西野亮廣のエンタメsalon

西野亮廣エンタメ研究所の過去記事を中心にアップしてます

2021年05月03日のエンタメ研究所の過去記事

5月3日(月) ※5月5日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「金太郎って、知名度のわりに、全然ファンがいないよなぁ……」と嘆いているキングコング西野です。
さて。
今日は『集客装置を理解する』というテーマでお話ししたいと思います。
昨日の記事では「マーケティングなんてくだらねえぜ」とも取れる内容を書いておきながら、今日はゴッリゴリのマーケティングの話です(Suppoted by 黒西野)。
思うように集客できない人は勿論のこと、
「集客できているけど…」という人にも届けたい内容です。
「無意識にできていること」を言語化(把握)することで、伸ばせる寿命があると思うので、
なんとなく耳を傾けていただけると幸いです。
前半は過去にお話ししたことの“おさらい”で、後半は「あれには、そういう下心があったのか!」です。
それでは、どうぞ!
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▼ その集客は何に紐づいているのか?
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『天才万博』(※年末恒例の音楽フェス)
西野亮廣エンタメ研究所』
『CHIMNEY COFFEE』(※渋谷で展開しているコーヒーショップ)
『毎週キングコング
『スナック CANDY』
『オンライン講演会』
『オンライン勉強会』
……日頃、僕らは様々なエンタメ&サービスをご提供させていただいていますが(この他にもまだまだあります)、今あげた8つのコンテンツを「ある基準」で仕分けると、こうなります。
↓↓↓
【Aグループ】
西野亮廣エンタメ研究所』
『毎週キングコング
『オンライン講演会』
【Bグループ】
『天才万博』
『CHIMNEY COFFEE』
『スナック CANDY』
『オンライン勉強会』
メチャクチャ勘の良い方は、この時点でお気づきかもしれませんが、【Aグループ】と【B グループ】は……「集客装置」が全然違うんです。
「映画」も「文章」も「音楽」も「コーヒー」も…結果的に売っているものは「商品」であることには違いないのですが、集客装置が全然違っていて……
【Aグループ】の集客装置は「商品」で、
【Bグループ】の集客装置は「店」です。
「商品」でお客さんを呼んでいるか、
「店」でお客さんを呼んでいるか。
あるいは、
「プレイヤー」でお客さんを呼んでいるか、「スタジアム」でお客さんを呼んでいるか。
…世にある全てのエンタメ&サービスはこの二つに分類されます。されるんです!
僕ら(サービス提供者)は、この二つの性格を徹底的に理解しておかなければなりません。
「どちらの方ががイイ」という話ではありません。
「キチンと理解した上で使おうね」という話です。
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▼ 『商品集客』『店集客』の、良いところと、ツライところ
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「商品で集客する」際のメリット・デメリットはそれぞれ何でしょうか?
たとえば、音楽フェスでいうところ「商品」は、「出演者」になります。
まだ何者でもないYOUが今年から『どすこいフェスティバル』を立ち上げることになったとして、
奇跡的にKing Gnuをブッキングすることに成功したとして、
King Gnuが出ます!」という宣伝が打ち出せたら、客席を埋めるは比較的ラクだと思います。
ただ、
それだと「King Gnuのファンが客席を埋めた」というだけで、翌年、King Gnuがブッキングできなければ、『どすこいフェステイバル』の客席は埋まりません。
ここから読み取れるのは、「商品での集客」は、「瞬発力はあるけど、持久力はない」です。
一方……
毎年年末に5日間ブッ通しで開催している『天才万博』は、同じ音楽フェスではあるものの、『どすこいフェスティバル』とは全く性格が違います。
『天才万博』は、とにかくセットから作り込んで(※「えんとつ町で開催されている音楽フェス」という設定)、世界観を作り込んで、場所にファンをつけて、「商品」ではなく「店」で集客をしています。
したがって、『天才万博』に来られるお客さんは、その日、誰が出演するかをよく分かっていません(笑)。
運営サイドも見事にズボラで、チケットが完売した後に出演者を発表したりします(笑)
