2021年01月28日のエンタメ研究所の過去記事
本題に入る前に……昨日の一件を受けて「吉本興業とどうなったの?」という質問をたくさんいただくので、まずは、そちらをお答えさせていたまきます。
そして、先々入っていた吉本興業案件の仕事は全てバラしていただきました。
話がまとまるまでは、仕事の窓口は株式会社NISHINOになります。
以上の内容が現在地で、これ以上でも以下でもありません。
「元サヤに戻ってください」という声もあるのですが、(吉本興業も大切ですが)僕にも守らなければいけないものがあるので御理解いただけると嬉しいです。
そんなこんなで、本題です。
今日は『コンテンツの2次利用をデザインする』というテーマでお話しします。
いつも経営者さん向けの話が多いので、今日はクリエイターさんに向けた話をば。
経営者さんは「へー、作品って、そういう考えで作られてるんだねー」と見守っていただけると嬉しいです。
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▼ それはあなたの生活領域の話でしょ?
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今朝のVoicyでもお話しさせていただきましたが、今回の岡田斗司夫さんの作品の切り取り方(の一部)があまりにも雑すぎたと思っています。
「全てが雑!」というわけではなくて、あくまで“一部”なのですが、(Voicyをお聴きになられていない方に向けて)岡田さんの言い分を要約すると、「2次創作(パロディー)が生まれていないので、プペルはダメだと思う」です。
(※注)岡田さんは作品を観られていないので、あくまで、「観ない理由」について言及されています。
そこんとこ、くれぐれも。
「2次創作(パロディー)がある=面白い作品!」というのは、切り取り方としては地獄的に雑です。
Voicyでも喋りましたが、2次創作とよばれるものは、
①面白い作品or面白くない作品
……の他に、
②2次創作しやすい作品or2次創作しにくい作品
③カテゴリー
という三本の軸が複雑に絡み合って存在しているんですね。
で!
これは岡田さんの尊厳と勃起を守る為に表では言いませんでしたが、岡田さんのおっしゃる「2次創作(パロディー)」の何割かは『オナニーのおかず』なんです。
ここで議論したいことを言葉を包まずに言うと、もう皆さんの頭の中でイメージが出てきていると思いますが「オナニーのおかずになりやすい作品」というものがあって、当然、それらは2次創作を生むんですね。
ただ一方で、それらは「オナニーのおかず」にはなりやすいけれど、「トイレットペーパーのパッケージ」にはなりにくい。
ファミリーを対象とした生活用品にはプリントされないんです。
ここは、あまりにも勉強不足だと思いました。
岡田さんのことは好きなので、お会いした時に「もっと勉強してください」と直接お伝えします。
さて、ここからが本題です。
おもくそ踏み込んだ話をします。
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▼ 2次創作をデザインする
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「女性キャラをナイスバティーにして、目をキラキラさせて…」といった。
アニメ関係者は、そこに需要があることも、それが熱狂的なファンを生んでくれることも知っています。
ですが、西野は「エロは徹底的に排除しましょう」と一括。
秒速で却下しました。
これ、「どっちの2次創作(2次利用)を取るか?」という話なんです。
童顔&ナイスバティーの需要も分かりますが、それを選んでしまうと、生活空間に作品を忍び込ませることができない。
要するに「一人暮らし層を取るか、ファミリー層を取るか?」です。
それだけではなくて、「この表現をしたら、この国では刺さるけど、この国では上映すらしてもらえないよね」というのがあって、そこも、「どの国を取るか?」なんです。
異端審問官が主人公の母親に槍を突きつけるシーンは、元はピストルでした。
日本ならそっちの方がキャッチーかもしれませんが、銃殺が身近にある国では、その表現は厳しすぎる。
その一つの表現が含まれているだけで「ファミリーで観れる作品」から除外されてしまうんです。
他にも、宗教の問題もある。
「このアイテムが入っている時点で、○○教の国では、2次創作以前の問題で、上映そのものが難しい」など。
全て取捨選択なんです。
そして、最後の最後は、やっぱり「自分が好きか否か?」だと思います。
そこが中心にないと、マーケティング商品になって、結果、誰にも刺さらない。
お客さんが冒険しなくなった時代において、『2次創作』の有無は超重要です。
「2次創作されない作品は厳しい」という部分に関しては岡田さんと同意です。
作品を作る際は、「自分の作品が現時点でどの層の2次創作を捨てているか?」をリストアップしておいた方がいいと思います。
「全部盛りした結果、全部の層を捨てている」ということが普通にあるので、気をつけて。
現場からは以上でーす。
【追伸】
【30日】
TOHOシネマズ日比谷で18時5分から『映画 えんとつ町のプペル』を観ます。
お時間あれば、ぜひ!