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2021年05月12日のエンタメ研究所の過去記事

5月12日(水) ※5月14日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
「西野さんが今、20代だったら何をしますか?」という質問に対して、「決定権を持ってそうな40代後半世代の人達がハマった漫画を読み漁って、たとえ話の時にその漫画を持ち出して、『おお!アイツは話が通じるヤツだ』という印象を持ってもらって、サクッと出世します」という黒すぎる返事をしたことで有名なキングコング西野です。
さて。
今日は「丁寧に届けきって、次に繋ぐ」というテーマでお話しさせていただきたいと思います。
後半、若干、黒い内容になりますが、僕のことを嫌いにならないでニャン。
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▼ 商品の役割をキチンと把握しておく
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僕は「Voicy」という音声メディアで毎朝10分間、情報を発信しています。
オンラインサロンのように踏み込んだ内容ではなく、朝の支度のB G Mとして聴ける程度のライトな内容です。
冒頭の2〜3分は「活動報告」と称して、「宣伝」をしているのですが、ここでの宣伝に割いている割合が、そのまま「西野が今、売りたい商品の割合」だと思っていただいて間違いありません。
通販番組みたいになっちゃても仕方がないので、「宣伝は2つまで」と決めています。
つまり、「その時、売りたい商品」のツートップを毎朝宣伝しています。
明日からは、そんなことも踏まえて聴いていただけると、また味わい深いかもしれません。
「なるほど、西野は今、この順番で、これを売りたいんだな」と(笑)
さて。
ここから、ちょっと踏み込んだ話をします。
僕と同じように、皆さんもご自身の「商品」をお持ちだとは思いますが……商品を売るには、それなりにコストがかかります。
コストというのは、「宣伝にかかる費用」や、「宣伝にかかる時間」のことですね。
そして、宣伝にかけられる体力というのは無限にあるわけではなく、限りがあります。
Voicyの場合だと2〜3分です。
「限られた費用や、限られた時間を何に使うか?」が宣伝の見せ所だと思うのですが、それを考える際、自分の商品を…
① 「よく売れる商品」
② 「あんまり売れない商品」
③ 「売らなきゃいけない商品」
…の3つに、あらかじめ分けておくとイイと思います。
そして、①〜③それぞれの商品の「役割」を把握しておく。
ザッとこんな感じです↓
① 「よく売れる商品」
→【キャッシュ】を作ってくれる。
② 「あんまり売れない商品」
→【売れるもの】を、【よく売れるもの】にしてくれる。
③ 「売らなきゃいけない商品」
→【機会】を作ってくれる。
それぞれの商品にはそれぞれの役割をがあるんですね。
キャッシュ(売り上げ)を作りたければ、「よく売れる商品」に宣伝にコストをかけるのが一番イイに決まっています。が、話はそんな単純じゃありません。
「あまり売れない商品」にも役割があります。
これは過去にこのサロン内でもお話しした『ジャム理論』や『松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)』で説明できます。
『ジャム理論』というのは「人が決定をくだしやすい【ちょうど良い選択数】がある」というもの。
選択肢が多すぎると、「やっぱりアッチを買っておけばよかった」と後で後悔しそうだから選べないし、
選択肢が少なすぎると、「他の選択肢が無い中、これを買って大丈夫なのか?」という不安がよぎって、選べない。
『松竹梅の法則』というのは「三段階作れば、人は(極端を回避しようとするから)真ん中を選ぶ」というもの。
「あまり売れない商品」の役割は、つまるところ「【売れる商品】を【よく売れる商品】にする為の選択肢の調整」です。
僕は「見せ球」と呼んだりします。
「見せ球」があると無いとでは、売り上げが大きく変わってきます。
そして、三つ目の「売らなきゃいけない商品」の話も忘れちゃいけません。
その名の通り、どうやら「大きな役割」を背負っている商品です。
たとえば、今、僕らの会社のオンラインショップで一番売れているのは『キンコン西野と学ぶ 仮想通貨勉強会』というオンライン勉強会の参加チケットです。
先日、販売をスタートして昨日の時点で【1万1200枚】のチケットが売れていました。
メチャクチャよく売れる商品です。
【勉強会はコチラ↓】
…が、これをどれだけたくさん売っても、数日後には『キンコン西野と学ぶ 仮想通貨勉強会』は終わります。
同時に、もう売り上げを作れなくなる。
刹那的なんですね。
