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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年04月08日のエンタメ研究所の過去記事

4月8日(木) ※4月10日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
品川さんの映画の試写会に行ったら、吉本興業の人達がたくさんいて(そりゃそうか)、皆さんから散々イジられた挙句……結果、副社長とツーショット写真を撮ることになったキングコング西野です。
さて。
今日は『いや、その、ハッタリじゃなくて…』というテーマでお話ししたいと思います。
実は、今日は、あまり話したくない内容なのですが、話しておく必要がありそうなので、話します。
お付き合いください。
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▼勝ちたい時に勝てるように実験を繰り返している
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オンラインサロンに入っていない人達の中には、「意味変」や「プロセスを販売する」という選択肢が無い人がたくさんいます。
自分のサービスが「レストラン型」か「ベーベキュー型」か、その整理がついていない人も少なくない。
2〜3年前。
美術館建設の為に銀行からお金を借りようとした時に、事業計画を訊かれ、「美術館ができるまでのプロセスを販売して、美術館完成までに、ある程度は回収しようと思います」と説明したところ…
【銀行】
「いや、そうじゃなくて、収益化のスタートが知りたいんです。美術館のオープンはいつですか?」
【西野】
「オープンはまだまだ先ですが、収益化はもうスタートしています」
【銀行】
「いや、そうじゃなくて、美術館のチケット代と、来場者の見込み数を知りたいのですが…」
【西野】
「チケットの値段はまだ決めていないですが…現在、確定しているところでいうと、月額1000円×オンラインサロン会員数です」
【銀行】
「すみません。オンラインサロンって何ですか?」
…といった調子で会話になりませんでした。
世間は、「完成品を売る」は理解できても、「完成するまでのプロセスを売る」がイマイチ、イメージできない。
「そんなものは売り物にならない」と思っているし、「売っちゃダメだろ」とも思っている。
サロンメンバーさんからすると「『プロセスを販売する』って、そんなに理解に苦しむことだっけ?」かもしれませんが、僕らは、それこそが世間(のスピード)だということを理解しなければなりません。
そして、
それは決してバカにするようなことではありません。
ただ、
サービスを提供していく上で、サービス提供者の中に「プロセスを売る」という発想(選択肢)が無いのは、かなり致命的です。
キャシュポイント(収益化できる場所)が絞られてしまいますし、なにより、「プロセスの販売で既に収益化が済んでしまっている完成品」に、圧倒的なクオリティーの差(制作費の差)をつけられてしまう。
「選択肢をたくさん持っておく」こそが、変化の時代の最強の生存戦略で、「この場合は、コレ!」「この条件だと、コレ!」といった感じで臨機応変にサクサクッとカードを切れる状態にしておく必要があります。
その為に、日々、実験を繰り返して「選択肢」を開発し、このサロンで共有させていただいています。
そして、勝たなきゃいけない場面で、キチンと勝ちきる。
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▼ いや、あの……普通に勝てますが……
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「その気になればいつでも勝てますが、トータルで見た時に、ここで実験を捨てて、勝つことには何の意味もありません」という話をよくするのですが、そんな話をすると、「またまたぁ~、天才ぶっちゃってぇ〜(笑)」というリアクションをされることがあります。
「いや…天才ぶっているわけじゃなくて、本当に普通に勝てるんだけど…」
というのが僕の本音です。
先日、とあるインタビューの合間に「西野さんは若手スタッフに仕事を丸投げしていますが、たとえば、西野さんが渋谷のカフェ(CHIMNEY COFFEE)を担当したら、どれぐらいの売り上げを作れますか?」と質問されて、
