西野亮廣のエンタメsalon

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2021年03月22日のエンタメ研究所の過去記事

3月22日(月) ※3月24日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
たった今、ヨボヨボのお爺ちゃんが駐車場の入口にあった「高さ制限2.8メートル」という表示を見て、深いタメ息を溢していたのですが、「そんなに大きな車を運転しているのかな?」と思ったキングコング西野です。
さて。
今日は「『面白い祭り』という言い訳」というテーマでお話ししたいと思います。
表で話すとドン引きされるような内容なので、サロン内だけで😁
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▼ 100年後を想う
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何度も言っていることですが、『会社』という形をとって、新入社員やインターン生を迎えるようになったのは(その分の面倒は増えますが)西野亮廣個人的には圧倒的にプラスだったと思います。
※先日、社長のヤン君が「プロジェクトごとにサロンメンバーさんからアルバイトも雇う」と言っていたので、興味がある方は目を光らせておいてください。
「社員を雇う」というのは、「御両親が必死で育ててこられた子供の人生を預かる」ということであるので、とてもとても重い仕事です。
ウチには僕よりも遥かに年下の若手社員がいて、さらに、ありがたいことにウチの会社に入ろうとするモノ好きな若手がたくさんいます。
彼らの活動を見ていて毎回思うのは「泣いても笑っても西野の方が先に死ぬ」という現実で、僕が死ぬことは(抗えないので)べつに構わないのですが、僕が死ぬことによって、彼らが取り扱う素材が無くなってしまうことだけは全力で避けなければなりません。
芸能の仕事というのは、特定の人物の影響力に依存したものが多く、その人物が死んだ時(あるいは老いた時)に、チームは一気に弱体化します。
背負っているものが、西野亮廣の人生や、西野亮廣とほぼほぼ同世代のスタッフだけの人生であれば、だいたい死ぬタイミングは同じなので、それでも構わないのですが、僕らはすでに、一回り年下のスタッフの人生を背負っています。
そう考えると、「西野が死んでも売り上げが落ちない設計」にしておかなくてはけません。
「個人の影響力」は短命です。
どこかで必ず無くなります。
これはもう分かりきっていることなので、もしも自分が死んだ(老いた)後の未来を本気で応援するというのであれば、個人の影響力があるうちに「個人の影響力」を【死なないモノ(作品・建築物・システム)】に移動させておく必要があります。
豊臣秀吉InstagramYouTubeもやっていませんが、豊臣秀吉が残した『大阪城』は、再建され、今日も雇用を生み続けています。
大阪城は、秀吉の影響力があるうちに作っておかなければ作ることができなかった代物です。
ここでのポイントは「影響力をオフライン上に保管する」という点です。
僕が愛してやまない「いかりや長介」さんは生前とても大きな影響力をお持ちでしたが、この世に残したのは映像や音楽といった『データ』(オンライン上の作品)なので、後世のインフルエンサーとの可処分時間の奪い合いにどうしても負けてしまいます。
このことを受けて、
影響力があるうちに「普遍的な作品」を作り、
影響力があるうちに「土地」を取り、
影響力があるうちに「普遍的な作品が愛でられ続ける建物」を建てようと考えたのが何を隠そう西野です。
生々しい話をすると……(株)CHIMNEY TOWNって税金をメチャクチャ払っているんです。
土地(経費にはならない)を買っているので(笑)
ただ、向こう100年~300年を考えた時に、これは必要な投資だと思っているので、未来のCHIMNEY TOWNのスタッフは、丁重に僕らのお墓参りをしてください。
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▼ 『面白い祭り』という言い訳
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前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
「出演料で食っていく」「作品の売り上げで、次回作を作る」という自転車操業では、100年後のスタッフを食わせることができないので、「影響力があるうちに、仕事が回り続ける仕組みを作らなきゃいけないよね」というのが前半戦の結論です。
自分で書いていてナンですが、ホントそのとおりで、毎日そのことばかりを考えます。
