西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年02月28日のエンタメ研究所の過去記事

2月28日(日) ※3月2日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
先日、「『映画 えんとつ町のプペル』は西野がイケメンだから興行的に成功した」というニュースを見て、「だったら、イケメン俳優&アイドルが出ている映画は全て成功していないと話の筋が通らないじゃないか!」と思いつつ……「西野がイケメンだから」に関しては1ミリも否定しなかったキングコング西野です。
さて。
今日は『徹底攻略!コミュニティーマーケティング』というテーマでお話ししたいと思います。
経営者さんや、クリエイターさんに、必ず関わってくる内容になると思います。
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▼ 福岡にある居酒屋のお話
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僕もときどき利用させていただいていますが、福岡県(福岡市警固)に『たつの申し子』という居酒屋さんがあります。
こちらのお店はサロンメンバーさんがやられているのですが……そういえば、この店の店長さんから3~4年前に「今度、個室居酒屋をやろうと思うんです」と相談されたのを今思い出しました。
その時の西野の答えは「お料理のクオリティーは勿論のこと、お客さんが『集客装置』になるコミュニティーで店を回さないと、これから厳しくなると思うよ。店員ともお客さんともコミュニケーションがとれない個室居酒屋はやめといた方がいい」でした。
容赦ありません。
そんな中、『たつの申し子』さんには個室がありません。
それもあって、福岡のサロンメンバーさんの集合場所になっていて、僕もお店に飲みに行った時は「あー、どうもどうも」と隣の席のサロンメンバーさんとお喋りさせていただいています。
このお店はお料理がとても美味しいので(ホントに!)、サロンメンバーさん以外のお客さんも多く、集客の割合を見たときに「サロンメンバー」が『+α(臨時ボーナス)』になっていて、サロンメンバーを絡めたサービスとしては理想的な状態といえます。
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▼ 表参道にある美容室のお話
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僕も利用させていただいております表参道(南青山)にある美容室『NORA』さんは、もともととっても人気の美容室ですが、くわえて、サロンメンバーさんの中で「髪を切るならNORA!」みたいな文化が生まれております。
そして、ついには、店内に『Hair Salon CHIMNEY』という個室美容室が誕生する始末。
面白い流れになっとります。
こちらもまた、基本的には一般のお客様でお店をキチンとまわしおいて、「+α(臨時ボーナス)でサロンメンバーさんからの売り上げ(※変な言い方をしてゴメン!)がある」という状態になっていて、理想的です。
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▼ 五反田にあるスナック『CANDY』の話
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東京・五反田の某所にあるスナック『CANDY』の客席には、『西野亮廣エンタメ研究所』か『スナックCANDYhttps://salon.jp/candy』のサロンメンバーさんしかいません。
なんてったって「住所非公開」なものですから、CANDYのサロンメンバーになるか、住所を知っている人に連れていってもらうしか店に辿り着く方法がないのです。
ただ、それでも店は十分回っていて、今日も元気に営業しています。
2~3軒ハシゴして酔い潰れた西野が、終着点(最終ハシゴ先)として流れてくることもあります。
今日の話はここからです。
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▼ コミュニティーの「濃度」をデザインしよう
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3月の中旬に渋谷の一等地で『CHIMNEY COFFEE』というコーヒーショップをオープンします。
コーヒーを作られているサロンメンバーさんとコラボさせてもらったコーヒーを提供し、
フィナンシェ(焼き菓子)を作られているサロンメンバーさんとコラボさせてもらったフィナンシェを提供させていただくお店です。
今後もサロンメンバーさんとコラボして追加メニューを出していきたいです。
さて。
明らかにオンラインサロンが絡んでいるコチラのお店を、僕らはどう仕掛けていくのが正しいのでしょうか?
