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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年02月15日のエンタメ研究所の過去記事

2月15日(月) 2月17日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
百田尚樹さんこと「鬼の生き残り」に呼び出されて生きた心地がしないキングコング西野です。
さて。
今日は『渋谷にカフェを作るぞ!』というテーマでお話ししたいと思います。
題材としてカフェを扱いますが、たぶん、サービス業全般の話です。
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▼ 時代が求めている【制限】は何か?
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昨日あたりから、僕のお友達まわりが写真アプリ『Dispo』の話題で持ちきりです。
つい先月までは『clubhouse』一色だったのですが、時の流れというのは早いものです。
話題が移ったとは言え、しかしながら、本質的には『Dispo』もclubhouseと同じところを面白がっていて、「招待制」だったり、「撮った写真が翌朝9時に見れるようになる(=翌朝9時までは撮った写真が見れない)」といった【制限】がサービスの要になっています。
蜷川実花さんが去年6月に『東京 TOKYO』という個展をされていたのですが、こちらは、実花さんが仕事場やプライベートで「写ルンです」のみで撮った写真のみが並んだ写真展です。
ここでは「加工も、撮り直しもできない」という【制限】が被写体のリアルを写し出していて、本当に最高でした。
『Dispo』にしても、『Clubhouse』にしても、『東京』にしても【制限】が要になっていて、そして今、時代が求めている【制限】をもう少し具体的に言うと「リアルを抽出できる装置」です。
インターネットの進化によって地球人全員が加工できるようになった今、加工品の価値がグンと下がり、リアル品の価値が上がり、リアルを抽出する【制限】が時代に求められています……という話の10倍面白い内容を「けんすうサン」がサロン(アル開発室→https://salon.jp/alu
)で語られているので、是非、ご覧ください。
余談ですが、clubhouseは、もう少し【制限】をかけてもいいのかなぁと思っています。
clubhouseだから発信したやりとり(悪フザケ)を、ライターが部分だけを切り取って記事にしてしまうケースが最近見られます。
それをされると、clubhouseの場合は仕様上、「あの空間にいる人達の中では許されていた」や「悪質なライターによって文脈を切り取られている」という証明がてきないので、有名人が参加するメリットが少なすぎる。
リアルだった会話が、リアルでも何でもないものに加工されて、世に出てしまう。
まもなく「clubhouseは辞めます」という有名人が続出して、「有名人の会話が盗み聞きできる」を期待していたユーザーも離れるでしょう。
あと、個人的には「利用時間の【制限】もかけた方がいいなぁ」と思いました。
そもそも「時間を奪いすぎサービス」だし、制限時間があった方が、会話に価値が出るので。
「1日30分しか使えないSNS」の可能性は普通にあると思います。
「私の持ち時間を貴方に使いました」という新しい価値を生むので。
……なんか悪口みたいになっちゃいましたが(ホントそうじゃなくて!)、clubhouseは時代の需要を考える上では、めちゃくちゃ良いサービスだと思っています。
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▼ 【制限】の究極はオフライン
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先日、尊敬している先輩が「面白いことをネットに発信しても、理解が追い付かない炎上系YouTuberか、理解が追い付いていない人間を釣る確信犯の炎上系YouTuberの餌になるだけなので、今後は公には発信しないか、英語で発信する」と言っていて、来るところまで来たなぁと思いました。
その一方で(今朝のVoicyでも話しましたが)今は、スナックやサウナで面白い議論がドンドンおこなわれていて、「SNSから遠い場所」の価値の上がり方に「ほへ~」と思っております。
オフラインは究極の【制限】です。
そこでおこなわれている全てがリアルで(加工などない)、記録されることもない。
参加時間の制限もあれば、参加費(場所に行くまでの交通費)もかかります。
こうなってくると、「ただ荒らしたいだけの人」の手が及びません。
時代(議論)を前に進める為には「オフラインのコミュニケーション空間をいくつ持っておくか?」がとってもとっても大事で……
そんなことを考えていた矢先、渋谷のド真中で、キチンと店を構えて『カフェ』をスタートすることが決まりました。
『CHIMNEY COFFEE』という名前です。
このカフェの話を全部話すとなるとメチャクチャ長くなっちゃうので(それは、また今度!)、今日は、「リアルの価値(加工できない価値)って上がってきてるよね」という話と、「その究極は『オフライン』だから、だから今、カフェをやるんだよ」という話をさせてもらって……そして、ここから最後に少しだけ「こんなカフェがいいかもね」という話をさせてもらいたいと思います。
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▼ ローカル(地方)を攻める
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面白い未来を迎える為の議論を東京(港区)だけのものにしてはいけないなぁと思います。
今回の映画公開で(あらためて)痛感したのは、日本のほとんどがローカル(地方)だということ。
東京の映画館だけを見ると「あれだけ有名な作品なのに、けっこう客席がスカスカだな」と思っても(コロナの影響は多分にありますが)、どっこい、「メジャー作品」はキチンと地方を押さえていて、全国的な動員数を見て「え? こんなに!?」と驚いたことが何度あったでしょう。
東京で局地的に起きているムーブメントなんて誰も知らなくて、地方に行くと「なんかヤバイ奴」として扱われてしまいます。
このままでは、自分達が望むスピードで面白い未来を迎えいれられません。
大切なのは地方も巻き込んで議論することで、そうなってくると、『CHIMNEY COFFEE』の内装デザインは、地方に馴染むようにする必要があります。
つまり、兵庫県川西市部屋のウチの母ちゃんでも入れるデザインにする必要があります。
スナックは「入りづらい」が一つの価値(ワンダーランド感)になっているような気がするのですが、地方展開を狙うカフェでそれをやってしまうと、店が回りません。
今朝、スタッフに伝えた内装デザインの「キーワード」は、こんな感じ↓
「安心」
「安全」
「明るい」
「オシャレにしすぎない」
「ファミリー」
なんとも無難なキーワードが並びましたが、最後に一つだけ、足しました。
「僕たち(西野たち)がプライベートで通う店」
どう考えても、ここが大事で、(株)CHIMNEY TOWNのスタッフがプライベートでお客さんとして利用して、そこにいるお客さんと議論を交わすことに大きな意味があると思っています。
以上のことを踏まえて、はたして、どんなデザインが上がってくるのか?
続報をお待ちください。
あと、普通に(キチンと契約して)フランチャイズ展開をしたいので「ウチの地元でもやりたいです」というサロンメンバーさんがいたら、教えてください。
次はコーヒーを攻めます😊
現場からは以上でーす。
 
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