ところで……
「普遍的な作品」を作ったとして、
土地を取ったとして、
その土地に、「普遍的な作品」が愛でられ続ける建物を作ったとして……
その上で、何が起これば、このシステムが止まってしまうのでしょうか?
僕らはこの問題とも向き合わなければなりません。
時間が無いので結論を言っちゃうと、答えは「子供」です。
ものすごーく当たり前の話ですが、出生率が落ちてしまうと、すべてのサービスは立ち行かなくなるんですね。
ここで、少し話が飛びます。
歌舞伎を手掛けることになって、最近、江戸時代の風俗や日本文化についてアレやコレやと調べているのですが、「盆踊りで売っている【お面】の役割」がとっても面白いので共有しておきます。
お面の役割には「あの世から帰ってきた霊に顔を見せない為」という“信仰上の理由”があるそうです。
先祖を迎えるイベントをやっておいて「顔を隠す」というのは整合性がとれていないような気がしないでもありませんが、
「魔除け」を理由に仮装をしておきながら、「トリックorトリート!」と叫び、オバケ側になっているHALLOWEEN祭りだって、整合性はとれてません。
時代時代で都合良く解釈が変わるので、祭りはいつもカオスです。
お盆などのお祭りに「お面」が存在する理由として面白いのが、2つ目で……
「身分を隠す為」
だそうです。
これにより、ものすごーく立場のある人間が祭りに参加することができたり、
あるいは、
祭りに参加していることを友達に知られたくない人間も祭りに参加することができました。
要するに、「お祭り」や「お面」にはマッチングアプリ的な【機能価値】があって、調べると、たとえば「傘」や「マスク」など、顔を隠すことがドレスコードとなっている祭りが日本各地、世界各地にあります。
これによって『祭りの参加率』が上がるわけですが、祭りの参加率を上げるメリットって、「お金が落ちる」以外だと、考えれば考えるほど「男女の出会いを増やして、子供を増やす」しかないんですね。
結局、どの国も、どの集落も、子供が生まれなかったら終わるので、それだけは避けなきゃいけない。
『祭り』も『お面』も集落の生存戦略だったわけですね。
話を戻します。
エンタメを何十年、何百年と回し続ける為には、個人の影響力があるうちに「個人の影響力」を作品に保管し、
建物に保管し、
土地(オフライン)に保管する必要があって、
それを回し続ける為には、
その土地で子供が生まれ続ける必要があって、
その為には「出会い」を作る必要があって、
その為には『祭り』を作る必要があります。
もちろん、その先には「子育てしやすい環境」を作る必要があるわけですが、そこまで話すと長くなっちゃうので、今日は『祭り』の話です。
大切なのは、『祭り』が「街コン」として機能することで、その為には、圧倒的なエンターテイメントでないといけません。
兵庫県川西市には『源氏祭り』という、お爺さんお婆さんと子供がただダラダラと道を歩くだけのストイックな祭りがあるのですが、あのクオリティーだと「源氏祭りに行こうよ」と異性を誘えないんですね。
「なんで? 源氏を信仰してるの?」となっちゃうので(笑)
そこに「面白いから」がないと、「異性との出会い目当て」になってしまうんです。
「面白いから」こそが言い訳になって、祭りの参加率を上げる。
エンタメを回し続ける為に川西を盛り上げるには、『源氏祭り』のアップデートから手をつけないといけないんだろうなぁと思っています。
ちなみに川西にはもう一つ、『猪名川花火大会』という大きな大きな花火大会があるのですが、こちらは僕の絵本の次回作『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』で押さえています。
歴史を調べると、参考になりすぎる「集落の生き残り戦略」がたくさん出てくるので、面白いです。
河鍋暁斎という画家が描いた『はなごよみ』という春画では、鯉のぼりの中で男女が性交しています。
だいたい祭りは各地で言い訳に使われて、こんな感じで集落を守る役割を果たしています。
出生率から設計していかないと、エンタメ(サービス)で人を守り続けることはできないので、やるよ!」という話でございました。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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【追伸②】
親子で学ぶ「とっても大切なお金の話(超超超基礎編!)」のオンライン講演会を開催します。
昨夜、資料をまとめていたのですが、面白くなりそうなので是非↓
https://nishinoinc.thebase.in/items/41731695
 
 
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