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2021年01月16日のエンタメ研究所の過去記事

1月16日(土) ※1月18日以降は『いいね』を押さないでください。
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こんにちは。
換気の為に窓を開けている為、これまでに比べてタクシードライバーさんの声が大きくなったような気がしているキングコング西野です。
さて。
今日は『現実世界の二次創作で世界を獲る』というテーマでお話ししたいと思います。
先に言っておきますが、皆様の活動には99%転用できない話です。
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▼ ファン・フィクション
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どこでトチ狂ったのか、西野は「300年続くエンターテイメントを作る」と言っています。
壮大なビジョンを描いているような雰囲気がありますが、一方で、「言い訳」にも使えてしまう言い回しだと思います。
西野が寿命を迎える時に、それほど結果が出ていなくても、「いや、俺、もともと300年でスゴイものを作る予定だったから」とか言えてしまうからです。
まさか、そんなクソジジイになるつもりはないので、ここらで「300年続くエンターテイメントの成長スピード」を明らかしておきますが、ディズニーは僕の代(一代)で超えます。
当然、ディズニーよりも速いスピードで成長しないとそれは叶わないので、ディズニーのやり方をなぞったところで仕方がない。
もっともっと根本……ファンタジーの背骨の組み立て方から見直さなくちゃいけません。
「ニシノーランド」を作ったところで、間に合わないんですね。
そこで西野が目をつけたのが、「0→1」の創作ではなく、現実世界の二次創作です。
たとえば、『えんとつ町』
ありがたいことに『映画 えんとつ町のプペル』は、まもなく観客動員数が100万人を突破します。
ものの3週間で、絵本の売り上げを超えてしまうのですから、映画というのはつくづく巨大ビジネスです。
今回の映画のヒットにより(※この10倍はヒットさせます)、『えんとつ町』の認知は拡がったと思います。 
おそらく今、“映画を観た子供達”が、お父さんが運転する車でコンビナート(工場夜景)を横切った時には、「えんとつ町だー!」という声をあげていると思います。
コンビナートを今から作ろうと思ったら、ものすごーく時間がかかってしまいますが、コンビナートを二次創作することによって、現実世界に存在するコンビナートを『えんとつ町』にすることができて、可処分時間を獲得することができる。
あまり目立ってはいませんが、この冬、『えんとつ町』は一気に拡大したと思います。
ときどきディズニーもその手をを使うことがあって、タイのコムローイ祭り(※ランタンを空に上げるやつ)を見て「ラプンツェルみたい!」と言っている子供は少なくありません。
あれなんて、まさに「現実世界の二次創作」です。
基本的にはその発想で、現実世界の景色に©️を付けていく。
「アニメーションを現実世界に再現するよりも、現実世界に手を加えてアニメーション内に再現することによって、現実世界そのものをテーマパーク化した方が拡大スピードが速いんじゃね?」
というのが西野の考えです。
『チックタック ~約束の時計台~』には満願寺(@満願寺)を描いているのですが、絵本を読んで満願寺に来られるお客様は今日も「本物だ~!」と寺の山門前で写真を撮られるそうです。
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▼ 人間も二次創作する
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「何気ない景色に手を加えてアニメーション(絵本)内に再現することによって、何気ない景色に価値を持たせる」ということをやっているわけですが、こういった現実世界の二次創作は「景色」だけでなく、「人間」にも使えると思っています。
『映画 えんとつ町のプペル』に出てくる「スコップ」という鉱山泥棒と、「ブルーノ」という紙芝居屋は、それぞれ「オリラジ藤森君」と「立川志の輔師匠」の“あて書き”です。
キャラクターを演じてもらったわけではなく、藤森君と志の輔師匠をキャラクター化したわけです。
言うなれば、人間の二次創作です。
昨日、新入社員のセトちゃんから、「プペルのミュージカル(日本版)のスコップ役をオリラジ藤森さんにオファーを出そうと思っているんですけど…」と言われて、メチャクチャいいなぁと思いました。
映画を観てミュージカルを観に来た子供はステージ上にいる“スコップ役のオリラジ藤森君”を見て、「本物だー!」と言うでしょう。
厳密に言うと「本物のスコップ」は、“アニメーションのスコップ”なのですが、アニメーションのスコップをオリラジ藤森君の二次創作として作ったので、オリラジ藤森君が「本物のスコップ」になってしまった。
「実写版」や「2.5次元俳優」とは根本から作りが違うんです。
二次創作をする際、必ず守らなければいけないラインは「一次創作物が得をする」で、オリラジ藤森君がステージに登場した時に、スコップ好きの子供が歓声を上げたら勝ちです。
立川志の輔師匠にしてもそうです。
『映画 えんとつ町のプペル』に出てくる紙芝居屋のブルーノは、紙芝居に出てくるキャラクターを演じながら、一人で物語を進めていきます。
それは、落語家・立川志の輔そのもので、『映画 えんとつ町のプペル』を御覧になられた方は、志の輔師匠の落語を観て「本物だー!」となると思います。
志の輔師匠の落語の動画を最後に添付しておきました。
ちょっと覗いてみてください。
これまで一度も落語を観たことがない人も、きっと、興奮すると思います。
これが僕の魔法です😊
現場からは以上でーす。
【追伸】
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https://youtu.be/GyV4gPKc8Ksわ
 
 
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