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2021年06月03日のエンタメ研究所の過去記事

6月3日(木) ※6月5日以降は『いいね』を押さないでください。
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おはようございます。
昨夜、万が一に備えて「チーターから逃げる方法」について調べた結果、「チーターがいるところに行かない」という結論に至ったキングコング西野です。
さて。
今日は『売れ続ける仕組みを創造する』というテーマでお話ししたいと思います。
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▼ 「見込み新規顧客」と「見込みリピーター」という考え方
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マーケティングの世界では有名な『1:5の法則』というものがあります。
「新規顧客に商品を販売する労力は、既存顧客に商品を販売する労力の5倍かかっちゃうよ」的なやつです。
これは、「新規顧客を獲得する為にかかるコストは、既存顧客を維持する為にかかるコストの5倍かかる」とも言えますね。
僕が実店舗経営者さん(※主にスナックの店主)に、「『S N Sマーケティング』よりも、ご近所マーケティングだ!」と頻繁に言っている理由はコレです。
さっそく踏み込んだ話をすると…【見込み客】は、「見込み新規顧客」と「見込みリピーター」で分けて考えた方がいいと思います。
『S N Sマーケティング』で呼び込むのは「見込み新規顧客」で、
『ご近所マーケティング』で呼び込むのは「見込みリピーター」です。
兵庫県川西市で店を出していて、S N Sマーケティングで「北海道にお住まいのお客さん」にご来店いただけたとしても、そのお客さんが来週、店に来ることなどほとんどありません。
当然ですが、「リピーターになる条件を兼ね備えている人(お店に通えるお客さん)」を掴まえた方が絶対に絶対にイイんですね。
移動が制限されてしまっているコロナ禍なんて尚更。
それでも多くのプレイヤーがS N Sマーケティングに逃げます。
理由は分かります。
S N Sマーケティングだと、フラれたことが明確に可視化されないので、フラれた時の精神的ダメージが少ない。
一方で、リアルに声をかけてフラれた時の精神的ダメージたるや。
ほとんどの人が、そこで傷付きたくないから、『S N Sマーケティング』に逃げるわけですが…どっこい、その先に待っているのは地獄の自転車操業です。
北海道からのお客さんをお迎えした翌日は、本業に充てる時間を削って、また新規顧客の獲得に精を出さねばなりません。
だからと言って「新規顧客なんて取りにいかなくてイイ!」という話ではありませんが、
「見込みリピーター」を取りに行くことの方が大事なのは間違いありません。
優先順位の話になりますが、商品は「リピーターに買ってもらうには?」を一番に考えた方がいいでしょう。
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▼ 売ることを考えるな。「売れ続ける仕組み」を創造しろ。
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作品(商品)の宣伝会議に参加すると、大体、「どうやって売るか?」という話になります。
しかし、作品(商品)を売ったところで、売れ続けなければ、また、こうして宣伝会議を繰り返して、宣伝コストを割き続けることになります。
したがって僕らが向き合わなくちゃいけないことは、「作品(商品)を売ること」ではなくて、「作品(商品)が売れ続ける仕組みを創造すること」です。
正しい宣伝会議のテーマは、「どうすれば売れ続けるか?」。
これに尽きます。
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【例】
『どうすれば絵本が売れ続けるか?』
→国内外で個展を開催して、出口で「おみやげ」として販売する。
→子供支援のサブスクの「支援アイテム」にする。
『どうすれば映画が売れ続けるか?』
→作品と季節を絡めて、行事イベント化して、毎年上映する。
→ドライブ・イン・シアターに落とし込んで、「単発の集客装置」として施設(団体)に提供する。
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宣伝会議の際の僕の口癖は「売ったところで意味がないよ」で、
基本的に僕は「売れ続ける仕組み」を創造します。
今、CHIMNEY COFFEEのカフェオベースがよく売れているそうですが、カフェオレベースを売るだけだと意味がなくて、カフェオレベースが売れ続ける仕組みを創造しないといけません。
僕個人の話をすると、「売れ続ける仕組みを創造しないと、西野の時間を宣伝に割き続けることになるので、西野が新しいチャレンジを始められない」という問題があったりします。
なので、絵本にしても、映画にしても、売れ続ける仕組みを創造するようにしています。
そんな西野が次に抱えている宿題は(まだ内緒ですが)『映画 えんとつ町のプペル』のD V Dです。
実は今、コッソリとD V Dを制作しているのですが(まだ内緒だぞ!)、まもなく始まるD V Dの宣伝会議で、必ず「どうやってD V Dを売っていきましょう?」という話になると思います。が、D V Dを売ったところで仕方ありません。
これだけ繰り返して言うと、もう、お分かりですよね?
「D V Dが売れ続ける仕組み」を創造することが重要です。
で、「D V Dが売れ続ける仕組みって何があるかなぁ?」と考えてみたのですが……結論としては「ドライブ・イン・シアターの出口で『おみやげ』として販売する」がありそうです。
そのことを確かめたくて、先日、ドライブ・イン・シアターに行って来たのですが、上映開始まで結構時間があるんですね(車をイイ感じに並べる時間)。
ただ、上映開始までの時間というのは全然退屈じゃなくて、車の中で食べる「おやつ」やら何やらをイオンに買い込みに行ったりするんです。
ドライブ・イン・シアターは、そんなのも、ひっくるめて(イベントとして)楽しいんです。
「映画館で観る映画」と「ドライブ・イン・シアターで観る映画」って全く別物なんですね。
後者は明らかに体験(イベント)で、「家族や友達や恋人と車の中に籠って、映画を観る」というのが、やたら楽しい。
綺麗な映像や、綺麗な音を楽しみたかったら、そんなもん、映画館で観た方がいいに決まってるんです。
………ということもあって、ドライブ・イン・シアターは「今度は、綺麗な映像や、綺麗な音で楽しみたい」という需要が生まれる場所だと思います。
(可能であれば「上映後」に買えた方がイイんだけれど…)ドライブ・イン・シアターの会場でD V Dを販売すれば、ドライブ・イン・シアターを続ける限り、D V Dが売れ続けるでしょう。
絵本を「個展会場のおみやげ」とした打ち手の、転用(D V D版)ですね😁
ありがたいことに、『映画 えんとつ町のプペル』のドライブ・イン・シアターはベチャクチャ好評で、またまたまたまた追加上映が決定しました。
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《追加上映決定!!》
6/12(土)イオン大井
6/18(金)イオン板橋ショッピングセンター
6/18(金)イオンモール筑紫野
6/19(土)イオンモール佐賀大和
6/19(土)イオン市川妙典店
6/20(日)イオンモール佐賀大和
【チケットはコチラから】
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昔から応援してくださっている方はご存知だと思いますが、絵本『えんとつ町のプペル』を「個展会場のおみやげ」として打ち出した時に、「『えんとつ町のプペル』は必ず100万部売れます。あとは時間の問題」という話をさせていただきました。
刹那的にバズるよりも、少しづつでも10年間売れ続けることの方が遥かにリターンが大きい。
きっと、これは全てのサービスに当てはまることだと思うので、一度、ご自身のお仕事に置き換えてみてください。
今日は『売れ続ける仕組みを創造する』というテーマでお話しさせていただきました。
現場からは以上で〜す。
【追伸】
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