西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年04月19日のエンタメ研究所の過去記事

4月19日(月) ※4月21日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
雰囲気を出すためにアトリエには『手動の鉛筆削り』を置いてますが、絶対に『電動の鉛筆削り』の方がイイと思っているキングコング西野です。
さて。
今日は「上手な売り込み」の話をしたいと思います。
これからの時代は、「誰と組むか?」「誰にあやかるか?」がとっても重要で、その際、「自分を売り込む技術」が大きく明暗を分けることになると思うので、今日は、そんな話を。
たぶん、リアルに仕事に活かせる話です。
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▼ 筋の悪いテイカ
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「テイカーになるな」という話って、よくあるじゃないですか?
たしかに、海のものとも山のものともつかない人から、突然「今度、ライブをやるので来てくださ〜い」と押し売りされても、ちょっと困っちゃいますよね。
なんなら、嫌悪感すら抱いちゃう。
ちなみに、『西野亮廣エンタメ研究所』のタイムラインには、僕が「承認」さえすれば誰でも記事が投稿できるのですが……時々、宣伝だらけの記事を投稿しようとするメンバーさんがいらっしゃるんですね。
もちろん、そういった記事は「承認」しませんが、イジワルで「承認」してないわけではなくて、そこで「承認」してしまうと、そのメンバーさんが「数万人の見込み客を逃してしまうから」です。
数万人から嫌悪感を抱かれてしまうからです。
「数万人に宣伝できるチャンス」ではあるのですが、やり方を間違ってしまうと、反対に作用してしまう
そんなこともあって、僕もよく「テイカーになっちゃダメだよ」と言ったりしているのですが、厳密に言うと、「テイクがダメ」なのではなくて、「筋が悪いテイクがダメ」なんだと思います。
そこで、「どうせ、売り込むなら、上手に売り込んだがいいよね」という話をさせていただきます。
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▼ 上手なテイカ
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僕は時々「コラボ」のオファーをいただくことがあるのですが、内容を見ると、あまりコチラに「メリット」がないことが多かったりします。
一応、僕の時間はすでに埋まっていて、新しく何か始めるには、すでに手をつけている何かの時間を犠牲にしなくちゃいけないので、セコイ話で恐縮ですが、「メリット」がないと動けません。
ここでいう「メリット」は、お金や仕事の規模とかそういうことだけじゃなくて、「ただただ面白そうだから」も含まれています。
僕はYouTuberとして活動していくつもりも、メディアにたくさん露出したい人間でもないので、僕がYouTubeの『堤下食堂』に出てもあまり得はありません。
むしろ、作品の宣伝としてメディアに露出する際のバリューを考えると、「作品の宣伝が絡んでいない露出」というのは厳密にいうとマイナスです。…が、もろもろ差っ引いても、「なんだか面白そうだから」が勝っているので出ています。
その瞬間が面白ければ僕はそれでいいので、たとえ、そこで撮影されたものが放送されなかったとしても何も問題ありません。
これらは、堤下君との関係や、堤下君が「面白い」を提供してくれるから成立しています。
一方、僕の方からお力をお借りすること(コラボの依頼を出すこと)もあります。
その時は逆に「相手の取り分」を考えます。
たとえば『スナック西野』。
『スナック西野』に出ていただくゲストの方には「謝礼」として、10万円をお支払いしているのですが、業界のトップランナーの時間を10万円で買えるわけがないことは重々承知しています。
なので、僕は、「西野と1対1で話せる」が相手の取り分(ギャラ)になる僕でいなければなりません。
これがないと、相手の時間や影響力を搾取することになってしまうわけですね。
基本的には、この「相手の取り分をデザインする能力」こそがビジネスの偏差値で、そこは常に考え続けなきゃいけないと思います。
「西野のオンラインサロンのタイムラインに記事を投稿することによって、西野やサロンメンバーにどういったメリットをあたえることができるのか?」が考え抜かれた記事を僕が「承認」しないわけがなくて、その時、筋が良いテイカーになれる。
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▼ 組みたい相手の会議室を想像する
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「上手な売り込み方」については、実例を交えて話した方が良さそうです。
それも、他人の話ではなくて、自分の話で。
西野家の玄関でお馴染みの「ルビッチの鉛筆画」はサロンメンバーの望月さんによるお仕事です。
望月さんのイラストがあまりにも素敵だったので、幻冬舎の袖山さんにお願いして、絵本『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』の印刷を始める寸前に、スタッフクレジットページに望月さんのイラストと名前を入れさせていただきました。
望月さんには僅かではありますが会社から追加で謝礼をお支払いさせていただきましたが(これからお支払いするのかな?)、それより何より、望月さんの名前が広がって、望月さんの次の仕事に繋がると、それが一番いい。
僕も、また「鉛筆画」が欲しくなった時は、望月さんに依頼します。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の振り付けは、同じくサロンメンバーで、振付師&ジャズダンス講師のS H O JI Nさんにお願いしました。
昨日、直接、ご挨拶させていただいたのですが、今回のミュージカルは勿論のこと、これからも色々とお願いさせていただこうと思っています。
さて。
現在、こうしてお仕事でご一緒させていただいている望月さんや、S H O JI Nさんとは、どこで繋がったのでしょうか?
実は、コラボの依頼をいただいたわけではないんです。
望月さんが、“誰から頼まれるわけでもなく”勝手にものすごいクオリティーの『ルビッチの鉛筆画』をネットにアップしていたんです。
S H O J I N さんが、“誰から頼まれるわけでもなく”勝手にものすごいクオリティーの『えんとつ町のプペルのダンスM V』をYouTubeにアップしていたんです。
そういった「頼まれたわけでもないのに(ほぼ自己満足で)勝手に作られたものすごいクオリティーの作品」って、スタッフの誰かが見つけて「ちょっと、これ、観てください!」と必ず回ってくるんです。
場合によっては、会議室で共有することもあります。
いやらしい話ですが、そういった確かなクオリティーのものは明らかに「宣伝素材」として使えるので、「公式Twitterでシェアしましょう」といった話になるんです。
ポイントは、「望月さんや、S H O J I Nさんが勝手にプペルをやっていなかったら、僕らは望月さんやS O J I Nさんとは出会えなかった」という点です。
望月さんやS H O J I Nさんにそういった下心があったかどうか?はこの際どうでもよくて、僕らはこの「結果」から学んだ方がいい。
自分に確かな実力(才能)があって、Aさんと繋がりたいのであれば、その才能を使って(頼まれてもいないのに)Aさんの宣伝となるような仕事をするのがイイと思います。
その仕事が素晴らしいものであれば、Aさんのチーム内で必ず共有され、場合によってはシェアされる。
そして、Aさんのチーム内で「この人にお願いしようよ!」となる。
そこには、リアルな話、「これだけ作品(サービス)のことを愛してくれているんだから」という理由があったりします。
こういった感じで、組みたい相手のL I N Eグループや、会議室のやりとりを想像すると(=「どうすればL I N Eグループで話題に上がるか?」を想像すると)、上手に自分を売り込めると思います。
参考にしてみてください。
現場からは以上で〜す。
 
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