西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年03月21日のエンタメ研究所の過去記事

3月21日(日) ※3月23日以降は『いいね』を押さないでください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
おはようございます。
鮭明太を超える食べ物があるなら出してみろよ!
キングコング西野です。
さて。
今日は『ごめん!たぶん僕が間違ってた!前言撤回します!』というテーマでお話しします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 僕らがどんな攻め方をしているのか今一度整理してみる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
僕らがどんな攻め方をしているのか、定期的に確認してみる必要がありそうです。
新入社員(@ CHIMNEYTOWN)のセトちゃんがオンラインサロン『セトちゃんのエンタメ挑戦記』(https://salon.jp/setochan
)でも言及していましたが、現代エンターテイメントを進めるにあたって「①プロセスを販売する」という概念と、「②プロセスを販売する権利」を持っていることは、とっても強いッス。
そもそも①を持ち合わせていない表現者がほとんどで、皆、完成品(チケット)の売り上げで収益の帳尻を合わせようとするから、作品制作に充てる予算が小さくなります。
「お金の話をするなよ」と言う表現者は少なくありませんが、予算規模は作品のクオリティーと、その作品に携わるスタッフの生活に大きく関わってきます。
僕は、この問題から目を背ける表現者を「プロ」とは呼んでいません。
作品のクオリティー追求は最善を尽くすべきだし、スタッフには守らなくちゃいけない家族もいます。
次に、①を持ったところで、②を持てない人がほとんどです。
プロセスを販売する力(文章力や映像編集力)は努力で手に入れることはできますが、「プロセスを販売する権利」…もう少し具体的に言うと、「お客さんが買いたくなるようなプロセスを販売する権利」は簡単には手に入れられません。
ディズニー作品の権利はディズニーが持っているので、ディズニー作品を取り扱っている劇団四季さん(大好きです!)には、プロセスを販売する権利がありません。
ここでの問題は、(「卵が先か、鶏が先か」みたいな話になっちゃうのですが…)②を持っていないと、①を持つことが極めて難しくなるということ。
「完成品を見せることが正義」という思考に根を張ってしまうと、なかなか抜け出せません。
エンターテイメントのメジャーシーンで②を持つ為には「芸能事務所に所属していない(
芸能事務所に意見が言える)大人気タレント」をキャスティングするか、もしくは、「オリジナル作品をヒット(認知)させる」という大仕事をこなさねばなりません。
今日僕らは様々な問題をクリアして、プロセスを販売していて、これは僕らが狙いに行って形にした大きな大きな財産で、これが僕らのフィールドです。
戦の定石は「ホーム戦に持ち込むこと」で、こちらは引き続き、推し進めます。
んでもって、ここからが本題です。
━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ ごめんなさい。前言撤回します。
━━━━━━━━━━━━━━━━
「プロセスの販売」以外にも、既存のエンターテイメントの考え方と明らかに毛色の違う打ち手を僕らはとっています。
それが「ライフエンターテイメント」です。
人気キャラクターを作り、そのキャラクターが生きるファンタジー空間を『ディズニーランド』や『USJ』や『サンリオピューロランド』といった“日常から切り離した土地”に構築して、そこにお客さんを呼び込む……ではなく、
僕らは「現実とファンタジーの境界線を曖昧にして、日常生活にファンタジーを溶け込ませる」ということを仕掛けています。
もちろん、これをやるには【日常生活に溶け込む大ヒット作品】を作らなければなりません。
数年前、「テーマパークを作るのではなくて、ファンタジーが溶け込んだコンセプトシティーを作るんだよ」と言ったら、「は?」と言われたので、「ベネチアとか、京都みたいなものを、自分達で作るんだよ」と言ったら、「は?」と言われました。
そんなこんなで、ベットタウン(都心から30分の住宅街)に土地を買い、そこに美術館やら何やらを作る計画を進める中で、先日、「旅館を作る」という話をさせていただきました。
その後に「アパートを作る」という話もさせていただきました。
さっそく先日、「旅館づくり」の第一回会議がおこなわれたのですが、いい感じに話が進んだ会議後、2日晩ほど話を寝かした末に、
「…あ、やっぱ、旅館じゃないな」
と思いました。
「旅館の話を白紙にする」というわけではなく、「作る順番は旅館が先じゃない」という話です。
僕らが美術館やらを作る場所には、サロンメンバーさんが経営されているスナック『CANDY』や、居酒屋『満天』や、パン屋さんなどがあります。
彼らの活動のことを考えると、まずは、その地域の人口を増やした方がイイ(集客・売上が安定する)に決まっていて……さらには、集客が確保されると、他のお店も出しやすくなります。
※旅館だと、5〜6部屋しか作れませんが、アパートだと20部屋〜30部屋ほどいける。
コンテンツが少ないところに旅館を作るよりも、そりゃ、「お店(サービス)が健康的に回っている場所」に旅館を作った方がイイし、それより何より、そもそものコンセプトが
「ライフエンターテイメント」
です。
順番として、まずは、「そこに住む人(内需)のエンターテイメント」を追求するべきで、「そこで事業を営んでいる人の生活」を守るべきで……そう考えていくと、旅館を建てようと思っていた(広め)の土地に、先に、アパートを作った方がイイなぁと思いました。
「アパート」といっても、ただのアパートではありません。
ベネチアや京都のコンテンツ(集客装置)は「外観」です。
そのように、“アパートそのものが集客装置になっていて”、かつ、そのこと自体がアパートの住人のストレスにならないように設計しなければなりません。
バルセロナの中心部にあるアパート「カサミラ(byガウディ)」や、ある日の「同潤会アパート(表参道)」がイメージに近いですが……アパートの住人と観光客の動線を重ねてしまうのは絶対にアウトで(そんなところに住みたくない!)、そこを徹底的に配慮した設計が求められます。
先週、「旅館を作る!」「アパートを作る!」という順番で記事を書いてしまったのですが、「ごめん。先にアパートを作って、人口を増やして、地域経済を安定させますね」というのが今日のお話です。
少しでも気を抜くと、すぐに「観光地化」「テーマパーク化」に思考が寄ってしまうのですが、まず守らなければいけないのは地域の方の生活で、飾り付けは、その後でしたね。
ごめん!僕が読み誤ってました!
秒速で軌道修正します。
もしかすると「クリエイターが住むアパート」みたいな感じで「しばり」をつけた方がイイ気もしますし、つけない方がイイ気もします。
その辺りは、後から決められるので、また相談させてください。
慎重に、迅速に、臨機応変に進めてまいります。
引き続き、よろしくお願いします。
現場からは以上で〜す。
 
▼オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』入会はこちら ↓↓↓