西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年04月02日のエンタメ研究所の過去記事

4月2日(金) ※4月4日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「元来、エイプリルフール(の嘘が許されるの)は午前中までだよ」という嘘に毎年成功しているキングコング西野です。
さて。
今日は「成功の中に含まれている『取りこぼし分』をあぶり出そう」というテーマでお話ししたいと思います。
すべてのサービス業、すべての挑戦に関係してくる話です。
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▼ 勝負どころでキチンと勝つ
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数学チックな話になるのですが、すべての挑戦(プロジェクト)には、それぞれ「リターン」があるじゃないですか?
リターンの小さな挑戦もあれば、リターンが大きい挑戦もある。
そして、それらのリターンには「勝率」という数字が掛け算されます。
たとえば……
リターンが【20円】の挑戦が3つと、
リターンが【100円】の挑戦が1つの、
計4つの挑戦があったとします。
この時、勝率が「30%」なら、「20円+20円+20円+100円」×「0.3」なので、最終的な取り分は【48円】になります。
頑張って勝率を「50%」まで上げたら、「20円+20円+20円+100円」×「0.5」なので、最終的な取り分は【80円】。
なんとなく僕らはこんな考え方でいて、「勝率を上げよう」としますが、黒西野は、もう少し“エグく”リターンを取りにいくことを常日頃考えています。
それが、よく言っている「リターンが小さい挑戦をテストに使い、『空振りのパターン』を全て洗い出して、リターンが大きい挑戦で確実にヒットを打つ」です。
計算式はこんな感じ。
①20円×0%
②20円×0%
③20円×0%
④100円×100%
これで、4戦3敗ですが、取り分の合計は【100円】です。
トータルの勝率なんてどうでもよくて、大切なのはトータルの取り分です。
あまりにも乱暴な算数ですが、要するに「リターンが大きい時に確実に勝てるように努めた方が得をするよね」という話です。
『映画 えんとつ町のプペル』のプロモーションがまさにそれ。
あの時ばかりは一切のテストを排除して、「無料公開」や「ギフト(意味変)」など、これまでのテストであぶり出した『確実に結果が出る打ち手』しか選びませんでした。
『映画 えんとつ町のプペル』のプロモーションだけは「一か八か」の勝負を1ミリもやっていないんです。
で、今日、お話ししたいのは、「①②③で空振りして、空振りするパターンをデータにとっておいて、④でホームランを打った方が取り分が大きいのに、意外と皆、①②③で空振りすることを嫌がって、④の空振り確率を上げちゃうよね」という話です。
「何の為に小さい挑戦があると思っているんだ!小さい挑戦で空振りしなかったら、お前、どこで空振りするつもりなんだ!」と西野が吠えております。
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▼ 成功の中に含まれている『取りこぼし』をあぶり出そう
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昨日の記事(※CHIMNEY COFFEE)で、「上手くいっている時は『失敗できる余裕』があるので、その時間帯で、いろいろ試して、失敗のデータをとっておいた方がいいと思います」と書かせていただきました。
僕たちは、プロジェクトが失敗した時は「ああ、失敗しちゃったなぁ」と考えますが、プロジェクトが成功した時には「成功したけど、失敗した部分はどこだろう?」とはあまり考えません。
すぐに打ち上げに行っちゃいます🍺
ただ、その「取りこぼし分」こそが【伸びシロ】なので、プロジェクトが上手くいっている時というのは、やっぱり「取りこぼし分」をあぶり出す必要があります。
……具体例を出した方がいいですね。出します。
(株)CHIMNEY TOWNは『キンコン西野のサイン本屋さん』というオンラインショップを運営しています。
(※こちら→)https://nishino.thebase.in/
注文を受けて、サインを入れて、梱包して、郵便ポストにブチ込む……キンコン西野の朝のルーティンワークです。
もともと、いろんな商品を並べていたのですが、それらを全て棚からおろして、『サイン本』だけに特化した「サイン本専門店」にしたところ、売り上げが急激に跳ね上がり、今もなお、大きな売り上げを出し続け、(株)CHIMNEY TOWNの大きな戦力となっています。
この時、「サイン本専門店にしたら売り上げが爆発したー!やったー!」で終わらせてはダメで、「売り上げは出しているけれど、取りこぼしている部分はどこかしら?」を考えなければなりません。
黒西野は、そこで「何をすれば売り上げが下がるのか?」を試します。
そこで「空振りパターン」をあぶり出し、そのパターンを勝負ところで徹底的に選ばない。
基本的に、この繰り返しです。
売れている最中にも、「売り方」をいろいろ試してみます。
キンコン西野のサイン本屋さん』の場合だと、単体で宣伝すると売り上げが落ちて、Amazon楽天の案内をした後に、「ちなみに、サイン本の対応もやっておりまして…」と言って『キンコン西野サイン本屋さん』の宣伝を“二つ目”に入れると売り上げが伸びます。
お客さんの中で、「本を買うか否か?」から「サイン本にするか否か?」になるのだと思います。
そして、「どうせ買うのならサイン本で」となる。
あるいは、『ドア イン ザ フェイス』が働いているのもあるでしょう。
※【ドア イン ザ フェイス】=最初に相手が断るであろう大きな頼みごとをして、相手に罪悪感を抱かせることにより、小さな頼みごとを相手に受け入れてもらうという、人間の心理を巧みに操った交渉のためのテクニック
僕がVoicyの冒頭で、絵本のサイン本の宣伝をする際、必ず、その前にAmazon楽天の宣伝をしているのは、そういうことです。
「サイン本専門店にした瞬間に売り上げが爆発したー!やったー!」で終わっていたら、ここには辿りつけなくて、売れている時に「何をすれば売れなくなるのだろう?」という疑問を持ち、「取りこぼし分」をあぶり出すことがすっごく重要だと思います。
参考にしてみてください。
今回の話などは『メニュー表』を作る時などに、結構、活きてくると思います。
「竹コースを売りたけりゃを『松竹梅』を出せ」みたいな話です。
だいたい皆、真ん中を選ぶので。
自分の夢や、スタッフや、家族を守りたければ、マグレに賭けちゃダメで、データの鬼になった方がいいと思います。
そして……
「数字なんていつでも稼げる」という身体(担保)を作った上で、数字を無視して「面白さ」に走れると最高ですね。
今日は「成功の中に含まれている『取りこぼし分』をあぶり出そう」というテーマでお話しさせていただきました。
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宜しくお願い致します。
現場からは以上でーーす!
【追伸】
そろそろ公開終了するということなので、明日(土曜日)、ユナイテッド・シネマ(アクアシティお台場)で『映画 えんとつ町のプペル』を観ます。
感染症対策で、握手をしたり、写真を撮ったり、お喋りをしたりすることはできませんが、目が合ったら全力で会釈させていただきます。
お時間あれば是非!
 
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