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2021年05月10日のエンタメ研究所の過去記事

5月10日(月) ※5月12日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨夜、YouTubeの生配信中に「西野さんって、本当に自分で絵を描いているんですか?友達が『一作目からゴーストライターが描いている』と言ってました。自分で描いていることを証明してくださ~い」という面倒臭いコメントが入ったので、ムカムカして、その場で絵を秒速で絵を描いて、才能で黙らせた挙句、「この糞凡人がっ!」的な捨て台詞を残したキングコング西野です。
さて。
今日は『えんとつ町のプペルのグランドデザインと、広告費』というテーマでお話ししたいと思います。
今日は皆様のお役に立つ話ではなくて、次に仕掛けるプロジェクトの全体像と、お金の流れの共有です。
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▼ 仕組み化できていますか?
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マーケティング』の定義は人によって様々で、日米でも違います。
たとえば、アメリカのマーケティング協会では……
「顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値ある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセス」
となっており、
日本のマーケティング協会では……
「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動」
となっていて、マジで最初から最後まで何を言ってるか全然分からんです。
たぶん、この人達はマーケティングが苦手なんだと思います。
難しい話は抜きにして、マーケティングを一言でいうと…
「全員がイイ感じになるように売れ続ける仕組み作り」
…です。もう、これに尽きます。
「売れるから」といって、どこかに(誰かに)負担がかかる設計だと、必ずそこから「ほころび」が生まれて終わってしまうので(例:被災地支援をボランティアでやっちゃうと永続的な支援ができない)、全員に正しく取り分を用意しておくのが「マーケティング」の大前提です。
その上で!
「売れ続ける仕組み」を作ることが重要です。
誰かの影響力に「おんぶに抱っこ」のセールスは『仕組み』とは呼びません。
このあと、西野が急死しても、『えんとつ町のプペル』が届き続ける仕組みを作っておかないと、『えんとつ町のプペル』を絡めたサービスを提供しているスタッフさん(および、そのご家族)は食いっぱぐれてしまいます。
これは、おそらく皆さんにも同じことが言えて……個人のS N Sで集客しているうちは、まだ「仕組み」とは呼ばない方がいいと思います。
現時点では「仕組み化できていない」というハンコを押しておいた方がいい。
えんとつ町のプペル』はジワジワと届いていってはいますが、その結果が出ている理由の内訳には【キングコング西野個人の発信力】が含まれているので、まだまだ「売れ続ける仕組み」は完成していません。
ここを完成させるのが僕の仕事で、実は、もう少しのところまできていると思っています。
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▼ ハロウィンをハックする
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コロナでご無沙汰になっちゃってますが、毎年、ハロウィン時期になると、渋谷スクランブル交差点にはとんでもない数のオバケが集まります。
ピーク時には1日100万人集まるとも言われています。
これ、10年前は無かったんです。
イメージでいうと、「阿波踊りの立ち上げに居合わせている」という感じです。
個人や、市町村や、国が逆立ちしたって到底作り出すことができない、とんでもないエネルギーが生まれ、文化となりつつあるのに、まだ、いろいろ「空いている」んです。
クリスマスは、「サンタクロース」がアイコン席に座り、「マライヤキャリー」や「山下達郎」がテーマソング席に座っていますが、ハロウィンは、まだ席が空いているんです。
ねぶたの時期は青森に飛び、阿波踊りの時期は徳島に飛ぶ、「お祭り好き」から言わせていただくと、こんなことは向こう1世紀は無いと思います。絶対に無い!
国民の恒例行事が生まれるのには、すごい数の「偶然」が重なる必要があるんです。
ということもあって、このサロンでも昔から、何度も何度も「ハロウィンをとるぞ!」と言い続けてきたわけですね。
ハロウィンが舞台の作品を作って、ハロウィンのアイコンさえ獲ってしまえば、ハロウィンは毎年やってくるわけですから、作品は届き続けるので。
この時、「仕組み化」が完成する。
さて。。
先日、このサロン内で発表して、ずいぶんビックリされましたが、『映画 えんとつ町のプペル』は、今年のハロウィン(10月20日〜10月31日頃)に、再び上映する方向で話を進めています(※絶対に内緒だよ!)。
お正月に初詣に行くように、「ハロウィンにプペルを観に行く」といった感じで、映画を行事イベント化することが目的です。
そうすれば、『映画 えんとつ町のプペル』の観客動員数と興行収入が止まることはありません。
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絶対にここだけの話ですが、D V Dの発売も、その時(今年のハロウィン)の映画公開に合わせようと思っています。
映画公開から、まもなく半年になろうとしているのに、『映画 えんとつ町のプペル』のD V Dの話を聞かない理由はそれです。
僕らのような弱小ベンチャーには広告費には限りがあるわけですから、それならば、2回目の映画公開のニュースに合わせて、D V Dの売り出した方がイイ。
映画館で販売できると「映画を観終わった後のお客さんが、その映画のD V Dを買って帰る」という流れができて成功です。
こちらは実現に向けて動きます。
ちなみに、僕の家にはD V Dプレイヤーがありません。
これって、めちゃくちゃイイなぁと思っていて、「そんな僕でも買いたくなるD V Dは?」という発想になるのですが、そうなってくると「パッケージ」しかないんですね。
つまり、僕のように「家にD V Dプレイヤーがない人間」からすると、「インテリアとして機能するD V D」の需要しかないんです。
レトロなレコードジャケットを壁に飾るような。
なので、『映画 えんとつ町のプペル』のD V Dのパッケージは、アナログレコードぐらいのサイズになります(笑)
現在、『えんとつ町のプペル』のハロウィンハックは、そんな感じで進めています。
ハロウィンのアイコンを獲ることが目的なので、今年10月の「2度目の映画公開」の広告宣伝費は (株)CHIMNEYTOWN「持ち出し」でいきます。
ここで、ちょっとイイ話なのですが……
今回の広告宣伝費は「アイコン獲得費用」として割り切り、自分たちで全額出して、「2度目の映画公開」の売り上げは映画の制委員会の皆様で分配していただくつもりでいたんです。
ところが、製作委員会を取り仕切る吉本興業のスタッフさんから「CHIMNEYTOWNさんが一社で身銭を切って広告費を出して生まれた売り上げを、皆で分配する(僕たちがいただく)のは、フェアじゃないので、2度目の映画公開の売り上げは、まずは広告宣伝費を相殺することに回して、それでもし余ったら、皆で分配しませんか?」とご提案いただきました。
いろんな事情がありますから、それが上手くいくかどうかは分かりませんが、その気持ちが嬉しいし、ここでも「マーケティング(=全員がイイ感じになるように売れ続ける仕組み作り)」がおこなわれていて、少しホロっとしました。
パートナーとは、互いにこの関係を築いておくことが、とっても大切だと思います。
ちなみに2度目の映画公開の「上映館数」はグッと絞ります。
興行収入は動員数だけを考えると上映館数は多い方がいいのですが、そんな数字なんかよりも大切なのは、「映画館を勝たせること」なので。
上映館数を増やして、興行収入や観客動員数を稼いでも、得するのは僕らだけ。
お客さんが分散して、1映画館あたりの動員数が少なければ、映画館に負担をかけちゃうので、それはマーケティングとは呼びません。
全員がイイ感じになるように売れ続ける仕組みを作ることが大切です。
現場からは以上で〜す。
 
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