西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年01月25日のエンタメ研究所の過去記事

おはようございます。

今日は『奇跡が近づいてる』というテーマでお話ししたいと思います。
お花畑なタイトルですが、ゴッリゴリのマーケティング論です。

 

現在進行形で未来を作る僕ら

インターン生や、新しいマネージャーがウチに来た時に、毎度、最初に西野に指摘されるのは「遅さ」です。
最初なので「クオリティーの低さ」は仕方ない部分もありますが、「スピード」に関しては本人次第。

ところが、その本人が所属している大学や会社にいる人達全員が壊滅的に遅いので、そもそも自分が「遅い人間」であるという自覚が持てず、大体、西野に門前払いをくらいます。

「週明けまでに確認しときます」
「今してください。今できることを今できないのであれば、僕はキミとは二度と仕事ができません」

という洗礼を浴び、この台詞を西野に二回以上言わせてしまうと、1秒後に疎遠になります。
#学校じゃないので尻を叩いたりすることもない

オンラインサロンが良いところは、「なるほど。時代を動かそうと思ったら、これぐらいのスピードが必要なのね」と、“スピード感”を共有できるところ。

そんなこんなで、一昨日思いついた『プペル寄席』は本日19時からスタート。
初日はダンソンでお馴染みの『バンビーノ』さん。
コロナで追い込まれている劇場芸人を秒速で支援します。

 

毎日の投稿で麻痺しているかもしれませんが、今、このオンラインサロンは、なかなか面白いポジションに立っています。
ここで取り決められた『映画 えんとつ町のプペル』の広告戦略が、翌日には反映されて、その週末には、興行収入ウン千万円、ウン億円レベルで結果として表れます。

大袈裟でも何でもなく、僕が知るかぎり、地球誕生以来、こんな「生きた教科書(マーケティング編)」は初めてで、盗めるページがあれば、どんどん盗んでいただきたいです。

そんなこんなで今日の本題です。
 

『アーリーマジョリティー』が出す信号

このサロンでもよく出てくる「イノベーター理論」というものがあります。
商品やサービスの市場への普及率を5つの層に分けて表したマーケティング理論です。

「情報感度の高いヤツと、情報感度の低いヤツって、大体、これぐらいの割合でいるよね」というやつです。

半世紀前に提唱された理論なので、今とは若干の誤差はあるとは思いますが、様々なサービスを提供している身としては、大きく外れてはいないと思います。

それによると、商品・サービスが普及する時には、情報感度の高い順から、以下のような5つの層に人は分類されます。

①イノベーター(2.5%)
アーリーアダプター(13.5%)
《分厚い壁》
③アーリーマジョリティー(34%)
④レイトマジョリティー(34%)
⑤ラガード(16%)

コミュニティーを作り、そのコミュニティー内に向けて商品(ファングッズ)を販売することで完結している経済の参加者は①です。

利益率が高ければ、それでも十分食っていけます。

僕の肌感で言うと、②の序盤までは根性でいけます。
死ぬ気で手売りを繰り返せば、情報感度が(かなり)高めの人達には見つけてもらえます。

『メジャー映画』というゲームの面白いところは、「最低でも、最大のボリュームゾーンである③(34%)を巻き込まないと負け」という条件が付いているところ。
これがなかなか厄介で、②と③の間には分厚い……それはもう、分厚すぎる壁があります。

さて、この壁をどう突破するか?

③まで届ける為の唯一の手段は、「②にアプローチしまくる」しかありません。
そんな中、今回は『ラジオ』が効果的でした。

リスナーのことをとても大切にしているラジオパーソナリティーさんには、「無責任な宣伝はできない」というマナーがあって、『番組で紹介するゲストの作品を事前に観ておく』を徹底される方が多いです。

今回ゲストで呼んでくださった伊集院光さんも、鈴木おさむさんも、水道橋博士さんも、爆笑問題・太田さんも、皆さん事前に『映画 えんとつ町のプペル』を観てくださっていました。

そして、そういった方々がアナウンスしてくださるおかげで、『映画 えんとつ町のプペル』がジワリジワリと③に届き始めます。

作品や商品やサービスが③に届き始めた時の反応は、(ジャンル問わず)いつも同じで、大体、以下の3つの信号が出ます。

A.「嫉妬」(ネガキャンを始める)
B.「誤解」(ネガキャンを真に受ける)
C.「雑な批判」(アクセス数稼ぎ)

実は『映画 えんとつ町のプペル』の初週や、2週目は、これらの反応がありませんでした。
①と②から飛び出ていなかったんですね。

しかし、『観客動員数100万人突破!』のニュースが出た途端に、ABCが響き始めます。

これがマイナスに働くかというと、そんなことはなくて、このABCによって作品の存在を知る人がかなりの数存在します。
#絵本の時もそうでした

特に今回の場合でいうと、3~4日前にアンチ西野の方々が「『#えんとつ町のプペル』で下ネタを呟く」というネガキャンを始めて(※それ、もはや自分のネガキャンだろ)、そのおかげで、Twitterのトレンド入り。

その辺りから、観客動員の前週比が100%を超えはじめました。
「どれ? そんなにいうのなら観てやろうじゃないか……」という人がかなりの数、いたんですね。

【関連記事】『えんとつ町のプペルがV2達成』

https://news.yahoo.co.jp/articles/614f3a436e7bf7874fa664d80de8bb30b2d2db28
 

これは本当に嬉しい誤算で、この調子だと、思っていたよりも早く(おそらく今週末には)、週間の観客動員数で『銀魂』を抜き返すと思います。

③に手をかけた時に、必ずといっていいほどABCが出てくるのですが、しかし皮肉なことに、このABCこそが②と③の間にはある分厚い壁を壊してくれる力となることを僕たちは知っておかなくちゃいけません。

(※そういえば新海さん怒ってたな……)
https://type-r.hatenablog.com/entry/20170115

 

今、『映画 えんとつ町のプペル』は、③にリーチがかかっていて、かなりイイ位置につけていると思います。
 

勝負は今週と来週

よくぞまぁ緊急事態宣言中に、ここまでバトンを繋いだなぁと思います。
#皆さんのおかげです
#ホント

そろそろ本気です。

緊急事態宣言が2月7日に解除されるのならば、劇場は「どの作品に大きなスクリーンを割くか?」を前週の結果で判断するわけだから、『映画 えんとつ町のプペル』の勝負は、今週と来週。

③にリーチがかかっているのも相まって、今週と来週を獲れば、一気にいけると思います。

そんなわけで、どうやら今が攻め時なので、ここから2週間の僕の采配に注目しておいてください。
「容赦ねぇな……」という感じで黒西野がブリブリやります。

とりあえず、31日は大阪の一番大きなスクリーンで映画を観るので、関西の皆様は31日(日)のスケジュールを空けておいてください。

勝ちきる瞬間をお見せしたいと思います。

現場からは以上でーす。
 

【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

https://poupelle.com/news/?p=768

 

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