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2021年03月18日のエンタメ研究所の過去記事

3月18日(木) ※3月20日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨夜、酔っ払って帰宅して、Suicaで家の鍵を開けようとしていたキングコング西野です。
さて。
今日は『現代の教育とお金』というテーマでお話ししたいと思います。
たぶん、とっても大切な話です。
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▼ 新しいプロジェクトが始まる裏で……
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昨日、新しいプロジェクトの打ち合わせが3本ありました。
11月8日に仕掛ける「例のアレ」と(※スケジュール空けといてね)、『旅館』と、ミュージカル『えんとつ町のプペル』です。
移動中はLINEの対応に追われました。
内容は「仕事のやりとり」もありますが、友人や先輩後輩からのSOSも少なくありません。
新型コロナウイルスの影響は方方面に出ていて、とくにエンターテイメント業界は大きな打撃を受けています。
「仕事が激減した。どうしたらいいかな?」
「○○の宣伝(集客)をしてもらえないかな?」
といったLINEが毎日5~10件ほど。
僕の稼働が求められる(西野のスケジュールが大幅に奪われる)相談には、なかなか応えられなくて、毎日申し訳ない気持ちになりますが、それでも、やれることをやらせていただいております。
ミュージカルのチームに聞けば、ブロードウェイの俳優さん達は皆、仕事を失っていて、田舎に戻られているそう。
そんな中、僕達は新しいプロジェクトを次々に立ち上げています。
このことについて、昨日、考えていたのですが……「たまたま自分達の運が良かっただけ」という部分も確かにあります。
ただ、
僕達にもコロナで止まってしまったプロジェクト(売り上げがゼロになったプロジェクト)はあって、そこに引きずられずに済んでいるのは、「止まってしまった仕事以外の仕事を持っていたから」に他なりません。
「ならば、こっちで!」と舵を切れたわけですね。
あるいは、「コロナが、集客すること(劇場にお客さんを集めて売り上げを作ること)を許さないというのであれば、プロセスを販売して、そこで採算をとろう」といった形で、『仕事』はそのまま続行して、『収入源』を引っ越しすることで乗り気っています。
それもこれも、「プロセスを売る」という選択肢を持っていたからです。
もう少し深掘りすると、「10年程かけてダイレクト課金の文化(関係性)を作っていたから」です。
この現実と向き合った僕は「お~、助かったぁ~」とは思えなくて……これまで散々、選択肢(活動予算の作り方)の重要性を訴え続けてきた上で、助かってない人がいるということは、伝え方に落ち度があったのかもしれないなぁと昨日思いました。
やっぱり、仲間やライバルが「作品の出来」ではなく、「お金」を理由にドロップアウトしていく様子は、見ていて気持ちが良いものではありません。
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▼ 現代のお金の勉強をキチンとする
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少し鼻につくようなことを言ってしまったらゴメンナサイ。
僕は、ときどき(本当に気まぐれで!)真夜中にYouTubeの生配信をしています。
そこで視聴者さんとコミュニケーションをとらせていただくのですが、以前、「クラファンの3000円のリターンで【全力で『ありがとうございます』を言います】というのを出されていましたが、あれは詐欺ですか?」という質問をいただきました。
アンチの方が面白半分で言っているのならまだしも、どうやら本当に「詐欺だ!」「ボッタクリだ!」と思っていたらしくて、支援のリテラシーの低さに愕然としました。
そこで、3000円相当の「商品」を送ってしまうことが、支援者の不満に繋がるということが理解できていないのです。
※このあたりの「支援の取り分」については、けんすうサンのサロン(https://salon.jp/alu
)で言及されていたので、興味がある方は是非!
今、
『支援』と『プロセス』と『コミュニティー』と『深さ』についての勉強を放棄した人達が、時代から首を斬られています。
しかし思うのは、これらの歴史は浅く、お手本が少ないので、「やってみないと分からない」という部分があります。
クラウドファンディングも、実際に自分が支援をしてみて初めて「リターンのオリジナルTシャツの制作なんかに支援金を使うなよ」と気づきます。
お金は使わないと、お金の使い方を学べません。
支援しないと、支援する人の気持ちは学べません。
コミュニティーに目を向けないと、コミュニティーの強さは計れませんし、「広さ」ではなくて「深さ」を取りにいってみないと「深さ」の重要性が分かりません。
プロセスもそう。
「プロセスを販売して、その売り上げを作品(商品)に充てる」ということをやってみないと、プロセスの販売方法や、プロセスを販売することの強さが分かりません。
僕も40歳になりました。
すっかり、若手を教育する側の立場です。
今の若手が“ある意味”恵まれているのは、活動予算が捻出できずに、夢を諦めざるをえなくなった人達を大量に目の当たりにしていること。
あれだけ才能に溢れた人がたった数ヵ月で廃業に追い込まれるこれこそがサービス業の現実で、クリエイターが目を背けてはいけない部分てす。
クオリティーで世界のトップを獲るなんて当たり前の話なのだから議論するまでもありません。
うちの若手連中には「守りたいものがあるのなら、お金と集客の勉強を徹底的にやれ」と伝えています。
そんなこんなで、新入社員の「セトちゃん」にオンラインサロンを始めてもらうことにしました。
やってみて見えてくるものがたくさんあると思います。
「守りきれない」という痛みを知り、自分の弱さを呪うこともあると思います。
サロンの売り上げは全額自分のプロジェクトに使うそうです。
社内に、もう一個会社ができたみたいで面白い。
かれこれ10年以上、ダイレクト課金やら、クラウドファンディングやら、オンラインサロンやら、BBQ型のビジネスやら、深さやら、プロセスについて、訴え続けてきましたが、まだまだ日本に浸透していません。
今度こそはちゃんと伝えられるよう、僕も勉強します。
現場からは以上でーす。
 
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