「あれはメチャクチャ簡単なゲームなので、僕がやったら、今の15倍〜20倍の売り上げを作れます。でも、それをやったら後輩の為にならないので、やりませんが」
とお返事したところ、「またまたぁ〜(笑)」というリアクションが返ってきました。
……どうやら、ビッグマウス(ハッタリ)だと思われているようです。
なるほど。
僕の友達や、近しいスタッフさんは別として、キンコン西野が言う「【実験】や【後輩の成長】の方が価値があるのでやりませんが…勝とうと思えば、いつでも勝てますよ」という発言は、世間的にはビッグマウスとして捉えられていて、もしかすると、サロンメンバーさんの中にも、そう考えている人がいるかもしれません。
そう考えてしまっているサロンメンバーさんに、「CHIMNEYCOFFEEは後輩の成長の為に口を挟みません」と言ったところで、「打ち手を思いついてないだけじゃないの?」という疑問を持たれてしまって終わりです。
なので、ちょっと気持ちは乗りませんが「CHIMNEY COFFEEは、こうすれば上手くいくよ」という打ち手を一つだけ紹介しておきます。
今日の記事のコメントは「すみませんでした。天才なんですね」で大丈夫です。
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▼コーヒーショップの意味変
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結論から言っちゃうと、「えんとつ町のプペル×渋谷のコーヒーショップ」は超イージーゲームです。
普段、僕がサロンで言っていることを、そのまま実践すると100%勝てます。
整理しましょう。
CHIMNEY COFFEEの場合だと「家賃や人件費を、利益率の低いコーヒーで回収しなきゃいけない」という問題を抱えています。
ここで、コーヒーの値段を50円上げたところで「焼け石に水」です(※気軽に入れなくなるので、むしろ売り上げは下がる)。
この場合は、「えんとつ町のプペル」というブランドと、僕がサロンでよく言っている「VIP(富裕層)を狙う」と「意味編」を使います。
えんとつ町のプペル」というブランドを使う場合の注意点は、「えんとつ町のプペル」を前面に出しすぎてしまうことです。
そうすると、えんとつ町のプペルファン以外が店に入れなくなる。
秋葉原でよく見られる(アニメの)コンセプトカフェのような感じです。
CHIMNEY COOFFEEは、その方向ではありません。
 ファンの方に楽しんでいただくのは勿論、ファンではない方にも「なんか、いい感じの店だなぁ」と愛されなければなりません。
となると、「ブランドを押し出す」といっても、絵本や映画のイラストを使うのは御法度。
そこで…………
鉛筆で描いた「(架空の)実写版のルビッチ」のイラストを店の壁紙にしてみましょう。
そして、その壁紙の「データ」をオンラインショップで「1万5000円」で販売する。
データが出回ってしまってはいけないので、注文は必ず「リフォーム会社(壁紙張り替えの施工会社)」から受けることにして、原則として壁紙は【一般住宅のみ】での利用とする。
店舗の壁紙に使うのは禁止。
CHIMNEY COFFEEを2店舗目、3店舗目……と展開していく度に、その店オリジナルの「(架空の)実写版のルビッチ」のイラスト」を壁紙にして、壁紙のオンラインショップ『えんとつ町の壁紙屋さん(仮)』の在庫を増やしていく。
要するに、CHIMNEYCOFFEEを「壁紙のショールーム」に【意味変】しちゃうわけですね。
これだと、データなので在庫リスクを抱えることはなく、売り上げに関してはプラスしかありません。
壁紙が1日に1枚売れるだけで渋谷の家賃は相殺できます。
ちなみに、この記事の最後に、壁紙の販売リンクを貼っておけば、今日だけで50〜100枚ぐらいは売れたでしょう。
「×1万5000円」で計算してみてください。
このような打ち手は、これまでの実験結果の転用でしかないので、10秒〜20秒もあれば割り出せます。
これが「強さ」です。
これで救える夢や命があります。
実験を繰り返して、選択肢を持っておくことの大切さが少しは伝ったかと。
後輩の失敗経験を奪ってしまったことに負い目を感じつつも、参考にしていただけると嬉しいです。
現場からは以上で〜す。
 
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