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2021年01月23日のエンタメ研究所の過去記事

1月23日(土) ※1月25日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
そういえば小学生の頃、机に穴を空けて、消しゴムのカスで穴を埋めるという工事を展開していたのですが、あれは何が目的なのですか?
キングコング西野です。
さて。
今日は『商品のポテンシャルを知る』というテーマでお話しさせていただきます。
※僕が取り扱っているのは「作品」ですが(ここは、こだわる!)、ここでは話を分かりやすくする為に『商品』という表現にさせていただきます。
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▼ リピーターが続出している『映画 えんとつ町のプペル
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すでに皆様の耳にも届いているかもしれませんが、『映画 えんとつ町のプペル』のリピーターが続出しています。
正直に白状すると「1人、二回ぐらい観に来てくれたらいいなぁ。。」という下心がありまして、その為の仕掛けも用意したのですが(セコい!)……予想していた以上にリピートしてくださる方がいました。
2プペ、3プペ当たり前……中には「10プペ目!」というツワモノも。
リピーターの方にヒアリングをしたところ、「『映画 えんとつ町のプペル』を繰り返し観る理由」が徐々に明らかになってきました。
一番多かった意見は、「登場人物全員に『正義』があるので、観る回ごとに感情移入するキャラクターが違う」です。
「今日はスコップに照準を絞って観てみよう」といった感じで観ているそうです。
次に多かった意見は、「ラストシーンのブルーノ(志の輔師匠)の口上を聴きにいっている」です。
ブルーハーツを聴いて、テンションを上げる」みたいな感じで、どうやら志の輔師匠の口上が応援歌になっているみたいです。
手を替え品を替え仕掛けている『特典』もいくつか刺さっていて、中でも予想外に好評だったのが、キンコン西野が耳元で100分間囁き続けるスケベ企画「副音声上映」です。
この副音声は、年末の鬼寝不足の最中に収録した音源なので、何を喋ったのかまるで覚えていなかったのですが、これが「メイキング好き」「裏設定好き」に大ハマリ。
途端、西野は「最初から副音声はイケると思ってたんだよ」というポーズをとり始めます。
【副音声上映】→https://poupelle.com/news/?p=714
その他にも、思っていた以上に『キンコン西野と一緒に観る上映』が人気です。
下手すりゃ「トークショー」よりも人気です。
ちなみに、今日は18時10分からTOHOシネマズ梅田(大阪)で『キンコン西野と一緒に観る上映』をおこないます。
これらのことから導き出せる結論は、「サービス提供者は商品のポテンシャルを把握しきれていない」ということ。
とくに『えんとつ町のプペル』に関しては、作者の西野がこれだけ何年間も制作から販売までヘバリついていたのに、「あれ? 意外とそんなところを面白がってもらえるの?」という棚ボタがまだ残っています。
「サービス提供者の初期の計画」がいかに粗いか?を痛感します。
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▼ テストを繰り返すしかない
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どうやら、「サービス提供者は商品のポテンシャルを(=親は子の才能を)把握しきれていない」という前提で話を進める必要がありそうです。
当然、商品のポテンシャルを見誤っているうちは、商品を届る際の“力の入れどころ”を間違っているわけで……そうなってくると(月並みですが)やっぱり、テストを繰り返しまくって、商品のポテンシャルを把握することが何よりも重要です。
「売れない商品」というのは、「サービス提供者が商品のポテンシャルを把握する前に『時間切れ』がきてしまった代物」と整理すれば、責任の所在が、サービス提供者の怠慢であることが明らかになって気持ちが良いです。
『映画 えんとつ町のプペル』がヒットするもヒットしないも、そんなものは僕次第です。
生き延びたいのならな僕が音速でテストを繰り返して、上映館数が減らされる前に、『映画 えんとつ町のプペル』のレーダーチャート(※コーンフレークの五角形の栄養素グラフみたいなやつ)を正確に割り出して、その形に応じた手を打てばいい。
最近、面白いなぁと思っているのは、「映画館は思っていた以上にコミュニケーションをとってくれる」ということ。
僕が「映画館は大きな音が好き!」と発信するやいなや、【TOHOシネマズなんば】さんが、すぐに映画の音量を上げてくださいました。
僕は僕で、「どうせなら僕が好きな環境で映画を観てほしい」と考え、『一緒に観る上映』の会場に【TOHOシネマズなんば】を選ぶようになり、まもなく、同会場は関西のプペルの聖地のような扱いとなり、今、大変な人気です。
この結果を受け、【TOHOシネマズなんば】以外の劇場も音量が上がり、音量が上がった劇場に西野が通い、「この劇場の音量は大きかったですよ」とアナウンス。
それを受けて、また他の劇場の音が大きくなる……という流れが(今)起きています。
そして、ついには劇場さんの方から「ウチは轟音上映をします」「ウチは重低音&震動上映をします!」とご提案いただく形に。
映画館は常にニーズを確認しながら、トライ&エラーを繰り返していて、僕やお客さんの動きに呼応するように、積極的に形態を変えてくれる存在だということが分かりました。
つまり、「僕らは、こういう環境が好きです!」ということを映画館側にアピールすることが、とっても大切だといういうことです。
「思っていた以上に映画館はコミュニケーションをとってくれる」は本当に大きな発見でした。
それが分かったのも、自分達から行動を起こした(テストを繰り返した)からに他なりません。
作品(提供者)と映画館のコミュニケーション不足が原因で、作品のポテンシャルを発揮できないまま消えていった作品は、これまでたくさんあったことでしょう。
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▼ 『映画 えんとつ町のプペル』のこれから
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話をまとめにかかります。
連日のテストで分かったことは、『映画 えんとつ町のプペルにはリピート力がある』ということと、『映画館はメチャクチャ柔軟に対応してくれる』ということ。
このまま仕掛け続ければ、『映画 えんとつ町のプペル』はコロナ禍であろうと、観客動員数【200万人】を狙えると思います。
……ていうか、絶対に狙います。
その裏で僕が知りたいのは、「『映画 えんとつ町のプペル』のリピート力(耐久性)の限界」です。
2ヶ月で息切れしてしまう作品なのか、それとも、場所(上映館)さえあれば、ミュージカル『CATS』のように30年以上観られ続ける作品なのか?
僕が知りたいのはそこです。
なので、少し先の打ち手として、映画館の上映関数が減ってきた頃に、自分達の方から「推しの映画館」を、たとえば東京と大阪で1館ずつ作って、その映画館を宣伝し続け、そして、「どこまで集客し続けられるのか?」のデータをとろうと思います。
「一つの映画館の客席を毎日埋めることは、宣伝さえすれば可能だ」という結果が出れば、それこそ『えんとつ町のプペル専用劇場』を作れるので。
狙うのはそこです。
とにもかくにも、テストテストテスト。
徹底的にデータをとって、『えんとつ町のプペル』の生存確率を上げます。
この作業は、その他あらゆるサービスにも共通して求められることだと思うので、お互い、背もたれなんぞにもたれず、ドンドン仕掛けていきましょう。
今日は、18時10分から『TOHOシネマズ梅田』で映画を観ます。
今から夕方までに、梅田の「733席」を完売させてやります。
お時間あれば、是非!!
現場からは以上でーす。
【追伸】
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https://youtu.be/qF5L0TTqPW4
 
 
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