舞台挨拶)が都内に集中しているのは、そういった理由があります。
今日は「アーリーマジョリティは『流行り始めていること』に反応する人達なので、まずは、アーリーアダプターを丁寧に取らなきゃダメだよね」という話をさせていただきました。
感染症対策で写真を撮ったり、握手をしたりすることはできませんが、お時間合えば、一緒の空間でプペルを観ましょう。
現場からは以上でーす!