西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年02月16日のエンタメ研究所の過去記事

2月16日(火) ※2月18日以降は『いいね』を押さないでください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
おはようございます。
お散歩中の近所の子供から「これ、落としましたよ」と、落としてもないキーホルダーを渡されて、「あ、ありがとう」と受け取るしかなかったキングコング西野です。
さて。
今日は『CHIMNEY COFFEEの挑戦 ~丁寧に進めたいプロジェクト~』というテーマでお話ししたいと思います。
忙しくて記事を読む時間が無い方の為に結論を言うと「CHIMNEY COFFEEは丁寧に進めたいと思ってるよ」です。
お時間ある方はお付き合いください。
━━━━━━━━━━━━
▼ 反省点と改善点の共有
━━━━━━━━━━━━
昨日、「全国展開を見越した『CHIMNEY COFFEE』というカフェをやるよー」という記事を投稿させていただいたところ、「ウチの地元でもやりたい!」という声が、思っていた以上にありました。
始めるだけであれば、最初から全国50店舗で展開できそうな勢いです。
ただ、(面白くないかもしれませんが)こう見えて僕は「なんでもかんでもやったれー!」「挑戦じゃー!」という人間ではなく、「挑戦する時は地雷の位置を共有しておこうね」という安全パイおじさんです
その上でキチンとお話ししておきたいことがあって……
現在、全国20店舗以上で展開しているスナック『CANDY』(https://salon.jp/candy
)ですが、こちらは「名前&世界観貸し」という形で、五反田店以外は、全国各地のサロンメンバーさんが各々運営されています。
たとえば反社の方が地方店を立ち上げてしまうと、全員に迷惑がかかってしまうので、立ち上げの際の反社チェック&取り決めモロモロはありますが、いわゆる『マージン』(月の売り上げの○%)は一切いただいておりません。
……という条件でやらせてもらっているのですが、(2年ぐらい前だったかな?)集客に困っていたCANDYの地方店のオーナーさんがCANDYのシステムに不満を持たれていて、その際、「そこで不満を持ってしまうのは違うんじゃないか?」という話を御本人とさせていただきました。
その店舗には『CANDY』ということで、サロンメンバーさんや、『えんとつ町のプペル』のファンの方が連日訪れていて、「それ以外のお客様はどれぐらい来られているですか?」と聞くと、ほぼ皆無。
「いわゆる一般的な営業努力をせず、集客をサロンやプペルに頼りっぱなし」という状態でした。
僕の友達には飲食店経営者もたくさんいて、スナックのママもたくさんいます。
彼らには「サロンメンバー」や「プペルファン」という“プラスアルファの集客”などありません。
だからビラを配ったり、ブログを更新したり、地元のイベントにボランティアとして参加をしたりして、一般の方との接点を作り、たくさん頭を下げて、集客に繋げています。
そこの努力をせずに、CANDYの“プラスアルファの集客”だけを受け取って、「CANDYのシステムが…」という不満を抱いてしまっていることに対して、僕は納得ができなくて……たぶん、これ、普通の飲食店経営者からすると「ナメるなよ案件」だと思います。
マージンを納めていて、「それに対しての集客が見合わない」という言い分なら理解できるのですが、CANDYの看板(プラスアルファの集客)は無料提供です。
「強制されているわけでもないし、嫌なら辞めたらいいし、やるのであれば、そこの線引きはキチンとしましょう」という話をさせていただき、御理解をいただきました。
ただ、僕の方でも受け止めなきゃいけないと思ったのは、「『CANDYの看板で店を始めれば、集客努力なんてしなくてもイイ』と思ってしまう人が実際にいる」という事実です。
これは、こちらが、どれだけ正論を並べようが、「思ってしまう人がいる」というのは事実で、ここは改善ポイントだなぁと思いました。
そんなこんなで『CHIMNEY COFFEE』の話です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 丁寧に進める『CHIMNEY COFFEE』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨日、「ウチの地元でもCHIMNEY COFFEEをやりたい!」という声をたくさん頂戴しました。
その中には、「挑戦してみたい!」という気持ちが先行し、実店舗経験の無い(集客の難しさを知らない)方もいらっしゃったハズで、その方と気軽に手を握ってしまうと、きっと、初期のCANDYのような問題が起きてしまいます。
勢いで「ウェーイ!」とやるのではなく、
まずは渋谷店(本店)で回して、
キチンと足場を固めて、
たしかな雛型を作って、
そして「実店舗経験者」の方と組み、
地方店の状況を見て、
その後に、
「カフェに挑戦したい方(未経験者)」と組むのがいいんじゃないのかなぁと思いました。
オンラインサロンを絡めたプロジェクトとしては、実にスピード感のないプロジェクトに見えるかもしれませんが、そうまでして丁寧に進めたい理由がありますので、最後に、そのことを共有しておきます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 途上国支援をファッションにしない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『チックタック ~約束の時計台~』という絵本を描く時に、物語の(イメージの)舞台となる「ラオス」という国に行かせていただきました。
さまざまな制約要因を抱えていて、未だ「後発開発途上国」の一つに数えられている国です。
そのラオスの山奥の奥の奥にある「ララ村」を訪れた時のこと。
村の人達は、最初、とても警戒していたのですが、西野の持ち前の「変顔」と「カズダンス」によって(※どっちも苦手だよ!)、距離が縮まり、その後は一緒にサッカーをしたり、鬼ごっこをしたり。
実はその時に、間に入ってくださった(ラオスを案内してくださった)スタッフさんから「小学校建設」の話を持ちかけられていたのですが、勉強不足の僕には、正しい判断ができる判断材料がなく、その時は、見送らせていただきました。
次に「ララ村」に行ったのは、『アナザースカイ』のロケ。
あの村の人達のことが忘れられなくて、再び。
村の人達は僕のことを覚えてくれていて、その日は子供らと遊んだ後に、村長さんをはじめ、村の皆さんと一緒にご飯を食べました。
その時に「何か困ったことはありますか?」と訪ねると、「小学校が古くて、今にも壊れそう(※建物が傾いていた)。あそこに子供を通わせるのは心配で…」と相談されて、その瞬間に小学校建設を決めました。
厳密に言うと「建てかえ」ですね。
校舎建設の費用は、絵本の印税から出させていただきました。
皆に上を向いて生きて欲しいという願いと、少しの下心を込めて、学校名は『School of pouplle』。
しかし、いくら、ここで学んでも、働き口がなければ、貧困から抜け出せず、話が前に進みません。
というわけで、(株)CHIMNEY TOWNが舵をとって、ラオスのコーヒー畑を買い、そこで雇用を生むことにしました。
厳密に言うと、ラオスの土地は買うことができないので、お金をお支払いして、名前を貸してもらって、長期に渡って利用させてもらう形です。
……長くなりましたが、『CHIMNEY COFFEE』に卸す珈琲は、その「ラオス」で作られたものです。
なので、「卸し先がある」という状態がとっても大事で、そこが彼らの生活を支えているので、あまり勢いだけて走らせたくなぁというのが僕の本音です。
今回のプロジェクトのスピード感には、そんな背景があることを御理解いただけると嬉しいです。
ていうか、本当に長くなっちゃってごめん!
丁寧にいきましょう。
現場からは以上でーーす!
 
▼オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』入会はこちら ↓↓↓