お客さんの中では店(天才万博)に行くことが目的となっているので、誰が出ようが構わないんですね。 
なので、『天才万博』のアーティストは、知名度・集客力を度外視で、「必ず盛り上げてくれる人(天才)」を軸にブッキングさせていただいております。
そうすることで、『天才万博』は「天才万博に出演する人だったら、たとえ知らない人でも、素敵な人に違いない」という信用を毎年積み重ねることができて、おかげで、チケットが売れるスピードは毎年上がっています。
弱点(デメリット)は、「そのゾーンに辿り着くまでに時間がかかること」。
「店で集客する」は(店の信用を積み重ねないと行けないので)、集客に瞬発力がないんですね。
初年度の『天才万博』は集客にかなり苦戦しているんです。
チケットを売るのに、丸一年を要しました。
同じ理由で、『サーカス! ~世界で一番楽しい学校~』も初年度は集客にかなり苦戦しました。
その様子を見て、吉本興業からはイベント打ち切りのお達しが出たのですが、
「どこを見てたんだ!どう考えてもモノになるコンテンツだろ!」
と西野が怒鳴り散らし、
「第二回以降赤字になるのなら、赤字分は全額僕が自腹で出すから、終わらせない!」
と言って、第二回を強行し、ありがたいことに第二回以降はチケットが即完。
今年の11月には、ついに日本武道館で開催します。
「二つの性格を知っておいた方がイイ」というのは、まさにここで、『サーカス』の例が超絶分かりやすいのですが、「店で集客しているコンテンツ」に対して、瞬発力(その日の売り上げ)を求めてしまうと、大きな魚を逃すことになります。
そして、もう一つ。
「商品」で集客している以上は、どこまでいっても【自転車操業】だということを僕たちは胸に深く刻んでおかなくてはなりません。
その商品が流行らなくなったり、
その商品を扱えなくなった瞬間に、店は潰れてしまいます。
僕はエンタメ&サーボスを提供している後輩に、「どっちで集客するかを決めろ」と言います。
その心は「性格を分かっておけ」です。
「商品で集客するのはイイけれど、長くは持たないぞ。次の手を考えているか?」
「店で集客するのはイイけれど、すぐには結果が出ないぞ。持ち堪えられるだけの体力を残しているか?」
です。
ここまで話すと、なんとなく「店」で集客しといた方が良さそうな気がするのですが……でも……いきなり「店」で集客するのって、なんか難しくないですか?
今日の記事の最後は、そんな話です。
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▼ 実はシレッ〜とシフトチェンジしたんだよ
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去年から(コロナちゃんが来てから)、僕が西野主催の『オンライン講演会(有料)』をチョコチョコとやっていたのってご存知ですか?
これまで3回おこなって、全回「1万人以上」を動員している実は【オバケコンテンツ】です。
僕を含めて、運営スタッフは2〜3人。
「スタッフ2〜3人で、満員御礼の日本武道館のイベントを3回転している」と考えたら、そのインパクトの大きさが少し伝わるかもしれません。
2~3人で合計3万5000人を捌きました。
これは「西野亮廣」という「商品」で集客しているわけですが、どっこい、商品で集客しているイベントなんぞ20年続きません。
そこで、実は…今回から「オンライン講演会」から「オンライン勉強会」にシレ〜っと変えて、西野亮廣は生徒側(お客さん側)にまわっているんです。
チケットは今日の時点で【9500枚】が売れていて、たぶん、最終的には【1万3000枚】ほどがハケると思います。  
過去に「オンライン講演会」に参加して下さった方が「前回、面白かったから」という理由で今回も参加してくださっていると思うのですが……今回、壇上に上がるのは「西野亮廣」ではなく、「知名度と集約力はないけれど、実力も才能もある高瀬さん」です。
1万人以上のお客さんが「高瀬さん」を見ることになります。
つまり、ジワジワと「店」で集客する方向に持っていっています。
おそらく、これを3回ぐらいやれば『オンライン勉強会』は「オンライン勉強会は本物が見れる」という信用が貯まるので、西野(商品)の割合をどんどん削っていくことができます。
「最初は【商品】で集客して、ジワジワと【店】にファンをつける」という展開ですね。
職種は違えど、この流れは、多くのサービスに求められていると思います。
「店」にファンができると強いので(それこそブランド!)、参考にしてみてください。
現場からは以上で〜す。
 
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