2021年05月06日のエンタメ研究所の過去記事
5月6日(木) ※5月8日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
基本、どこの国に行っても、バナナと中華料理は美味しいことを知っているキングコング西野です。
さて。
少しエグい話になりますが、ビジネスを進めていく上で(たぶん結構)大切なことだと思うので、ご自身の活動に置き換えながら、読んで見てください。
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▼ 目の前の餌を食べちゃう問題
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【けんすうさんのサロン、面白いよ↓】
「クラウドファンディングなんて信者ビジネスでしょ」
「TikTokを面白がれる人間は浅い」
とか言っておいたら、自分と同じように時代についていけていない人から「そうだそうだ!」「よく言った!」と賛同してもらえて、『いいね』がもらえるんですね。
似たような話ですが、「意見」ではなくて、「人」を否定してしまうのも、危ないなぁと思っています。
Aさん(人)を否定すると、自分と同じようにAさんを嫌っている仲間をてっとり早く集められちゃうのですが、Aさんが正しい意見を言っている場合もあるし、Aさんのやり方が主流になる場合がある。
しかし、時すでに遅し。
「Aさん=間違っている」というスタンスをとってしまった以上、Aさんの意見が正しかろうが、Aさんのやり方が主流になろうが、今さら賛同できなくて、集めた仲間もろとも沈没してしまう。
これもまた「目先の利益」に飛びついた結果です。
ここからメチャクチャ黒い話をしていいですか(笑)?
僕、よく「YouTubeの再生回数なんて、どうだっていい」とか言うじゃないですか?
なんか、どれだけ言っても「強がり」として捉えられちゃうのですが(※多くの人が再生回数信者だから)、「本当にどうだっていい」ということを『算数』で説明します。
YouTubeの1再生あたりの単価(広告単価)は、プレイヤーや時期によって異なります。
YouTubeは「広告1表示あたりの単価」を公表することを禁止しているのですが、ネットに出回っている数字だと、広告1表示あたり「0.1円〜0.4円」となっています。
となると、10万回再生で入るお金は「4万円」です。
ここから少し会社経営的な考えになるのですが…
そのチャンネルを4人で回していたとしたら、売り上げを分け分けすることになるので、スタッフ一人に入るお金は10万回再生で「1万円」です。
1万円を稼ぐのに、10万人(10万回)に観てもらわなきゃいけないわけですが、これ、結構ハードなゲームだと思いません?
スタッフ4人で毎日動画を公開して、毎日コンスタントに10万回再生を獲得して、月収は「30万円」。
しかも、次から次へとYouTubeに参戦してくる新人YouTuberは、ほぼ全員が「再生回数信仰」だから、視聴者数(再生回数)の奪い合いは加速するばかり。
もちろん例外はありますが、YouTubeの構造上、1チャンネルあたりの視聴者数(再生回数)は減っていく運命にあります。
たぶん、ここで状況整理&改善した方がいいと思うんです。
僕だったら、こんな感じにします↓
②
経費がかかる(スタッフを雇うモデル)
↓
経費がかからない(スナッフを雇わないモデル)
③
広告収入(視聴者数の獲得)
↓
ダイレクト課金(有料会員の獲得)
先にお断りしておきますが、僕のYouTubeの売り上げは、僕は1円も受け取らず、会社として全額エンタメ投資や支援に回しています。
エンタメや支援の活動費を獲得することが僕のYouTubeの目的なので……となってくると、「働いている感に酔わず、なるべく西野の時間をかけずに、なるべく人件費をかけずに、利益を最大化する」がゴールになります。
具体的にいうと、「最小スタッフでまわす(月に2度配信の)『スナック西野(月額590円)』の会員を、最小コストで獲得する」です。
ターゲットは「忙しい大人(お金はあるけど、時間がない人)」です。
「有料チャンネルの会員数を増やす」をゴールにすると、『動画』はあまり相性が良くないんです。
毎日更新される『動画』なんて、もっての他。
忙しい大人には、動画を観る時間がないからです。
忙しい大人が空いている場所は「耳」です。
僕の基本スタンスとしては、YouTubeには月に2日しか割きません(しかも友達との呑み会の垂れ流し)。
皆が揃いも揃って「再生回数」を追いかけるので、ここの市場って、誰も入ってこないんです。
で、生々しい話をすると、今、人気のYouTuberさんが有料チェンネルを始めるのって、(無理じゃないけど)結構難しいと思っています。
サブチャンネルで裏側を(無料で)見せてしまっているから。
今さら「今後はサブチャンネルを有料にします」とは言えない。
そこでチャンネル登録者数が激減してしまうことに耐えられるメンタルを持ち合わせている人は、なかなかいないと思います。
あらためて、僕は(僕は!ここ大事!)、再生回数なんてどうだっていいんです。
激減しても構わない。
子供に見られなくても構いません。
僕の活動にとって大切なのは『メンバーシップ会員の数』で、そして、『メンバーシップ会員を獲得する為に、なるべくコストを割かないこと』です。
くれぐれもこの話は「YouTuber批判」ではありません。
「自分の能力と目的に対して、そのアプローチは本当に正しいのか?」という話です。
なんだか、メチャクチャ黒い話をしていますが、
「自分の時間を割くべき場所」と、
「割くべき時間」と、
「ビジネスモデル」と、
「誰からお金をいただくか?」は、全てのサービス提供者が疑い続けるべきだと思います。
「朝から晩まで働いた」という安心感で、潰してしまっている可能性がたくさんあるので。
もしかすると、『勤勉』を美徳とする日本人が一番苦手な分野かもしれませんね。
僕がYouTubeのチャンネル運営で決めていることは以下の3つ。
「YouTubeには月に2日(合計4時間)しか割かない」
「その上で年間の利益を1億円作る」
「そのお金を全額、被災地やスラム街の支援や、子供達に無料(どこよりも低価格)でエンタメを届けることに回す」
です。
表で話すと、途中を切り取られて、完全に嫌われるので、絶対にナイショだよ。