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2021年04月15日のエンタメ研究所の過去記事

4月15日(木) ※4月17日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
アトリエで過ごす時間を少しでも楽しくしたくて、「オナラをこいたら、オシリが飛び上がる」を3~4回やった後に、虚しくなって死にたくなったキングコング西野こと「40歳」です。
さて。
今日は『無形の価値の創出』というテーマでお話ししたいと思います。
これは、全企業、全スタッフが持っておかなくちゃいけない考えだと思うので、会社経営者の方は(株式会社CHIMNEYTOWNのスタッフにはナイショで)この文章を社員さんにコピペで共有してください。
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▼ 価値を創造する
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昨日のイベント(@コンテンツ東京)で鈴木おさむサンが話されていた内容が面白かったので共有させていただきます。
大泉洋は東京でレギュラー番組を持たない」という話です。
言われてみれば、レギュラー番組のオファーなんて山ほどありそうなのに、大泉洋さんは東京(全国ネット)でレギュラー番組を持っていません。
もちろん「スケジュール」の問題もあると思います。
ただ、おさむさん曰く「なかなかテレビで見かけないから、『大泉洋がテレビに出る』に価値が発生していて、番組制作サイドとしても『映画の宣伝を兼ねていても結構ですのでウチの番組に出てください』となる。結果、映画が盛り上がる」と。
たしかに、「バラエティー番組で毎日見かける役者さん」だと、「おたくの番組に出演するかわりに、映画の宣伝させてね」という交換条件は出せません。
「いやいや、あんた、普段からウチの番組に出てくださっているじゃありませんか」となっちゃうので。
「普段からテレビに出ていないからテレビで映画の宣伝ができる役者」と、
「普段からテレビに出ているからテレビで映画の宣伝ができない役者」…
役者として(映画としては)はどっちの方がプラス?という話ですね。
「バラエティーが苦手な役者さん」とは違って、大泉洋さんの場合は、バラエティータレントとしてのスキルも大いにあるのに、〝役者としての価値を最大化する為に〟露出を抑えている。
三谷幸喜さんも同じようにな「価値」の作り方をされていますね。
いやはや、勉強になります。
そんなこんなで、今日は「価値」についてのお話です。
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▼ 「ちょっと待って!それは捨てちゃダメ!
それ、完成品より高く売れるから!」
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よく、日本企業(日本人)は「製品のクオリティーの力(有形の価値)を信じすぎている」と言われます。
悪く言うと、「ストーリーを作って、ブランド(無形の価値)にしていくのが下手だよね」です。
これは日本人の武器である「品質が高い製品を生み出すことができる能力」の弊害かもしれません。
「より良いものを、より安く、大量に」を繰り返した結果、僕らは「価値を付けて売る」という考えをどこかに置き忘れてきてしまったのかもしれません。
おかげで、価値を作るのが苦手で、価値を見つけるのも苦手です。
ただ、
人口も減ってきて、
海外企業に好きなだけ攻め込まれて、
くわえて新型コロナウイルスでお客さんも減っている今、
もう「苦手だから」で済ませられません。
手帳を販売する会社は、「これまで850円で売っていた『手帳』を、どうすれば2000円で買ってもらえるだろう?」を真剣に考えなければなりません。
あるいは、「手帳が完成するまでの間のプロセスで、実は販売できるものがあるのではないか?」を考えなければなりません。
考え方としては、YouTubeの『THE FIRST TAKE』のような。
あれは、「歌の完成度」でなはく、これまで捨てられていた「歌手の緊張感」や「加工しないことによって浮き彫りになる才能」に価値を見出して成功したパターンです。
「歌手の緊張感」「加工しないことによって浮き彫りになる才能」という【無形の価値】を収益化したわけですね。
『スナック西野』もそう。
結局、一番面白い話(最先端の話)は、ビジネス書でも、オンラインサロンでもなく、業界のトップを走る友達との飲みの席で繰り広げられていて、視聴者(再生回数)を無視することによって、それを視聴者に届けることができている。
月額590円の「友達とのただの飲み会」の年間の売上はバカにできません。
高品質の製品を売っているだけではダメで、僕らは【無形の価値の創造】や、【無形の価値の掘り起こし】をもっともっと向き合っていかなくちゃいけません。
▼たとえば…
一昨日、市川海老蔵さんとやる歌舞伎版の『えんとつ町のプペル』の「初稿」が書き上がりました。
「初稿」なので、当然、ここから内容が変わっていきます。
世に出るまでに削られる台詞や、削られるシーンがたくさんあります。
「世に出るまで」ところか、「役者さんに渡るまで」に。
当然、完成品よりも完成度は低いですが、完成品よりも【価値】は高いです。
完成品は残り続けますが、初稿は消えてしまうので。
 「『えんとつ町のプペル』の歌舞伎版の台本の初稿」であり、「市川海老蔵×西野亮廣の初仕事」です。
たぶん、「初稿」の台本を【2021部限定】で刷って、1万円で販売したら、「欲しい!」という人がいると思うんです。
下手すりゃ完売するかもしれません。
そうすると、公演前に、チケット売上とは別で2000万円の売上(制作費)を作ることができて、作品のクオリティーを上げることができます。
それもこれも、「世に出回らない『初稿』の方が価値が高いよね」という【無形の価値の掘り起こし】です。
長く一つの仕事に就いていると、どんどん見えなくなりますが、
「自分たち(作り手側)が価値を感じていないモノでも、お客さんにとっては大きな価値を持っているモノ」が僕らの仕事の中にはきっとあるので、一度、それを掘り起こす(探す)時間を設けてみるのもいいかもしれません。
「ブランド化」「無形の価値の創出」は、これからの企業に求められているお仕事です。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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現場からは以上でーす。
 
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