会社の未来のことを考えたら、僕らの会社が「売らなきゃいけない商品」は『絵本』です。
『絵本』から事業を横展開している会社なので。
その時代時代で、『絵本』が認知されていれば、また、絵本を絡めた新しいプロジェクトを立ち上げることができます。
まとめると……
【あんまり売れない商品】で、「売れる商品」を「よく売れる商品」にして、
【よく売れる商品】の売り上げで会社(チーム)を安定させた上で、
【売らなきゃいけない商品】をコツコツと売り続ける…といったところ。
それぞれの役割を把握した上で、それぞれに宣伝コストを割かなきゃいけないんですね。
ここからは、具体的な話をします。
皆様にもご協力いただいたアレに関する経過報告です。
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ドライブインシアターの道が拓ける
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ここ数日のVoicyの冒頭は、ずっと全国5会場で開催される『ドライブ・イン・シアター』の宣伝でした。
連日、宣伝している様子を見て、「販売に苦戦しているのかな?」と思われた方もいると思いますが………まさにそのとおりで、文化としてこの時代に浸透していない『ドライブ・イン・シアター』のチケットを売るのって、結構大変なんです。
ほとんどの日本人の選択肢に「ドライブ・イン・シアター」は入っていないだもん。
当然、「今週末はドライブ・イン・シアターにでも行くかぁ〜」とはならない。
事実、同じ時期に上映されているディズニー作品などはチケット販売に苦戦しています。
…「苦戦している」というよりも、「ドライブ・イン・シアターのチケットの売れ具合は、大体そんなもんだ」といったところ。
黒西野はココに目をつけたわけですね。
「ドライブ・イン・シアターのチケットって、なかなか売れないけれど、プペルのドライブ・イン・シアターだけはよく売れる」となれば、「だったら、〇〇の会場でもやろう。△△の会場でもやろう」となるので。
それを何度か繰り返せば、「ドライブ・イン・シアター」がプペルファンの共通言語となり(プペルファンの皆が認知するところとなり)、プペルファンの週末の予定の選択肢の一つになる。
そうなれば、コロナ禍であろうが、『映画 えんとつ町のプペル』は届き続けるわけで……つまるところ、今回の『映画えんとつ町のプペル×ドライブ・イン・シアター』は【売らなきゃいけない商品】だったわけですね。
だから、売ることがなかなか難しいことを承知で、何度も何度も何度も告知をさせていただいていたんです。
おかげさまで、『映画えんとつ町のプペル×ドライブ・イン・シアター』は全会場で完売。
イオンさんの中でも、「全ての回が事前に完売する」なんてことはは初めてのことらしく、昨日、イオンさんとの会議があり、さっそく、「どんどん仕掛けていきましょう。次は、どの会場でやりますか?」という話になりました。
その会議の中で、「映画館が無い離島の子供達のところにも、ドライブ・イン・シアターという形で巨大スクリーンを持っていって、『映画 えんとつ町のプペル』を届けたいのですが、ご協力いただけますか?」と提案したところ、「もちろん!是非、やりましょう!」というお返事を頂戴しました。
【売らなきゃいけない商品】にキチンとコストを割いて売ったから、「離島の子供達に映画を届ける」という可能性が生まれたわけです。
よく売れるからといって、【よく売れる商品】の販売だけに注力していたら、こうはならなかった。
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コロナ前は「営業」と呼ばれるものがありました。
芸人やタレントや歌手が「客寄せパンダ」として稼働するイベント仕事です。
ところがコロナのによって、全ての「営業」がなくなりました。
リアルイベントで集客することが許されなくなったんですね。
黒黒黒黒西野から言わせると、「コロナ時代の客寄せパンダ枠」がガラ空きなんです。
ここをゴッソリとハックしちゃおう………というのが黒黒黒黒黒野の狙いです。
『映画えんとつ町のプペル×ドライブ・イン・シアター』の当日の様子を1分半ぐらいの動画にして、YouTubeにアップして、その動画の概要欄のトップに、「ドライブ・イン・シアターを地元に呼びたい方の受付フォームのリンク」を貼っておいたら、イイ感じの流れが生まれると思うので、田村さん、あとは宜しくお願いします。
ゆくゆくは「コンビナート」を背景にして、『えんとつ町のプペル』のドライブ・イン・シアターをやって、スクリーンの中と外の境目を無くしましょう。
どんな状況からでも、エンターテイメントを届け続けます。
現場からは以上で〜す。
 
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