先に挙げた3つのお店を参考に考えたいと思います。
「サロンメンバーさんが集客に絡んでいる」という点では、『たつの申し子』さんも『NORA』さんも『スナックCANDY』も同じです。
が、よくよく見ると、内容が全然違います。
内装の違いが分かりやすいと思います。
『たつの申し子』さんは店内のどこを見ても「えんとつ町感」などありません。
『NORA』さんはお店の中の一角(個室)が「えんとつ町感」100%です。
『スナックCANDY』は見渡す限り「えんとつ町」。えんとつ町じゃない部分など1ミリもありません。
それぞれのお店の、お客さんの割合を予想すると、たぶんこんな感じ。
『たつの申し子』
サロンメンバー:一般客〓1:10
『NORA』
サロンメンバー:一般客〓1:20
『CANDY』
サロンメンバー:一般客〓10:0
……あくまで予想です。くれぐれも。
これはサービス提供者全員(クリエイターも含む!)に言えることですが、「何人のお客さんを抱えていればサービスが回るか?」を把握しておくことが大切です。
地方のスナックのママがSNSをやらずに、せっせと地元との交流をとっているのは、SNSでウン百人に向けて発信するよりも、地元のお客さんを20人掴まえた方が店が安定するからです。
営業規模から考えると、ウン百人ものお客さんは要らないんですね。
CANDYはお店が小さいので、サロンメンバーさんの人口が多い地域だと、「サロンメンバーさんだけで回す」が可能ですが、
NORAさんはお店が大きいので、東京であろうと大阪であろと「サロンメンバーだけで回す」は不可能です。
要するに「コミュニティーに集客の体重をのせても許される割合が、店の広さと、立地条件で変わってくるよね」という話です。
で、ここが本当に(本当に!)大切なところですが、「濃いコミュニティーは集客にも繋がるけれど、【排除】も生んでしまう」ということを、僕たちは強く自覚しなければなりません。
「『阪神ファンが集う居酒屋』には入りにくい」みたいな感じです。
その観点から見ると、NORAさんが、お店の中に「サロンメンバーさんが利用する個室」を別で作り、一般のお客さんと分断させたのは、コミュニティーマーケティングとしてすっごく正しいと思っています。
「なんか、あのノリは嫌だよね」の人達が別部屋になっているので『排除』を生まないし、売り上げは一つにまとまっている。
『たつの申し子』の場合でいうと、店内に「えんとつ町感」を一ミリも入れていないので(ポスターとかは貼ってくれています!ありがとうございます!)、一般のお客さんが入りやすい。
向こうの席で呑んでいるグループが、サロンメンバーから、社交ダンスサークルの皆さんの打ち上げなのか、誰も分かりません。
このように、コミュニティーを絡めたサービスをする時は、店のサイズや立地条件を照らし合わせながら、『コミュニティーの濃度』をあらかじめ決めておいた方がイイと思います。
「『えんとつ町感』を50%にすると、どういうお客さんが集まって、どういうお客さんが来なくなるのか?」みたいな思考をチームの皆で共有しておいた方がいい。
それでいうと、渋谷の一等地(人通りが多い)に「えんとつ町感100%」のお店を出してしまうのは打ち手としては最悪です。
せっかく一般のお客さんが目の前を通っているのに、その人達に「入ってくるな!」と言っています。
「ならば、何故、そんな場所に店を出したんだ!」という話ですね。
NORAさんのように、店内に別枠を設けられるわけでもない『CHIMNEY COFFEE』は、店内デザインからコミュニティーの濃度をグッと押さえて……
『CHIMNEY COFFEE』
サロンメンバー:一般客〓2:8
ぐらいに持っていけたら最高だと思います。
「人通りが多い(=たくさん人を呼ばなきゃダメ)」とキチンと向き合ったデザインを徹底的に探る。
また違う地域に出店する時は、その都度、コミュニティーの濃度をキチンと話し合う。
コミュニティーを味方にするには、とっても大事な話し合いだと思います。
現場からは以上でーす。
 
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